三人の修羅

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30話 三人の修羅

市街地にある雑貨屋。
紫竜の青年エマヌエルは、陳列棚にあったサイダーを手に取った。
キャップを開けてそれを飲む。
金など払っていないが店員はどこにもいないので問題は無い。

「はあっ……」

ある程度飲み一度口からペットボトルを放す。
炭酸の刺激とサイダーの甘味がエマヌエルの喉を通り抜ける。

(支給品の水じゃ味気無かったもんな……)

サイダーを飲み干してカウンターの上に空いたペットボトルを置き、
エマヌエルはサイダーを四本陳列棚からくすねて自分のデイパックに突っ込んだ。
万引きGメンが絶対に見逃さない行動だったがここに万引きGメンはいない。

「行こうかな」

そろそろ雑貨屋を後にするべく、エマヌエルは出入口へと向かう。
そして出入口の扉を潜った直後。
彼は後頭部に重い衝撃を感じた。

「ッ!」

視界が揺れ一瞬意識が遠くなり、エマヌエルは片膝を突いた。

エマヌエルの後頭部を金属バットで殴打した下手人、鐘上真生は追い打ちを掛けるべくバットを振り上げた。

雑貨屋の中を覗いた時、竜種がいた事に少し驚き、相手にせず逃げるべきかと思った。
人間と竜種では体格差も筋力差も大きい。生命力も段違いだ。
それに先刻翼の生えたライオンの獣人にやられた右肩の矢傷もネックになる。
一応小さなドラッグストアにて包帯と消毒薬を見付け応急処置は済ませてあるが痛みはまだ残っている。
この状態で竜種相手に正面きって戦いを挑んでも、勝ち目は薄いと言わざるを得ない。

だが、出入口から出た時を狙って不意を突けば勝機はあると踏んだのだ。

だがその考えはあまりにも甘かったと真生はすぐに思い知る。

バシッ

「!!」
「痛いじゃないか……」

振り下ろしたバットは紫竜の左手によりがっちりと受け止められてしまった。
よく見ればその手は赤く染まっていた。
絵の具などでは無い事は予想がつく。
真生を睨み付けるエマヌエルの瞳には明らかな怒りの色が滲む。
一気に血の気が引いていくのを真生は感じた。
バットを取り返そうとするも、掴まれたそれは全く動かない。

メキッ

「はっ?」

金属バットがくの字に折れ曲がる。
紫竜の握力で金属バットはあっさり白旗を上げてしまった。

「いっ……うあああぁあ!!」

金属バットの最期を見て、本能的に「この紫竜には勝てない」と悟った真生は、全速力でその場から走って逃げた。

「……逃げ足、早いな……いてて……くそっ……」

逃げる青年をすぐにでも追い掛けてやりたかったエマヌエルだったが、
殴られた後頭部の痛みでそれに伴う脳震盪でまともに動けず断念した。
恨めしそうに、逃げ去っていく青年の後ろ姿を彼は見詰めていた。

◆◆◆

「はぁ……はぁ……畜生、武器が無くなっちまった」

紫竜から逃げ果せた鐘上真生だったが、武器を失ってしまった。
早々に代わりの武器を探さなければならない。

「家に入って包丁か工具でも……ん?」
「!」

武器を探そうと思っていた所、前方に一人の少女がいるのを発見した。
少女もまた真生に気付いたようで一瞬歩みを止める。

(ちぃっ、武器もねぇし、ここは逃げとくか)

相手を殺そうにも武器であった金属バットは先程紫竜によって破壊された。
素手で殴り殺したり絞め殺したりするのは自信が無かった。
真生は近くの細い路地に逃げ込んだ。

「くそっ、早く武器見付けねぇと」

武器が無くては何も出来無い。
真生はまず何より武器を手に入れなければと思った。

◆◆◆

青年と遭遇したが逃げられてしまった。
成沢由枝が青年を追おうとした時には既にその姿を見失ってしまっていた。

(無理して追う事も無いか……)

青年にこだわる理由も無い。
由枝はさっさと諦めて別の獲物を探す事にする。



【F-3/市街地/朝】
【エマヌエル】
[状態]後頭部にダメージ、軽い脳震盪、両手血塗れ
[装備]無し
[持物]基本支給品一式(水少量消費)、???、ステーキナイフ、三*矢サイダー(3)
[思考]
基本:皆殺し。
1:脳震盪が回復するまで待つ。
[備考]
※鐘上真生の容姿のみ記憶しました。
※鐘上真生、成沢由枝とは離れた場所にいます。

【F-3/市街地/朝】
【鐘上真生】
[状態]右肩に矢傷(応急処置済)、疲労(中)
[装備]無し
[持物]基本支給品一式
[思考]
基本:皆殺しにして優勝する。
1:あのライオン野郎(ウラジーミル・コスイギン)は次会ったら絶対に殺す。
2:紫竜(エマヌエル)は次会ったら逃げる。
3:武器を手に入れたい。
[備考]
※ウラジーミル・コスイギン、福島愛沙、エマヌエル、成沢由枝の容姿のみ記憶しました。
※エマヌエル、成沢由枝とは離れた場所にいます。

【F-3/市街地/朝】
【成沢由枝】
[状態]健康
[装備]金槌
[持物]基本支給品一式、錆止めスプレー
[思考]
基本:殺し合いに乗り、優勝を目指す。
[備考]
※金上真生の容姿のみ記憶しました。
※エマヌエル、鐘上真生とは離れた場所にいます。



029:爆裂スル恐怖 目次順 031:来世ではきっと良い事ある、かどうかは知らん
007:BLOOD DRAGON エマヌエル
003:天より降る獣 鐘上真生
017:食わなきゃやってられない時もある 成沢由枝
最終更新:2013年03月02日 21:59
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