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魔法少女リリカルルイズ09 - (2007/08/17 (金) 00:54:50) の最新版との変更点
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時間はさかのぼり昨夜へ。
学院の片隅で会う男と女。
「私、スフレを作るのが得意なんですのよ」
魔法の灯りの下で女は男に語りかける。
「それは、是非食べてみたいな」
ギーシュは少し顔を傾ける。
この角度が一番かっこいい。
と、本人は確信している。
「え、本当ですか?」
恋する乙女は幻覚を見る。
ケティにはギーシュの周りに自分たちを祝福する星が見えた。
「もちろんだともケティ。君の瞳にウソはつかないよ」
「ギーシュさまぁ」
「君への思いに裏表など有りはしないよ」
恋する乙女は盲目である。
ケティの目には嘘も裏も見えていない。
だが、盲目故に幸せでもある。
ケティとの楽しい一時を過ごしたギーシュはモンモランシーの部屋への道を歩いていた。
次の楽しい一時を過ごすためである。
2つの月灯りに照らされ、夜でも明るい。
月を見上げる。
「あの月はまるで僕と君のようじゃないか」
ギーシュは頭の中でモンモランシーとの一時をリハーサルする。
顔を少し下に向ける。
モンモランシーにはこの角度が一番いい。
と、本人は確信している。
「おや?」
目の端に光るものが映った。
少し気になり、光に手を伸ばす。
青い石だった。
宝石と言うには少しくすんでる。
どのみち、高価な物ではないだろうがギーシュはその色合いが気に入った。
杖の先に着けた薔薇の中央に押し込み、魔法をかける。
青い石はそこに固定された。
赤い薔薇の中央に青いワンポイントができる。
月明かりに照らし、石に光を当てる。
「少し変えてみるのもいいものだね」
この石はきっと楽しい一時に花を添えてくれるだろう。
満足したギーシュはモンモランシーの部屋に急いだ。
時間はルイズが掃除を終わらせた後に戻る。
「うわぁあああああああああああああああああああああ」
ユーノはあらん限りの声を上げる。
だが、周りには誰もいない。
少し離れたところにもいるのがフェレットサイズの大声ではそこまで届かない。
「るぅうううういぃいいいいずぅうううううううううう」
ユーノの主人でパートナーのルイズはすぐそばにいる。
肩に乗っているのだからあたりまえだ。
「あははははは。ユーノ、これ、すごい、すごいわ」
だが、聞く耳はない。
何故こうなっているか・・・話は再び少しさかのぼる。
「な・ん・で・すっ・て」
ルイズはユーノの両脇をしっかり固定し、一言一言刻むように言い聞かせた。
「うん、できるよ。ミッドチルダ式の魔法にもそういうのあるから」
「お・し・え・て」
ユーノはルイズが巨大化して言っている錯覚に襲われていた。
「で、でもルイズにはまだ早いよ。初級の最後の魔法なんだ。ルイズならすぐにできるようになるから」
「お・し・え・な・さ・い」
目が異様な光を放っている。
「先にいろんな事を覚えておかないといけないんだ。魔力の整流とか、一定方向への放出訓練とか、移動する時の注意点とか・・・」
「す・ぐ・に・お・し・え・な・さ・い」
ルイズはユーノ顔に急接近している。
寄り目が怖い。
「いい?私は空を飛びたいの。すぐに!」
と言うようなことがあって今はこうなっている。
「ルイズーーーーーーっ、前、前、前、前ーーーーーーっ」
レイジングハートを持って、バリアジャケットを着たルイズが学院にある塔に向かってものすごい勢いで飛んでいた。
靴からは光の羽・フライアーフィンが伸びている。
「大丈夫!」
体を反転させて壁を蹴る。
90度横に方向を変えて、今度は塔の周りで螺旋を描きながら上昇。
「ほら、大丈夫でしょ?」
ユーノは昔、発掘の先輩が免許を取ったときに車に乗せてもらったときの事を思い出していた。
ものすごい荒っぽい運転でかなり怖かった。
一緒に乗った同い年の子が「おじーちゃーん、おじーちゃーん」とうわごとを言っていた。
今はその10倍くらい怖い。
「ああっ、すごい。私、飛んでる。飛んでるわ、ユーノ。私って飛んでる女」
「うぁあああああああああああああああああああああああああああ」
縦にループ。
「風がすっごくきもちいいわ。それぇーーーー」
「うぁあああああああああああああああああああああああああああ」
横にループ。
ベテランの魔導師もやらないような危険飛行を平気な顔でやっている。
「る、ルイズ・・・そ、そろそろもう降りて・・・・お願い」
ぐったり。
「もう、仕方ないわね。ユーノ、体力無いんじゃないの?」
ユーノも空を飛べるので体力は尽きていない。
しかし、精神的に疲れていた。
立ち上がれないほどに。
「わかったわ。これで最後にするわよ。レイジングハート、着地と同時にスタンバイモードにしてね」
バリアジャケットと杖を元の宝石に戻すと言うことだ。
「OK」
レイジングハートの返事を聞いたルイズは急上昇。
「うぁあああああああああああああああああああああああああああ」
荒っぽい上昇にユーノはまた叫ぶ。
途中で魔力の放出を止める。
徐々に減速して止まり・・・・自由落下。
下で使い魔と一緒にいるみんながぐんぐん近くなる。
「ルイズーーー。上、上、上ーーーーっ」
「もう、解ってるわよ」
さらに下へ加速。
「ええっ!なんでーーーっ?」
「違う、違うーーー。上は頭の方じゃなくて地面と反対の方!!!」
「あ、そうよね」
今度は地面と逆に加速をかけるが・・・
「ええっ!?止まらない???」
「勢い着けすぎだよーーーーーーー」
車は急に止まれない。
私も急に止まれない。
安全飛行を心がけましょう。
byルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール
#navi(魔法少女リリカルルイズ)
時間はさかのぼり昨夜へ。
学院の片隅では一組の男と女が出会っていた。
「私、スフレを作るのが得意なんですのよ」
魔法の灯りの下で女は男に語りかける。
「それは、是非食べてみたいな」
ギーシュは少し顔を傾ける。
この角度が一番かっこいい。
と、本人は確信している。
「え、本当ですか?」
恋する乙女は幻覚を見る。
ケティにはギーシュの周りに自分たちを祝福する星が見えた。
「もちろんだともケティ。君の瞳にウソはつかないよ」
「ギーシュさまぁ」
「君への思いに裏表など有りはしないよ」
恋する乙女は盲目である。
ケティの目には嘘も裏も見えていない。
だが、盲目故に幸せでもある。
ケティとの楽しい一時を過ごしたギーシュはモンモランシーの部屋への道を歩いていた。
次の楽しい一時を過ごすためである。
見上げるとそこには、赤と青の光で学院の廊下をを照らす二つの月があった。
「あの月はまるで僕と君のようじゃないか」
ギーシュは頭の中でモンモランシーとの一時をリハーサルする。
顔を少し下に向けてみた。
モンモランシーにはこの角度が一番いい。
と、本人は確信している。
「おや?」
目の端に光るものが映った。
少し気になり、光に手を伸ばす。
宝石と言うには少しくすんでる青い石が落ちていた。
どのみち高価な物ではないだろうがギーシュはその色合いが気に入った。
杖の先に着けた薔薇の中央に押し込み、魔法をかけと青い石はそこに固定された。
赤い薔薇の中央に青いワンポイントができる。
月明かりに照らし、石に光を当ててみた。
「少し変えてみるのもいいものだね」
この石はきっと楽しい一時に花を添えてくれるだろう。
満足したギーシュはモンモランシーの部屋に急いだ。
時間はルイズが掃除を終わらせた後に戻る。
「うわぁあああああああああああああああああああああ」
ユーノはあらん限りの声を上げる。
だが周りには誰もいない。
少し離れた所にはいるのだが、フェレットサイズの大声ではそこまで届かない。
「るぅうううういぃいいいいずぅうううううううううう」
ユーノの主人でパートナーのルイズはすぐそばにいる。
肩に乗っているのだからあたりまえだ。
「あははははは。ユーノ、これ、すごい、すごいわ」
だが聞く耳はない。
何故こうなっているか……話は再び少しさかのぼる。
「な・ん・で・すっ・て」
ルイズはユーノの両脇をしっかり固定し、一言一言刻むように言い聞かせた。
「うん、できるよ。ミッドチルダ式の魔法にもそういうのあるから」
「お・し・え・て」
ユーノはルイズが巨大化したような錯覚に襲われていた。
「で、でもルイズにはまだ早いよ。初級の最後の魔法なんだ。ルイズならすぐにできるようになるから」
「お・し・え・な・さ・い」
目が異様な光を放っている。
「先にいろんな事を覚えておかないといけないんだ。魔力の整流とか、一定方向への放出訓練とか、移動する時の注意点とか・・・」
「す・ぐ・に・お・し・え・な・さ・い」
ルイズはユーノに急接近している。
寄り目が怖い。
「いい?私は空を飛びたいの。すぐに!」
と言うようなことがあって今はこうなっている。
「ルイズーーーーーーっ、前、前、前、前ーーーーーーっ」
レイジングハートを持って、バリアジャケットを着たルイズが学院に建つ塔に向かってものすごい勢いで飛んでいた。
靴からは光の羽──フライアーフィン──が伸びている。
「大丈夫!」
体を反転させて壁を蹴る。
90度横に方向を変えて、今度は塔の周りで螺旋を描きながら上昇。
「ほら、大丈夫でしょ?」
ユーノは昔、発掘の先輩が免許を取ったときに、車に乗せてもらったときの事を思い出していた。
ものすごい荒っぽい運転でかなり怖かった。
一緒に乗った同い年の子が「おじーちゃーん、おじーちゃーん」とうわごとを言っていた程だ。
今はその10倍くらい怖い。
「ああっ、すごい。私、飛んでる。飛んでるわ、ユーノ。私って飛んでる女」
「うぁあああああああああああああああああああああああああああ」
縦にループ。
「風がすっごくきもちいいわ。それぇーーーー」
「うぁあああああああああああああああああああああああああああ」
横にループ。
ベテランの魔導師もやらないような危険飛行を平気な顔でやっている。
「る、ルイズ……そ、そろそろもう降りて……お願い」
ぐったり。
「もう、仕方ないわね。ユーノ、体力無いんじゃないの?」
ユーノも空を飛べるので体力は尽きていない。
しかし、精神的に疲れていた。
立ち上がれないほどに。
「わかったわ。これで最後にするわよ。レイジングハート、着地と同時にスタンバイモードにしてね」
バリアジャケットと杖を元の宝石に戻すと言うことだ。
「OK」
レイジングハートの返事を聞いたルイズは急上昇。
「うぁあああああああああああああああああああああああああああ」
荒っぽい上昇にユーノはまた叫ぶ。
途中で魔力の放出を止める。
ルイズの体は徐々に減速して止まり……自由落下を始めた。
下に使い魔と一緒にいる学院のみんながぐんぐん近くなる。
「ルイズーーー。上、上、上ーーーーっ」
「もう、解ってるわよ」
さらに下へ加速。
「ええっ!なんでーーーっ?」
「違う、違うーーー。上は頭の方じゃなくて地面と反対の方!!!」
「あ、そうよね」
今度は地面と逆に加速をかけるが……
「ええっ!?止まらない???」
「勢い着けすぎだよーーーーーーー」
車は急に止まれない。
私も急に止まれない。
安全飛行を心がけましょう。
byルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール
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