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呪いの使い魔-04 - (2011/04/16 (土) 16:43:45) の1つ前との変更点
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#navi(呪いの使い魔)
ここはアルヴィーズの食堂。
多くの生徒たちが豪華な朝食に舌鼓を打つ中、花鶏は不機嫌な顔で床の上に置かれたパンとスープを睨み付けていた。
そして、すぐ側でクックベリーパイを幸せそうに頬張るルイズに声を掛けた。
「ちょっとルイズちゃん?」
「もぐもぐ……何かしら?」
ルイズは勝ち誇ったような表情で花鶏を見つめた。
花鶏はパンとスープを指差して訊ねる。
「これは何かしら?」
「何って、アンタの朝食に決まっているじゃない!」
当然のようにルイズは言い切った。
こうして、花鶏に明らかにランクの下がった食事を与えることにより、使い魔と主人の差を思い知らせるのがルイズの目的であった。
(……とは言え、流石にこれだけは可哀想だったかしら?)
一瞬、そう考えたがルイズはこちらをじーっと見つめる花鶏を見て、首を振ってその考えを払拭した。
相手はあの花鶏である。
昨晩、そして今朝彼女にされたことを考えれば、これくらいの処遇はあって然るべきである。
(そうよ!これは御主人様に粗相を働いた使い魔への罰なのよ!……それに、食事を抜いてるわけじゃないし、気に病むことなんて何も無いわ!)
そう自分に言い聞かせて、ルイズは皿の上にあるクックベリーパイの最後の1枚へと手を伸ばそうとする。
しかし、ルイズの手は何も掴むことは出来なかった。
「へ?」
慌てて見ると、つい先程まで確実に皿の上にあった筈のクックベリーパイが今は影も形も無い。
落としたのか?と思って、周辺の床を見てみるが何も無い。
誰かが食べた?と思ったが、周りには自分と花鶏しかいない。
花鶏は不服そうな顔でパンを千切りながら丁寧に口の中へ運んでいる。
(……自分でも気付かない内に食べてたのかしら?いけない、いけない気を付けないと!)
ルイズは仕方が無いので、新しいクックベリーパイを取りに席を立った。
それを横目で確認した花鶏はさっとクックベリーパイを取り出し、それを頬張った。
「……無駄に甘いわね。あ~あ、何でもいいから野菜が食べたいわ」
その様子を遠目で見つめる少女がいた。
彼女の名はタバサ。
青い髪にメガネを掛けている。
タバサはハシバミ草のサラダを食べながら、花鶏の一挙一動を見つめていた。
「あら?タバサが他人に興味を持つなんて珍しいわね?」
彼女にそう声を掛けたのは、今朝ルイズの部屋にやって来たキュルケである。
キュルケとタバサはとても仲が良く、正に親友という関係であった。
そんなキュルケが友人の希少な行動に思わず声を掛けたのである。
「彼女、ルイズの使い魔よ」
「そう……」
「あなたから見て、彼女はどう?」
「……分からない」
タバサはボソッとそう言うと、再びハシバミ草のサラダに口を付けた。
ハシバミ草を咀嚼しながらタバサは先程の花鶏が取った行動を思い出していた。
花鶏はルイズが意識を外した僅かな時間を利用して、テーブルの上からクックベリーパイを一切れ掠め取ってみせた。
その一連の淀みない動きはとても素人のものではない。
キュルケの問いに「分からない」と答えたが、花鶏という人物はただ者では無いのだろうとタバサは思った。
「……ん?」
ふと視線を感じ、そちらへ目を向けると花鶏がこちら見つめていた。
探るような、分析するような目。
タバサは思わず背筋に冷たいものを感じた。
と、花鶏がこちらへ向かって歩いて来るのが見えた。
タバサは杖に手を置くと、彼女が何かして来たとしてもすぐに反撃へ移れるように準備をした。
花鶏がこちらへ近付いて来る。
と、次の瞬間彼女が自分の背後に回っていた。
「あ……!!」
杖を向けようとした瞬間、タバサは感じたことの無い刺激に襲われた。
思わず口から言葉が漏れる。
それを聞いて、花鶏がニヤッと笑う。
「……無口で無愛想っぽいから茅場みたいなタイプかと思ったけど、うふふ」
そう言いながら、花鶏はタバサの胸を擦った。
そんなことを一度もされたことのないタバサはこの何とも言えない刺激に戸惑いを見せる。
「や……あ……」
「うふふ……いいわあ。やっぱりこの平べったい胸は至高ね」
その様子を隣で呆気に取られた様子で見ていたキュルケだったが、すぐに気を取り直して花鶏に杖を向けた。
「ちょっとあなた!タバサを離しなさい!!」
「丁重にお断りするわ」
花鶏はそう即答すると、目をハートマークにし、だらしなく涎を垂らしながらタバサの体をあちこち弄る。
そうしていると、タバサも切ない吐息をこぼしだす。
「あ……はぁ……」
「うふふふふふふ」
何時の間にか周りの生徒たちもその様子を遠目で眺め始めていた。
男子生徒の何人かはその光景に興奮し、思わず股間にテントを張っていた。
当然、ルイズもそれを見ている。
「あ、あはは、あはははは……」
花鶏が如何わしいことをしている相手はガリアからの留学生である。
下手をすれば国際問題になりかねない。
「アハハハハハハ(ry」
ルイズは狂ったように笑って現実逃避していた。
「ああ……いいわあ、とってもいいわあ」
花鶏はうっとりとしながらタバサの体を弄り、ローブの中へ手を入れようとする。
その瞬間、タバサの中で何かがキレた。
「ウィンディ・アイシクル」
氷の矢が周囲に放たれる。
食堂内はパニックになった。
「うわあああああ」
「いてえええええ」
「あ……僕のおちん○んに……」
流石にこれには花鶏もやばいと察する。
しかし、時既に遅し。
「ウィンディ・アイシクル」
再び氷の矢が放たれると、それは食堂内のありとあらゆるものを破壊した。
そして、天井から小型の照明が落ちて来る。
それは花鶏の頭に命中すると、そのまま彼女はバタンキューと気絶した。
「た、タバサ!もう止めて!!」
キュルケの声ももうタバサの耳に入らない。
タバサの目は光を失い、その口には乾いた笑みさえ浮かべていた。
「ウィンディ・アイシクル」
こうして今朝のアルヴィーズの食堂は地獄絵図となったのだった。
「アハハハハハハ(ry」
「うう……、あの平べったい胸をもう一度……あ、ルイズちゃんでもいいわよ」
「アンタはそこで永遠に気絶してなさい!!」
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