「Zero ed una bambola ゼロと人形-17」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
Zero ed una bambola ゼロと人形-17 - (2007/09/21 (金) 16:03:33) のソース
学院長室では一人の老人が鼻毛を抜いたり、パイプをふかしながら暇をもてあましていた。 「暇じゃのぅ」 ちゅうちゅう ポツリとそうこぼすと相槌を打つように小さなネズミが鳴く。 「何? 平和が一番じゃと、確かにそうだのぅ」 傍から見ればただのボケ老人かもしれないが、これでもれっきとした魔法学院の長なのだ。 部屋にはゆったりとした空気が流れる。すると突然、バタンと乱暴に扉が開かれた。闖入者によって部屋の平穏は崩されてしまった。 「オールド・オスマン!」 「部屋に入るときはノックぐらいしたらどうかね」 「これは失礼しました」 オスマンと呼ばれた老人は軽く闖入者を諌める。 「それでなんじゃ? えーと…そうだコルタール君だったね!」 「コルベールです。何回いえば覚えてくださるのですか」 コルベールは呆れかえるも、用件を切り出そうとある書物を手渡す。 「うん? えーとこれは『始祖鳥の美味しい食べ方』? まーたこんな面白本を集めて…」 「『始祖ブリミルの使い魔たち』です!」 「おお! そうじゃったそうじゃった、そう読むんじゃったのう」 軽快に笑うその様子を見ながらついにその時が来たのか、次の学院長は誰だ?そんなことをつい考えてしまう。 「うむ、それでこれがどうしたんじゃ、ミスタ・コルコール?」 もはや突っ込むまい、溜息をつきながらとあるスケッチを差し出した。 「これを見ていただきたいのです」 「これは…!?」 オスマンの目が光り、顔つきも飄々とした爺から威厳ある顔つきに変化する。それを見たコルベールはオスマン老はいまだ健在か……そう思わざるを得なかった。 「ミスタ…なんだっけ? ともかく!詳しく説明したまえ」 本当に健在なのだろうか?コルベールは不安にならざるを得ない。 Zero ed una bambola ゼロと人形 「オールド・オスマン、居られますか?お客様です」 ドアの外からミス・ロングビルの声が聞こえる。オスマンとコルベールは机の上にある本とスケッチをサッと片付けた。 「うむ、入りたまえ。」 オスマンは威厳たっぷりに答える。 ドアを開け部屋に入ってくるミス・ロングビル。その後ろにいるのは釣り目の金髪美女だった。コルベールは目を見張る。 「お久しぶりですね。オールド・オスマン」 「おおっ!これはミセス・ヴァリエール。久しぶりじゃのぅ」 ミセスと聞いてエレオノールの眉がピクリと動く。 ミセスと聞いてコルベールは少し落胆する。 「おおほほ、私未婚でしてよ」 そう笑って答えるものの目が笑っていない。 「そ、それはすまんのぅ、ミス・ヴァリエール」 オスマンは冷や汗をだらだらかきながら答える。そして一瞬、コルベールと目を合わせ、アイコンタントをとった。 『ふぉ、フォローしてくれ』 『了解しました』 オスマンの意思を受けコルベールは口を開く。 「いやぁ貴女ほどお美しい方が結婚をされていないなんて、世の男共は見る目がありませんなぁ」 「うん! 全くその通りじゃ」 激しく首を上下させるオスマン。エレオノールは冷めた目つきでそれを見る。 「そうですか。では足元のこれは何でしょうか?」 視線を下げればエレオノールに踏みつけられているネズミ、そうオスマンの使い魔モートソグニルだ。 「あらぁ?この部屋はネズミが徘徊しているようですわ。もっと掃除に気を付けたほうがよろしいいのでは?」 蔑んだ目で睨みつける。コルベールはいちころだ。 「ご忠告感謝しますぞ。で、そのぉ~ものは相談なんじゃが…」 オスマンはエレオノールの顔色を伺いながら恐る恐る話を切り出す。 「あら、どうかしまして?」 何事もないように振舞う。 「そのネズミ放をしていただいたらうれしいなぁ~って」 おちゃらけて自らの使い魔の救出を計るオスマンだったが 「このような害獣、百害あって一利なしですわ。」 ここで踏み潰したほうがいいですわ。そういって足に力をこめるのだ。 ちゅ、ちゅぅー 悲痛な叫びがオスマンの耳に届く。 「こ、ここでは殺生は禁止じゃ! だからお願いもう勘弁してください」 今にも土下座しそうな勢いで頼み込むオスマン。さすがに冗談が過ぎたと感じたのか、エレオノールはそっと足を上げる。 ちゅ、ちゅうぅー! 叫び声を上げながらモートソグニルは脱兎のごとく駆け出していく。 それを見届けたオスマンは溜息とともに汗をぬぐう。 「と、ところでミス・ヴァリエール、今回はどのような用件でお越しになられたのでしょうか」 今まで沈黙を守っていたミス・ロングビルはオスマンをフォローするように発言をした。オスマンは心の中でありがとうと繰り返していた。 「そ、そうでした。大事な用件を忘れていました」 オホンと咳払いを一つして気持ちを入れ替える。 「モット伯の屋敷が火災にあった事件は御存知でしょうか?」 「うむ、この学院の近くじゃからのぅ。大体の事情は知っておる」 オスマンは威厳たっぷりに言うものの、もはやここにいるもので彼を敬うものなど皆無だった。 「ならば話が早く済みますわ。モット伯の屋敷を襲撃した犯人ですが…」 「ふむふむ」 「どうやら土くれのフーケらしいのです」 「何ですって!?」 思わず声を荒げてしまうミス・ロングビル。慌てて口を押さえる。 「ミス・ロングビル」 「申し訳ありません。オールド・オスマン。ミス・ヴァリエール、構わず話を続けてください」 「ええ、それで犯人はフーケだとはいうものの、それは魔法研究所の最終的な結論ではありません」 「ほほぅ、というと?」 オスマンは何やら思案しながらも話を促す。 「ですからこれから裏付けのための捜査を行うことになりそうです。」 「とすると、近日中に調査団か何かがやって来るというのかね、ミス・ヴァリエール」 先ほどとは打って変わって理知的な老人へと変貌したオスマンに少し驚くエレオノール。話が早くて助かる。 「ええ、その通りです。この学院にも調査が入ると思いますので…といっても形式的な事情聴取のようなものですが」 「ふむ、事情はわかりました。それでその調査団はいつ来るのですかな?」 「二、三日のうちには来ると思われます。そのときはご協力をお願いしますわ」 「そういうことなら喜んで協力しましょう」 話がすべて終わり、退室しようとするエレオノールをコルベールが引き止める。 「ミス・ヴァリエール、この後はお暇ですか?」 「申し訳ありません、えーミスタ…」 「コルーベールです」 「妹に会う予定がありますので…」 そういってあっさりコルベールを振ったエレオノール。颯爽と去って行く。 「振られたのぅ…」 「ええ、ですが僕はあきらめません。彼女は例の生徒の姉でしょう? また会う機会はあります」 「そうか…がんばるのじゃぞ」 「ええ、がんばりますとも」 そんな二人をミス・ロングビルは冷たい目で見るのであった。 Episodio 17 コンコンと部屋をノックする音が響き渡り、ルイズは急いで扉を開ける。 「姉さま!」 ルイズは満面の笑みでエレオノールを招き入れる。エレオノールはルイズの部屋をぐるりと見回して呟いた。 「あら、結構片付いているじゃない。これならお母様にもあんたは大丈夫だって報告できるわね」 もう一つ、ルイズの交友関係だルイズの頭を軽くなでながらも部屋をつぶさに観察する。相変わらず色気もない部屋だ。ん?部屋の片隅に見慣れないものが……。 「姉さま、今日はどの位ここにいられるの?」 もう一人の姉であるカトレアと違ってエレオノールがこんなにも優しいのは数年に一度あるかないか、本当に珍しいのだ。ルイズはうれしさのあまり飛び跳ねてしまいそうだ。 「そうね、今日は泊まっていこうかしら?」 楽器か何かのケースがみえる。ルイズは楽器を弾いたりはしなかったはずだが…… 「本当に!」 ルイズはうれしさのあまりエレオノールに抱きついた。 『怒られるかな?』 いつもならば抱きつくルイズを引き離し説教をするのだが……そう、この日のエレオノールは一味違う。 「やけに甘えてくるわね…こういうのはカトレアの役目でしょう?」 少し文句を言い返しながらも優しくルイズを抱き返す。 今日はいろいろと話を聞こう。時間はたっぷりとあるのだから。 姉と妹、彼女たちは互いに語り合い家族の絆を深めていく。 夜も深けたころ、二人はようやく眠りにつくのだった。一つのベッドに寄り添いながら…。 この一夜限り妹は、彼女の妹を忘れて幸福な一時を過ごすのであった。 天使の名を冠する少女はいまだ眠りから覚めない。 La felicita della sola notte 一夜の幸せ NGシーン1 「ちびルイズのくせにカワユイ鼻してるじゃないの。クリクリしてもいい」 「ああ、もう!可愛い唇ね。指もぷにぷにしていい?」 そういってぷにぷにとルイズの唇に触り始めるエレオノール。 「ほっぺもつんつんするわよ」 対象をほっぺに移す。 「姉さま」 「ああ――ッ」 エレオノールは突然ベットに仰向けに横たわる。 「ねえお願いがあるの…ルイズのお尻で座って欲しいの…そうして欲しいの」 「姉さま?」 「ね?いいでしょ、ギュって圧迫して欲しいの」 「ギュっですか?」 「お顔の上よ!そのカワユイお尻で押しつぶしてぇ――ッ」 「なんですって!」 そういうもののおずおずとお尻をエレオノールに乗せるルイズ 「圧迫よォッ!呼吸が止まるくらいッ!」 言われるがままにお尻に体重を乗せるルイズ。 「興奮してきたわッ!早くぅ!『圧迫祭り』よッ!」 御免なさい ヴァリエール姉妹で圧迫祭りがやりたかっただけです。 orz NGシーン2 百合百合な性描写のために自粛