釘宮町市街地西部、二人の戦士の舞台――戦場と化していた。遮蔽物の多い市街地では、戦法次第で勝敗が簡単にひっくり返る。
優勝候補と囁かれるシャナは、出力を大幅に削減されるも、剣技や身体能力は健在。配布されたのは木刀だ。
対するルイズ、動体視力と回避能力が付与されている。配布されたのは杖。爆発呪文、そして“虚無の呪文”という切り札も持っている。
彼女たちの力は拮抗している。シャナが近付くも、回避されて爆発呪文のお返し。ルイズの“虚無の呪文”もシャナの接近によってキャンセルされてしまう。
なかなか形勢は傾かずに、泥沼化していく。こんな時は停戦、逃走などいくつか選択肢はある。
もちろん性格がそうさせない。というのはあるかもしれない。ただそれ以上に彼女たちには譲れない物があった。
「ゆーじは!!」
「サイトは!!」
「私のモノよー!!」
二人の声が見事にハモる。この抗争の原因は罪深い『日野聡』のカードだった――。
事の
はじまりは少し前、二人の出会いからだ。
当然、二人は目が合った瞬間、臨戦態勢に移行する。お互い相手が相容れぬ存在だと直感したんだろう。
が、決闘はすぐには始まらない。二人は互いに疑問をぶつけあう。
「『日野聡』のカードは預かった。返して欲しければここに来い。byルイズって手紙が届いたんだけど?」
「あら、私も貴方の名前で同じ文面の手紙が来たけど。どういとこと?」
「そんなことも分からないの? 罠に決まってる」
「ふーん、罠ね。あんたも阿呆面下げてわざわざ来た訳ね。罠だと知って!」
「何よ! やるっての!?」
「やってやるわ!!」
二人に理性が少しでもあれば、これを罠と処理出来たかもしれない。
しかし、この西地区全体には参加者の誰かによる配布による武器『サバイバー』が敷かれていた。
『サバイバー』とは対象をイラつかせ、喧嘩っ早くさせるというジョジョ六部のスタンド能力。
つまり彼女たちは何者かの罠にまんまと嵌められたという訳。“手紙を姿を見せずに伝達する方法”これを考えれば、この罠は回避出来たかもしれないというのに……。
しかし、いま彼女たちの耳にはどんな言葉も届かないだろう。
最終更新:2011年07月26日 21:46