来世ではきっと良い事ある、かどうかは知らん

31話 来世ではきっと良い事ある、かどうかは知らん

神社を訪れるのは、白狼獣人のフーゴ。
廃屋群を後にして森を歩き、この神社に辿り着いた。
社の中を覗くが人の姿は無い。
しかし、床の埃が無い部分がありつい最近まで誰かがいたであろう事は窺えた。

「誰かいたのか……? そんな時間経ってなさそうだな」

周囲を見れば下の方へ行く階段がある。
あの階段の先には、地図から推測するとすれば北部市街地がある筈。
市街地なら他に人もいるだろう、と、フーゴは予測を付けて階段へ向かおうとした。

そんなフーゴの背中を狙う銃口。

銃の主は照準を前方の白狼獣人に合わせ、引き金を引いた。

ダァン!

「なっ」

だが、銃の主――竜人警官の緒方龍也は次の瞬間驚きの表情を浮かべた。
白狼獣人は身を屈めて、あっさりと銃弾を避けてしまったのだ。

「甘ぇよ」

白狼、フーゴはそのまま身体を翻し、手に持っていた短機関銃イングラムを、
自分を背後から銃撃した警官服の竜人へと向ける。

「――!!」

ダンッ! ダンッ!!

銃声が二発響き、龍也の左足に二箇所穴が空いた。

「ぐっ、あ、ああぁあああっ!?」

左足に走る激痛に、龍也は悲鳴をあげ、その場に蹲る。
警官と言う職業柄危険な目には何度か遭ってきたが銃で撃たれた事は無かった。
過去に虐めを受けてきた時でも痛い目には遭ってきたが、たった今撃たれた事による痛覚は、
まさしく新鮮で初めて感じるものだった。

「い、痛い、痛いぃっ……!」

涙を滲ませ血の噴き出る左足の傷口を手で押さえようとする龍也。
持っていたベレッタを落としてしまっていたが足の痛みにそんな事は失念しているようだった。
フーゴは龍也が落としたベレッタを拾い、セミオートにセレクターを切り替えてあるイングラムを、龍也の頭に突き付ける。
それに気付いた龍也は、死の恐怖を感じ、ぶるぶると震え始めた。

「う、撃たないで……!」
「お前、俺を殺そうとしたよな? なのに撃たないでだって? 虫が良すぎんだろそりゃあ。
……あーそうだな」

ここで、フーゴは龍也の顔を覗き込む。

(……結構、好みの顔だなこいつ)

フーゴは両刀使いであり、男相手でも欲情出来るし行為に及べる。
女の好みもあれば男の好みもある。
そして龍也は、彼の「男の好み」に合致した。
にやりと笑みを浮かべる白狼獣人の意図が、龍也には分からなかった。

「俺はフーゴ、お前名前は?」
「緒方、龍也」
「そっか……龍也、殺しはしねぇから……ちょっと付き合え」
「……え?」


◆◆◆


神社の社の中。
緒方龍也は全裸にされ、猿轡をされ両手を頭の上で縛られていた。

「むぐぅううう! ぅうう! ウー!!」

大粒の涙をぼろぼろ流し、その瞳が映すのは自分のモノをしゃぶる、全裸の白狼獣人の男。

「そう嫌がんなよ気持ちイイだろ? こんなに硬くてビンビンじゃねーか、先走り汁もタラタラでよ」
「うぐぅうううう!!」

快楽を感じている事は否定出来無い。だが、それでも龍也は否定したかった。
男に犯されるなんて嫌だった。
足の痛みも収まらぬ内に縛られ身体の自由を奪われその上で同性に犯される。
龍也は同性愛になど微塵も興味は無い。むしろ嫌悪している。
過去の虐めでも好色な男子生徒に性的な虐めを受けた事があり、
現在フーゴにされている事はそのトラウマを蘇らせるには十分過ぎた。

「ほら、イキたいんだろ? イっちまえ」
「ゥゥ~~~~!!」

フーゴの責めは的確で、龍也はビクンビクンと身体を震わせ自分の腹、胸、顔に、
白い液を飛び散らせてしまった。

「すげぇ量だな、いやらしい姿だぜお前」
「……っ……っ……ウウウゥウウウウッ……」

男に絶頂に導かされ、龍也の尊厳は酷く傷付き、龍也は子供のように泣きじゃくる。
忌まわしい記憶が蘇る。
学校のトイレで全裸にされ自慰を強要された時。
自分の尻尾を肛門に入れられ掻き回された時。
モノを紐で縛られ重りを乗せられちぎれそうになった時。
号泣する龍也を尻目にフーゴは龍也の尻穴に己のモノを宛てがった。

「!!」

途端、龍也が泣き止む。
何をされるかすぐに分かった。
抵抗しようとする前に。

ズブッ!

フーゴの肉槍が龍也の穴を貫いた。

「~~~~~~~~~~!!!!」
「オオウッ、良い締まりだな。たっぷり楽しむとするか」
「!! ッ!! ッ!!! ~~~~~~~~~!!!」

社の中に、男の喘ぎ声と声にならない悲鳴が響いた。


◆◆◆


全身を雄臭い白濁液塗れにし、尻穴からも同じ液を垂らし、スリットから飛び出したまま戻らないモノはすっかり萎え、
その瞳は光を完全に失った、全裸の竜人、緒方龍也。
満足気な表情で衣服を着る、白狼獣人フーゴ。

「良かったぜ、龍也。こんな状況じゃなかったらもっと楽しみたかったけどな。
俺を殺そうとした事はこれでチャラにしてやるよ。
だけど、銃は貰っていく、悪く思うな」
「……」

フーゴの言葉に龍也は何も答えない。

「じゃ」

フーゴは荷物を纏め、神社の社から出て街の方へと向かって行った。

しばらくして、龍也はゆっくりと立ち上がった。
目からは涙が溢れていたが泣き声を上げる様子は無い。
涎を垂らし、目の焦点も合って無かった。
フーゴに脱がされた制服の中からベルトを取り出し足を引き摺りながら外へ向かう。

そして、神社の縁側の手摺にベルトを通して輪を作りそこに自分の首を通す。
過去の虐めによるトラウマを、フーゴは意図していなかったとは言え蘇らせられ尚且つ身体を同性に蹂躙され、
元々強くなかった彼の精神は最早限界となっていた。

「……つぎ、うまれかわったら、いじめられなければ、いいな」

それだけ言って、座り込んで首に掛かったベルトに全体重を掛ける。
ベルトによって首が締まり呼吸と血流が停止する。
苦しみにしばらく龍也はもがいたが、やがて舌と涎を垂らし脱力した。
飛び出したままのモノから黄色い液が流れ出し地面に染みて行く。

虐められ続け、トラウマを抱え、殺し合いで心が押しつぶされた緒方龍也。
彼の来世が幸せになるかどうかは誰にも分からない。


【緒方龍也  死亡】
【残り33人】


【D-4/神社周辺/朝】
【フーゴ】
[状態]健康
[装備]イングラムM10(17/40)
[持物]基本支給品一式、イングラムM10予備弾倉(3)、針金、ニッパー、三十年式銃剣、
ベレッタM92FS(12/15)、ベレッタM92FSの弾倉(3)
[思考]
基本:面白そうなので殺し合いに乗る。
1:満足した。
2:獲物を探す。



030:三人の修羅 目次順 032:踊り子に獣の熱情が迸る
015:夢半ばにして昇天す フーゴ 037:連死
018:克服出来る? 出来ない? 緒方龍也 死亡

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最終更新:2013年03月14日 05:58
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