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魔法少女リリカルルイズ14 - (2007/09/24 (月) 01:43:33) の編集履歴(バックアップ)
ルイズの生活で変わったのは早朝の練習だけではない。
放課後も少し変わってしまった。
今までのように宿題に予習、復習をすませてしまった後はユーノが言うところのミッドチルダ式の魔法を使うために必要な勉強が待っている。
ユーノが先生になっての1対1の授業にルイズは1つの感想を持っていた。
放課後も少し変わってしまった。
今までのように宿題に予習、復習をすませてしまった後はユーノが言うところのミッドチルダ式の魔法を使うために必要な勉強が待っている。
ユーノが先生になっての1対1の授業にルイズは1つの感想を持っていた。
「ユーノを甘く見てたわ」
ユーノは幼い見かけによらず先生としてはかなり厳しいのだ。
別に手をあげたり、怒鳴ったりするわけではないがとにかく手をゆるめない。
しかも
別に手をあげたり、怒鳴ったりするわけではないがとにかく手をゆるめない。
しかも
「学院でいつか勉強するんならいいんだけど、そうじゃないみたいだから」
と言って今まで聞いたこともないようなことまで勉強することになっていた。
「ユーノ、ここはこれでいいのね」
今日も人間の姿のユーノが口頭で伝えることを羊皮紙に書いていく。
ユーノがまだ読み書きを覚えていないので教えられたことをまとめているのだ。
今書いていっているのは、なんでもモノが動くときの法則らしい。
ルイズがいきなり空を飛ぶようになったので、安全に飛ぶためにはこれを覚えないといけないそうだ。
ユーノがまだ読み書きを覚えていないので教えられたことをまとめているのだ。
今書いていっているのは、なんでもモノが動くときの法則らしい。
ルイズがいきなり空を飛ぶようになったので、安全に飛ぶためにはこれを覚えないといけないそうだ。
「それでいいよ。それで次は……」
ユーノが新しい羊皮紙を出して、それに図を書いていく。
今夜はもう少し続けるみたいだ。
今夜はもう少し続けるみたいだ。
扉のノブを回す音が聞こえた。
近頃この音には敏感になっている。
今はユーノは人間の姿をしている。
この方がルイズがその気になるからだ。
フェレットが先生というのはルイズのプライドに関わるようなのだ。
ユーノとルイズは目をあわせる。
その途端、扉が勢いをつけて開けられる。
ユーノは素早く変身。
人間の姿からフェレットの姿に変わる。
近頃この音には敏感になっている。
今はユーノは人間の姿をしている。
この方がルイズがその気になるからだ。
フェレットが先生というのはルイズのプライドに関わるようなのだ。
ユーノとルイズは目をあわせる。
その途端、扉が勢いをつけて開けられる。
ユーノは素早く変身。
人間の姿からフェレットの姿に変わる。
「ルイズー、いる?」
ノックもせずに入ってきたのはキュルケだ。
「いるわよ。で、なんの用?」
キュルケはルイズの部屋をじっくり物色。
「別にないわよ。あなたの部屋から声がしたから男でも来てるのかと思ったのよ」
「来るわけないでしょ!」
「ホントに?」
「ホントよ!」
「隠さずに教えなさいよ」
「いないって言ってるでしょ!」
「来るわけないでしょ!」
「ホントに?」
「ホントよ!」
「隠さずに教えなさいよ」
「いないって言ってるでしょ!」
近頃キュルケはルイズの部屋に奇襲をかけてくる。
どうやら、ルイズが謎の少年を隠していると考えて、それを暴こうとしているらしい。
どうやら、ルイズが謎の少年を隠していると考えて、それを暴こうとしているらしい。
「それにしても・・・」
キュルケはゆっくり床を見回す。
「ルイズ、あなた、部屋を散らかしすぎよ」
ルイズの部屋は羊皮紙で溢れていた。
今まで学んだことの証なのだが、まだそれらは整理できていない。
今まで学んだことの証なのだが、まだそれらは整理できていない。
「一体、近頃何を書いているのよ」
キュルケが床に落ちている羊皮紙を一枚取ろうとする。
「止めて、キュルケ!動かさないで!」
「なに言ってるのよ。こんなに散らかっているのよ。一枚くらい動かしてもいいじゃない」
「私にはわかるように置いてあるの!!!」
「なに言ってるのよ。こんなに散らかっているのよ。一枚くらい動かしてもいいじゃない」
「私にはわかるように置いてあるの!!!」
必死である。
今動かされてはページのつながりが何が何だかわからなくなってしまう。
ルイズの血走りそうな目を見てキュルケは後ずさる。
今動かされてはページのつながりが何が何だかわからなくなってしまう。
ルイズの血走りそうな目を見てキュルケは後ずさる。
「わ、わかったわよ。まあ、今夜はこれでいいわ。じゃあね」
来たときと同様キュルケは唐突に部屋を出て行った。
「ふー」「ふー」
ほっと一息つく二人。今夜もユーノのことはばれずにすんだ。
「でも……」
ルイズは部屋の床を見回す。
「やっぱり、そろそろ整理しないといけないわね」
「それで私が呼ばれたのですね」
「そーよ」
「そーよ」
ルイズの部屋に呼ばれたシエスタは針と糸で丁寧に重ねられた羊皮紙を縫い綴じていく。
床にそのまま起きっぱなしでは読み返すこともできないので本にして綴じてしまうことにしたのだ。
床にそのまま起きっぱなしでは読み返すこともできないので本にして綴じてしまうことにしたのだ。
「シエスタさん、上手ですね」
「あ、はい。糸と針を使うのには慣れていますから」
「あ、はい。糸と針を使うのには慣れていますから」
作業を効率的に進めるためにシエスタとユーノが並んでいるのがなにか気になった。
ああやって、仲が良さそうに話しているのもなにか気になる。
ああやって、仲が良さそうに話しているのもなにか気になる。
「それにしてもユーノさんって物知りですね。本の作り方まで知ってるなんて」
製本の方法を教えたのはユーノだ。
おまけに装丁まで綺麗にしている。
おまけに装丁まで綺麗にしている。
「古文書の修復をしたときに教えてもらったんだ」
ルイズはユーノの知識に度々驚かされていた。
自分よりずっと小さいはずのユーノが、ずっとたくさんの知識を覚えることのできるフェレットの世界について気になることもしばしばだ。
が、今はそれより気になることがあった。
メイドとユーノが近寄っている気がした。
もう少し私の方にも近寄りなさいよ!
とは言えない。
なんか知らないが言えない。
別のことを言うことにした。
自分よりずっと小さいはずのユーノが、ずっとたくさんの知識を覚えることのできるフェレットの世界について気になることもしばしばだ。
が、今はそれより気になることがあった。
メイドとユーノが近寄っている気がした。
もう少し私の方にも近寄りなさいよ!
とは言えない。
なんか知らないが言えない。
別のことを言うことにした。
「そこっ、口じゃなくて手を動かしなさい!まだこーーんなにあるのよ」
「はいっ」
「はい」
「はいっ」
「はい」
二人が手に集中するようになってもルイズはまだイライラしていた。
キュルケはちょっと頼みたいことがあってタバサの部屋の前まで来た。
扉をノック。
返事はない。
いつも通りだ。
もう一回叩く。
今度はノックといえるようなコンコンという音が出るような叩き方ではない。
ドンドンという音である。
これもいつも通り。
それならばとキュルケもいつもと同じ手段に出る。
扉にアンロック。
鍵はかけられてしまう。
そして、今度は扉を開ける。
扉をノック。
返事はない。
いつも通りだ。
もう一回叩く。
今度はノックといえるようなコンコンという音が出るような叩き方ではない。
ドンドンという音である。
これもいつも通り。
それならばとキュルケもいつもと同じ手段に出る。
扉にアンロック。
鍵はかけられてしまう。
そして、今度は扉を開ける。
「ちょっと、タバサ!」
が、部屋の主はいない。
いつもなら、ここにいるはずなのにいない。
いつもなら、ここにいるはずなのにいない。
「タバサ、どこに行ったのかしら」
少し考えると心当たりがあった。
近頃あそこに行っていることが多い。
近頃あそこに行っていることが多い。
心当たりの場所に行っていると同級生の声がちょっと聞こえてきた。
「よかったわね。あなたの使い魔、帰ってきたのね」
「ええ。でも、火傷みたいな怪我をしているんです。戻ってきたときには誰かが手当てしてくれてたみたいなんですけど」
「まあ、その親切な方にお礼を言わねばなりませんね」
「ええ。でも、火傷みたいな怪我をしているんです。戻ってきたときには誰かが手当てしてくれてたみたいなんですけど」
「まあ、その親切な方にお礼を言わねばなりませんね」
先日、ある生徒の使い魔の猫が行方不明になっているという小さな事件があった。
使い魔をなくした生徒は一日中泣いて悲しんでいた。
気まぐれでキュルケもないしょで探してみたが、やっぱり見つけることはできなかった。
その猫が戻ってきたらしい。
それならもう気にする必要はないだろう。
キュルケはそのまま素通りした。
使い魔をなくした生徒は一日中泣いて悲しんでいた。
気まぐれでキュルケもないしょで探してみたが、やっぱり見つけることはできなかった。
その猫が戻ってきたらしい。
それならもう気にする必要はないだろう。
キュルケはそのまま素通りした。
キュルケがタバサの居場所として当たりをつけたのはここ、図書室だ。
タバサは自分が読む本は買って部屋に置いておくタイプだが、ときどき図書室に足を運ぶこともある。
ちょっと探してみると案の定、本を読んでいるタバサを見つけた。
タバサは自分が読む本は買って部屋に置いておくタイプだが、ときどき図書室に足を運ぶこともある。
ちょっと探してみると案の定、本を読んでいるタバサを見つけた。
「見つけた、見つけた。タバサー」
トリステインでも図書室では静かにするものだが、そんなのお構いなし。
自分の用事の方が大切なのだ。
タバサのいる机まで走って横の椅子に手をかける。
自分の用事の方が大切なのだ。
タバサのいる机まで走って横の椅子に手をかける。
「ちょっと、いい?」
「だめ」
「なんでよ」
「だめ」
「なんでよ」
タバサがキュルケの言うことをこうもあっさり切り捨てることはない。
「友達がいる」
「……タバサ、あなた新しい友達ができたの?」
「……タバサ、あなた新しい友達ができたの?」
タバサはこくりとうなずく。
そういえばタバサの隣の椅子の前には本が何冊か置かれている。
タバサが持ってきた本ではないとすると、タバサの友達が持ってきた本かも知れない。
そうなると、その隣の椅子にはタバサの友達が座っていたことになる。
今いないのは本を探しに行っているのだろうか。
そういえばタバサの隣の椅子の前には本が何冊か置かれている。
タバサが持ってきた本ではないとすると、タバサの友達が持ってきた本かも知れない。
そうなると、その隣の椅子にはタバサの友達が座っていたことになる。
今いないのは本を探しに行っているのだろうか。
「ねえ、誰よ。その友達って」
キュルケはこの変わりものの新しい友達というのが少し気になった。
「そこにいる」
タバサはキュルケが座ろうとした椅子を指さす。
誰もいない。
誰もいない。
「どこにいるのよ」
「もう少し前」
「もう少し前」
視線を前の方に動かす。
やっぱり誰もいない。
前に動かしすぎた視線を元に戻る。
そこで気づいた。
机の上になにかが立てられていた。
いや、立っている。
風変わりな文鎮か筆立てかと思っていたそれはよくみるとそれは動物だった。
さらによく観てみる。
間違いない。ルイズの使い魔のフェレットだ。名前はユーノといったはずだ。
やっぱり誰もいない。
前に動かしすぎた視線を元に戻る。
そこで気づいた。
机の上になにかが立てられていた。
いや、立っている。
風変わりな文鎮か筆立てかと思っていたそれはよくみるとそれは動物だった。
さらによく観てみる。
間違いない。ルイズの使い魔のフェレットだ。名前はユーノといったはずだ。
「ねえ……この子が……新しい友達?」
タバサがこくりとうなずく。
どうやら冗談ではないようだ。
タバサが冗談を言う方が驚異ではあるが。
本のページをめくる音がした。
どうやら冗談ではないようだ。
タバサが冗談を言う方が驚異ではあるが。
本のページをめくる音がした。
「!!!」
目をみはる。フェレットのユーノが本のページをめくっているのだ。
しかも視線の動きを追っていると本を読んでいる。
フェレットが本を!!
本を読み進めていたユーノは視線を止めた。
首をちょこんとかしげる。
他人の使い魔が何を考えているのかなんてわからない。
動物の考えを理解するのと同じだからだ。
だがキュルケにはわかった。フェレットのユーノは悩んでいる。
タバサもそれを理解したらしい。
横に重ねられていた国語辞典を広げてユーノの前に持って行き、重要そうな記述の行を指でユーノに示す。
ユーノは2回うなずく。
タバサも2回うなずき自分の本を再び読み始める。
その間にユーノは自分と同じくらいのペンを抱えて、横に置いてある羊皮紙になにやら書いている。
しかも視線の動きを追っていると本を読んでいる。
フェレットが本を!!
本を読み進めていたユーノは視線を止めた。
首をちょこんとかしげる。
他人の使い魔が何を考えているのかなんてわからない。
動物の考えを理解するのと同じだからだ。
だがキュルケにはわかった。フェレットのユーノは悩んでいる。
タバサもそれを理解したらしい。
横に重ねられていた国語辞典を広げてユーノの前に持って行き、重要そうな記述の行を指でユーノに示す。
ユーノは2回うなずく。
タバサも2回うなずき自分の本を再び読み始める。
その間にユーノは自分と同じくらいのペンを抱えて、横に置いてある羊皮紙になにやら書いている。
「使い魔が……読書……」
キュルケは頭がくらくらしてきた。
そのメモを見てみるとトリステインで使われている文字で単語が書かれている。
単語の横には見たことはないが文字とわかるもので単語が書かれている。
ゲルマニア出身のキュルケはその形式に見覚えがあった。
そのメモを見てみるとトリステインで使われている文字で単語が書かれている。
単語の横には見たことはないが文字とわかるもので単語が書かれている。
ゲルマニア出身のキュルケはその形式に見覚えがあった。
「ねえ、ユーノ。これってもしかして、単語帳?」
振り向いたユーノが2回うなずく。
「そ、そう……がんばってね」
キュルケは振り向いて図書館の外へ歩く。
タバサに頼もうとしていた用事は忘れてしまっていた。
図書館から出るとフレイムが待っていた。
キュルケを見上げている。
タバサに頼もうとしていた用事は忘れてしまっていた。
図書館から出るとフレイムが待っていた。
キュルケを見上げている。
「ねえ、フレイム。あなたも本を読んでみる?」
フレイムはあくびをしながら炎を吐いた。
ぶはっ。ぶはっ。
ぶはっ。ぶはっ。