――――神楽ちゃんが、死んだ。
最後まで
殺し合いに逆らい続け、あまりにも無惨に、あまりにも悲しい最期を迎えた。
肉を撒き散らして、もう『神楽ちゃん』であったモノは跡形も残っていない。
僕は、今まで恵まれていたのかもしれない。
万事屋の主人の銀さんに、それこそ神楽ちゃんみたいな、苦楽を共にできる家族同然の仲間が居た、たったそれだけで僕は恵まれていたんだ。恵まれすぎていたくらいに。
「ふざける、な」
本当に本当に大切な人が死んだときには、流す涙も枯れ果ててしまうと初めて知った。
僕は、志村新八は、涙も流せずにただ立ち尽くすだけ。
銀さんや土方さん、沖田さんも同じ思いをしているのだろうか。
みんないい人だから、きっと怒ってくれるだろう。
「ふざけるなァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
良いよね。僕も、『怒ったって』良いよね?
神楽ちゃんの無念の思いを考える度に、思い出したかのように激しい怒りが沸く。
腸が煮えくり返るとはこういうことをいうんだろう。
「―――古戸ヱリカ。お前は僕が必ず斬ってやる」
斬る。僕は紛いなりにも剣術道場の跡取りだ。『殺す』のではなく『斬る』。
僕は支給品に手を伸ばす。その鋭い手触りは僕の指の薄皮を裂き、僅かな痛みの後に少しばかりの血が出始める。何の偶然だろうか。それは真剣の刀だった。
説明書きには『宝具・物干し竿』と書かれている。
アサシンとか、サーヴァントなどよく分からない言葉があったけれど、気にしない。
物干し竿を手に持つ。
その光る刀身は何者さえ切り裂く光沢を放ち、僕の闘志に拍車を掛ける。
でも。次の瞬間には、僕の頭に冷たい何かが押し当てられていたんだ。
■
新八の頭に突きつけられるのはM1ガーランド。引き金一つでいつでも彼を殺せる状態。
背後に立つ髪を三つ編みにしたジャージの少女は、慣れた口調で新八に言う。
「命が惜しいなら動くな。動けば君の命は一瞬で尽きるよ」
「君は……まさか」
殺し合いに乗っている相手なら最悪だ。いくら剣の腕前が高い新八でも、この状況から行動を起こすのはリスクが高すぎる。頭を撃ち抜かれるかもしれない。
少女は新八の危惧を読みとったのか、声色を少し和らげて彼に質問する。
「君、殺し合いには乗ってるの?もしそうなら、ここで君を殺さなきゃいけない」
「僕は――――絶対、殺し合いなんかしない」
迷いなどない。ただ毅然と新八は自分の言葉で言い放った。
背後の少女がため息を吐き、ゆっくりと銃を下ろす。
新八が振り返ると少女はばつが悪そうに笑い、新八の方を見て言った。
「あたしは阿万音鈴羽。……にゃはは、ごめんね。あたしいつもの癖でさ」
いつもの癖?新八は僅かに違和感を抱いた。
それを彼はすぐに些末なことだと切り捨てたが、それもまた正解である。
『大江戸の志村新八』には『タイムトラベラー・阿万音鈴羽』に届けない。
知識の壁は、時に努力で乗り越えられないのだ。
「……僕は、志村新八。宜しく、鈴羽さん」
うむ、と笑顔で首を縦に振り、鈴羽はデイバックからお菓子の箱を取り出す。
中のポッキーを一本取り出すと新八に差し出し、
「食うかい?」
「それ別のアニメですよ鈴羽さん」
馬鹿馬鹿しいやりとりの後に、新八は鈴羽に自分の周囲のことを話し始める。
その時、鈴羽の表情が確かに強ばった。
「世界線が大きく違う――――ねえ、志村新八の世界にはSERNは居たの?」
「せるん?」
SERNは存在しないのか、と鈴羽は興味深げに呟き、新八に向き直った。
「志村新八。あたしは――――2036年の、未来から来たんだ」
未来。それは確かに阿万音鈴羽の真実だった。
阿万音鈴羽の正体は『タイムトラベラー・ジョンタイター』。
SERNに反逆するレジスタンスの人間にして、彼らを憎む者。
世界線。タイムマシン。ディストピア。人工衛星。Dメール。ダイバージェンス。
未来の知識を得た志村新八は、何を思うのだろうか。
【深夜/B-1】
【志村新八@銀魂】
[状態]健康
[所持品]物干し竿@Fate/stay night
[思考・行動]
0:殺し合いを潰し、主催者を斬る。
1:未来…?
※参戦時期は不明です
※未来の知識を得ました
【阿万音鈴羽@STEINS;GATE】
[状態]健康
[所持品]M1ガーランド@現実、杏子の菓子@
魔法少女まどか☆マギカ
[思考・行動]
0:殺し合いには乗らない。
1:岡部倫太郎たちを探す。
※橋田が父親だと知った後からの参加です
最終更新:2011年09月17日 22:06