ゼロの天使-02 - (2008/05/23 (金) 21:25:19) の1つ前との変更点
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魔法学園に戻ったミトスはルイズの部屋に一番近い所にある木陰に身を寄せ、これからの事を考えた。
(元の世界に戻る・・・気にはならないな)
自分が消えた以上ロイド達はすぐに大樹を蘇らせるだろう、そうなれば大樹の種子と融したマーテルは消え去る。
姉さんの居ない世界で何かをする気は・・正直おきなかった。
「気になるのはどうして僕がこの世界に呼び出されたのか・・」
そう言ってミトスは自分をこの世界に呼び出した少女の部屋に目線を送る。
ルイズの話では使い魔はこの世界の生物が呼び出されるのだと言う。
そうなると別世界から呼び出された自分は全くのイレギュラーな存在と言うことに成る。
自分の左手をかざすとルイズに刻まれたルーン文字が薄っすらと浮かんでいる。
ルイズから施された使い魔のルーンは本来動物用なのだろう、ルイズに対して親しみのような感情こそ有るが、拘束力としては弱いし人間の寿命など精精70年程度だ。
(僕がこの世界に呼ばれたのはただの偶然か、それとも何か意味が有る事なのか、どちらにせよ今はルイズの使い魔を続けるのが利口かな・・)
ミトスは軽く背伸びをすると、そういえば自分一人で野宿するのは初めてだった事に今更ながら気が付き目を閉じた。
朝になりルイズの部屋に行く、昨日言われた通りドアをノックするがいつまで立っても返事が無いので、中に入るとルイズはまだベッドの中で気持ちよさそうに寝ていた。
「ルイズ、朝だよ」
「うぅ~~~ん後5分~~、スースー」
後5分で起きる生命体は絶対に居ないので今度は布団を引っぺがす。
「ふにゃ…!なに?なにごと!」
突然の出来事に戸惑うルイズは寝ぼけた頭で周りを見渡す
「ふにゃ~アンタだれ~~」
「朝だよ、ルイズ」
次第にクリアになる頭でルイズは昨日の事を思い出す。
( そ、そうだ昨日エルフを使い魔として呼び出したんだ )
昨日のやり取りを思い出したルイズは取りあえず使い魔のエルフに命令してみる
「服と下着」
「下着の場所は?」
「一番下の引き出し」
自分の命令に素直に従うミトスを見て気分を良くしたルイズは服を着せるよう命令してみる。
これにはミトスも少し戸惑ったが慣れない手付きでなんとかルイズを着替えさせる。
(よーし♪よし!ちゃんと私の言うこと聞てる、次は~)
グ~~~~~!!
ルイズのお腹から大きな音がする
「・・・・・・・・・」
「・・・・・な、何よ!着替えが終わったら朝食に行くわよ!」
顔を真っ赤にしたルイズは自分が昨日から何も食べていない事に気が付き部屋の扉を開けた。
「あら。おはよう、ルイズ。」
朝から嫌な奴に会った。ルイズが扉を開けたちょうどその時、同じように扉を開けて燃えるような赤い髪の女の子が出てきた。
「おはよう、キュルケ」
事務的な挨拶を返す
「ふ~ん、貴方が昨日召還されたって言うエルフね~」
キュルケは値踏みをする様にミトスを見る。
「そ、そうよ!私の使い魔はエルフなんだから!貴方のサラマンダーなんか足元にも及ばないわ!」
ルイズはキュルケの足元で控えているサラマンダーを指差す。
「ふーん、でも貴方本当にエルフなの~?」
意に介した様子も無く逆にキュルケは疑いの眼差しをミトスに向ける。
実はハーフエルフなミトスだったが自分の外見はエルフと大差ないので髪をかきあげ、エルフの証である尖った耳を見せる。
「ふ~ん、確かにエルフみたいだけど召還したのが「ゼロのルイズ」じゃねー」
キュルケは小馬鹿にしたような口調でルイズの顔を覗きこむ。
「な、なにが言いたいのよ!」
「言葉どおりよ、ゼロの貴方の所にエルフが来るなんて可笑しいもの」
(カチーン!) ルイズの中で何かが切れた。
「な、なななな何よ!貴方の使い魔だって大方、雌を漁りすぎて故郷に居られなくなったから仕方なく此処に来たんじゃないの?誰かさんと同じで」
このルイズの暴言にキュルケもカチーンときた。
「言ったわね!ゼロのルイズ!」
「何よ!この色魔!」
般若面も核やと言う形相で二人はにらみ合う
「フレイム!やっておしまい!」
「ミトス!こいつら、ぶっ飛ばし・・・アレ?」
気が付くとさっきまで隣にいた使い魔がいない。何処に行ったのかと首を傾けると自分の使い魔は在ろう事かキュルケのサラマンダーと遊んでいた。
「あはは、人懐こいなーオマエ」
「キゥルルルルルルル♪」
頭を撫でられたフレイムは嬉しそうな声をあげる。
「ミトス!あんたツェルプストーの使い魔なんかと何じゃれあってるのよ!」
「ふ~ん、フレイムがあたし以外に懐くなんて・・・」
主としては少し複雑だったが楽しそうな使い魔達を見て興がそがれたのかキュルケとルイズはその場を収める事にした。
「じゃあね~ルイズまた後で」
そう言うとキュルケはフレイムを伴って立ち去る。
去り際にミトスとフレイムが互いの顔を合わせ、軽くウィンクしていた。
(使い魔はたいへんだ・・・)
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