Aさんの常識とBさんの常識はノットイコールである。
人それぞれに存在する常識はそれぞれ違う。例えば、Aさんの家では毎朝5時に風呂を沸かす。しかしBさんからすれば朝早すぎる、『非常識』だと感じられる。
逆にAさんからすればその時間に風呂に入らないBさんの家は非常識だ。
さあここで、一つの滑稽な悲劇のお話。
とある少女は百年間の間、惨劇の運命を繰り返し抗い続けた。
腹を裂かれて内臓をぶち撒けて、無惨な死(おわり)を遂げる。
或いは、ガソリンの大爆発で黒焦げのバラバラになって死ぬ(おわる)か。
常人でなくとも発狂してしまうような迷路に迷い続けた少女。
その傍らに居た、少女の心を無意識下に支えてきた仲間たち。
当然彼らの常識では、世界を繰り返すなど考えられもしない。
だが彼らは無意識下に、世界の運命を、行く末を担う存在なのだ。
たった一人が壊れてしまえば、それが全ての崩壊を招く。
その中で、たった一人。
時には狂うが、無限に繰り返される世界の中でも未知数の存在が居る。
彼が狂えばその世界は絶望だ。
彼が輝けばその世界は希望だ。
前原圭一。
とある風土病の狂気を、浄化し得る可能性にさえなる。
早い話が、古手梨花の希望。不確定要素だ。
彼以外にも幾つもそういう沃素はある。ごく僅かな確率で村を訪れる刑事に、最悪の世界の始まりを告げるとある男が村を訪れるか否か。
その中でも、きっと彼は少女の最大の希望だった。
前原圭一。
袋小路の運命を覆す可能性を秘めた少年のバトルロワイアル。
少年の始まりは苦い。
そこから彼は如何にして運命を打開するのか。
さあ、物語を始めましょう?
□
俺は、理解できない。
殺し合いなんてものを主催する連中の気なんて、理解できない。
むしろ、理解するには値しないとさえ思う。
人の命を虫けらのように弄ぶような人間を俺は理解したいとは思わない。
だけれど、それだけなら不謹慎かもしれないけれど。
許せないとは思っても、そこで止まる。そこより先には至らない。
だが、今回は別だ。
あいつは―――楓坂の野郎は、俺の仲間を危険に晒した。
でも。
俺の仲間を弄ぶことだけは、許さねえ。
『あの事件』の後、荒んでいた俺を救ってくれたみんな。
みんなを弄んだ。それだけで俺は明確な敵意を持つことができる。
反逆開始だ。
俺は殺し合いを叩き潰す。完全に、塵も残さずにぶち壊してやる。
44人の参加者。俺はそこまで人間を信じられていない。
間違いなく、殺し合いに乗る奴はいる。
それも少なくない数、中には何の躊躇もないような奴も。
話が通じない人間なんてこの世には居ないだろう、と俺は思う。
でも、話が通じるほどまともな心理の奴は少ないだろう。
「――――――だからどうしたっていうんだ。口先くらいしか俺に取り柄はないだろうが」
口先の魔術師・K。それが俺だ。
たとえ狂人だろうが化物だろうが、口先一つで丸め込んでやるさ。
だけど。俺はその時、思いもしてなかったんだ。
すぐに、バトルロワイアルの恐怖を体感することになるなんて。
あの
白い少女と出会って、あまりに奇妙に、俺の物語は始まった。
■
俺は、意気込みこそ良かったけど、支給されたテニスラケットを持ってふらふらと歩いているだけだった。護身用にもならないかもしれないけど。
反逆開始なんて言っても、俺一人で主催打倒なんて夢物語だ。
まずは仲間を探して、情報を集めるところから始めなきゃいけない。
殺し合いを、潰すために。
そんな風に、少し危機感が欠けていたのかもしれない。
「…………ん?」
屋敷の廊下の突き当たりに、白い何かが見えた。人型の白い何か。
よく見れば、人影はワンピースを着ていた。銀色の髪を腰あたりまで伸ばしていて、体駆を見る限り俺より一つ下――――なのに、その物腰には恐怖がない。
少し、不気味だった。
そしてその人影が、ポケットに手を突っ込むと、何か取り出した。
それは、遠目に見ても。拳銃にしか見えなかった。
破裂音。俺の頬の横を、熱い何かが凄い速度で通り抜けていった。
直後、俺は全力で駆け出していた。背後から、走ってくる。
「待てっ!待ちなさいっ!」
案外可愛らしい、年相応に幼い声がした。
俺は勢いよく階段を駆け上がる。途中何度か撃ってくるも当たらない。
激しく動きながら、狙いをつけて狙撃をするなんて無理に等しい。
だから、俺はとにかく闇雲に走る。
目指すのは三階。策はある。少なくとも分は悪いが、意表は突ける。
走る。走る。目指すはどこでもいい。
◆
詰められた。
逃げた先は書斎。三階。
「………終わりよ。貴方は阿見音様の為に死になさいっ!!」
「悪いな、俺の――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――勝ちだ!!」
フゥーハハー!!と間抜けな笑い声をあげながら、窓から飛んだ。
得体の知れない不気味な感覚が、腹に来る。
しかし落ち着いて、地面に着地。直後、衝撃を逃がすために転がる。
若干の鈍い痛みがしたが、特に問題はないらしい。
上から。女の子も飛んだ。
そして、足から勢いよく着地した。まったく、予想通りに。
そう。だから―――――俺の、勝ちなんだ。
「ぅ……くぅ……!?」
着地のダメージは意外と大きい。三階建てともなれば尚更だ。
衝撃で両足は暫く使えないし、衝撃は体中を駆け巡っている。
銃を取り落として、女の子はふらふらと、倒れないようにしている。
そして、一言だけ。口をぱくぱくと動かした。
に・げ・て・。
逃げて。
パァン!という音がして、女の子の脇腹から血が飛んだ。
校舎の中からの狙撃だと認識した瞬間に、俺は女の子に駆け寄っていた。
出血は大したこと無いが、放っておくには危険すぎる。
「死なせねえ………絶対に、死なせてたまるかよぉっ!!」
俺の叫びが、木霊した。
【深夜/D-1】
【前原圭一@ひぐらしのなく頃に】
[状態]疲労(中)
[所持品]テニスラケット@現実
[思考・行動]
0:殺し合いを叩き潰す。
1:この子を助ける。絶対に死なせない。
2:梨花ちゃんたちを探す。
※皆殺し編、冒頭からの参加です
□
意識が薄れていく。
私は、誰かに抱えられている。あの、男の子だ。
何故助けてくれたんだろう。
私は、何故こんなに、嬉しいんだろう。
阿見音様以外に、どうしてこんなことを思うんだろう。
私に生きる意味をくれた人。
阿見音様の為に、私は誰でも殺すし、誰でも不幸にする。
なのに。わたしは、どうしてこんなに。
嬉しいんだろう?
【天王寺深雪@オリキャラ】
[状態]意識混濁、脇腹に銃創
[所持品]鷹野の銃@ひぐらしのなく頃に
[思考・行動]
0:………
【天王寺深雪】
13歳。白鷺教阿見音派の信者で、阿見音に心酔している。
経験は少ないため阿見音には使い捨てとなされているが気付いていない。
昔、親に捨てられたところを阿見音に拾われた。
■
「逃げられた」
短く淡白に、だが悔しさを端的に表した言葉で女は呟く。
彼女の名前は久宇舞弥。
冷たい世界に生きる『魔術師殺し』の背中を守ってきた女。
彼女は殺す。
衛宮切嗣の元に変える為に、徹底して殺し尽くす。
迷いも躊躇いも、そんな感情はとうの昔に捨て去った。彼女は機械だ。
切嗣を生かすために、修羅道を往く――――――。
【久宇舞弥@Fate/Zero】
[状態]健康
[所持品]磁力狙撃銃@とある魔術の禁書目録
[思考・行動]
0:優勝して元の世界に帰る。
1:身を隠して狙撃に徹する。
※四巻、ケイネス殺害後からの参加です
最終更新:2012年03月01日 19:39