夢半ばにして昇天す

15話 夢半ばにして昇天す

森の中の廃屋郡。
栗毛の牡馬、シップウジンライは雌を求めて森を抜けここまでやって来た。

「ここは廃村か? ……こんな所に女なんていなさそうだが」

いつ建てられたのか、いつから無人なのか分からない程朽ち果てた木造家屋が幾つか建ち並んでいる。
中には完全に倒壊してしまっている家屋もある。
廃屋の内部はいずれも酷い有様で、床が陥没していたり天井板が落ちてきていたり、
竹が床下から天井を突き破っていたりしており、休憩場所にもなりそうにない。

「ん……」
「あ」

しかし、人がいた。
ウェーブのかかった茶髪の髪を持つ、メイド姿の少女。
彼女はシップウジンライの事を発見し少し驚いていた。
一方のシップウジンライは喜んだ。

「やった、雌だ!」

最初に遭遇した雌、しかも大当たりの部類に入る美少女で、シップウジンライは興奮する。
股間の竿がみるみる内に大きくなり、鼻息が荒くなっていく。
目の前の牡馬が興奮している様子を見て、メイド――石和清香は、牡馬が望む事を悟った。

「……」

悟った上で、パンツを脱ぎ始め、更に乳房を露出させる。

「!!」

思いもよらない少女の行動にシップウジンライは驚き、そして更に興奮した。
彼の欲望にとって幸いだったのは、清香が普段から主人の趣味で、犬や馬と交合させられており、
彼女自信も馬が性的な意味で好きになっていた事であった。
清香は手近な所にあった廃車のボンネットに両手を付き、尻を突き出す。

「……どうぞ、お馬さん……」
「い、良いのかい! お嬢ちゃん!」
「好きなだけ、良いですよ?」

清香は既に濡れているその部分を指で広げ、牡馬を誘う。
シップウジンライは、大きく嘶いた。
嘶いて、清香にのし掛かり――――。

ダダダダダダダダダッ!!

無数の銃弾が少女と牡馬を貫いた。
清香はずるりと、車のボンネットからずり落ち、下半身と乳房を露出したまま死んだ。
シップウジンライはその巨体をずん、と横たえ、動かなくなった。
その巨筒は未だいきり立ったままだったがやがて硬さを失うであろう。

「……お楽しみ邪魔して申し訳ない」

右手に短機関銃、イングラムM10を持った白い狼獣人の男が現れる。
黒い半袖のジャケットとズボン、編上靴にレギンスゲートル、手甲、赤色シャツ姿。
黒目に青い瞳の彼――フーゴはたった今殺した少女と牡馬の荷物を漁る。
少女からは針金とニッパー、牡馬からは三十年式銃剣を手に入れた。
そしてもう用は無くなったフーゴは廃屋群を後にしようと歩き始めた。


【シップウジンライ  死亡】
【石和清香  死亡】
【残り41人】


【E-3/廃屋群/早朝】
【フーゴ】
[状態]健康
[装備]イングラムM10(19/40)
[持物]基本支給品一式、イングラムM10予備弾倉(3)、針金、ニッパー、三十年式銃剣
[思考]
基本:面白そうなので殺し合いに乗る。
1:獲物を探す。


《人物紹介》
【石和清香】 読み:いさわ・きよか
18歳。とある富豪家でメイドとして働いている。高校には通っていない。
主人(好青年)の趣味で犬や馬と性交させられているが本人もそれなりに楽しんでいる。
家事スキルは高いが運動神経は良くない。巨乳で童顔。

【フーゴ】
19歳の冒険者。白い狼獣人で黒目に青い瞳。
黒い半袖のジャケットとズボン、編上靴にレギンスゲートル、手甲、赤色シャツ着用。
近接武器、射撃武器どちらのスキルも高く回復魔法程度なら使える(本ロワでは封印されている)。
享楽主義的な面があり、また、両刀。


014:ずっとずっと……籠城――ひとりきり 目次順 016:残影
009:ある馬の欲望 シップウジンライ 死亡
ゲーム開始 石和清香 死亡
ゲーム開始 フーゴ 031:来世ではきっと良い事ある、かどうかは知らん

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最終更新:2013年03月02日 22:00
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