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死のティータイム

d-2。少し小綺麗な町並みが特徴的なエリアである。中でも、一軒のデパートが一際目を引く。恐らくはこのデパートもいずれは殺し合いの舞台となるのだろうか。
魔法少女巴マミは、内部にある喫茶店で紅茶を飲んでいた。
端から見れば、暢気だとか現実逃避だとか思われるかもしれないが、それは違う。人間とは、自分の安らぎを得ることで普段より集中して物事を捉えられるようになる。
彼女にとってはそれが紅茶だっただけの話だ。

「(暁美ほむら……注意した方が良いかもしれないわね)」

『一周目』のマミは暁美ほむらと協力して魔女退治をしているのだが、彼女の時間軸ではほむらが鹿目まどかに固執したため、ほむらとは実質的に敵対していることになる。
彼女の真意など露知らず、マミはただ警戒心だけを強めていく。
もっとも、魔法少女としては彼女の方がベテランで、魔法の才能もほむらを優に超えている。ある程度ほむらがイレギュラーな力を行使してもそれなりには対応できる自信があった。
もう一度名簿に視線を落とし、眉をひそめた。

『鹿目まどか』の名前が、マミの脳内を埋め尽くしていく。
まどかは孤独な戦いを繰り広げてきたマミの初めての『仲間』だ。


魔女シャルロッテの戦いの最中、とどめを差そうとした瞬間に召還されたので、まどかがあの場所に取り残されていないか不安だったが、いざ名簿に名を見つけると、不安は何故かより大きくなっていった。
まどかだけではない。美樹さやかもあの結界に置き去りにしてしまった。もう遅いかもしれない。ただ、さやかが魔法少女になってシャルロッテを倒していることを祈ることしかマミには出来なかった。

「情けないわね…可愛い後輩を守ることも出来ないなんて」

自嘲的な笑みを浮かべると、マミは行動を起こすために席を立ち上がった。
紅茶をわざわざ片付ける辺り、やはり彼女には極限の状況にもわずかな余裕が見られた。しかし、彼女は知らなかった。いや、心のどこかで否定したかったのかもしれない。
主催者は『こっくりさん』ーーーー彼女は知能を持った魔女だと判断したのだが、それはミスリードである。こっくりは正真正銘の『狐神』なのだ。
同時に、名簿にある『人ならざるモノ』の名称もまた、魔女ではない。
いや、それはある意味魔女よりも数段恐ろしい『異形』の存在ーーーーーーーー。


「ケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタ!!」


かしゃん、と音を立てて紅茶の入っていたカップが床に落ちて割れる。
突如響いた甲高い笑い声に、マミの背筋が凍り付いた。
そして悟る。これは魔女などではない。本物の化け物だーーーーー。

服が変わっていき、その手にマスケット銃が握られる。魔法少女としての巴マミは今までに無い明確な恐れを抱きながら、笑い声に銃口を向けた。
心臓が止まりそうになる。マミが見たのは、三本の足で不気味に歩く「リカちゃん人形」の姿であった。両手にはメスがあり、笑い声を響かせながらマミに迫る。
マスケット銃から弾が吐かれるが、人形はふらふらした足取りでかわし、三本の足による考えられないような速度でマミに迫っていく。
歯がかちかちと鳴る。その場にへたり込めば楽になれたかもしれないが、それをしなかったのは『仲間』であるまどかにもう一度会いたかったからだろうか。

「ァッ」

人形の足の一本が吹き飛び、か細い悲鳴をあげて人形が吹き飛ばされた。
射撃があった。それもかなり正確なレンジでの射撃が。

「お嬢さん!とりあえず逃げるのが得策っ!」

小柄な男だったが、まずマミよりは年上だろう。その手にあるドラグノフ式狙撃銃の持ち方から、軍人かミリオタか。


ただ、声に従って走った。恐怖も背中を押し、今ならどこまでも走れそうなくらい。
残されたのは、二本と半分の足を奇妙に躍らせながら前に進む人形のみ。
"それ"はマミたちを追う。まだ、恐怖の夜は終わらないーーーーー。

【深夜/d-2】
【リカちゃん】
基本:皆殺し。
1:マミ達を追いかけて殺す。


「間一髪、ってとこですかな」
「はい…あの、本当にさっきは有り難う御座いました」

ミリオタにして、『NEET探偵事務所』の一員。先ほどの射撃精度も、どれだけ銃に触れてきたかによるもので、間違っても軍隊で鍛えたりはしていない。
彼の名を向井均といった。

「私は巴マミといいます。殺し合いには乗っていませんが…あれは何だったのでしょうか?」

ストレート過ぎたかな、とも思ったが聞かずにはいられなかった。聞くことで、少しでもさっきの得体の知れない怪物を説明できるかも知れないという期待があったからだ。
しかし向井は首を振り、『それは僕の仕事じゃないんですがね』と前置きした後、話し始めた。探偵事務所の一員として調査をしている時にあったことから行われる考察を。

「この世には、ああいう化け物が確かに存在する……」


誰もそれを笑い飛ばすことはできないだろう。
向井自身も、わずかにおびえるような素振りを見せたが、すぐにマミに向き直る。

「きっとあれは追ってくる…だから、僕らはあれを始末するしかない」
「…やるしかないですよね。私も、少々人とは違う力を持っていますから」

ドラグノフ式狙撃銃とマスケット銃。どこか人とはずれた二人は、真の意味で人とは違う存在を討つ為に、もう一度戦いの場に赴くーーーー。

【巴マミ】
基本:殺し合いには乗らない。
1:あの人形を破壊する。
2:鹿目まどかを守る。
※魔女シャルロッテに殺される直前からの参加です。

【向井均】
基本:殺し合いを終わらせる。
1:あの人形を破壊する。
2:アリス(紫苑寺有子)を探して保護する。
※一巻終了後からの参加です

『』 投下順 翼神のYELLOW
GAME START リカちゃん [[]]
GAME START 巴マミ [[]]
GAME START 向井均 [[]]

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最終更新:2011年08月01日 19:51
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