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半分以上メタ発言

 白髪総髪、隻眼の左目、着物を着て、刀を帯刀。外国人が見ても答えは一つ。その男を侍と呼ぶ。
 暁秀九朗。
 幕府の味方をした国の武士。暗殺部隊を率いていたこともある実力派。
 地獄のような大敗に終わった、鳥羽伏見の戦いにて、果敢に敵を切り伏せた。
 百人の首を狩り、政府軍の部隊を壊滅寸前にまで落ちつめた、暗殺剣の使い手。
 そして、戊辰戦争最後の函館まで戦い、五稜郭にて政府軍の砲撃により、散っていった、侍の一人。
 彼は何も間違ってはいない。彼を殺したのは、誇り高き忠誠心と時代の流れだ。

 時代の流れについてはいけなかった。
 首輪、自動式落とし穴、変わった服を着る人々、スクリーン、デイパック。
 これらの物は、幕末には存在せず、異国から運ばれてきたものだと、彼は踏んでいる。

「あの、警察です。大丈夫ですか? 本部から命令が出ましてね」

 秀九朗の前に現れたのは、これまた変わった服を着る青年。
 名前は、平沢健雄と名乗った。新撰組の裏切り者、服部武雄と同じ名前を持つ青年だ。
 警察という言葉は、彼の時代には存在せず、彼までを騙すにいたらなかった。
 二重の警戒心が、平沢の命を奪うこととなったのだ。

「青臭い……下らぬ」
「今、何て言った、糞野郎。俺は警官だぞ、おい」


 平沢の行動は正しくは無かった。感情的になり、胸元に隠したデリンジャーを構えたからだ。
 小口径、小型。無論、威力もそれなり。結末は、もっと、威力の強い拳銃なら変わっていただろう。

 ザクンと、


 デリンジャーごと、腕は真っ二つに切り開かれる。
 刀を抜いたこと自体、いや、刃の弾道すら、目には止まらずに、斬られた。暗殺剣の使い手に喧嘩を挑んだ、平沢の過ちだ。
 平沢は叫んでいる。今まで吐いたことの無いような言葉で罵倒もしている。
 もがき苦しむ姿を、ただ秀九朗は無表情で見下していた。

 胸部から上が、刀によって分断され、脳味噌、心臓の臓器を失った胸部より下の部分は力なく倒れる。
 近くのアスファルトには、分断された肺の一部が、ベトリと地に落ちた。
 そして、バケツをひっくり返したかの如く、大量の血がアスファルトを赤黒く染める。


「……何だったんだろうな……」


 もう助からないと一目見れば分かる死体となった、平沢は、残る力で拳銃を握り締める。
 何故か目からは涙が零れている。痛みからから、死に対する恐怖からかは分からない。
 腕までは切り落とされていない。切り落とされていればもっと楽に死ねていた。
 引き金には指を掛けていない。意識が朦朧としているせいか真意は分からない。
 何を考えているかは分からなかった。


「余程、死にたいと見受ける……良かろう」



 グシャリ





 俺は出来損ないだった。
 兄が二人、弟が二人で、四人とも有名な大学へと入った。
 一番上の兄は、市議会議員となり、二番目の兄は、警視庁の公安部へと配属された。
 弟は、警大へと入学し、もう一人は、アメリカに渡米しMITで機械の勉強をしている。
 父親は、警視庁組織犯罪対策部の警部、そして二人の叔父は警視庁の幹部。
 エリート家系に生まれた俺は、いつも家族から白い目で見られてきた。
 三流大学を出て、就職のなかった俺は、警察学校へ入りギリギリで卒業。
 後から聞くと、コネで卒業させてもらえたらしい。
 悔しかったが、福岡駅前の交番へ配属され、プライドを酷く傷付けられた。
 そこは過酷過ぎたからだ。暴力団は毎日のように抗争し、年に数人は殉職者が必ず出る。
 まるで、漫画やアニメに出てくる、無法地帯の如く荒れていた。
 無論、汚職警官もいた。告発しても、もみ消され、挙句の果てに、田舎の交番へ飛ばされた。
 そのことで、父には勘当され、見放され、自殺未遂まで図ったこともある。
 一年前、ヤクの横流しをしていた、暴力団を摘発し、南雲市警察へと配属された。
 俺はそこで汚職警官となり、親父達に復讐することだけを考えていた。
 どの道、叔父さんが汚職をもみ消してくれる。金も入ってくる。最高さ、最高。


 なのに……ここで死んで堪るかよ……
 何にも、人生に良いこと無かったじゃねぇかよ
 ここで死んだら……俺の人生なんだったんだよ……


 腹から下の感覚がない。切り落とされた痛みで、意識も遠のいている。
 漫画みたいに生きていること自体、不思議だった。普通なら、死んじゃうよな。
 神様は、最後まで俺を苦しめてくれるようだな。

 どの道助からないなら、早く殺してくれたら良かったのによ。
 どの道出来損ないなら、生まれてこなければ良かったのによ。

 期待させんなよ……頑張らせんなよ……
 父親も母親も叔父も、兄貴も「お前なら出来る奴」とか言いやがってよ。
 何だよ、大学受験に失敗したからって、死体を見るような目で見やがって。
 就職が無かったからって、内定が取り消されたからって、死にかけた兎を見る目をしやがって。


 ああ……もう、頭に来たから、格好良く死んでやる。
 デリンジャーもまだ使いえるみたいだし。
 ヘヘヘ……その道、引き金は引かないんだ……
 拳銃構えたら、止めさしてくれるだろよ、白髪。
 出来損ないだからって、折角死ぬなら、格好よく死にたいんだよ。


「……何だったんだろうな……」


 死ぬ前の言葉が、見っとも無い。
 ああ、マジなんだったんだろうな俺の人生。
 馬鹿馬鹿しい、何で泣いてんだよ、俺。


 思いっきり斬る気みたいだけどよ、白髪野郎、一発で殺せよ。
 なるべく痛いのは嫌だからな。




 ああ……ダメみたいだな……
 何だか……意識が朦朧としてきた……





 ようやく……サヨウナラだな……この糞みたいな人生によ……





 まァ無理だろうけど……最後に一つだけ……言いたい……
















 何で生きてたんだろうな





 グシャリ








【平沢健雄       死亡】
【第一回放送まで    七人】



【一日目/早朝/E-3・家】
【暁秀九朗@伏線キャラ】
[状態]健康
[装備]幻刀「斬歌」
[道具]基本支給品、戦利支給品×0~2
[思考]
基本:自分に襲い掛かる敵を斬り殺す
1:武士道を貫く



【幻刀「斬歌」】
  • 暁秀九朗の使用している日本刀。硬さに比例して、切れ味が変化する。
  • 重さは、通常の日本刀の0.9倍。斬れば斬るほど、軽くなる。
  • 固有能力や、超能力も、「斬歌」を使用する間は、使用不可能となる
  • 元ネタは「斬月」と「罪歌」

 暁秀九朗(あかつき・しゅうくろう)
白髪総髪の男。二十代後半で180の長身。暗殺剣の使い手で、最強の武士。
左目には、二倍のスピードで進む世界が見れるが、「斬歌」を使用することで、使用不可能となるため隻眼としている。

10:これはロリコンですか? いえ、立派な公務です 目次順 Next:[[]]
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女とツキナシと馬鹿‥‥そして、ギャンブル 平沢健雄 GEMAOVER

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最終更新:2012年04月09日 12:52
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