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殺し合いとな。いいだろう」

この華奢な男。中田喜助(男子十二番)は、鏡の前で自慢げな表情をうかべ、ポージングを取っていた。

「ぬぅ……わが肉体美をわが眼に焼き付けるにはこの服は邪魔となる………」

「ええい!! 脱いでしまおう!」

中田は、何のためらいもなく、制服を脱いだ。それも、よくアニメや漫画であるような、マントを外すときのような派手なアクションを伴ってだ。

「ふははははははは!!! ひれ伏せ! われの肉体に無駄などはない」

彼は、(何故か)パンツ一丁にまで身ぐるみを自ら剥いでいた。
中田に何が起こったのか?何故骸骨を髣髴とさせるほどに細い肢体を、晒してここまでいい気になっていられるのか?
その答えは、やはり肉体にあった。

「二年間! この肉体を得るのに要した期間だ!!」

自分語りもいいところであるが、彼は尚も語りをやめない。

「われ鍛える! 故にわれ在り………………ふぅ…いい汗をかいたな」

そもそも部屋は電気が点いている(中田が点けたのだ)。これではこのゲームに於いてあまりにも不利ではなかろうか?
だが中田は、それでも自らの“肉体”に絶対の自信を持っていた。


彼は風呂場の衣装籠にブーメランのようなパンツを投げ入れると、鼻歌を歌いながらガラス戸を開け放つ。
彼の肢体は確かに細い。だが、よく見れば、それは極限まで絞られた筋肉質とも取ることができた。
彼の身体の汗を、上から順にシャワーの湯が洗い流す。

「ふははははは………こいつはいい」

無論風呂場の電気も点いている。本当に襲われかねない状況だ。だが彼はそれすらも“鍛錬”と考えている。
彼が何を思い立ち、この2年の鍛錬を耐えぬいてきたかは及び知るところではない。と言うか知りたくない。

だが、彼は結果として得たのだ。究極にまで絞り込まれた筋肉質を。

「まだまだ鍛え足りんぞ!! 隙だらけだ!! 喉首を掻きに来い!! 返り討ちにしてくれるわ!!!」

「…………うわぁ…どうしよう。あの中田が近くにいるっスよ……」

皮肉なことに、すぐ隣の部屋の小柄なデコ少女。遊佐千景には丸聞こえであった。

「……」
「まあ中田だしいいか……さて、ここにはパソコンがあるっスね…」

千景の得意分野。それはこのパソコン。パーソナルコンピューターの略である。

彼女がしようとしている行為。それは何か?
彼女がノート型のパソコンを手に取り、電源を点けた。

「ひっそりブログを更新するとしまっスか……」

彼女の目的。それはブログ更新だ。当面の間、静かにしていればやり過ごせる。
彼女はそう思っているのだろう。


【一日目・深夜/E-1 マンション2階の一室(202号室)】

【男子十二番 中田喜助】
【状態】健康、全裸
【装備】無防備
【道具】なし
【思考】
基本:参加者を血祭りにあげる
0:自分の肉体でのみ相手を追い詰め殺害する
※中田の支給品は全て202号室の中に放置されています(中田はこれを使う気はありません)

【一日目・深夜/E-1 マンション2階の一室(203号室)】
【女子二十一番 遊佐千景】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、ランダム支給品×1~3
【思考】
基本:中田から逃げる
0:へ……変態だ!! 変態がいる!!!
1:だがまずはブログ更新じゃあ!!


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最終更新:2009年11月27日 09:05
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