『女神』エルルカ=セルフィーネ。
天津目夜光に支配された世界において、彼女だけが『レジスタンス』の希望である。
容姿端麗・頭脳明晰。非の打ちどころを見つける方が難しいほど。
彼女が希望と称される理由。それは即ち、彼女のみが解読できるとあるパスワードが設定された、世界最強の暗殺兵器『空蝉』の存在である。
光にも届く速度で、無数の小型衛星が対象の肉体をレーザーにより撃ち抜く。
天津目夜光は核シェルターのような建物の中で過ごしているが、意味は無い。
マントルに到達し得る威力の攻撃を防ぐ手段などは無いのだから。
彼女の父は戦争地域に兵器を販売する職に就いていた。
名をグリモア=セルフィーネ。世界最悪の戦争屋と呼ばれた男。
エルルカが彼とまともな会話をした時間は13年間で一時間に満たないだろう。
そして、グリモアと会話することはもう叶わない。
グリモアは天津目夜光に反旗を翻し、ありったけの財力で兵を雇った。これが反乱勢力『レジスタンス』の始まりだ。しかし、審判団の前に戦況は伸びず仕舞い。
グリモア=セルフィーネ討伐部隊の到着も近づく中、彼は最期にエルルカを呼んだ。
彼が託したのは彼にしか解読不可能な暗号の解。
そして、彼は最期にエルルカに『父親として』の言葉を託した。
『生きろ、エルルカ。父さんは、お前を愛していた』
直後。グリモア=セルフィーネはワルサーPPKをこめかみに当て、引き金を引いた。
戦争屋と呼ばれた父があんなに簡単に沈黙してしまうと、彼女は信じられなかった。
■
結論。エルルカ=セルフィーネは
殺し合いには乗らないと決意した。
そして、主催者である男――――天津目夜光の殺害を心に誓う。
参加者名簿を取り出して、その名前を確認していく。
坂口雄二、相馬晶、野坂嗣之助、桜野粉雪。
彼らは信用に足るとエルルカは判断した。彼らは『レジスタンス』だ。天津目への怒りや憎しみは人一倍あるし、彼らは皆凄く『いい奴』である。
首都圏制圧作戦においても、坂口雄二は正に一騎当千の戦いぶりを見せていた。
相馬晶はお調子者だが、彼の卑怯―――戦略的な戦いは作戦の中でも重宝したし、野坂嗣之助は凄腕の狙撃手だ。彼らなら、主催打倒も夢ではない。
桜野粉雪は―――――殺し合う姿なんて想像できない。
エルルカの親友にして雄二の彼女。ベタベタのバカップルぶりを見せている。
先は明るい。エルルカはそう思い僅かな笑みを浮かべる。
「私たちが、必ず勝ちます。見ていて下さいね―――お父さん」
【深夜/E-6】
【エルルカ=セルフィーネ】
[状態]健康
[所持品]グロック17、カロリーメイト
[思考・行動]
0:殺し合いを打倒し、主催の天津目夜光を殺害する。
1:坂口雄二、相馬晶、野坂嗣之助、桜野粉雪と合流したい。
2:『桜野吹雪』とは――――?
【エルルカ=セルフィーネ】
13歳の少女で、黒髪のセミロングに身長150cmとやや幼い印象を受ける。
父・グリモアから暗殺兵器・空蝉のパスワード解読法を伝えられ、天津目打倒に動く。
空蝉は審判団が確保している為、彼らの制圧にやや躍起になっている。
桜野粉雪とは親友同士。
腹違いの兄が居るらしいが、詳細は不明。
最終更新:2011年09月06日 20:35