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ゲーム・スタート

バトルロワイアル。




それは、沢山の人間が集められ、理不尽な殺し合いを強いられる、狂気のゲーム。
常人では、到底考えつくことの無い、命を玩ぶゲーム。もし思いついたとしても、実行には移せないであろう物。
しかし、中には。
中には、それを実行できる力と富を持つ者も、いる。
そのような人間が、バトルロワイアルを思いついたら、どうなるだろうか?





◇□◇





気がつくと、自分は見覚えの無い場所で、何かに座らされていた。辺りを見渡してみるが、暗くてよく分からない。
しかし、かろうじて人影のような物が見える事から、ここにいるのが自分だけでは無いようだ……。
そう思って立ち上がろうとするのだが、足や腕がピクリとも動かない。咄嗟に手の方を見てみるが、全く異常はない。
まるで、金縛りにあっている様な気分だ。

(一体、何なんだ……)

良く分からない状況。
辺りが見えない暗闇。
動かせない手足。
不安を煽るためにこんなことしてるなら、その目論見は成功してるな……と、心の中で苦笑いを浮かべてしまう。
しかし、実際の所自分は不安になっている。一体、ここはどこなんだ?そして、何故こんな所に自分がいるのか?
そんな心の声に反応するように、辺りが一気に明るくなる。

(眩しっ……)

暗闇の中にいたせいだろう、いきなりの眩い光に目が眩んでしまう。
光に目が慣れるのには少々時間が必要だったが、なんとか目が慣れてくれた。
慣れてきたついでに、辺りを改めて見回してみる……。

(……知らない人ばっかりだな)

見える顔は、全て知らない顔だった。中には、どこかで見たような顔もあったが、良く分からない。
だが、1つだけ共通する物があった。全員、何故こんな所にいるのか分からない、と言った表情なのだ。
いつのまにか良く分からない所に自分がいて、なおかつ動けないとなれば当然の反応だろう。
それに、もう1つだけ気が付いたことがあった。
……まるで、映画館のように部屋?の前方に他より高くなっている場所、ステージがある。
映画館の様に、椅子は横とくっついている訳ではないが……。



それから5分くらい経っただろうか?正確な時間は分からないが、まあそのくらい経っているだろう。
相変わらず手も足も動かせないまま、ただ時間が流れて行くだけだった。
誰も、この5分の間に声を出さなかった。「出さなかった」のか、それとも「出せなかった」のかは分からないが。
とにかく、ずっと沈黙が続いていた。

(本当に何なんだ?何のつもりでこんなことを?)

そう思っていた矢先。
ステージの端から、スーツに身を包んだ1人の男がゆっくりと歩いて出てきた。

(あいつって確か……白石亮介とか言う奴だったかな……)

白石亮介。
確か、白石財閥とか言うグループのトップだったはずだ。テレビとかに何度か出てるのを見かけた事がある。
自分とそうそう歳は変わらないだろうに、それでも大会社を牛耳るほどの権力をにぎっているとは。
……いや、今はこんなこと考えている場合じゃない。何故、そんな奴がこんな所に……。
そう思っている間に、前の男は口を開いた。

「こんにちは皆さん。僕は白石亮介と言う者です。皆さんに集まって貰ったのは他でもありません」

急に、背筋が凍るようなモノを感じる。
まるで、これから、もの凄く恐ろしい……「何か」が始まるような気がする。
白石は十分な間を取った後、一言言った。


「……皆さんには、これから『殺し合い』をしていただきます!」
(殺…………し合い…………?)


こいつは一体何を言っているんだ……!?
人を訳の分からない所に連れて来ておいて、その上「殺しあえ」だなんて、正気の沙汰とは思えない。
人間、権力を握るとどこかおかしくなってしまうのだろうか……。

「冗談なんかじゃないですよ?証拠をお見せしましょう……持ってこい」

白石が合図をすると、柱のような物に縛りつけられた男が袖から数人の人間に連れてこられる。
その男の口には猿轡が嵌められており、首には……何か首輪のような物が付いている。
一体、何をするつもりだ?と思っていた時。白石は懐を探り何かを取り出す……小さくて良く見えない。
そして、懐から出した何かを、男の方に向ける。

「今から起こることはCGではありません。皆さんの命に関わることですから、見逃さないようにお願いします」

何を……と思っている内に、辺りに爆発音が響きわたり……男の付けていた首輪が爆発した。
一瞬にして、何かが焦げたような臭いと血の血生臭い臭いが、辺りに充満する。

(うっ……)
「はい、と言う訳でこれが現実だと言うことが分かっていただけましたでしょうか?分からなくても、理解してください。
 皆さんの首にも同じ物が付いています。それがどう言う意味か、馬鹿な人でも分かるはずです。
 ……それでは、今からルールを説明致しますので、聴き漏らしの無いようにお願いいたします」




◇□◇




「以上で、ルール説明は終わりです。何かご質問はございますか?あ、もう動いたり喋ったりできますよ」
「……どうして、こんなことを?」

俺よりちょっと年上くらいの男が立ち上がり、質問をぶつける。

「……それにはお答えできません」
「自分が質問はあるか、って聞いたくせに……!」
「申し訳ありません。時間も押しているので、質問タイムはここまでです。では、皆さん頑張って下さい」

そう言うと、再度照明が落ちる。またもや、暗闇が辺りを包む。が、今度は何かが違った。
……何だか体が重い。それに、かなりの眠気が襲ってくる。一体、なぜいきなりこんなことが……。
頬を叩いたり、腕を抓ったりしてみるが、眠気は全く取れない。それどころか、さらに眠くなってくる。

「うう……くそっ……」

もうだめだ……。何をやっても、徒労に終わってしまう。
完全に睡魔に自分の意識が乗っ取られる寸前に、白石の忌わしい声が聞こえたような気がした。



「さあ、ゲームの始まりだッ!」


【新・需要無しロワ スタート】

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最終更新:2011年11月17日 18:54
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