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小鳥遊雄一郎は炎術剣士と遭遇する

「殺し合え、って言われてもなぁ」

そんなの死刑宣告じゃないか、と口に出さずとも俺、小鳥遊雄一郎は森を歩きながら考えた。
こちとら和穂みたいに体力ある訳でも無いんだっつーの。マジで波動の力に目覚める勢いだ。

「しかしだからといって殺し合いに乗らなくて脱出すんのは無理だろうしなぁ」

だが現実的に考えて波動の力に目覚めて覚醒して大活躍なんつー訳にもいかんし、まずはセオリーに、知り合い探してみるとすっかなぁ。

「よし、じゃあ行動かい…!?」

あれ、気のせいか?
遠く見たらなんか刀持ってる長いストレートの人がこっち来てる気がする…いや絶対来てるなこれ。
しかも、オーラみたいなの纏ってるしさ、あんなん殺る気満々じゃあねぇか…って、そんな問題じゃないな。

「ひとまず隠れるのが一番だな…」

そう言うと俺は言葉通り草が生い茂った場所へ急ぎ、なるべく最大限まで身を屈め、刀持ってる奴を見る。
目をこらすとそいつが見えてきた。
顔立ちは美人、と呼べる。女だった。
スタイルも良いし、おそらくモデルか、そんな感じの職業の理想的なプロポーションだ。

(…でも、だからといってあいつが無害って訳じゃないしな)

そして俺はそいつが早く過ぎ去ってくれるのを待つ…
三秒………五秒………と、たった一秒でも長く思える時間。
いかに自分が時間を無駄に使っているか、分かった気がしないでもない。
そしてそんな中、体内時計は一分を示した時、俺は顔を上げた。

「…行ったか?」

前を見る。
生憎あの女は居ないようだった。
つまりは、一応危機を回避出来たという事だ。

「はぁ…セーフと言えばセー…」
「動かないで」

ぴたって音が首筋から聞こえ、それと同じくして肌に伝わる、首輪よりも冷たい刃物の温度…。
…流石に終わったかも分からんな…

「えっと…今から私が言う事にはいかいいえで…」
「…降参だよ。死ぬのはこえぇし、未練が無い訳じゃねえけど、これがルールだったらあがかないし」
「…いや、私は」
「未練は残したくないし、辞世の句だとか言った訳だし、出来ればそのままずばん、って感じで…」
「ち、違うよ!別に私はそういう訳じゃないんだよ!」

…!?
え、これってもしや、殺し合いに乗ってない奴だったりする?

「え、じゃあ…殺し合いには」
「乗ってる訳が無い!」
「…」

じゃあその刃物を下ろせ、という前にこいつはおそらく先程のを見る限り強い。
戦いなんていうのにはズブの素人の俺でも普通は直前に感付くもんだが、まったく気づかないって言うんだ。
和穂と同じ、忍者の子孫か何かなんだろうか?
まぁ何はともあれ…良いか。


「つーか…本当だったら刀早く下ろせ」
「あ…ごめん、刀下ろすね」

野暮な考えの途中に、女の出た言葉。そして同じくして、俺の首筋の冷たさは無くなった。
そして、俺が振り向くと…

「もう一度言うけど…ごめんなさい!」

頭を下げる髪がロングの美人が、そっくりそのまま立っていた。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「まぁ別にこの場な訳だしなよくある事だ。気にとめんな」
「うぅ…でも…今更考えると…」
「いんや、良策だと考えていいと思うが」

自己紹介を終え、俺と女二人は、先程俺が隠れていた場所に、腰を降ろしていた。

「…えーと、新堂まなみだったか」
「う、うん」

この女は新堂まなみというらしく、予想通り殺し合いには乗らない、いわば「脱出派」だった。
しかもまなみいわく、自身は炎術剣士なるもので、悪の組織と戦っているらしい。
そして今から最終決戦なんつーもんをするという時に連れてこられたらしい。
しかし…だ。
まなみから聞いた話によると、そこそこ、というか有名人らしい。
そりゃあ怪人なんかと戦えば、まなみは有名人だろう。
だが…俺の世界に怪人なんて奴は居ない。(怪人らしい奴は居るが)つーか居るはずが無い。
だから、まなみ達炎術剣士なんつーもんは存在しないんだが…

「それはおかしいよ!いくらなんでも、名前くらいは知ってるだろうと思うし」

って、頑として譲らない訳だ。
まなみ達が俺より遠くの都会から来てるとして、俺が住む場所が比較的田舎だったとしても、ニュースで見るくらいはするはずなんだが………

「とりあえずこれじゃ埒があかないし…一旦保留にするとして…雄一郎くん、一つお願いがあるんだけど」
「…なんだよ?」

そう言うとまなみはおそらくあらかじめ入れておいた地図をポケットから取り出し、おもむろに広げ始める。


「今私達が居るのはこのA-2の森。こっから中心地は近い訳だよね、だから…」
「人が居るだろうからそこに行きたいってか?」
「そういう事だね」

…また難しい話だな。
確かにまなみの言い分は分かる。
中心地に行けば同じ考え持つ奴とかが居るかも分からんし、知り合いにも会えるかもしれないしな。

「でもなぁまなみ…仮に殺し合いに乗ってる奴と会ったらどうすんだよ、その炎術とやらで倒すのか?」
「…相手が戦うつもりだったらだけど」
「…はぁ」

まぁ…今さっきのを見ても、普通に強いんだろうし、生き残る可能性はあるが…

「でも俺はどうすりゃ良いんだ。お前に守ってもらうのか?」
「う、痛いとこ突くね…でも、でも雄一郎くんだって、会いたい人とか居るんじゃない?」
「会いたい人…か。会いたいって訳じゃないが…一応居ると言われたら居るな」
「そ、それに私は強いし、雄一郎くんや会いたい人とかを守るくらいは出来るよ?」

…いや、それ以前の問題だろう。

「あのなぁ…そういうのは仮定の段階だろ?絶対に守れる訳でも無いし、最悪二人一緒にオダブツなんだってあるんだからな」
「…でも!」
「あぁ、じゃあこうしようぜ」

そう言って俺はまなみに提案の内容を話す。

「お前はこのまま中心地、俺はこのまま東に行く。そして互いに生きてたら、この地図にあるC-3の城に行く…朝になっても来ないなら、そっからは単独行動っていうプランなんだが、どうだ?」

と、俺はまなみの顔を覗きこむように尋ねる。
一方のまなみは少し考えた後、結論を出した。

「分かった。雄一郎くんの言う通りにするよ」

その言葉に俺は「助かる」と一言呟く。
だがまなみは「あ、でも…」と気がついた様に俺に聞く。

「もしその城が禁止エリアになったらどうするの?そうしたらその約束が…」
「そうだったなら、その近くにあるC-4の学校の校門前に行く。
学校の中よりか、校門前のが良いだろ」
「…うん、分かった」

おうむ返しする様子も無く、まなみはディパックを持ち直し、俺に向かい直す。

「じゃあ…私は先に行くよ。雄一郎くん、ありがとね」

「いや構わねぇよ」と俺はまなみに対して平坦な返事を返し、まなみの小さくなっていく後ろ姿をただ見る。
辺りの闇は更に深みを増すばかりで、すぐに見えなくなるであろう背中が、何を語るかはまだ分からなかった。

【A-2/森/深夜】

【新堂まなみ@魔女っ子・変身ヒロイン創作スレ〈炎術剣士まなみ〉】
【状態】健康
【装備】エレナの長刀@学園同士で戦争するスレ
【持物】基本支給品、不明支給品0~2
【思考・行動】
基本思考:殺し合いを止め、脱出する。
1、襲ってきたら相手になる。
2、雄一郎くんとの約束を守る。
3、身内や友達が巻き込まれてないか不安。
※名簿を見ていません。
※最終決戦間近よりの参戦。
【小鳥遊雄一郎@学校を創りませんか?】
【状態】若干のダル気
【装備】手ぶら
【持物】基本支給品、不明支給品0~3
【思考・行動】
基本思考:殺し合いには乗らない…
1、まなみとの約束を守る。
2、和穂とかが心配だな…
※名簿を見ていません。



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最終更新:2009年12月01日 20:38
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