桐山和雄。
天才。
異常。
化物。
人外。
彼はとある世界では無情な殺人に走った。
彼はとある世界では慈悲ある主催打倒に走った。
彼はとある世界で、とある者を守り、守り、守り?
守ったのか?
護っただろう。
護ったはずだろう。
守れずとも、護った。
護ったけれど、守れなかった。
だが、そこに何があった?
『守ろうとした者を生き返らせる』
ここに何があった?
純粋な服従だったのか。
純情な愛情だったのか。
純朴な敬意だったのか。
分からない。
その彼は死んだから。
その彼は亡くなった。
ここにいる彼は全然別人。
修学旅行中のバスの中で眠らされてから、目が覚めたらここにいた彼とは違う。
違う。
何もかも違う。
ここには、守りたかったものはいる。
守り《たかった》。過去形。過去を表す言葉。
ようは今現在は違う。
それにあくまで創作の範囲内。
違う。
あまりにも。
だから。
だからだから。
だからだからだから。
だから、そのコインは煌いた。
◆8nn53GQqtYが目を覚ましたのは、森の一角。
「…………私は誰?ここはどこ?――――なんちゃって。………半分ぐらい」
自分の名前は思いつかない、代わりに思いだせるのは◆8nn53GQqtYという記号のみ。
場所も見覚えがない。当たり前の話だが。
「………まさかなぁ、いや悩んでいても仕方がないか。―――――――――ふむ」
◆8nn53GQqtYは名簿を見直す。
やはり目を見張るのは、この謎の記号の集合体、いわいる《書き手》と呼ばれる方々。
◆8nn53GQqtYもその一員だ。
「だけど信用できるとは限らないけどね」
信じたい。けれどそれ以上の不安もある。
不安だ。不安定だ。
一人は無論耐えがたいものではないし、だからといって適当に拾った駒をそばに置くのも頷けない。
「けど強いて言うならYR氏なら信用してもいいのかな?」
付き合いは長い。
長いだけに無条件で信用や信頼は付いてくる。――――逆にそれをつけこまれる可能性も否定はできないけれど。
それに彼は、今のところ創作の範囲内では、毎回生き残るという謎の幸運に安定の対主催をやっている。
急いで探すほどでもないけど、頭の片隅にいれておいて損はないかもしれない。
◆8nn53GQqtYはなんとなくそう思った。
「で、だ。………二次元キャラが私たちと同じ空間にいるなんてツッコミはさておいて、信用できる奴はどいつかな……」
◆8nn53GQqtYは名前しか書いていない名簿に刺々しい視線を浴びせる。
一回と。二回と。三回と。
結論は決まらない。決まらなかった。
「このまどか勢と同じ名前を騙る連中を仮にまどかたちと想定して、安定して信用できる人物は――――――――――いないなぁ」
「西尾作品の連中は問答無用で信用しないでおこう。命を賭けるにしては危険すぎる」
と、順番に結論を出して行って、辿りついた結論は……。
安定して信用できる人物。
七原秋也、川田章吾、苗木誠、ゴールド、レッド、坂田銀時、志村新八
とのことだった。
ちなみに、ゴールド、シルバー、レッド、グリーン、オーキドのことを若干別人物と誤変換されているようだが、
あまり関係ない勘違いかもしれない。
「はぁあ……DOLの桐山でもいればなぁ………気は凄く楽なんだけど」
と。
噂をすればなんとやら。
「ん?呼んだか。そこのお前」
「――――――――――――――――ッ!!」
桐山和雄の姿が、◆8nn53GQqtYの背後にあった。
それがごく当り前であるかのように。
これはやばい。
◆8nn53GQqtYは本能的にそう察知する。
「………人違いじゃないかい?どこかの誰かさん」
「いや、桐山は俺の名前だ。名簿を見りゃわかると思うが、桐山和雄っつーのが俺の名前だな」
◆8nn53GQqtYはいまさらながら警戒を怠らない。
◆8nn53GQqtYは知っているのだ。
この桐山和雄という人物を。
生き方を。
殺め方を。
2分の1の確率で、乗っていない。
2分の1の確率で、乗ってしまう。
今回はどっちなのか。
どっちに傾いてしまったのか。
神はどちらにねじ向けたのか。
嫌な情報としては、この桐山の顔は漫画での顔と瓜二つだった。
つまり本物。
本物になっている。
ここでイコール関係を表すのも短絡的だが、疑うところでもない。
今さら三次元で再現されていることに驚かないし。
そもそもの話、そんな暇すらない。
忙しい。
ひたすらに忙しい。
今の自分の心情を察せないために、忙しい。
「なぁ、名前を言ったんだ。だったらお前も名乗るのが普通の常識ってやつじゃないか?
それ俺は興味があるんだ。お前にな。だってそうだろう。いきなり俺の名前を当てやがったんだぜ?
それが偶々の偶然だとしても、運命的だと俺はおもんだよ。というわけで名前を聞かせてくれないか?」
その台詞はどう受け取ればいいのだろう。◆8nn53GQqtYは思考する。
自分が知る限りでは、自分が知る桐山と比較して、この桐山を見定める。
桐山は殺す相手にこんなにも自分を晒すことがあっただろうか?
確かに、一番最初、仲間を殺す際に喋っていたことはあった。
だがそれ以外でぱっと見張る喋る―――というより会話をするシーンは見当たらない。
なら、これは乗っていないのか?
その考えが頭に過って…………
「8nでいいよ」
「◆8nn53GQqtYってのがお前か。なるほど、なるほど」
このまま、平和的に終われ。◆8nn53GQqtYは願う。
だけど。
「わかった。なら、死ねよ」
その男は、銃を懐から差し出して、◆8nn53GQqtYの胸元に当たる。
女性特有の柔らかな胸を潰して、零距離………いや、マイナスの距離を保ちつつ、
まるで冥土の土産の如く、桐山は◆8nn53GQqtYに話しかける。
「―――――――――え?」
「いや、てめぇみたいな予言者の仲間が他にいるのであればそいつらは要注意としておきたかったからな」
「なぁ…………!」
「けど、案外分かりやすい名前で助かったよ」
◆8nn53GQqtYは否定しない。
確かに分かりやすいだろう、こんな名前。
(おしまいなのか?こんな早く?嫌だ。いやだいやだいやだ)
だからこんな言葉も自然と出た。
「止めてくれよ」
無駄だと悟っている。
桐山は、コインの結果を変えることはない。大抵は。
だけど生きたい。
死にたくない。
終わりたくない。
「終わりたくないんだ」
「それは無理な相談だな」
あぁ、そうなのか。
もう無理なのか。◆8nn53GQqtYは諦めた。
身体の力は自然と抜け、へなへなと膝もとから崩れ始め、ぺたん、と座り込んでしまう。
「………まぁいいか」
桐山は引き金を引こうとする。
引き金と指が触れあう。
力が入る。
少し動く。
(―――――――あぁあ神様って残酷だよね)
思わず、いや自主的に◆8nn53GQqtYは目を閉じる。
閉じて、待つ。
轟音が響くのを。
胸が撃たれるのを。
静かに待った。
―――――――――1秒。
―――――――――2秒。
―――――――――3秒。
「魔人拳!!」
だから、信じれなかったのだろう。
目をあけると、目の前に英雄が現れたのだから。
桐山のものではない、真紅の短髪を振りみだし、手には洞爺湖と書かれた木刀を握り、彼女の前にはルークがいた。
蒼い拳撃が、まっすぐに、直線に、狙うかのように、否、桐山を狙いその拳撃は放たれていた。
「大丈夫か、あんた」
「―――――――――――――あ、」
「お~い……。気は確かか~!」
「いや、大丈夫じゃないけど」
「じゃあちょっと待ってろ」
まだ桐山は目前で銃を構えていた。
無論、その銃を降ろすことはなく。
「まぁ、じゃあ一緒に死んでくれ」
撃った。
容赦無く。
芸術性などそこには無く。
ただ、無残に破壊するだけで。
これも同じように、まっすぐに、直線に、狙うかように、否、ルークを狙い銃撃は放たれていた―――――が。
「岩斬滅砕陣!」
ルークは木刀を構え、振りかざし、地を叩く。
地は隆起し、岩の欠片がまっすぐと飛ぶ。
銃弾が、その岩々の塊を砕くことは叶うことはなく、静止し地へと落ちた。
異能バトル。
これをそうと言わず何と言おうか。
◆8nn53GQqtYははっきりと言わずとも動けなかった。
腰が抜けたまま、ぺたりと座り込んだまま、動けない。
「おい、あんた。いくらやったって無駄だぞ。銃ならリグレットでもうコリゴリだからな」
「―――――――――ッチ」
桐山は退いた。
敵わない、というか面倒な相手に無下に構って行くほど桐山は馬鹿じゃない。
何よりも銃弾がもったいない。
それをルークは追いはしなかった。
「―――――――で、大丈夫だったか」
「あ、あぁ。…………助かったよ」
「俺の名前はルーク・フォン・ファブレだ。あんたは?」
「◆8nn53GQqtYだ。よろしく」
「あぁ、よろしく」
◆8nn53GQqtYはようやく重い腰をあげ、ルークと目線を同じ高さにした。
「で、桐山――――――さっきの男はもう懲らしめないでいいのか?」
「………俺は
もう二度と誰も殺さねぇよ。そしてジェイド達にも、認めてもらうんだ」
「贖罪の旅なのかい?」
「いいや、ただの自己満足の旅だよ。俺が贖罪して現実が代わる程甘くないんだ」
◆8nn53GQqtYは一先ず安堵した。
このルークは断髪後――――――――改心後のルークだ。
断髪前のルークだったなら扱いが困る話だが、こちらならさほど問題がない。
「じゃあ手始めに守ってくれよ。私のこと」
「……まぁいいよ。まずはそこからはじめよう」
「というわけでよろしくね、ルーク」
「おう、………8n」
【一日目/深夜/A-8 森】
【◆8nn53GQqtY@非リレー書き手】
[状態]健康、精神疲労(小)
[装備]
[道具]KS×1、RS(1~3)
[思考]
基本:生き残る、今のところ殺人には乗らないが場合によっては殺す
1:ルークといる
【ルーク・フォン・ファブレ@テイルズオブジアビス】
[状態]健康
[装備]洞爺湖@銀魂
[道具]KS×1、RS(0~2)
[思考]
基本:誰も殺さない。この計画を潰す
1:◆8nn53GQqtYを守りつつ、仲間も探す
[備考]
※断髪後から、ガイに会う前からの参戦です
「………続けるか」
桐山は、もう一度銃を握り締める。
一度決めた道を、変えることはなく修羅の道へと歩んでいく。
とある世界で殺された因縁の相手でも。
とある世界で護った運命の相手でも。
この男は殺してしまうだろう。
【一日目/深夜/A-8 森】
【桐山和雄@バトルロワイアル】
[状態]健康
[装備]ルガーP08(残り7発)@学園黙示録
[道具]KS×1、RS(0~2)
[思考]
基本:基本的に全員殺すが、無理をし過ぎることはしない
1:とりあえず歩く
最終更新:2011年09月20日 17:20