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ルイズのおとーさん - (2007/07/14 (土) 10:50:15) の1つ前との変更点
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[[長編]]
ここは、トリステイン魔法学院の第一演習場。穏やかかな春の
気候であったが、そろそろ夕暮れに差し掛かり少々肌寒くなっ
てきた。
生徒たちは、羽織っていたマントを体に巻きつける様にしなが
ら無言で待っていたのだった。
話は少しさかのぼるのだが、今日の午後から二年に進級した生
徒たちによる「サモン・サーヴァント」が行われていた。
今後の魔法使いとしての一生を決めるといっても過言ではない
重要な儀式である。
生徒たちの殆どが成功を収め「コントラクト・サーヴァント」
も済ませることが出来た。一人の例外を除いて・・・・
一人の例外とは桃色の髪をした少女の事であったが、この少
女」同じ事を何十回となく繰り返しているのである。
詠唱→爆発→失敗→詠唱→爆発→失敗→詠唱→爆発→失敗
→詠唱→爆発→失敗・・・・
「目の前繰り広げられるある少女の行動にそろそろ飽きてきて
いた。」
これは、一人の例外を除いた生徒・教師全員の心理とも言うべ
きものであった。最初の頃は嘲笑や冷やかし等を送っていたが
回を重ねるごとに流石に黙ってしまったのだった
頭が涼しげな中年の教師らしき男性が少女に声をかける
「ミス・ヴァリエール、そろそろ日も暮れてきました。サモ
ン・サーヴァントは明日やり直す事として、今日の所は魔法学
院に戻りましょう」
「コルベール先生、後一回だけ・・・どうか後一回だけ挑戦さ
せてください」
顔も服装も泥や煤だらけとなった少女は、やや涙目になりなが
ら嘆願したのでした。
教師らしき男性は少し考えた後
「わかりました。ミス・ヴァリエール、落ち着いてからゆっく
り集中してやってみなさい」
ルイズは教師に礼を述べるとゆっくり深呼吸し今までで一番の
集中を始めるのであった
「諦めの悪さは私でも負けるかもね~」
褐色で豊満な胸を持ち赤毛の生徒が、先ほど自ら召喚したらしいサ
ラマンダーを撫でながら呟いた
「タバサはどう思う?」
「興味ない」
自分の背丈より長い杖を持つ幼く青い髪の少女はそっけなく答える
のだった
「全宇宙のどこかにいる私の僕となる者よ! 比類なき力を持つ使い
魔よ! わたしは心より求め、訴える!! 我が導きに答え
よ!!」
力が入ったためか少々変わった詠唱の後、轟音とともに盛大に広が
る爆発。先ほどと殆ど同じ光景、違うのはその爆発の大きさと幽か
に見える何かの影・・・・
「おい、何か居るぞ」
「『ゼロ』が召喚に成功したのか!?」
「そんなまさか・・・・信じられん・・・」
遠巻きに見守る生徒達の声など耳に入らない少女は
(やったわ! あたしはやったのよ!! ついに召喚に成功し
たんだわ!!!)
徐々に煙が晴れてはっきりとその姿が見えてくる。そこには奇妙な
ゴーレムと思しき白い何かが存在していた。
コルベールが唸りながら呟く
「ゴーレムの様ですが・・・浮いている上に・・・持っているあれ
はほうき???」
確かに、白いゴーレムらしき者は宙に浮いていた。それだけでも珍
しいのだがなぜかほうきの様な物を持っていた。さながら掃除をし
ているかの様なその姿。
「掃除するゴーレムを召喚するなんて珍しいや」
「流石はゼロのルイズ!!一味違うぜ」
召喚したものを見ながら、嘲笑する生徒たち。しかし、ルイズの耳
には届かないのであった。
(宙に浮いてるゴーレムなんて結構レアかも。ほうきなんてこの際
どうでも良いわ!はやくコントラクト・サーヴァントを済ませて使
い魔にしなきゃ)
ルイズはサモン・サーヴァントが成功したこと。宙に浮くゴーレム
を召喚できたことの喜びでいっぱいだった。大急ぎでゴーレムまで
駆けつけると更に驚くべき出来事が待っていた。
「わたくし、庭を掃いていました。しかし、どこまで庭かわかりま
せん。わたくし・・・」
「あんた喋れるの???」
白いゴーレムの呟きを聞いたルイズは驚いて声をかけた
(よくわからない事言ってるけど言葉も喋れるゴーレム・・・かな
りいいわ!!)
さらに喜びを増したルイズはささやかな胸を張り貴族の威厳をかも
し出しながら質問をするのだった
「あんた誰?名前は?」
「おとーさんです」
「へ?」
さらに、白いゴーレムはこう続けたのだった
「クイズ。私は誰でしょう?」
「へ?」
「ヒント。サンタさんではありません」
ルイズは少し考えた後、
「お、おとーさん?」
「当たり~!!」
白いゴーレムはどこから出したのか右手でベルをカランカランと嬉
しそうに鳴らしていた。
ルイズは白いゴーレムの左手からほうきを奪い取ると
「あああ、あんた!!あ、あたしの事バカにしてるでしょ~~~~!!!」
と顔を真っ赤にしながら叫び白いゴーレムをペシペシ叩きながら追
い回すのであった・・・
ここは、トリステイン魔法学院の第一演習場。穏やかかな春の
気候であったが、そろそろ夕暮れに差し掛かり少々肌寒くなっ
てきた。
生徒たちは、羽織っていたマントを体に巻きつける様にしなが
ら無言で待っていたのだった。
話は少しさかのぼるのだが、今日の午後から二年に進級した生
徒たちによる「サモン・サーヴァント」が行われていた。
今後の魔法使いとしての一生を決めるといっても過言ではない
重要な儀式である。
生徒たちの殆どが成功を収め「コントラクト・サーヴァント」
も済ませることが出来た。一人の例外を除いて・・・・
一人の例外とは桃色の髪をした少女の事であったが、この少
女」同じ事を何十回となく繰り返しているのである。
詠唱→爆発→失敗→詠唱→爆発→失敗→詠唱→爆発→失敗
→詠唱→爆発→失敗・・・・
「目の前繰り広げられるある少女の行動にそろそろ飽きてきて
いた。」
これは、一人の例外を除いた生徒・教師全員の心理とも言うべ
きものであった。最初の頃は嘲笑や冷やかし等を送っていたが
回を重ねるごとに流石に黙ってしまったのだった
頭が涼しげな中年の教師らしき男性が少女に声をかける
「ミス・ヴァリエール、そろそろ日も暮れてきました。サモ
ン・サーヴァントは明日やり直す事として、今日の所は魔法学
院に戻りましょう」
「コルベール先生、後一回だけ・・・どうか後一回だけ挑戦さ
せてください」
顔も服装も泥や煤だらけとなった少女は、やや涙目になりなが
ら嘆願したのでした。
教師らしき男性は少し考えた後
「わかりました。ミス・ヴァリエール、落ち着いてからゆっく
り集中してやってみなさい」
ルイズは教師に礼を述べるとゆっくり深呼吸し今までで一番の
集中を始めるのであった
「諦めの悪さは私でも負けるかもね~」
褐色で豊満な胸を持ち赤毛の生徒が、先ほど自ら召喚したらしいサ
ラマンダーを撫でながら呟いた
「タバサはどう思う?」
「興味ない」
自分の背丈より長い杖を持つ幼く青い髪の少女はそっけなく答える
のだった
「全宇宙のどこかにいる私の僕となる者よ! 比類なき力を持つ使い
魔よ! わたしは心より求め、訴える!! 我が導きに答え
よ!!」
力が入ったためか少々変わった詠唱の後、轟音とともに盛大に広が
る爆発。先ほどと殆ど同じ光景、違うのはその爆発の大きさと幽か
に見える何かの影・・・・
「おい、何か居るぞ」
「『ゼロ』が召喚に成功したのか!?」
「そんなまさか・・・・信じられん・・・」
遠巻きに見守る生徒達の声など耳に入らない少女は
(やったわ! あたしはやったのよ!! ついに召喚に成功し
たんだわ!!!)
徐々に煙が晴れてはっきりとその姿が見えてくる。そこには奇妙な
ゴーレムと思しき白い何かが存在していた。
コルベールが唸りながら呟く
「ゴーレムの様ですが・・・浮いている上に・・・持っているあれ
はほうき???」
確かに、白いゴーレムらしき者は宙に浮いていた。それだけでも珍
しいのだがなぜかほうきの様な物を持っていた。さながら掃除をし
ているかの様なその姿。
「掃除するゴーレムを召喚するなんて珍しいや」
「流石はゼロのルイズ!!一味違うぜ」
召喚したものを見ながら、嘲笑する生徒たち。しかし、ルイズの耳
には届かないのであった。
(宙に浮いてるゴーレムなんて結構レアかも。ほうきなんてこの際
どうでも良いわ!はやくコントラクト・サーヴァントを済ませて使
い魔にしなきゃ)
ルイズはサモン・サーヴァントが成功したこと。宙に浮くゴーレム
を召喚できたことの喜びでいっぱいだった。大急ぎでゴーレムまで
駆けつけると更に驚くべき出来事が待っていた。
「わたくし、庭を掃いていました。しかし、どこまで庭かわかりま
せん。わたくし・・・」
「あんた喋れるの???」
白いゴーレムの呟きを聞いたルイズは驚いて声をかけた
(よくわからない事言ってるけど言葉も喋れるゴーレム・・・かな
りいいわ!!)
さらに喜びを増したルイズはささやかな胸を張り貴族の威厳をかも
し出しながら質問をするのだった
「あんた誰?名前は?」
「おとーさんです」
「へ?」
さらに、白いゴーレムはこう続けたのだった
「クイズ。私は誰でしょう?」
「へ?」
「ヒント。サンタさんではありません」
ルイズは少し考えた後、
「お、おとーさん?」
「当たり~!!」
白いゴーレムはどこから出したのか右手でベルをカランカランと嬉
しそうに鳴らしていた。
ルイズは白いゴーレムの左手からほうきを奪い取ると
「あああ、あんた!!あ、あたしの事バカにしてるでしょ~~~~!!!」
と顔を真っ赤にしながら叫び白いゴーレムをペシペシ叩きながら追
い回すのであった・・・
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