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≪人間失格――――ゼロザキヒトシキ≫

「かはは」

そんな、笑い声がした。
男性の、心底おかしそうな―――だが失笑のようでもある笑い声。
そこには殺し合いへの危機感など欠片も感じられない。

――――いや、『彼』にとっては普段とあまり変わらないからか。

殺し名序列第三位。
かの《赤き征裁》《死色の真紅》哀川潤さえ関わりたくないと言わしめた悪名高き殺人鬼の一賊。或いはこの世で最も敵に回すのを忌避される醜悪な軍隊にして、この世で最も味方に回すのを忌避される最悪な群体。邪悪と冒涜の宝庫。
彼らは理由なく殺す殺人鬼だ。
家賊の繋がりは血ではなく流血。家賊に仇なす者は皆殺し。

彼らの名を、《零崎一賊》と云う。

話は変わって。D-7エリアのアミューズメントに、奇抜な少年が居た。
身長は男性にしては低く、顔面半分にはこれまた奇抜な刺墨。
無理をすれば能瀬慶子に見えなくもない。

道で見かけたなら10人中9人が目を逸らすだろう。
絡まれると面倒だ、くらいの気持ちで。
しかし実際にはもっと最悪だ。彼は先の《零崎一賊》の一人である。
殺人鬼揃いの一賊でも禁忌と称される零崎の間に生まれた鬼子。

零崎人識。

人間失格》の殺人鬼。戯言遣いの鏡写し。

人識は結論から言って、殺し合いに乗る気はなかった。
かと言って、正義のヒーローを気取りたいなんて気もない。
要するに、中立。

襲われれば戦うし、弱者が殺されかけていたなら気分次第では助けてやるかもしれない。だが《ついうっかり》が無いとも限らない。彼は《零崎》なのだから。
しかし、人識が何故殺しを躊躇うか。それはひとえに恐怖だ。
彼はとある最強と約束をしている。
命と引き替えに、殺すことを封じられた。
だから零崎人識は殺さない。
バレないだろ、なんて考えはあの最強には通じないのだ。

「………かはは。こいつぁ上等な代物だ」

人識の手には一本の刃物が握られている。
その名を『ダーク』。人類最古の翁にしてアサシンのサーヴァント、ハサン・サッバーハの用いる武器。宝具でこそないが、刃物には詳しい人識を唸らせるだけの物。

「こいつがあれば何とかなるだろ」

曲絃糸なんかも欲しいけどな、と彼は付け足し、また笑った。
銃器よりも彼には合っている、そんな気がした。


参加者名簿に視線を落とす。
何の因果か、彼の知り合いも数人呼ばれているようだった。
《いーちゃん》―――《欠陥製品》に、恐怖の対象・哀川潤。



《人喰い》の匂宮出夢に、西条玉藻。

取り立てて挙げるならこのくらいか。
何と言っても哀川潤が怖かったが、出夢と玉藻にも注意することにする。
《欠陥製品》。
彼は殺し合いになど乗らないし、出来ないだろうと人識は断じる。
玖渚友が、あの青い少女がいる限りは。

「………さて、と」

突然だが、零崎人識はこれから戦うつもりだった。
少女を追い、手にナイフを持った《殺人鬼》と。
なのにここまで暢気にしていたのは―――零崎人識だから、としか。
少女を助ける?そんなことはどうでもいい。
ただ、《同類》と語り合いたいだけ。

「さぁて、それじゃあ一丁」



「殺して解して並べて揃えて晒してやんよ」




【深夜/D-7】
【零崎人識@戯言シリーズ】
[状態]健康
[所持品]ダーク@Fate/stay night
[思考・行動]
0:別段どうする気もない。
1:《同類》と語り合いを―――もしくは殺し合いをする。
2:人は極力殺さない。
3:哀川潤には会わないようにする。見かけたら逃げる。
4:《欠陥製品》を探してみるか?
※『ネコソギラジカル』、いーちゃんと再会した直後からの参加です

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最終更新:2011年12月02日 19:54
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