36話:無理心中なんていけないと思います
「ああ、そんな、美祐が、美祐が死んだなんて……!」
「直重君……」
放送で愛する姉の死を聞き、直重は激しく取り乱していた。
気遣う凛花は知人の名前は呼ばれなかったが、直重の気持ちは十分に察せた。
「うっ…うっ…」
「……」
「……もう嫌だ、どうしてこんな事に……もう、何もかもどうでも良い……」
「えっ」
直重は突然、凛花を押し倒した。
突然の事に驚き、目を白黒させる凛花をよそに、直重は鋭い爪で凛花の衣服を引き裂く。
「なっ、何をするの!?」
「もういい、もういいんだ、俺、片桐さんを犯して殺して、死ぬ」
「ええぇえ!?」
要するに強姦した上で無理心中すると言う意味の、余りに身勝手な直重の行動に、
流石の凛花も激しく抵抗する。
しかし、人間と飛竜では筋力の差は歴然で、どうする事も出来ない。
そうこうしている内に、あっと言う間に凛花は全裸にされ、直重は涙を流しながら、
いきり立つ己のモノを凛花の秘部に宛がい、一気に貫いた。
「ぎゃっ、あ……い、痛い!」
「うっ……ウ、きつい……」
慣らしもせずに飛竜のそれを入れられ苦痛で悶える凛花にはお構い無しに飛竜は腰を乱暴に動かす。
「ウッ、グッ、グッ、はぁ、あっ、美祐、美祐、もうすぐ俺、そっちに行くから」
「痛い、痛いよ、直重君、こんな事して、お姉さん、よろこっぎい!」
「ああっ、ああっ、ああっ、あっ、あ……」
しばらくの間、民家の中に飛竜と少女の呻き声が響いた。
そして数十分程過ぎ、直重は二回程、凛花の中に欲望を吐き出し、引き抜いた。
ごぷっと音が聞こえるような、大量の雄汁が少女のそこから溢れ出し畳を汚す。
「うっ……うっ……酷い……酷い……直重君……」
一方的な、己の欲望のためだけの行為をされ、嗚咽を漏らす凛花。
股間がとても痛み、違和感がある。全く快感など無かった。
廃墟のホテルで汚い野良犬に激しく腰を振られている時とは全く比べ物にならない。
突然こんな事をした直重がとても恨めしく、憎かった。
直重はどこからかロープを持ってきていた。
それを畳の上で嗚咽を漏らす凛花の首に巻き付ける。
「うっ……ううう……ドーグラスさん……ドーグラスさ」
泣きながら、助けを求めるように、愛する野良犬の名前を呟く凛花。
だがそれは、直重が思い切り、凛花の首に巻き付けていたロープを絞め上げた事で中断させられた。
少女の華奢な首が、飛竜の腕力によって絞め上げられたロープに耐えられる筈も無く、
「ぎえっ」と言う短い悲鳴の後、凛花は脱力し、動かなくなった。
見る見る内に少女の顔から血の気が引いていき、股間から液が染み出す。
それを見ても直重は特に何も言わず、ロープを凛花の首から外すと、民家に隣接する納屋へ向かう。
納屋に入ると、台を使い頑丈そうな天井の梁にロープを縛り、自分の首にもロープを巻き付ける。
ここで首を吊って死ぬつもりだった。
だが、完全にぶら下がるのは怖かった。そこで足がつく状態で体重を掛けて死ぬ事にした。
「グウゥ……ッ」
体重を掛けると、首がロープで絞まり、みしみしと嫌な音を立てる。
膝を折り曲げた状態でぶら下がる形になる。
気道と動脈が完全に塞がり、呼吸と脳への血と酸素の供給が絶たれる。
「…………ッ」
両手の拳を固く握り締め、直重は苦しみに耐える。
もう少し、もう少し耐えれば、もう苦しみも無くなるはず。
この苦しみを越えれば、きっと自分は、愛する少女の元へ行けるはず。
「………………」
やがて、直重は時折身体を痙攣させるだけになり、やがて、完全に動かなくなった。
土間である地面に染みが広がっていく。
両手の拳は固く握り締められたままだった。
彼が愛する人に会えたかどうかは、誰にも分からない。
【片桐凛花 死亡】
【萩野直重 死亡】
【残り 17人】
最終更新:2012年05月17日 08:30