「ちょっ!!!ゴボッゴホ!!!たすッか!!!」
開始エリア水の中って、ツイて無いってレベルじゃないよ!!
支給品も沈んでいくし、体もだんだん沈んでいくし!!
ちょっと、ヤバイ。ちょっとこれヤバイって。
足つった、足つった。沈むってこれ!!沈むってこれ!!
え、ちょっと。他の参加者来ちゃったって。
なにこれ、片手にマシンガン持っているよ。
あーやばい、殺されるわ。こりゃ撃たれる。
溺死するのと、殺されるのどっちが先かな。
ツイてない、というレベルじゃない。コレ。
「手に捕まれ‥‥子供‥‥。」
差し出されたのは、手。
手?ってあれ。これ、予想外。罠かな?
ってか意外と、浅っ!!
「心配‥‥するな‥‥殺すつもりは無い‥‥。」
◇
「私の名前は‥‥瓜生雁茄だ‥‥。よろしく頼む。」
警戒はしないとならない。
片手にはマシンガン。握手を求めているとはいえ侮れない。
っていうより、握手っておかしいよね。
「私の名前は、山口美雪。よろしくお願いします。」
こんな感じかな?
と、思ったけど、まあいいや。この女の人強そうだし。
怪しいし、警戒しないといけないはず。だけど、それを出来るほどの神経は無い。
人を殺すことは怖いし、出来たら殺したくない。
殺し合いに参加させられている。そして、私の考えは矛盾している。
「おー集まってる、集まってる。二人もいる。」
声が聞こえた。高い男の声。
声の主は、両手を挙げてこちらへ向かって歩いている。
深緑のコートを着た、感じよさそうな容姿の男。
名前は分からないが、殺し合いには乗ってなさそうな顔をしている。
危険。という言葉は無い。
「止まれ‥‥殺し合いに‥‥乗っているか?」
「聞きたい~聞きたい?」
「調子に乗るな‥‥男。」
「分かった。乗ってない。」
男の答えも、雁茄という女の人の答えもNOだった。
心強い。けれど、少し心配でもあった。
ここにいる全員が生き残れるか、という。
怖かった。もしも誰かが裏切るかもしれないと考えると。
「俺の名前は、平沢健雄。南雲市警察の刑事やってます。」
「私は‥‥瓜「別にいい、名前を言わなくて。」
男の声と、瓜生さんの声が被った。
故意に重ねてきた。嫌な予感しかなかった。
「今から死んじゃう人の名前なんて興味ない。」
平沢のコートのそで下から、小型の拳銃をスライドされる。
デリンジャー。この拳銃の名前は知っていた。
小型拳銃。リンカーン大統領を暗殺するために使った拳銃。
それを、左手に構えた。
銃口は私に向けられている。
「さて、一人目かな。」
「そうは‥‥させない‥‥。」
バン!バン!バン!
銃声が何発かの響いた。
平沢のデリンジャーも、瓜生さんのマシンガンも発砲されていない。
「どう‥‥なっている?」
続いて爆音。
近くにあった、家が吹き飛んだ。
爆発と共に、瓦が隕石のように降り注いだ。
窓ガラスの破片も、吹雪のように、飛び散る。
「‥‥クソ‥‥逃げられた‥‥。」
◇
ところ変わって、近くの民家。
平沢刑事と、瓜生雁茄がニアミスした数分前の話。
テンガロンハットを被った青年、ビリー・ザ・キッド。
固有能力、『空気銃(エアガン)』を所有する。クラスは強欲。
アウトロー。彼の職業。
(ったく、馬鹿じゃねーのか?色欲のヤロー。)
色欲こと、アンドレイ・チカチーロ。ロストフの殺し屋、赤い切り裂き魔。
容姿がかなり異なるのは、精霊であるため、まったく違う肉体を受肉したからである。
能力は完全催眠。それによって、騙されていた記憶。
記憶の混乱を招くため、困惑しているしている者も少なからずいる
少なくとも、ビリー・ザ・キッドは例外である。
(ってか、なんだこりゃ?)
彼が居た西部開拓時代には、少なくともテレビは無かった。
彼が居た西部開拓時代には、少なくともラジオは無かった。
彼が居た西部開拓時代には、少なくとも冷蔵庫は無かった。
彼が居た西部開拓時代には、少なくとも除湿機は無かった。
彼の目に映る、全てが新鮮な光景。
だが、好奇心と同時に、色欲の幻影や罠である可能性があるとも考えている。
四角い、ガラスのついた箱の突起物──テレビの電源のスイッチ。
好奇心旺盛の彼には、押したくてたまらなかった。
『続いてのニュースです。市長選挙の開票の結果は、○○さんが優勢で‥‥』
大音量の、音が部屋中に響く。
誰もいなかった、箱のガラスの向こうに、いきなり女が現れた。
彼は、恐らくそう考えたであろう。
参加者とニアミスしたと勘違いしたビリー・ザ・キッドは恐るべき事を口にした。
「てめーは、殺し合いに乗っているのか?」
『○○氏は五百表の大差をひっくり返し‥‥』
「おい‥‥シカトはねーだろ。」
『では、明日のお天気です。』
「おい、俺様でも怒る時は怒るぜ。」
『現場の××です!!』
「クソ!!新手か!?二対一は卑怯じゃねーのか。」
『以上でした。では、また明日。』
(逃げやがったか。女は殺りたくねーからな。ラッキーだぜ。)
「変わっている奴だ。」
声が聞こえた。
実は、もう一人。その家の中には、精霊がいた。
ビリー・ザ・キッドが死んで、数百年後処刑された男。
精霊の名前は名前は、ヨハン・ゲオルク・エルザー。ヒトラー暗殺に失敗したテロリスト。
片手には、手榴弾。安全ピンはすでに抜かれて、衝撃をくわえたら、確実に爆発する。
バン!バン!バン!
人差し指を向けると、気圧の利用して、銃弾のように腕を撃ち抜く。
「俺様の能力を忘れたとは、言わせねーぞ。」
「お前は馬鹿か!?」
腕にぽっくりと穴が開き、穴からは袋から水が漏れたかのように、血が流れる。
痛みと衝撃のせいで、手を握ることは出来なかった。
だから、ゆっくりと、エルザーの手からは、手榴弾が転げ落ちた。
それが、民家爆発の原因である。
◇
「だ、大丈夫ですか!?」
銃口を向けられた矢先、家が吹き飛んだ。最早、理解できる範囲のことではない。
あの、平沢という刑事のトラップだった?ならば、何故、殺さずに逃げた?
疑問ばかり残るだけで、何が起きているのか分からなかった。
原因が、どうと嘘をつかれても信じてしまうと思う。
もう、何も理解できない。
「ゲホゲホ!クソ‥‥無茶苦茶しやがるな。」
ジーンズの履いた片足が、瓦礫を蹴り上げて吹き飛ばした。
続いて、手が出てきて、胴体と思われる所に乗っていた瓦礫を投げる。
昔見た、スプラッター映画で見たことのある光景。
中からは、おっかない殺人鬼が出てきて、殺戮の限りを尽くす。
むっくりと、何かが出てくる。
私は、それを見る事しかなかった。
もう、最早、人知を超えているような気がする。
「‥‥気をつけろ‥‥何が出てくるかは‥‥分からない‥‥。」
アイスホッケーのマスクを被った殺人鬼、無敵の殺人アンドロイド。
発狂してしまう。ソレを超えた。
出てきたのは、予想を裏切る、テンガロンハットを被った青年。
まったく、おっかなそうには見えない。
「おー良かった、助かったぜ。」
「動くな‥‥動いたら‥‥殺す。」
「ちょいちょい、待てって。俺様は、オメーらを殺す気なんてねー。」
「生憎‥‥こちらは‥‥お前を殺す気がある‥‥。」
え?と思ったときには、銃声が聞こえていた。
構えた、マシンガンからは、数十発の弾丸が発射されたていく。
同時に薬莢も次々と、地面に落ちていく。
ズドドドドドと言う銃声が、地響きのように伝わった。
「‥‥全部‥‥外れた!?」
テンガロンハットが穴だらけになって瓦礫の上に転がっている。
金髪碧眼の青年は、呆れたような顔をして、こちらを見ていた。
マシンガンの重さは、相当なもののはず。
だが、確実に一発は命中していたのは確認できた。
男の腕にあるかすり傷のみが、被弾したという証拠。
「どうなっているの?」
これほどの、民家崩壊でも無傷だった青年。
これほど、乱射されたのに、無傷の青年。
化け物だ。化け物としか、現しようが無い。
男の腕からは、わずかに血が垂れる。
「女とガキには、手を上げねーつもりだ。」
「だから‥‥どうした‥‥?」
「出来れば、殺すのは避けてーんだ。」
「‥‥大体、察した‥‥。」
「ここから、立ち去れ。」
「分かった‥‥。」
あんな、瓜生さんも化け物との戦闘を控えたいはず。
マシンガンの銃口を男から遠ざけた。
もしも、男が裏切るかもしれない。だが、裏切っても抵抗は出来ない。
化け物だから、常人の私達には、殺せない。
「瓜生雁茄だ。‥‥名前だけ‥‥名乗っておこう‥‥。」
「俺様の名前はビリー・ザ・キッド様だ。次名前を聞く時は、地獄だぜ。」
「えーと、私の名前は、山口美雪です。」
ビリー・ザ・キッド?
あれ、どこかで聞いたことのある名前だ。
頭の中で、考え、探ったが、記憶の中から搾り出すことは出来なかった。
「フン‥‥下らない‥‥。」
え、ちょ、何?
どんな人それ。
有名人?芸能人?ハリウッドスター?
私だけ分からないんだけど。
ね、話の輪に混ぜてよ。
いったい、誰なの?
「早く行くぞ‥‥山口‥‥。」
疑問の残る、瓦礫の山から私と瓜生さんは立ち去る。
【一日目/深夜/E-3・家】
【山口美雪@単なる伏線キャラ】
[状態]健康、混乱 ずぶ濡れ
[装備]なし
[道具]なし
[思考]
基本:殺し合いには乗らない
1:どうなっているの?
2:ビリー・ザ・キッド‥‥だれだっけな‥‥?
【一日目/深夜/E-3・家】
【瓜生雁茄@二つ名キャラ】
[状態]健康
[装備]M60(残弾:少)
[道具]基本支給品、戦利支給品×0~2
[思考]
基本:不明
1:ビリー・ザ・キッド、平沢を警戒
2:とりあえず、山口と合流
【一日目/深夜/E-3・家】
【ビリー・ザ・キッド@精霊】
[状態]健康、腕にかすり傷
[装備]なし
[道具]基本支給品、戦利支給品×0~3
[思考]
基本:女と子供は殺さない
1:できれば、殺したくねーな~。
※平泉(後述)には気づいていません
◇
息がしにくい。
手榴弾の破片が胸部に直撃し、鎖骨が折れている。
爆風で吹き飛んだ。手榴弾の威力を変化させたためだ。
固有能力である『誤爆弾』。爆発の威力を無限に変える事が出来る。
ただ、狙った目標は爆殺出来ない。つまり誤爆だ。
テレビを狙って、ビリー・ザ・キッドを爆死させようとしたが失敗した。
バチが、当たったというのか。
出血は、腹部と片腕の傷口から大量に出ている。
右足が動かない。足にいたっては、肉が捲れ上がり、骨が顔を出している。
それにようやく気づいた。
体中の激痛で、動けそうにも無い。
もう絶望的。あとは、死を待つだけしかない。
「クソッ‥‥あのガキが!」
声は掠れている。肺からの呼吸が十分でないためである。
全ては、ビリー・ザ・キッドのせいだ。
あの男が、考えなしに右手を撃ったから、手榴弾を落とし爆発した。
能力は、『空気銃』。能力的には、こちらが上のはずだった。
「久しぶり。ゲオルク・エルザー。」
元所有者だった男、平沢健雄。
幻影の中で、共闘し戦った男だ。
閣下。そう、呼んでいた。
彼は残酷な性格だ。恐らく、殺される。
死ぬ。ようやく、死ねるようだ。
恐らく、一人目の脱落者か。
見っとも無い死に方だ。
「俺も優勝したいんで、んじゃ。」
小型の拳銃。デリンジャー。
引き金には人差し指。力を入れたら、死ねる。
いつ殺されるかも、彼の気まぐれしだいである。
彼の言葉からすると、今からでも殺されるだろう。
ゴチン!
奇妙な音が鳴った。
少なくとも、デリンジャーは発砲されていないはずだ。
銃声でもない、鉄が何か硬いものに当たるような、そんな音。
「だ、大丈夫で、ですか?」
どうやら、助けられたようだ。一人の少女に。
見たことがある。確か、ビリー・ザ・キッドの所有者だった少女。
雨の日。刑事を二人殺した日にいた。
もしかしてコレは罠か?
だが、このヘタレの少女が罠を仕掛けてくるとは思えない。
この少女はどう動く?
ここで、殺せば、優勝はしやすくなる。
殺さなければ、殺しに来るかもしれない。
となると、殺されるのは、目に見えている。
「わ、私を警戒していますか?」
「ああ、そうとも。」
「わ、私のな、名前は、平泉弥生です。」
「‥‥どういう、風の吹き回しだ?」
「じ、じじ自己紹介です。殺す気は無いです。」
「お前も、あの日見たはずだ。二人の人間を殺した。」
「けど‥‥目の前で、人が死んで欲しくないんです!!」
くだらない、覚悟だ。
コレは、ギャンブルだ。人を殺さずに優勝できるかなんて。
殺さないと自動的に、爆死する。
生存できる可能性は、ほぼゼロパーセントだ。
あくまでも、“ほぼ”ゼロパーセント。
少しでも可能性がある。
まったく、馬鹿なヤツだ。
だが、面白い。その賭けに乗ってみようじゃないか‥‥。
◇
【一日目/深夜/E-3・家】
【ヨハン・ゲオルク・エルザー(傲慢)@精霊】
[状態]右手、右足出血(大) 衰弱気味
[装備]不明
[道具]基本支給品、戦利支給品×0~2 手榴弾(個数不明)
[思考]
基本:精霊は皆殺しにする
1:クソ‥‥!
2:もう助からない
【一日目/深夜/E-3・家】
【平沢健雄@元所有者】
[状態]健康、気絶
[装備]デリンジャー(2/2)
[道具]基本支給品、戦利支給品×0~2
[思考]
基本:他の参加者の前で好青年を演じて、隙を見て、殺す。
1:優勝したいな~
【一日目/深夜/E-3・家】
【平泉弥生@名前が出てこなかったキャラ】
[状態]健康
[装備]火掻き棒
[道具]基本支給品、戦利支給品×0~2
[思考]
基本:殺し合いには乗らない
1:男(ゲオルク・エルザー)を助ける。
※ビリー・ザ・キッドには気づいていません
[オリキャラ紹介]
強欲(ビリー・ザ・キッド)
金髪碧眼の青年。精霊。正体は、アメリカのアウトローであるビリー・ザ・キッド。
女と子供は殺さなというポリシーを持つナルシスト。頭が良くない。
固有能力は『空気銃』。体中から、気圧を変化させた物質を飛ばすことが出来る。
スタータスについては、前ロワ参照。
山口美雪(やまぐちみゆき)
ショートカットの高校生。山口美砂の姉。
関勝宏の同級生で明るいが、尽く運に恵まれていない。
瓜生雁茄(うりゅうかりな)
スタイルの良い女性。それ以外は不明。
『不死人殺し』という二つ名を持つ女性で、戦闘経験に長けている。
平沢健雄(ひらさわたけお)
汚職警官。海棠、伊達坂の同僚。残酷で腹黒い性格。
それ以外は、前ロワ参照。
傲慢(ヨハン・ゲオルク・エルザー)
軍人のような男。正体は、ヒトラー暗殺未遂犯、ゲオルク・エルザー。
固有能力は『誤爆弾』。爆発物の威力を変化させれるが、誤爆しかできない。
スタータスについては、前ロワ参照。
平泉弥生(ひらいずみやよい)
極端にヘタレな大学生。実は、森久保組若頭(ジェイミーによって暗殺)の娘。
幻影の中では、ビリー・ザ・キッドの所有者だった。
最終更新:2012年04月04日 14:49