頭がパーン

26話 頭がパーン

稲葉憲悦は自分の性奴隷である柏木寛子を探していた。
だが、ゲームの会場である島はかなり広い、あても無く探し回るのははっきり言って徒労であり現実的でない。
それは憲悦自身も分かってはいる事だった。

(だけど、あいつは具合が良いからなぁ、出来る事なら死んじまう前にもう一回……)

考え事をしながら憲悦が放置されたミニバンの傍を通ろうとした時。

「!」

ミニバンの陰から狐の獣人の男が飛び出してきた。
そして憲悦に向かって、包丁を構えながら突進してくる。
刃先が目指すは人狼の胸か腹。
だが、その刃は人狼のデイパックによって阻まれた。

「うっ」
「この野郎!」
「がっ!」

狐の横腹目掛けて回し蹴りを入れる憲悦。
狐はアスファルトの上に倒され、手にしていた包丁を落としてしまう。

「げほっ、ごほっ……」
「俺を殺そうとするとは良い度胸だ……丁度イイ、こいつの威力お前で確かめてやらぁ」

急襲されて憤慨した憲悦は自分のデイパックの中に手を突っ込み、それを取り出す。
先刻強姦した少女から自動拳銃を奪ったが、それでは無い、彼自身の支給品。

「えっ……」

それを見た狐――二宮嘉光は戦慄する。
憲悦が取り出した物は、セミオート式の散弾銃、ブローニングオート5。
憲悦はそれを構えると銃口を路上に跪いている狐に向けた。

「あっ、い、嫌だ、ごめんなさいごめんなさい!」
「許さん」
「あっ、ああぁあっ! 助けっ」

ドォン!!

至近距離で散弾を受けた嘉光の頭部は半分肉片と化して血と脳漿が飛び散った。
ほぼ即死に近かった、恐らく嘉光は何が起きたか良く分からず、ほとんど痛みも無く死ねただろう。

「うっひょー、すげぇ威力だな」

憲悦自身、殺人を犯すのはこれが初めてだったが、
元々少女を監禁凌辱しているせいか倫理観も薄まっていたようで特に何の呵責も無く、
それどころか散弾銃の威力に感嘆の声をあげていた。

「まあ殺す事は無かったかもだが、もうやっちまったもんはしゃーねー。
さてと……寛子と可愛い女の子捜しに戻るか」

憲悦は引き続き柏木寛子の捜索(並行して可愛い女の子捜索)を続ける事にした。


【二宮嘉光  死亡】
【残り37人】


【C-5/道路/朝】
【稲葉憲悦】
[状態]健康、満足
[装備]ブローニング オート5(4/5)
[持物]基本支給品一式、12ゲージショットシェル(10)、シグP210(7/8)、シグP210予備弾倉(3)
[思考]
基本:殺し合う気は無いが女の子がいたら犯す。寛子を捜す。
[備考]
※殺し合う気は無いものの殺人への抵抗は全くと言って良い程無いようです。


025:秘められたる欲求 目次順 027:暗澹の心
002:墓場で運動会 稲葉憲悦
001:気持ち良くなれない娼館 二宮嘉光 死亡

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最終更新:2013年02月25日 00:39
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