アットウィキロゴ

ハジマリ

《古手梨花》

強大な意志であればあるほど、輪廻を繰り返そうとも変えられない。
唯一の家族であったものが唱え、政府に黙殺、嘲笑された雛見沢症候群の証拠を突きつけようと強固な意志を持つ鷹野三四が、それに当てはまる。
雛見沢で毎年おこる綿流しの祭の後の殺人事件、そしてそこから起こる雛見沢の悲劇。
それは、強固な意志の前には贖っても脆くも崩れ去る。

今まではそういった雛見沢の中での物語だった。

今回のような出来事は極めて稀であり、そして…このような状況もまた稀である。

神聖ブリタニア帝国に占領された日本(エリア11)、そしてその場所に集められた部活メンバー。
絶望的な状況かつ、雛見沢症候群が諸に発揮されるであろうその状況、場所。

互いが互いを信じることが…出来るとは、とても思えない。
幾度となく繰り返されて来た世界の中でもっとも困難な状態。

梨花「羽入?このような世界を創造することは可能なの?」
羽入「幾度となく繰り返される世界で、強固な意志はどの世界にも適用されるのです。
   今回は、それとは別に外部の世界からの鷹野を凌ぐ意識が介入した…というのが一番の理由と思われるのです」

 私の背後霊…ではなく、輪廻転生繰り返す人には見ることが出来ない私の仲間であり、雛見沢の神様…羽入の言葉の通り、理解は出来る、
 だが…納得は出来ない。
梨花「そんなことが可能なの?」
羽入「理論上は。ただ…ボクたちの世界に干渉する必要があったからこそ、こういうことになっていると思うのです」

 干渉する必要。
 私たちの世界が必要な動機。


これから起こる惨劇が嘘のような静けさの中、私は森の中、朽ち果て倒れた木の上に腰を置いて座っていた。
朽ち果てた木の上においてあるバック。地図、水、パン、そして私の武器は…注射器。
これも何かの因果なのか。
ただこの注射器に何がはいっているかはわからない。
試すことも出来ない以上、武器としては微妙なものなのかもしれない

羽入「梨花、これからどうするのです?」
梨花「まずは…この戦いに疑問を持ち争いを拒むものたちを見つけるのが先決」
羽入「ですけど…もうこの戦いに染まってしまっているものもいるかもしれないのです」
梨花「だからこそ、速く見つけなければいけない。
   この場所に私たちがいるのは、それをとめることが出来る唯一の可能性でもあるのだから」

 そのときだった。
 声が聞こえた。
 遠くだけど、確かに聞こえる声。

羽入「梨花?」
梨花「えぇ、誰かが呼びかけている」

 私は走り出す。その声の方角に向かって…。
 森の影に覆われた場所を走りながら、やがて見えてくる光に向かってはしる。
 光の中を飛び出した私の前

???「皆さん!こんな戦いに乗ってはいけません!!
    ブリタニアのような日本を無茶苦茶にし、奴隷のように扱うものたちに、屈することなんかしてはいけないのです!!」

 大きな声で怒鳴っているもの…おそらくは女。
 そう…運命に屈してはいけない。
 たとえ、首についている起爆装置があろうとも。

???「行ってはいけない」

梨花「誰?」
 振り返る私の前に立つのは、黒いどこかの制服を着ている男だった。
 私はその男を見て立ち止まる。
 その男は、こちらに対してとくに警戒するわけでもなく、笑顔を見せた。

黎人「僕の名前は風華学園生徒会副会長、神崎黎人…といっても、もう学園の肩書きは必要ないかもしれないけどね」

風華学園…聴いたことのない名前。
この人もまた何らかの強い意志によってここに引き寄せられたものの1つ。
梨花「…なぜ、行ってはいけないの?」
黎人「残念ながら、すでにゲームは始まっている。生き残るために人を殺していいという理由がある以上…
   あの行為は自殺行為に他ならない」
梨花「だからといって見過ごすわけには行かないわ」
 私はここで自分が猫かぶりではなく、そのままの自分を出していることに気がついた。
 私は山の上に向かって急ぐ。
 この黎人が言うことは間違っていないのかもしれない。
 だからといって諦めるのは、それは雛見沢で圭一や詩音を導けなかったことと同じ。
黎人「…放たれた弓を、納めることが出来るのは神にしか出来ないことだよ?」
 後でそういう黎人の言葉は…嫌味なのだろうか。

《菊川雪之》

 遥ちゃんは、自分が信じる正義に絶対的なものを持っている。
 だから、こういった場であっても、遥ちゃんは決してくじけない。
 私はそれを支える。言葉の間違いであっても、たとえ相手が暴力的な行動をとってきたとしても。
 それを止めるのが私の役目。
 そのためには…私の力、ダイアナを使ってでも。

遥 「皆さん!聞いていらっしゃいますか~?戦いは無駄です!
   そして、私たちが敵とみなければいけないのは、ブ・リ・タ・ニ・アなのです!!」

 山の上の四方八方、島全体が見渡せることが出来る小屋で、遥ちゃんがバックにはいっていた拡声器を持ち大声で怒鳴る。
 きっと島中に聞こえていることだろう。
 これで少しでもみんなに希望、そして同じ気持ちをもつ人がいるっていうことをわかってもらわないと。
 それに…他の風華学園の子たちを集めれば…
 舞衣ちゃんや玖我さん、命ちゃんたちがくれば、ブリタニアのこのゲームも何とかすることが出来る。
 HIMEの力は、こういったときに発揮されなければいけないのだから。

???「ここにくれば…みんなが集まってくるのかい?」

森の中、姿を現すもの…。
白髪の小さな子供…顔は、外国…おそらくは欧州圏に住む子のようだ。
ブリタニアに支配され、壊滅した地域の子で、今回の戦いに参加させられたのかもしれない。
雪之「そうだよ。みんなが戦いをやめようとおもってくれればね」
 遥ちゃんも賛同者が集まってくれたようで、昂ぶった気持ちで叫ぶ声にも熱が入る。


???「お兄様もいらしていたんですね?」

 私が視点を変えると、そこにいたのは、先ほどの子そっくりの顔をした女の子?長い白髪の髪、そして黒く長いスカートをしている。
 2人はそのまま近づき

グレーテル「兄様、これはお兄様のお道具でしょう?ダメじゃない、自分のものは自分で持たないと」

ヘンゼル「ごめんね、姉様。これも姉様の道具でしょう?しっかりともたないとダメだよ?」

 私の目の前で、姿を現すのは巨大な斧と、そして小銃が手渡しされる。
 私は息を飲んだ。なぜこんな小さい子供達が、こんな物騒なものを持っているのか。
 それがたとえバトルロアイヤルの出来事であったとしても…
 武器を『道具』と呼び、そして軽々と扱う姿は普通の子供ではなく……常に傍にあり、慣れ親しんでいたように見て取れる。

雪之「…2人は、戦いをやめにきたんじゃないの?」

 遥ちゃんの声にかき消されないように、私は少し声を大きくして言う。
 二人の子は並んで白い歯を見せて笑顔を浮かべる。

ヘンゼル&グレーテル『違うよ(わ)』
ヘンゼル「みんなが集まってくれたほうが纏めて殺して早く戦いが終わるでしょう?」
グレーテル「わざわざ島の中を探し回って殺しに行くのはめんどうじゃない?」

 この子達は…戦いをおわらしにきたんじゃない。
 私はこの子たちが自分が思っているとは逆の存在であることに気がついた。
 私はダイアナを呼び出そうと、両腕をクロスして…。

雪之「ダイ…あ……」

 私の目の前の光景が半分に割れた。
 視界が赤く染まり、やがて景色が反転したかと思うとそのまま風景が真っ暗になった。
 私は…遥ちゃんを守るんだ。
 遥ちゃんを守るためにダイアナをだして、ダイアナで遥ちゃんに危害を加えるものをみんな、倒さないと。
 だから…こんなところでやられるわけにはいかなくて……。
 遥ちゃん…遥ちゃん…はる…か…ちゃ…


《古手梨花》

 山を登るにつれて声の音量が段々と大きくなっていく。
 耳を押さえないと鼓膜がやぶれてしまいそうなくらいだ。
 だが、それが彼女が生きている証拠である。
 私は黎人が言ったことを頭の中で否定しながら、小さな体であることを恨みながら、一気に上りつける。
 黎人のいうほど人間は残酷ではない。
 人間は仲間を信じることが出来る生き物なんだ。

遥「いいから、こんなゲームをやめぇっ!!!ズズズズズゥ!!!」

 銃声音とともに、私の目の前で、女の子の体が小屋の外にとんでいくのが見えた、体中を血に染め、地面に跳ねる。

【菊川雪之、珠洲城遥死亡】

ヘンゼル「ダメじゃないか銃を使っちゃ姉様。これじゃーみんな驚いて隠れてしまうよ?」
グレーテル「だって叫ばれてしまうかもしれないじゃない。それに、まだ近くにいるわ。1人ずつ殺してしまいましょう」
ヘンゼル「そうだね、姉様」
グレーテル「えぇ、兄様」

 私の目の前で、その2人は舌を絡めながらキスを交わす。
 目の前には、もう1人に別の女の死体がまだ血を噴出し、あたりを血まみれの海に変えていく。
 私はその現実離れの光景に、何も言えず、身動きが取れなくなっていた。

羽入「梨花!にげるのです!逃げるのです!!」

 羽入が私の意識をよみがえらそうと必死に叫んだ。
 私は、その言葉を耳にしてようやく意識が戻った。

グレーテル「ほら、兄様…もう1人見えたわ」
ヘンゼル「さすが姉様…それじゃーさっさと狩っちゃおうか」

 私は後ろを振り返って、逃げ出そうとしたが、既に私の体は銃を持つ女の射程内にはいていた。
 だが、私は死ななかった。
 私の体は別の誰かによって抱きしめられ、そのまま山の中を転がっていったのだ。
 山の中を勢いよく転がる中でも、そのものはしっかりと私を包み込み、守っている。
 転がり続け、草木の視界からでると、そこにあったのは崖。私はそこで気を失った。



古手梨花
【健康状態】普(山登りのため疲労少)
【精神状態】不安定
【装備】注射器、地図、水、パン
【特殊能力】羽入と前世の記憶継承

ヘンゼル
【健康状態】良
【精神状態】良好
【装備】斧、地図、水、パン
【特殊能力】グレーテルとの精神疎通

グレーテル
【健康状態】良
【精神状態】良好
【装備】ブローニング自動小銃 弾 地図、水、パン
【特殊能力】ヘンゼルとの精神疎通

神崎黎人
【健康状態】良
【精神状態】普通
【装備】日本刀 地図、水、パン
【特殊能力】???

Buck:魔人が目覚める日 投下順で読む Next:冷たい手、温かい手

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2009年04月18日 23:00
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。