青いブレザーを着た少女が通路を歩いていた。
壁一面鉄で覆われた迷路のような場所だった。
外の景色はいっさい見えず、天井のライトだけが通路を照らしていた。
首元で跳ねた薄い茶髪に、気の強そうな顔つきの少女、福永雪枝は周囲を警戒
しつつも自分が現在置かれている状況について考えていた。
これは悪質な悪戯やドッキリ番組かなにかではないか、その可能性はないだろうか。
さっきは混乱で碌な思考が出来ていなかったが、少しして気分が落ち着くと
このゲームとやらが、本当の
殺し合いなのか疑わしくも思えた。
「そう考えるのは、楽観視しすぎているのかもしれない」
だがやはり、これは悪戯なんかではないと本能で感じられた。
人間の悪意というものをこの建物から感じるのだ。
あのときに感じたようなどす黒い感情が・・・・・。
思考は打ち切られた。
「この音は・・・足音?」
地面を蹴る音が、少しずつ自分に近づいているのを感じ取った。
すぐそこまで来ている。
さっきのモニターの字幕が本当なら、この場には自分のほかに15人の
人間が居る筈だ。
他の参加者だろうか、歩き始めて10分も経っていないのに。
デイパックから、さっき調べたときに見つけたものを取り出す。
催涙スプレー。
デイパックに入っていた説明書にはゲームに関することが書かれていた。
そのなかに、1人につき一つ武器が配られているとの記述が有った。
これが私の武器なのだろう。
自然と手汗がでる。相手がどんな人物なのか解らない。
このゲームを鵜呑みにするような人間だったら・・・。
目の前の通路の角から人影が飛び出した。
最終更新:2014年05月14日 23:15