生徒会長・黒沼光貴。
礼儀正しく学問も出来る、テンプレートな優等生である。
ネット上で『
お気に入りキャラ・バトルロワイアル』という創作作品を連載する書き手の側面も併せ持ち、更に他の書き手からの信頼も物凄く厚い――――。
「(さて……どうしましょうかね)」
光貴から見て。優先して保護しなければならない人物が何人かいる。
他の書き手達も心配だが、彼らは知識がある。
きっと、他の参加者達を上手く導いてくれるだろう。
九柳やよい。
虚弱体質で欠席も多い。双子の姉・九柳祠織に付き添われて生活している。
夜坂文香。
優等生だが、彼女は致命的な欠陥を抱えている。
新型の心臓異常につき、まさにいつ死亡しても不思議ではない。
そして――――柄部霊歌。
彼女は兄を失ってからとても不安定だ。そして、光貴は彼女の正体を知っている。それでいて尚、光貴は霊歌を保護対象とした。辻斬りの犯人だと知りながらも。
黒沼光貴の心は余りに広い。
きっと彼は、唐突に刺されたとしても笑顔で窘めるのだろう。
それを長所とみなすか、欠陥とみなすか。
デイバックを開けてみる。
中から最初に出てきたのは、何とも物騒な代物であった。
日本刀。模造刀なんかではない、正真証明の真剣だ。
勿論光貴には扱った経験などないし、これからの人生で扱う予定も無かった。それに予想以上にこの刀は重い。易々とは振れそうにもなさそうだ。
木刀やら模造刀なら、光貴はその場でそれなりに使いこなす自身はあったのだが、本物となるとまず彼の良心がどうしても手加減してしまう。お人好し故に。
もう一つはパイナップル―――――ではなく、立派な爆弾だ。
見ただけでは分からないが、触ると微妙に質感が違う。
支給品の説明用紙のようなものを見ると、高威力な爆弾らしい。
「……なるべく、使う機会は無い方がいいですね」
微笑を浮かべて、二つの支給品をデイバックにしまう。
さて。黒沼光貴は保護対象の捜索に出向いた訳だが。
ここで一つ。
『黒沼光貴』についての、お話といこうか。
□
彼の家―――――黒沼家は大財閥である。
沖崎翔の家も相当だが、黒沼家はその比ではない。
世界規模に膨大なコネクションを持ち、彼の一声で誰かが動く。
商品開発から暗殺まで何でもござれと黒服は笑う。
が、光貴はその環境から逃亡した。
父親に一方的に絶縁を叩き付け、僅か三分の間に彼は家と決別する。
無一文からアルバイトで徐々に生計を立てていく生活の中で、光貴はゆっくりと庶民の感覚に慣れ始めた。そしていつしか、『テンプレート優等生』と呼ばれるようになっていったのだ。
しかし。光貴の実家・黒沼家に居た頃、光貴はある人物に会っていた。
黒い髪に端正な、正に若者受けしそうな顔立ちの男。
黒服の中からは拳銃を出すところさえ見たことがある。
明らかに堅気の人間ではないと子供ながらに光貴は理解していた。
どこまでも《黒》尽くしだったあの男。その名は、黒崎刑梧といった。
光貴の
殺し合いにおける最終目的は、そこにある。
誰も憎まない、そう形容された生徒会長が唯一憎んだ男を、×す。
―――――――――黒崎刑梧の抹殺。
自分の学友を弄んだ罪は、その生命の喪失を以て償わせる。
双貌に怒りを称えて、光貴はそっと呟く。
「◆YcpPY.pZNg」
自分の書き手としての名前を呟く。
それで優等生の自分との線引きとすることで。
黒沼光貴はバトルロワイアルへの反逆を開始した。
【深夜/C-5】
【黒沼光貴(◆YcpPY.pZNg)】
[状態]健康
[所持品]日本刀、パイナップル型爆弾
[思考・行動]
0:殺し合いを潰し、黒崎刑梧を抹殺する。
1:九柳やよい、柄部霊歌、夜坂文香を保護する。
【黒沼光貴(◆YcpPY.pZNg)】
生徒会長。そして書き手の一人。
『テンプレート優等生』といわれるほどの優等生かつ人格者。
| 呼吸悪行 |
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黒沼光貴(◆YcpPY.pZNg) |
[[]] |
最終更新:2011年10月18日 23:54