33話 行軍
病院を後にした福井知樹、村上在羽、エリノアの三人は墓場を訪ねていた。
そこで三人が見付けたものは、首を吊って死んだ少女の死体。
しかも、性的暴行を受けた形跡があった。
服は破かれほぼ全裸の状態の上、白い体液が身体に付着し股間には赤と白の混じった液と、
失禁による小便が垂れ流しになっている。
「こりゃ酷ぇ……」
少女の死体の惨状を見て知樹が呟く。
在羽とエリノアは無言だったが知樹と同様の気持ちだった。
この少女が暴行を受けた末に自殺したのか、それとも、暴行を行った下手人によって殺されたのかは分からないが、
何にせよ、この少女が悲惨な死を迎えた事は明らか。
「知樹さん、この子、このままにしておくのは忍び無いですよ……」
エリノアが知樹に言う。
「……埋める時間も道具も無いけど、下ろしてやる事ぐらいは出来るな。在羽、手伝ってくれ」
「良いよ」
知樹と在羽は少女の死体を下ろす事にした。
酷い悪臭が立ち込めていたが我慢する。
死体は既に死後硬直が始まっていて割と作業は難航したが、どうにか首を絞めていたネクタイを解き、
少女の死体を地面に横たえさせる事に成功した。
しかし死後硬直が酷く折畳まったままの膝等はどうしようも無かった。
「ブルーシートありますけど……」
「それを掛けてやろう」
エリノアが見付けてきたブルーシートを、少女の死体に掛けてやる。
野ざらしよりはましであろう。
「……これ以上この墓場には何も無さそうだし、街の方行くか」
「そうだね」
「はい」
三人は墓場を後にし街の方へと歩き始めた。
【C-6/墓場/朝】
【福井知樹】
[状態]疲労(中)
[装備]???
[持物]基本支給品一式、???
[思考]
基本:殺し合いから脱出したい。在羽、エリノアと行動。
【村上在羽】
[状態]健康
[装備]???
[持物]基本支給品一式、???
[思考]
基本:殺し合いはしない。知樹、エリノアさんと行動する。
【エリノア】
[状態]健康
[装備]???
[持物]基本支給品一式、???
[思考]
基本:殺し合いはしない。在羽さん、知樹さんと行動する。
最終更新:2013年03月07日 18:08