TURNING POINT

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妹であるユーリに掛けられたパンドラの呪いを解くため、ユーリや仲間達と共に旅を続けていたクロード。
その旅もようやく終わりが見えていた。
親友であるディミトリが全ての元凶であるシェリーと契約を結ぶ運命を変えれば、
パンドラの呪いによる影響でユーリの首に現れた死蝶の呪印を解くことができる。
過去のクロードとディミトリが貴族に磔にされている光景が映し出されている鏡を壊せば、運命を変えられる。
世界が冥界と呼ばれることも無くなり、平和な世界が戻ってくる。
だが、クロード達が鏡を破壊しようとした時、鏡がクロード達を吸いこみ、過去の世界へと連れて来られてしまった。
そのため、契約を結ぼうとする過去のシェリーを直接倒し、運命を変えることにした。
そして今、クロード達はシェリーと対峙している。

「シェリー、アンタの野望、止めに来たよ」

仲間の一人であり、長年シェリーを追い続けていたドミニクがチェックメイトを宣言する。

「ドミニク……!」

シェリーは突然の乱入者により動揺を隠せない。

「ディミトリ、その女の言葉を聞くな、絶対にだ」
「ディミトリ、お願い」

ディミトリがシェリーと契約してしまえば、運命を変える機会は永久に無くなる。
そうならないよう、クロードとユーリはディミトリに注意する。

「クロード? ユーリ? いや、似てるけど、え?」

ディミトリは今の状況が理解できなかった。
世界が止まったと思ったら少女が現れて力が欲しいと願えと言い、
次にはクロードとユーリが現れ、少女の言葉を聞くなと言っている。
クロードは自分と同じように隣で磔にされているはずで、ユーリは孤児院にいるはずだ。
しかし、良く見てみれば服装が異なり、ユーリは首に包帯をしていた。

「ディミトリ、これは貴方の理性が見せている幻、邪念よ! 構うことはないわ! さぁ、強くなりたいと願うの!」

シェリーは計画のために何としてでもディミトリと契約しなければならなかった。

「必死だね、シェリー」

ドミニクは挑発するかのように言い放つ。

「黙りなさい!」
「お前はもう終わりだ、この世界から手を引け」
「クロード……貴方まで、どうして! ……あぁ。フフ。何だ、そういうこと。
 一人じゃ勝てないから、大勢の助っ人を頼んだのね?」
「そうさ、アンタの被害者一同」

シェリーの力は絶大だ。
幾つもの世界を管理、監視を行う観察者であるドミニクであってもシェリーには勝てないだろう。
だからドミニクは共に戦ってくれる仲間を探した。
そしてつい先ほど仲間達と共に全盛期にほぼ近い力を持った現在のシェリーを倒した。
今の状態なら全盛期である過去のシェリーも倒せるはずだとドミニクは確信している。

「いいのかしら? そんなに大勢で運命を変えても」

分岐点を新たに作るということは新しい世界を作るということだ。
しかも、契約が成立するのとしない世界ではあまりにも新たな分岐点が多すぎる。
世界があまりにも多くなると世界を管理する場所、カオスフィールドの初期化が行われ、
全ての物は無に還ることになり、似ているようで全く異なる世界が作られる事となる。
つまりは自身の存在が消えるかもしれないということだ。もっとも、シェリーも初期化は望んではいないが。

「大丈夫だよ、彼らは幾つもの奇跡を生み出して来たんだ」
「いい加減な理由ね」
「アンタの計画を阻止するにはちょうどいい理由だと思うよ」
「グッ! アナタ……! 死ぬ準備は出来ているようね!」

計画がいい加減な理由とちょうどいいと言われ、シェリーは苛立つ。

「シェリー、ディミトリから離れて」
「ユーリ……アナタ、どこまでもわたしを不幸にしたいようね!」

そもそもこのような計画を立てたのはクロードという心の拠り所の有るユーリが笑顔だったからだ。
シェリーの元となったユーリの居た世界にはクロードが存在せず、全ての者から差別、暴力等を受けられ、
クロードのような護ってくれる人がおらず、最期まで全ての者を恨み、憎みながら死んでいった。
そしてその怨念からシェリーが生まれた。
ユーリに呪いを掛けたのはいずれ観察者となり、膨大な魔力を得る事となることもあるが、
いつも隣にクロードが居て、いつも笑顔でいる別世界のユーリを妬んでいたからだった。

「ユーリ……」
「ディミトリ、ありがとう。アナタは、本当にわたしを大切に思ってくれていたのね」
「うん……そうだよ」
「フフ。ありがとう、嬉しいわ」

これでもう、ディミトリがシェリーと契約を行うことはないだろう。

「冗談じゃない……! こんな……こんな所で阻まれて堪るもんですか!
 わたしは、叶えてみせるわ! 夢を、祈願を!」


本来ならばこの後クロード達の最終決戦が始まるのだが、


「こうなったら、あの男から貰った力を使うしかないわ……!」
「あの男……?」


運命は、ここから変わり始める。


「今からアナタ達の内四人をある場所に連れていくわ」
「まだ何か企んでいるの、シェリー!」

クロードとユーリの疑問を無視し、シェリーは服から何かを取り出した。

「バトルカード、プレデーション!《インビジブル》!」
「何だ? シェリーの姿が、半透明に……」
「シェリー、その力は一体何なんだ!」

ドミニクはシェリーが見たこともない力を使ったことに対し驚愕した。

「これは鏡冥界やカオスフィールドとは全く異なる異世界の力。アナタ達の攻撃は今のわたしには全て通じないわ」
「全く異なる異世界……? そんなものがあるというのか……?」
「無いとは言い切れないでしょう? アナタ達が使っている禁書だって、異世界の物なのだから」
「……だが、通じないかどうかは試してみなければ分からない! ウオオオオオオ!」

クロードがシェリーに斬りかかるが、半透明のシェリーに当たることはなくすり抜けてしまった。


「一人目はクロード、アナタよ!」
「何!?」

クロードの目の前の空間に突然黒い穴が開きだす。

「何だ、これは!?」
「今からアナタをノイズウェーブへと送ってあげるわ。バトルカード、プレデーション!《ヘビーキャノン》!」

背後に回り込んでいたシェリーの腕がキャノンに変化し、クロードに向かって弾を打ち出す。

「クロード! 危ない!」
「オリヴィア!? 危険だ! 離れろ!」

クロードへの攻撃を庇おうと仲間の一人であるオリヴィアが立ちふさがり、剣を盾代わりにして防ごうとする。だが、

「うっ……ぐっ……」
「ぐぁ!」

《ヘビーキャノン》の衝撃には耐えられず、後ろに居たクロードごとノイズウェーブへと吸い込まれていった。

「お兄ちゃん!?」
「オリヴィア!?」
「余計なものも入ったけれど、まあいいわ」
「シェリー、クロードとオリヴィアを何処にやったんだ!?」
「何処って、さっき言ったでしょう。ノイズウェーブよ。別に死んだわけではないから安心しなさい」
「何なの、そのノイズウェーブって……」
「アナタ達が知る必要は無いわ。あと二人……丁度いいからユーリ、ドミニク、アナタ達を連れていくことにしましょう」

シェリーの狙いはユーリとドミニクに決めたらしい。二人は困惑しながらもシェリーと対峙する。

「来るよ、ユーリ!」
「うん!」

シェリーに近づくため、前へと走る。だがそれが、失敗だった。

「バトルチップ、《エリアスチール》スロットイン!」
「シェリーの姿が消えた!?」


「アナタ達の後ろに居るわよ」
「しまった! いつの間に!」
「これでチェックメイトよ。バトルカード、プレデーション!《ウィンディアタックX》!」

今度はシェリーの腕が巨大な団扇になり、思いっきり振った。

「吹き飛ばされる!」
「きゃ!」

《ウィンディアタックX》の風圧に耐えられず、二人はノイズウェーブへと吸い込まれていった。





「クッ……ここは?」

クロードが気が付いた時には見慣れぬ建物の中におり、椅子に座らされていた。

「くそっ……あともう少しで運命を書き換えることが出来たってのに……!」
「お目覚めのようね、クロード」

クロードの目の前には、つい先ほどクロードをノイズウェーブへと叩き込んだシェリーが居た。

「シェリー! ここは何処だ!」
「ここはバトルフィールド、これからアナタ達が戦う場所の何処かよ」
「……どういうことだ?」
「その内解るわ。ユーリ、ドミニク、オリヴィアも連れてきているから、一人じゃないわよ。フフ」
「ふざけるな! 俺達を元の場所に戻せ! そして、俺達の世界から手を引け!」
「それは出来ないわね。まあ、アナタがわたしのモノになるのなら考えてもいいわよ?」
「いい加減にしろ!」

クロードはシェリーに攻撃しようとしたが、身体が動かなかった。

「ぐっ……身体が、動かない……」
「残念だけど、アナタは今喋ること以外できないわ」
「俺達を、どうするつもりだ……」
「あの男が言うには、異世界の人々を集めて殺し合いをさせるそうよ」
「何……!?」

てっきり拷問されて惨たらしく殺されるか吸収されて魔力にされるかと思っていたが、
想像していた答えとは全く異なる返答に絶句するクロード。
異世界の人々を集める? 殺し合い? 全く意味が分からなかった。
そもそもあの男とは誰だ? シェリーの背後にまだ誰かいるというのか?

「シェリー……あの男とは一体誰だ? お前の背後にまだ誰かがいるのか?」
「もうすぐ勝手に自己紹介でも始めるでしょう。それに、わたしと彼はただの協力関係よ。決して部下ではないわ。
 それで、クロード……殺し合い、アナタはどうする? 乗る? 乗らない?」

突然話題を切り替えられた。だが、今下手にシェリーを刺激するわけにはいかない。
身体の自由が無い以上、クロードの命はシェリーが握っている。その気になればいつでもクロードを殺すことが出来るのだ。
しかし、ユーリや大切な仲間がこの殺し合いに参加させられているのなら、クロードの答えは決まっている。

「こんな殺し合い、俺が乗るわけないだろう!」
「……フフ。かわいい妹が参加させられているんだもの、やっぱり、そう答えるわよね。
 ……クロード。アナタだけにバトルフィールドの脱出方法を教えてあげる」
「……何のつもりだ」
「アナタは恐らく未来からきたんでしょ? それなら、わたしの正体も知ってるわよね?」
「……お前の正体、それは俺が存在しない別世界のユーリ、その怨念だ」
「正解。だけど、わたしには憎しみや恨みなどの負の感情以外にもあるって知っていたかしら?」
「……残されたユーリの感情が、俺という存在に恋い焦がれてるんだろう」
「そこまで知っているのなら、分かるわよね? わたしはアナタが欲しい。アナタをわたしのモノにしたい。
 だから死なれたら少し困るの。だから少しだけ、アナタを手助けしてあげる。
 ……バトルフィールドの脱出方法。
 それはね……ハンターVGを持った参加者をここに連れてくる事よ」

ハンターVG。聞いた事のない単語だ。

「……ハンターVG? 何だそれは?」
「わたしがアナタ達と戦った時に使っていた道具よ。他の参加者の中でも4人ほど持っているわ。
 もっとも、参加者と一体化してるみたいだから、もし死んだらもうそのハンターVGは使えなくなると思うけどね」
「……俺がそんな事を信用するとでも思うのか?」
「別にいいわよ、信用しなくて。その時はもう一人の協力者が骨折り損で終わるか、偶然脱出されるかのどちらかだから」
「もう一人の協力者? 他にもまだいるのか?」
「ええ、そうよ。あまり乗り気じゃないからなのか知らないけど、バトルフィールドからの脱出方法を作ったのよ」
「……お前はどうなんだ」
「わたし? わたしはどちらでもないわ。アナタを手に入れたいのは本当だけど、絶対じゃない。
 わたしがもっとも優先する事、それはカオスフィールドの破壊、だったわ」
「……だった?」
「他の異世界へ来れるようになったのなら、その異世界も破壊する。それだけの事よ」
「……やはりお前は俺が倒す……!」
「フフ。楽しみにしてるわ。そうそう、脱出する時は首輪を外してからにしなさい。でないと首が飛ぶわよ」

「……ッ! 何時の間に、こんな物が……!」
「それに、ここでわたしが話した事を誰かに喋ったり、ハンターVGを誰が持っているか聞いた時も
 アナタとその周りの首が飛ぶことになるわ。首輪は自力で何とかしなさい。
 それじゃ、また会うその時まで死なないでね? クロード」
「待て! まだ聞きたいことが――!」

その瞬間、シェリーは姿を消し、クロードは喋ることも出来なくなった。

そして、しばらくしてあの男――シリウスが姿を現す事となる。



時系列順 全てを飲み込む闇
GAME START クロード
GAME START ユーリ
GAME START ドミニク
GAME START オリヴィア
GAME START シェリー
最終更新:2013年03月08日 23:59
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