Sister Princess

姫小路秋子は一般人である。
兄の秋人に恋心を持つ極度のブラコンという面を除けば容姿端麗、成績優秀、スタイル抜群の三拍子揃った完璧な少女。
しかし、特殊な能力や戦闘の経験などは皆無の女子高生。
そんな彼女は今とある学生寮の一室で涙目になっていた。

(なんなんですかこれぇ……)

いきなり知らない場所で目が覚め、変な男に殺しあえと言われた。
次いで視界に映ったのは、頭を吹き飛ばされた二人の人間。
惨劇に口から悲鳴が出た瞬間意識を失い、気付けば兄や生徒会メンバーと住んでいる寮の自室に居たのである。

(ほ、本当に、夢じゃないの……?)

スタート地点が見慣れた自室だった為、最初は気味の悪い夢を見たのだと思った。
制服のまま眠りこけるなんて疲れてるのかなぁ、と思い起き上がる。
とりあえず変な夢を見た不快感を払拭するために、最愛の兄の顔でも見に行こうと考えた時、
首に違和感を感じた。
思わず手で触り伝わってきたのは、柔らかい肌ではなく固い金属の感触。
鳥肌が立つのを感じながら恐る恐る鏡を覗き込む。
映ったのは何時もと変わらぬ自分の姿。
唯一つ、奇妙な首輪が嵌められているという事以外は。

さっきの光景は夢ではない。
本当に人が死んだ。
そして自分は殺し合いをさせられている。
事実を認識した時、秋子は恐怖でへたり込んだ。

「いや…いやです……お兄ちゃん………」

溢れ出す涙。
兄に助けを求めるが、駆けつけてはくれない。
この地で自分は悪い人に殺されてしまうのだろうか。
もう二度と秋人や皆には会えなくなるのだろうか。
悪い考えばかりが渦巻き、涙はさらに溢れようとした時。

「あの、大丈夫ですか?」
「ひゃう!?」

か細い少女の声が聞こえた。
驚きのぞけりつつも秋子はバッと振り向く。
そこには瞳を閉じた少女が、半分ほど開いた襖障子から顔を覗かせていた。




「うぅ…、ごめんなさい。みっともない所をお見せして…」
「いえそんな、謝らないでください」

中学生の少女に平謝りする女子高生。
どこかおかしな光景があった。

「はぁ…。我ながら情けないです…」

数分前、突然の少女の登場にパニックになった秋子。
そんな秋子へ少女は冷静に対応し、殺し合いの意思が無い事を伝えた。
相手が冷静だった為か、秋子も次第に落ち着きを取り戻し、慌てて自分の失態を謝罪したのだった。
話を聞くと少女、ナナリー・ランペルージはまだ中学生とのこと。
更には盲目なうえ、両足も不自由なため車椅子無しでは移動できないという。
非常事態とはいえ、本来ならば年上である自分がしっかりしなければならないのに、その役目をナナリーにさせてしまった。
これには秋子も先程の自分を恥じていた。

とにかく秋子が落ち着いた事で、二人は情報交換を行う事にした。
目が見えないナナリーに代わり秋子が名簿や地図、支給品の確認をする。
名簿を読み上げる際に秋人と那須原アナスタシア、猿渡銀兵衛春臣の名を見つけ、思わず立ち上がりそうになった秋子だが、
ナナリーに余計な心配を掛ける訳にはいかないとどうにか堪えた。
ナナリーの方も兄と友だちの名があったらしい。
支給品はナナリーに銃が支給されていたが、盲目では狙いを付けられないので、秋子が譲り受けることになった。
初めて触る銃の感触に緊張しながら、できればこれを使う機会が無い事を祈る。
そしてこれからどう動くかの話になったのだが。

「秋子さん、本当にいいんですか?」
「勿論ですよ!ナナリーちゃんがお兄さん達に早く再会できるよう、私に任せてください!」

車椅子を押しながら秋子は朗らかに答える。
彼女はナナリーの兄達の捜索を手伝うと言った。

「でもやっぱり迷惑なんじゃ……」
「んもう!同じ妹同士なんだから、そんな水臭いことは言いっこなしです!それに途中でお兄ちゃんたちに会えるかもしれないですし」
「ありがとうございます、秋子さん…」

秋人達に早く会いたいという思いはある。
けれど体の不自由な、そして自分と同じく兄や友との再会を願うナナリーを放っておくことはできなかった。

「では行きましょう!レッツ・ゴーです!」

ナナリーを不安にさせないために、明るく振舞う秋子。
同行者の気遣いにナナリーは感謝と申し訳なさを抱く。

『どうやら善人のようだな』

と、そんな言葉を放ち現れる一人の少女。
外見はナナリーに瓜二つだが彼女と違い、瞳は開き己の両足で立っている。
ピッチリとした青のボディスーツに身を包み、表情はどこか好戦的だ。
突如姿を見せた不振人物に、秋子は気付いていない。
それは当然だ。
少女の姿はナナリーにしか見えず、声も彼女にしか聞こえないのだから。

『だが気をつけろ。この場では私たちの力は制限されている』

少女――魔導器ネモの言葉に小さく頷く。
ルルーシュと瓜二つの男、ロロ・ヴィ・ブリタニアの手による殺し合い。
それに巻き込まれたのは兄であるルルーシュと、大切な友だちのアリス。
秋子と会う前にネモと話し合い、殺し合いの阻止を決意した。
ブリタニア帝国や日本解放戦線のような理不尽な暴力を、ナナリーは決して認めない。
ロロという男が何者なのかは分からないが、彼が死と悲しみを振りまくというのなら、絶対に自分が止めてみせる。

白き魔女は胸中で、静かに反逆の炎を燃やしていた。


【姫小路秋子@おにいちゃんだけど、愛さえあれば関係ないよねっ】
[状態]:健康
[装備]:ブラックテイル(16/16)@バイオハザードシリーズ
[道具]:共通支給品一式、予備マガジン×5、不明支給品1~3(確認済み、武器なし)
[思考]
基本:お兄ちゃんたちに会いたい
1:ナナリーちゃんのお兄さん達を一緒に探す
2:お兄ちゃん達を探す
[備考]
※参戦時期は原作5巻以降


【ナナリー・ランペルージ@コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー】
[状態]:健康
[装備]:ナナリーの車椅子@コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー
[道具]:共通支給品一式
[思考]
基本:殺し合いを止める
1:秋子さんと行動。もしもの時は彼女を守る
2:お兄様とアリスちゃんを探す
[ネモの思考]
基本:ナナリーを守る
[備考]
※参戦時期はCODE14開始直後
※マークネモの召喚時間10分。再召喚には3時間のインターバルが必要。
※制限により未来線を読むギアスは最長で数秒後まで。それ以降は不鮮明なものしか見れない。
また主催者に関するものは一切見れない。

支給品紹介
【ブラックテイル@バイオハザードシリーズ】
ナナリー・ランペルージに支給。
正式名称はスプリングフィールドXD。
『4』に登場。

【ナナリーの車椅子@コードギアス・ナイトメア・オブ・ナナリー】
本人が最初から所持。
手動の他、電動で動く機能付き。



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最終更新:2016年05月03日 05:44
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