アットウィキロゴ

OP(◆hhzYiwxC1. 氏のロワ)

この学園にも七不思議と言う不可思議な噂は、存在する。
開かずの間だとか、13階段だとか、「こんなん恐がんのは小学生までだって」ってな割りとどうでもいい物が多い。まあ実際のところそのどうでもいい二つも、この学園のに含まれているわけだが…
まあ、それはさておきだ。
そんなどうでもいい七不思議にも、一つ興味深いものがある。


―放課後:とある教室―



一人の少女が、教卓の前にナイフを右手に携えて立つ。
少女は緊張していた。全身の細胞が強張っているようにさえ感じられる。
彼女の頬を一筋の汗が伝った次の瞬間、ナイフの刃が左手の平に食い込む。
肉の繊維が切れるような音と共に、血が切れ目から溢れ出てくる。

「出て来い出て来い―――」

何かに訴えかけるように、彼女は懇願する。
そして、そのまま教卓に背を向けると、血が滴る左手を前方に翳しながら、前方に歩み始めた。

「私の話を聞いてください。私の話を聞いてください。私の……」

少女は、床に血を滴らせながら、教室の中心の机にまで到達した。
そして、中心の机の上で、血の滴る左手の傷口に指を喰い込ませてさらに血を絞る。

「くっ……うぁ」

少女は痛みに悶え喘いだ。
だがその直後、少女の眼前にはある者が見えた。だが、そのある者。いったい何なのか。
何も見えない。何もない風景なのに、少女は突然現れたそれに驚愕せざるを得なかった。
その“ある者”が見えた瞬間に、その中央の机を倒しながら、気を失った。

その日は、修学旅行や文化祭、定期テストなどの行事などが一切取り行われる予定のない普通の日だった。
この事は、今下駄箱にお気に入りのローファーを収納し、学校指定の内履きに履き替えた、砂村知奈美(女子十三番)にとっても、この学園の全ての生徒にとっても同じであり、全ての教師にとっても同じ事。

「まあそれでいいんだけどね。誰にとっても」

そんな事をこぼした知奈美は、ゆっくりと歩き出す。
玄関からまっすぐ伸びている廊下の、4番目の部屋。
そこが知奈美のクラス。3年C組だ。

だが、ドアを開けて唖然。
教室には、椅子も机も何もなく、教室の真ん中にぽっかりと穴が空いていた。

「相変わらず早いね。砂村さん」

知奈美は、突然気配を背後に感じ振り向く。
そこにいたのは、クラスメイトの佐々木綾(女子九番)。やや天然パーマ気味の赤毛と、とても眩しい笑顔が特徴的の、所謂“美少女”だ。綾は、知奈美に話しかけてくる際にも、その笑顔を使っていた。
この学園は、“学年別美少女ランキング”と言うバカげた行事を毎年行っており、綾はこのランキングで、3年生の部の部で、見事3位に入賞している。
「私が一番だったけどアナタは3番目ね」
「…………何が?」
「やだなー…学校に登校した順番だよ。私ちょっと用事があったから早めに来たんだけど、相変わらず早いね。砂村さんは」
「あたし朝は強いかんね……家にいても弟の遊び相手くらいしかすることないし……」
「ところで、佐々木さん?」
「何? 砂村さん」
「ちょっと聞いていい?」
「いいわよ」

「一番最初に来たのが佐々木さんで、三番目が私。で、二番目は誰なのさ」
「高木君」

彼女が言っているのは、高木倫人(男子九番)。
どちらかと言うと、地味で自己主張の足らない、おちびさんってとこだろうか?
知奈美は、しばらくリアクションに困り、間を開けた末に一言

「……っそう………で?高木は?」
「宿直室で寝てるよ」
「……何で宿直室? 宿直の先生いんじゃないの?」
「今日は落合先生だったよ」
「いや、そんなこと聞いてんじゃなくて……」
「まあもう殺したけどね」

「え?」

「ちょっと待って? 殺したって何?」

知奈美は、綾の突然の“殺した発言”に戸惑い、彼女に問いただした。

「そんなことより砂村さん。あなた処女?」
「え゙!?」

突然何を聞いてきとるんだこの娘は。知奈美はそう思ったが決して口には出さなかった。
何か雰囲気が……空気がおかしい。
さっきから教室のすぐ前に、“ドアが開け放たれた状態”
つまり教室の穴が見えているのにも関わらず、綾はそれに触れようとしない。確実に見えているのに。

「な……何言い出すんだよ…………」
「私さ…さっき高木君とシちゃったんだよね。もちろんゴムとかもなしで」
「ちょっと待って! 話が見えないって何が言いた…………」

さっきから爆弾発言をし続ける綾に、知奈美はもう既についていけなくなっていった。
誰がどう見ても異常と分かるような事態。ようするにこの空気に中てられて、驚く事に疲れたのだ。

「…………あのさぁ佐々木さん」
「落合先生を殺したとか、高木と………その……したとかそういうのは言うべきではないって。少なくともここでは」
「何か悪い事があったんなら相談に乗るよ? あたしらクラスメイトじゃん」

「違うよ」

綾の眼差しが、変わった。

「あなたたち高木君が薬師寺さんたちに苛められてたの知ってたでしょ?」
「それでも止めなかった」
「見て見ぬふりしてね」

「それでクラスメイトとか、よく言えたわね」

綾は、知奈美にジリジリと迫ってきた。
同時に、知奈美は捕まれば間違いなく何かされると思わずにはいられなかった。
こいつはヤバい。確実に。
知奈美は綾の瞳を直視しないように気をつけながら、後ろずさる。

「……え」

突然視界が歪んだ。前触れなどはもちろんない。
本当に突然……いや、違う。
穴に落ちたのだ。

「また会いましょう? すぐに会えるわ」
知奈美が落ちて行くのを、嬉しそうな“笑顔”を浮かべながら綾は手を振って見送った。

――――――

あたしこと砂村知奈美が目覚めたのは、教室の中でだった。
何だあれは夢だったのか。そう思いほっと胸をなでおろす。
あたしは席に普通に座っている。皆だって同じだ。全員揃って…いや、いない。
佐々木さんと高木が…

「オイどうした? 知奈美」
「オトゥール! 何か変なことない?」
「オトゥール言うな。あと佐々木と高木のことだろ?」
席から立ち上がった私に話しかけてきたのは乙流(きのと ながれ) (女子六番)。
私の友人で通称オトゥール(Wik●pediaでかなり似た名前の人を発見したので愛称に流用。オトゥールは認めてないけど私たちの間では浸透している)

「何で分かるの!? まさかオトゥールエスパー?」
「悪いがお前の頭はどんなエスパーでも治せねえよ。それに恐らくこの不自然さに気付いたのも、お前が最後だ」
「マジで!?」

「マジだよ」

ボソリと話しかけてきたのはかなり不気味な容姿のクラスメイト多賀屋(多賀屋倫太郎 男子十番)

「マジもマジ」

次に高い声で話しかけてきたのは女子にしか見えない容姿のクラスメイト君波(君波凛 男子六番)

「大マジよー♪」

三番目に甲高い歌声で話しかけてきたのは、美声のトラブルメーカー。クラスメイトの野村さん(野村枝理 女子十七番)

「ちょ・ちょ・ちょ! ちょっと待ってよ! あたしが一番早起きだってのに♪」
「この事実を飲みこむのが、あたしが一番遅いってのかい♪」
「だ・か・ら」

所属する卓球部とはあんまり関係ないほど見事な宙返りでオトゥールが私の目の前に飛んできた

「さっきからそう言ってるでしょう? これって何なのさ?」
「何なのさ」
「分からない♪」

クラスの大半がはもった。
空気の読めないKY野郎の柳原英二(男子二十一番)は盛大に音を外していたようだが。

「とにかく。こう言うことだ。柳原ですら気付いてたぞ」

私はオトゥールに机の上に乗せられ、オトゥールにリードされる形で私は踊る。
机と机の少しの間隔を飛び越えながら、優雅に。

「やだ……オトゥール…………あたしたち女の子なのに…」
「それでも私より背は低いだろ? 知奈美」

オトゥールにリードされながら、教室の中央にダンスしながら向かう。ゆっくりと、ああ何だか結構ダンスっていいかも……あ! 間違えてもあたしがオトゥールに見惚れているわけじゃ……

「行くよ」

そう言ってオトゥールは、あたしのわきの下を掴んだ。
「ああもうオトゥール!? みんなが見てるって」
次の瞬間、私は綺麗に天井に投げ飛ばされていた。

少しくすぐったかったが、それもすぐに吹っ飛んだ。って言うか天井ってこんなに高かったっけ?
軽く10mはあるけど、人間ってこんなに人を投げ飛ばせたっけ?
オトゥールは、中央の机から降り、それを蹴飛ばし飛び跳ねると、ローファーでタップを奏でながら、教卓に向かって真っ直ぐ進む。
クラスのみんなは息ぴったりといった感じで、机やいすを要領よく遠ざけ、オトゥールに道を作る。

タップが心地いい音色を奏で終わる頃には、オトゥールは教卓の真ん前にいた。
そして私もどんどん教室に落ちて行く。
だが、寸前のところで多賀屋が受け止めてくれた。
そして多賀屋は教卓に向かって直列に伸びたクラスメイト達の列に向けて、私を放り込んだ。

「うわぁああ???」

人の波に揉まれながら………

「って!! ああ誰か今あたしの胸揉みやがったなゴルァア」

そんなことを叫びながらも波は止まない。そして教卓に着くと、オトゥールは私に何か被せた。

「おめでとう。お目覚めワーストワン」

それは段ボールでできたティアラだった。

―――――

「いい加減起きなよ。知奈美」
「……んあ? オトゥール? あのミュージカルは?」

「涎拭きなさい。そして速やかに夢から覚めな」
「ごめんなさいね。乙さん。砂村さんを起こすの手伝ってもらっちゃって」

…教卓には佐々木さんがいた。

「佐々木さん……何でアンタがここに……」

そうだ、本当はあたしが佐々木さんと最初に会って……あれ?
あの後何があったのか…思い出せない。

「ちょっと砂村さんが起きるのに手間取ったみたいだけど、これで全員だね?」

それに……これ何だ? この首輪。何であたしやオトゥールや、皆に取りつけられているんだ?

「佐々木さん? そろそろこれが何の余興なのか教えてくれませんかね」
「そうだね。乙さん。簡単に言うと殺し合いをして欲しいんだ」

「こ…殺し合い?」

思わず、そうこぼしてしまった。あたしらしくもない。かなりうろたえた口調で。

「ふざけるのも大概にしろよ佐々木さん。悪戯にしては悪質過ぎないか?」
「だから何? これは悪戯じゃあないから悪質であってしかるべきじゃないかな?」
「ねえ薬師寺さん」

次の瞬間、佐々木さんは制服のポケットから何かのスイッチを取り出し、それを押した。
そして、次の瞬間小規模の爆発音と共に、血飛沫が舞った。

「私の私怨も兼ねてるけど……これであなたたちが私に従うしかないって…分かってくれたかな?」

「………!?」

血飛沫をモロにかぶった稲葉さん(稲葉美智 女子四番)は直後にパタリと倒れてしまった。

「……稲葉さんくらいならいなくてもいいか。どうせ説明と聞いても生き残れないと思うし」
「ちょっと佐々木さん!」
「そうですわね」

あたしの言葉を遮ったのは、一人の女子だった。
圧倒的な美しさと共に君臨し、何故こんな人があたしたちと同じクラスにいるのかと時々疑いたくなるくらいの存在…黒崎淳子(女子七番)。

「私はこんな臭い部屋にこれ以上いたくはありませんの。殺し合いでも何でも構いませんから説明をしてくれません?」
「ちょ……ちょっと待っ…」
「別にいいよね。黒崎さんの言う通り進めても」

誰も言い返さない。いや、言い返したら殺されるかもしれないという恐怖から、何にもしないでいるんだ。あたしも、正直この空気に“呑まれている”

「じゃあ説明するね」

【基本ルール】
全員で殺し合いをしてもらい、最後まで生き残った一人が勝者となる
ゲームに参加するプレイヤー間でのやりとりに反則はない
プレイヤー全員が死亡した場合、ゲームオーバー(勝者なし)となる

スタート時の持ち物】
プレイヤーがあらかじめ所有していた武器、装備品、所持品は全て没収
また、衣服とポケットに入るくらいの雑貨(武器は除く)は持ち込みを許される
ゲーム開始直前にプレイヤーは開催側から以下の物を支給される
(ただし、最低限必要と思われるもの。取捨選択は各企画で判断)
 以下の物は「デイパック」などの鞄類、もしくはそれに類する持ち運び可能な物に詰められ支給される
「地図」「コンパス」「照明器具」「筆記用具」「水と食料」「名簿」「時計」「ランダム支給品」

「デイパック」→他の荷物を運ぶための小さいリュック。鞄などの類であればなんでも可
「地図」→ 大まかな地形の記された地図。禁止エリアを判別するための境界線と座標がひかれている
「コンパス」→ 安っぽい普通のコンパス。東西南北がわかる
「照明器具」→懐中電灯。
「筆記用具」→ 普通の鉛筆と紙。枚数は常識的な範囲で
「水と食料」→ 通常の飲料と食料。量は各企画の自由だが、目安としては通常の成人男性で二~三日分
「名簿」→全ての参加キャラの名前がのっている、顔写真の有無については各企画で判断
「時計」→ 普通の時計。時刻がわかる。開催者側が指定する時刻はこの時計で確認する
「ランダム支給品」 → 何かのアイテムが入っている。内容も数量もランダム

【「首輪」と禁止エリアについて】
ゲーム開始前からプレイヤーは全員、「首輪」を填められている
首輪が爆発すると、そのプレイヤーは死ぬ
開催者側は、いつでも自由に首輪を爆発させることができる
この首輪はプレイヤーの生死を常に判断し、開催者側へプレイヤーの生死と現在位置のデータを送っている
24時間死者が出ない場合は全員の首輪が発動し、全員が死ぬ
(首輪は下手に無理やり取り去ろうとすると、首輪が自動的に爆発し死ぬことになる)
プレイヤーには説明はされないが、実は盗聴機能があり音声は開催者側に筒抜けである
(実際に盗聴されているかどうかは、各企画の任意で具体的な方法や、その他の監視の有無などは各企画で判断)
開催者側が一定時間毎に指定する禁止エリア内にいると、首輪が自動的に爆発する

「以上だよ」

うわあすげえテンプレルール……

「じゃなかった!! これって本気の本気なの!!?」
「しつこいなあ砂村さん」


「本当に決まってるじゃないか」

正直言って、薬師寺さんは普通の人と言う印象しか抱いてなかった。
高木が苛められていたなんて初耳だ。果たして本当なのだろうか。そこのところがよく分からない。
よく…………分からな…

そこで一旦あたしの意識は途切れている。

―――――――

「ねえ倫人? 今“クラスを消す怪人”を呼んだんだけどね。それがたった今発動したよ。」
「? “クラスを消す怪人”って何かって?」
「じゃあ倫人には七不思議のことについて最初から説明しようか」


【女子二十二番 薬師寺千秋 死亡】
【残り43人】


GAME START 時系列順で読む Next:AP
GAME START 投下順で読む Next:AP
GAME START 砂村知奈美 Next:
GAME START 佐々木綾 Next:
GAME START 乙流 Next:
GAME START 多賀屋倫太郎 Next:
GAME START 君波凛 Next:
GAME START 野村枝理 Next:
GAME START 柳原英二 Next:
GAME START 稲葉美智 Next:
GAME START 黒崎淳子 Next:
GAME START 薬師寺千秋 GAME OVER
GAME START 高木倫人 Next:

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2009年11月22日 14:55
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。