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「ッ――――!」

どうしてこうなってしまったのだろうか。
いいや、どうしてというのは言っていておかしい。
私がこうしたからこうなったのである。

「ッ、はぁ……はぁ……!」

決意はしたはずだ。
だが、これは許されない行為なのだから。
――――胸を締め付けるような錯覚が私を苦しめる。
「もうやめろ」という幻聴さえも聞こえてくる。
それが例え本当に止められていたのだとしても……私は止まるわけにはいかない。
先ほどまでなら止まろうと思えば止まれたかもしれない。
だが、今となってはもう遅い。

「――――ダメ、だ」
「ッ――――!!」

まさかまだ生きているとは思っていなかった。
この右手にある銃で撃ったのに。
銃で撃たれればすぐに死ぬというわけでもないのか。
どうなのか混乱した私の頭ではわからない。

「……なぁ、伊織ちゃん……君が何をしようと思ってるの、かは知らない……けど」
「――――――――」
「君は、こんなことをする人じゃないはずだ……会ったときから、笑ってくれていた君が……こんなことをする人とは思え……」
「――――」
「頼む、やめてくれ……!」
「本当のわたしを知らないくせに、何をわかったように言ってるんだ。
 余計なお世話なんだよ……私はあんたを殺す、それだけの奴なんだ」
「違う! そんな事は――――」
「黙れぇえええええええええええええええ!!」

ダンッ!――――と言う音が響いた。
目の前の少年は今度こそ動かなくなった。
動かなく、なった。

「……もう、これで止まれない」

私――――永瀬伊織は、逃げ道を自分で潰した。
いや、あの時点で――――『感情伝導』が始まったあの時点で。
ぐちゃぐちゃのとなった『永瀬伊織』の感情が『外』に漏れ出した時点で、『私』は終わっていたのだ。

「全てやり直す、<ふうせんかずら>のいない、普通に皆で笑えるようにするんだ」

あの主催が言っていた願いは本当か分からない。
だが、嘘だったとしても――――この殺し合いに対抗して私が生き残ったとしてもだ。
5人が全員生きて帰れるなんて事は、あり得る事ではない。
八重樫太一、桐山唯、稲葉姫子、青木義文、そして私。
この5人がそろわなければ意味が無い。
1人でも欠けたら意味が無い。
だったら、少ない可能性にでも賭けてやろうと思った。
私をそういうふうに突き動かした、右手に持たれている拳銃。
それを握る手からは汗が出ている。
それだけ緊張し、後悔もしているのだろう。

「――――ごめんね、皆」

それが独善であると知りながら。
それが悪の所業であると知りながら。
元々そこにあった『永瀬伊織』を書き変えて、別の『永瀬伊織』を作った。
文研部の部長としての『永瀬伊織』でなく。
誰にでも明るく接する『永瀬伊織』でなく。
皆と過ごせるはずだった日常を取り返す為に人を殺す『永瀬伊織』を。
全てを書き変えて――――Rewriteして。

【持田哲志@コープスパーティ 脱落】
【残り 92人】

【朝/D-4】
【永瀬伊織@ココロコネクト】
[状態]精神的疲労(大)、迷い(中)
[所持品]基本支給品×2、シグP210(7/9)@現実、シグP210のマガジン×3、不明支給品(1~5)
[思考・状況]
基本:殺し合いに優勝して、何もなかった世界に……?
1:文研部のメンバーには会いたくないけど……
[備考]
※ミチランダム5章終了からの参戦です


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悲しみを超えてなお SS順
START 永瀬伊織 [[]]
START 持田哲志 脱落

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最終更新:2012年09月19日 22:56
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