SSS(すげー ショート ストーリー)
デジャブって、起こるんだなぁ。
そうぼんやりと俺は思った。
おおう………。
夢オチかと思った。
ていうか夢オチにしておけよ、そこは。
なんでハルヒとキスしたことは夢オチになって、
この悪夢は夢オチにならないんだよ。そんなに俺をいじめて楽しーのか、オイ!
「………っぃて。っち、何の冗談だ」
気付いたら、ここにいた。
頭ごと回し、辺りを見渡すと、そこには木々しかなくて。
いつもの活気賑わうとまでもいわないがそこそこ繁盛している住宅街の姿は無かった。
そうなると勿論俺の家もその巻き添え食らって俺の視界に入ることはなかった。
溜息が出る。
愚痴が出る。
欠伸が出る。
おいおい………。
これも例の如く、《涼宮ハルヒの願望》なのか?
と。
考えたところで、それはあり得ないな。
第一ハルヒが、そんな事を望む訳がないだろ。
今の生活に満足して、幸福(プラス)に生きていたはずだ。
時々、満足いかなく例の《力》を使うことこそあるが、こんな悪趣味なことはやらなかった。
人の死。
それに立ち会ったことは、勿論ない。
あってたまるか。
「じゃあ、…………何故俺たちは解放されない?」
そうだ、これを望んでいないのなら、もうハルヒは元の生活に戻りたいと願っているはずなんだ。
願ったら、その通りになる。その《力》は本物だ。
俺はその《力》を、何度も、何回も、何遍も、好きでも、嫌でも、無関心でも、見てきた。
だから……………少なくともあいつの《力》については、最低限分かっている。
あいつの気持ちに関しては、本人と、精々《機関》、古泉しか分からない。
だけど、こんなことを望むはずがないってことぐらい、俺は分かる。
でも、だけど、だったらどうして。
俺は元の居場所に。
皆は元の居場所に。
「まずは…………皆を探すか」
せめて長門は見つけなければいけないな。
いや、ここは欲を言って皆と合流する。
強情なハルヒだって。
臆病な朝比奈さんだって。
冷静な長門だって。
誰一人欠けることのなく。
誰一人悲しむこともなく。
そして帰るんだ。
そう、望んでいるんだろ? ハルヒ。
SSS(それは 信じるに似合わない 誘い)
「死んだ世界?」
「そう、ここは死んだ世界よ」
あぁ、あぁ。マイクテスッ。
聞こえてますか。
粗筋のお時間だ。
俺の名前は――――――――って言ったところで
分かんないと思われるから、この不適切な名簿通りで行くならキョンでいいや。
ていうかこの名簿って本当よく分かんねえ。
さてはて、というわけで俺は今、この朝比奈さん宜しく、未来調査団の計画に巻き込まれ
動き出すか、ってところでこいつが話しかけてきた。
本当に粗いな。
……………。
はぁ―――やれやれだ。
「あんた覚えてないの? まぁでも不思議なことじゃないわ、安心して」
「お、おい………仲村」
こいつの名前は、仲村ゆり。
『SSS(死んだ世界戦線)』のリーダーであるとのこと…………。
うん、訳分かんないな。
なんだ、SSSって。スイートクラス気分ですか、そうですか。
と、と。冗談言ってる場合では無かった。
「じゃあ、説明してあげるわ、キョンくん。まずあなたは死んでいる」
お前はもう死んでいる、ってか。笑えねえ冗談だ。
………誰かこいつに劇薬を用意しろ。今すぐに。
おーい、どなたかこの中に医者はいませんか。ブラックジャックはいらっしゃいませんか。
「………いっておくけど本当よ。なんだったら今からあなたを殺して証明してあげましょうか?」
「止めてくれ」
こんな恐怖はあれだ、朝倉が襲ってきたとき以来だ。
こいつもあいつと同じで、殺すという行為に、何ら感情を持ちあわしていない。
どういうことですか。
俺の周りにはなんでこうも殺人鬼紛いの奴がついて回るんだよ。
で、このハルヒに似て非なる生物、仲村ゆりは、ここを死んだ世界と称する電波だったとさ。
いや、まぁ電波度で言ったらハルヒの方が大きく上回るが、あいつはそれに担う《力》をもっているからめんどくさいんだ。
こっちはまだマシだよな。
…………。まあな、俺もいい加減感性が壊れてきたな。
こいつの言っていることにそんなに驚かなくなってきている。
死んだ世界に俺がいる、だぜ。それを驚かなくなるってどういうことだよ。
しかしこれも何かの縁だ。
確かに殺すことに、抵抗はなくても特別敵意を放っているわけでもなさそうだし。
話してみることにしよう。
「いい子ね」
「…………」
「…………」
「…………え? それだけかよ?」
「ええ、そうね。まぁ本当に言いたいことはこれからだけど、
概ねあなたの今の状態を表すのはこれで十分だと思うわよ。ここまでに異論は?」
異論と言われてもだな。
第一、俺は昨日までの記憶ははっきりと残っているんだが、これはどういうことなんだ?
でも、こいつもウソをついているようには見えないんだよなぁ。
こっちに関しては俺の勘だが。
「なぁ、本当に本当に俺は死んだのか。今なら冗談で済ませてやるから」
「だ・か・ら、あなたは死んだの………えーと」
「…………名簿で言うとこのキョンだ」
「あたしのあだ名とどっこいどっこいね。あ、気にしないで。で、信じるの。信じないの?」
………まぁ、ここは死んでいるということにしよう。
まぁ、ハルヒが現れてからというもの、俺はいつ殺されてもおかしくはないような感じになってしまったからな。
ここで、変に否定して不協和音になるのも避けたいところだ。
全ての話を聞いてから、決めてみようと思う。
「あぁ、信じる。覚えはないが死んでいるんだな」
「そう、なら話すわよ。ここが重要でね、あたしだってよく分からないのよ」
「落ち着け、俺はそう言う異常事態ってのは、結構もう慣れてるんだ、今さら―――――――」
「この世界で、死ぬことはない」
「――――――――驚くこともあるな」
「でしょう」
………いよいよ精神科を呼ぶべきか。
とは言ったものの、勿論携帯なんて便利アイテムは没収され、抗うことも許されてないんだがな。
しかし…………どうしたものか。どう見るべきかな。
俺は、何なんだろう。
「さて、今あなたに残された道は二つ。あたしを信じて、あたしと行くか、
あたしを信じず、あたしに一旦殺されて、別れるか。べつにあたしはどっちでも構わないわよ」
「…………」
むぅ、困ったことになったぞ。
まぁでも、ここは迷うまでもないよな。
「俺はお前を信じよう」
「そう? まぁいいわ。じゃあいっしょに動きましょう」
………まぁ、詳しい話は後で聞こう。
今は仲間が欲しい。
最長門がいるから、何とかなる。――――――なんてくだらない幻想かもしれないが、
俺はそう思っている。
が、そこまで辿りつけなければ意味がないだろう。
まだ確認すらしていないが、この重たいディパックの中に銃が入っていたとしても。
俺はそれを撃てない。
甘い? 知るか。
弱い? 知るか。
惨め? 知るか。
何だっていい。俺はきっと、銃なんか撃てない。
技術云々のことでは無く、気持ちの問題として撃てない。
でも、俺は生きたい。
死にたくない。
でも、殺したくない。
誰も死なせたくない。
永遠と延々と。
巡り巡る無理難題。矛盾螺旋。
「なんか、納得いってない顔してるけどまぁ良いわ。追々身をもってここが死んだ世界ってことに気付く訳だし」
「………………、そうか」
「そうよ、今まで皆。そうしてきたもんね」
皆とは誰のことだろう。
無論、死んだ人たち。
「じゃあ、そんなわけで、一応質問の体勢を取ってあげるけど、ほぼ命令よ」
「キョンくん。あなた、SSSに入らない?」
デジャブって、起こるんだなぁ。
そうぼんやりと俺は思った。
「あぁ、まぁいいよ。これも何かの縁ってことでさ」
こうして俺はとりあえずSSSとやらに入った。
仲間はいたほうがいいからな、おもに俺の心情的な意味で
やることなすこと、ハルヒに似ているな。なんて思ったが触れないでおこう。
【一日目/深夜/F-7 森】
【キョン@涼宮ハルヒの憂鬱】
[状態]健康
[装備]
[道具]KS×1、RS(1~3)
[思考]
基本:生きて帰る
1:皆を探そう
2:仲村と行動
【仲村ゆり@AngelBeats!】
[状態]
[装備]
[道具]KS×1、RS(1~3)
[思考]
基本:?
1:?
最終更新:2011年09月22日 21:19