9話 彼らの選択は未だ不明瞭のままで
「うそだろぉ、なんだよこれ! ありえねぇよ!」
フィールド南東の山道を下って行くカラスの少年がいた。
名前をカラバッチョと言い、山びこ村という小さな村に住んでいる郵便屋の息子である。
彼は山びこ村ではみんなのリーダー的な存在ではあるが、結局は普通の子供である。
殺し合いをしろ、と言われてハイ分かりましたとは言わないししたくもない。なにより殺されるかもしれないという恐怖で上手く動けもしない。
「なんだよ、こんな事考えたばか野郎は! 俺がこんな事でビビるとでも思ってんのか!」
口ではこんな事を言っているカラバッチョだったが、内心ではとても怖かったし、なにより今現在ヒザがガクついている。
カラスにヒザもくそもないが。
「くそっ……せめて山びこ村の誰かに会えればいいんだがなぁ……はぁ。これからどうしよう……」
そんなこんなでカラバッチョは消防署にたどり着いていた。
こんな所でも隠れ場所にはなるだろと、消防署のガレージに向かったカラバッチョだったが、すでにそこには先客が、いた。
「ふぅ。とりあえずここにいれば安全d」
「おい。お前、誰だ?」
「いっ……」
「ぎやーーーっ!!」
……消防署にカラバッチョの絶叫が響いた。
「すまん、アンタは乗ってなかったんだな。てっきりやる気になってるヤツらかと」
「……まあ気持ちは分かる。俺もお前が来た時は少しびびってたしな……」
カラバッチョの隣りにいるのはコマイヌのオコリン坊。
満願神社という古びた神社に棲んでいるコマイヌ兄弟の長男である。
彼は元からこの消防署にワープしており、とりあえずしかたなくこのガレージに隠れていた。
身体がこんななのでディパックもろくに扱えず、途方に暮れている時に、カラバッチョと鉢合わせしたのである。
「……どうするよ」
「……仕方ない、今は隠れるしかないな」
「……そうだな」
(みんな……無事でいてくれよ……俺は隠れてるしか今はできねぇけど……絶対みんな助けてやっからな…………)
カラバッチョはガレージでひとり、何もできないもどかしさを噛みしめ、苦い顔をしていた。
【G-7/消防署/一日目/深夜】
【カラバッチョ@はなかっぱ】
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:基本支給品、不明支給品1~3
[思考]基本:必ずみんなで脱出してみせる
1:どうしたらいいのか分からない
2:みんなが心配
【オコリン坊@おじゃる丸】
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:基本支給品、不明支給品1~3
[思考]基本:今はここで様子を見る
1:日が明けたら行動を始めるつもり
2:とりあえず電ボを探してみるか……
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最終更新:2012年08月20日 09:40