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  • あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ
  • ゼロのロリカード-21

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロのロリカード-21

最終更新:2008年11月07日 06:23

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  • ゼロのロリカード


 タバサとキュルケが湖の前に立つと、何か異様な気配を感じた。辺りを探ると、湖と平行して自分達の直線状に人影を発見する。
いつからいたのか、いつの間に現れたのかわからない。二つの月は濃い雲に遮られ、何者なのかは確認できない。
だが地元の者でも観光者でもないことだけは確かだ、敵意が伝わってくる。

「何者ッ!」
キュルケがそう叫んだ瞬間"敵"は長い得物を振りかぶり、真っ直ぐ最短距離を進んできた。
タバサはいち早く反応し、呪文を唱えてエア・ハンマーを放つ。空気の槌は目前まで迫った"敵"を叩き、湖と反対側の森まで吹き飛ばす。
その間にキュルケはファイヤー・ボールの詠唱を完成させ、火球は"敵"目掛けて真っ直ぐに飛んだ。

 着弾すると思われた瞬間キュルケは目を疑った。一瞬火が大きくなったかと思うと、燃え上がることなくいきなり掻き消えてしまったのだ。
"敵"が片手で振り回す大剣に、そっくりそのまま吸い込まれてしまったようだった。次いで詠唱を完成させていたタバサがウィンディ・アイシクルを放つ。
しかし既に体勢を整えていた"敵"は、襲い来る氷の矢を、顔が地につくほどまで屈んで避ける。さらにそのまま加速し突進してきた。


 キュルケは何故火球が掻き消えたのかを、戦闘中にも拘わらず考えてしまった。
コンマ数秒の判断すら命取りになるこの闘いの中で、それは誤った選択。
肉薄してくる"敵"に対し、キュルケが始めた詠唱は既に間に合わない。
(しまっ・・・・・・)
キュルケが心中で後悔し、一撃をもらう覚悟を決めたその瞬間、タバサがキュルケと"敵"の間に体を滑り込ませた。

 同じトライアングルクラスのメイジであるキュルケとタバサであったが、北花壇騎士七号として、数々の死線と潜って積んできた、実戦経験の差がそこに出ていた。
接近してきた"敵"より一瞬早く、タバサはライトニング・クラウドを喰らわせた。
"敵"は攻撃の為に振り下ろそうとしていた剣を瞬時に防御へと転じ、電撃は火球と同じように刀身に吸い込まれた。
思考を目の前の戦闘に切り替え、持ち直したキュルケは、すぐさまフライの呪文を唱えてタバサを抱えて距離を取る。
"敵"が執拗に白兵戦に持ち込もうとしているのが、ここまでの攻防の間に見えたからこその判断であった。


 間合いが大きく開く。ライトニング・クラウドを吸収し終えた"敵"がゆっくりと立ちあがる、しかしすぐに攻めてくる様子はなかった。
「ごめんね、ありがと」
キュルケはタバサに言った、タバサはその言葉に頷くだけであった。
普通の人にはわからないだろう、そんな頷き一つに込められたタバサの気持ちをキュルケはすぐさま理解する。
「どう、イケる?」
命のやり取りの最中であるにも拘わらず、キュルケは穏やかな笑みを浮かべながらタバサに聞いた。

 タバサは思う、わざわざ自分の任務を手伝ってくれて、死ぬかもしれない状況なのに・・・・・・。
それなのに・・・、自分に全幅の信頼を置いてくれているその笑顔。タバサの心が大きく奮える。
お人好しでお節介焼きの、大切な親友を死なせるわけにはいかない。勿論自分も死ぬわけにはいかない。
その為にあらん限りの思考を巡らせる。今まで積んできた経験、その引き出しからありったけの情報を出して頭を回転させる。

 残った精神力を考えれば、水の精霊は後回し。まず今は、目の前の"敵"を倒すことが優先事項。
任務遂行する上で、この明確な"敵"を放置するわけにはいかない。
殺す或いは再起不能、少なくとも戦闘を続行することが不可能なだけの手傷を負わせる必要がある。

 "敵"は十中八九剣士、それも相当な手練れ。剣がマジックアイテムなのか、魔法を吸収することができるようだ。
その剣をどうにかすればいいが、魔法を吸収する以上それは困難を極める。メイジの攻撃ソースたる魔法が効かないのでは、剣を手から落とすことすら出来ない。
このままでは間違いなくジリ貧。息の合った連携による連続攻撃にも、"敵"はしっかりと対応している。
一手一手、詰め将棋のように考えていく。勝つ為の手段を模索する。尤も、あまり悩んでいる時間はない。今は何もしてこないが、いつ"敵"が攻撃してくるかわからない。

†

「つくづく便利な剣だな」
「いやあ、久々に使ってもらえて嬉しいよ相棒」
一方で"アーカード"はのんびりと、デルフリンガーと会話していた。
「毎度毎度、再生するのもダルいからのう」
「おう、どんどん使ってくれ。雑談も悪かぁないが、やっぱ武器が本分だからな」


 話していると、襲撃者に動きがあった。
会話の内容が耳に聞こえてくるものの、それではつまらないので、頭で認識する前に意識の外へと追いやる。
すると襲撃者二人、もといタバサとキュルケは魔法を使わず走って距離を詰めてきた。

(ほう・・・・・・一体どんな策を講じてくる気なのか)
アーカードはデルフリンガーを地面に突き立て、『構え』をとった。

†

「あれはッ!まさか・・・ッッッ!?」
「知っているの!?ギーシュ!」
森の中から戦闘を見守る、ギーシュとモンモランシーは思わず叫んだ。

 それはおよそ一切の流派に、聞いたことも見たこともない、奇怪な構えであった。
突き立てた剣に向かって平行に体を横に開き、右手を逆手に左手を順手に柄を持つ。
ただ見れば、盲人が杖をついているかの如くだが、殺気刀身に満ち微塵の隙もないその構え。

 もし奪わんと欲すれば、まずは与えるべし。もし弱めんと欲すれば、まずは強めるべし。
もし縮めんと欲すれば、まずは伸ばすべし。而して、もし開かんと欲すれば、まずは蓋をすべし!
大地に突き立てられた剣は溜めをつくり、そこから放たれる斬撃は神速を超える・・・・・・ッ!!

「あれこそは必勝の構え、『無明逆流れ』の姿ッ!!!」

†

 走っていて出てくる汗ではない、単なる冷や汗である。それは"敵"の強烈なプレッシャーがそうさせた。
間合いに入ったと同時に、死が免れないその構え。"敵"へと近づくにつれて、圧迫感・威圧感はどんどん大きくなる。

 "敵"の間合いの寸前にタバサが杖を振り上げる、その瞬間キュルケはフライの魔法を開放した。
さきほど退避した時と同じように、キュルケはタバサを抱えて大きく上空に飛ぶ。
タバサの間合いの見極めは確かなもので、放たれた"敵"の剣は虚空を斬った。その真上からタバサは振り上げた杖を"敵"へと向かって振り下ろす。
同時に杖の先端から放たれたアイス・ストームが、"敵"を包み込んだ。


 "敵"が氷の嵐を吸収し終える頃には、二人はまた距離をとって魔法を同時に完成させる。
湖畔の空気は水分を多分に含んでいて、氷の矢は余すところなく四方と真上、隙間なく"敵"を囲む。
間断なく、キュルケはフレイム・ボールを放つ。一際大きな火球と氷の矢が同時に"敵"を襲った。

†

 氷が入り混じった嵐は、吸収するのに時間を要し、さらに視界を閉ざしていた。
デルフリンガーによる吸収を終えて、視界が開けた瞬間に見たのは、いざ襲い掛からんとする氷の矢と火球であった。
(なんと!)
アーカードは瞬時に、無数のウィンディ・アイシクルの一角を剣で崩す。
氷の矢が身体に突き刺さるよりも速く、出来た間隙に向かって走りだすも、火球はホーミングして追撃してくる。

 巨大な火球は氷の矢を溶かし、水蒸気を発生させる。捉えにくくなった視界の中でも尚、火球は正確にアーカードを追尾してくる。
アーカードはフンッと笑ってステップを踏む、火球を吸収する為にクイックターンを行った。
振り向きざまにデルフリンガーを構えたものの、火球が剣に吸い込まれることはなかった。
すんでのところで火球はアーカードの足元に着弾、地面が爆砕したのである。

「なっ・・・!?」
燃え上がった炎に視界を遮られる。一体なにが目的なのか、アーカードが気付き察した時には既に遅かった。
『ジャベリン』、形成された鋭い氷の槍が頭上に存在していた。

 思わぬ隙を突かれたこと、そして氷の矢を避けた所為で勢いのついているアーカードに、それを回避する術はなかった。
氷の槍はそのまま容赦なくアーカードの心臓を貫き、その身体を地に縫いつけた。

†

 槍は確実に"敵"を貫いていた。貫かれた体は空を仰ぎ、だらんと垂れ下がった手から剣が落ちる。
間違いなく、死んでいる。キュルケは大きく息をついた。タバサも安堵の表情を浮かべている。
手強かった、辛勝だ。タバサの精神力は、大量の氷の矢と渾身の氷の槍で既に尽きていた。
さっきので倒せなかったら、間違いなくこちらが負けていただろう。

 単純にアイス・ストームをぶつけただけでは、簡単に吸収されてしまう。突っ込むと見せ掛けて、寸前にフライで出来た僅かな隙。
不意を突くことでほんの一瞬だけ、吸収するのを遅らせればいい。その貴重な時間のおかげで、二人が同時に魔法を完成させることができる。
さらにそこから生み出されるチャンスは、続けざまの二度目の不意。八方塞ぐ回避不能の氷矢と巨大火球の連鎖的攻撃。

 そして三度目の不意、火球を敢えて当てないこと、足元で炎上させ視界を塞ぐこと。その上での、氷槍による四度目の不意。
無論、あわよくばそれまでの手で倒せるかもと、淡い期待も抱いていたがそうはいかなかった。
本当に最後の最後でチェックメイトすることができた、紙一重である。

「やったわね」
「・・・・・・よかった」
水の精霊討伐は明日以降になるが仕方ない。
ひとまずタバサは勝ったことに、親友を死なせずに済んだことに微かに顔を綻ばせた。

†

「まさか・・・・・・!?」
ギーシュは戦慄した、まさかアーカードが殺されるなんて。
もうここはやり過ごすしかない。自分達が勝てるわけがない。
先程の戦闘も明らかに次元が違った。敵はトライアングル或いはスクウェアクラスが二人、間違いなく殺される。

 物音を立てないようにモンモランシーの服を引っ張る。
モンモランシーは知人が目の前で死んだことのショックで、明晰夢のような言い知れぬ浮遊感と現実感のない精神状態であった。
見知っていた者の突然の死。つい先程まで喋っていた者が未来永劫喋らなくなるという事実。次に自分達がそんな風になってしまうかもという非現実感。

 モンモランシーが我を取り戻したのは、生存本能のおかげだった。
自分達の存在が気付かれたらきっと逃げられない、そうなれば間違いなく殺される。
襲撃者が消耗してるとはいえ、到底自分達が太刀打ち出来るレベルではない。
理性よりも本能が優先され、モンモランシーは半分無意識のまま、その体は逃げることを選択した。


 ゆっくりと、気取られないように二人は振り返り、忍び足で歩こうとするがそこで異変に気付く。
そこにいる筈の人物がいない。スヤスヤと寝入っていたルイズがいつの間にか消えていた。

「アンタ達、絶対許さない!!」
その言葉から容易に想像できる嫌な光景が脳裏をよぎる、一瞬間を置いてから声のした方向へと、ギーシュとモンモランシーは振り向く。
案の定、ルイズが襲撃者と相対していた。ギーシュは頭では拒否していたものの、いつの間にか飛び出し薔薇の杖を構えていた。
今は亡きアーカードにルイズを頼まれていたから。そしてギーシュの奥底に残っていた、男としての僅かな尊厳がそうさせた。

†

 "敵"がさらに二人現れた。タバサは心の中で舌打ちをする。相手は杖を掲げているようだった、メイジである。
だが不意討ち出来るところを、わざわざ声をあげたという点を鑑みると、大した相手ではない・・・?
メイジ同士の正当な決闘ならいざ知らず、殺るか殺られるかの闘争の中で、わざわざ叫んで自分の位置を知らせるなんて素人のそれだ。
(こちらの気を引いて油断を誘い、別の角度から攻撃する・・・・・・?)

 いや、それにしてもさらに他の場所にも仲間がいるなら、奇襲に奇襲を重ねて波状攻撃をした方が効果的である。
さっきまで気が抜けていたのは確かだし、結果的にこちらは警戒心を強める結果となった。
仲間をやられて感情に身を任せて出てきた、という可能性が高いだろう。ただついで出てきたもう一人は未知数。
何より自分の精神力は打ち止めだ。ただの役立たずならまだしも、足手まといになりかねない。

「退く」
タバサは一言キュルケに告げた。
「オーケィ」
遁走を試みようとするものの、相手は既に詠唱態勢に入っていた。
キュルケは反射的に呪文を唱え始め、タバサはいつでも反応できるように身構えた。


 魔法は発動することはなかった。きちんと詠唱を終えて発動した筈、であった。
しかしキュルケの杖の先からは、火の粉一つ出ることはなく、相手も詠唱を終えて杖を振り下ろしていたにも拘わらず音沙汰がなかった。

 気付けば、杖が切断されていた。
タバサは見ていた。突如飛んできたナイフによって、杖が切断されたのだ。
キュルケと新たな"敵"二人の杖を、造作もなくナイフの投擲のみで切断したのだ。
瞬間、弾かれたようにタバサはナイフが飛んできた方向へと振り向く。

 魔法は使えなくとも杖を構える、その足元にナイフが突き刺さりたたらを踏んだ。
そのナイフを見て頭の中で引っ掛かる、どこか見覚えのあるナイフ。そう、とても最近見たような気がした。
しかしすぐにタバサは思考を停止する。ナイフを投げた者がいるのだ、そんなことを考えている暇はない。
新たな"敵"二人の杖も切断した辺り、新手なのか?いずれにせよ予断を許さない状況に変わりはない。



 二つの月が雲間から顔を出し、未だ氷の槍がその胸に突き立つ"敵"を照らしていた。
垂れていた筈の左手が持ち上がり、こちらへと向いているのが見える。
(死んでいるのに、ナイフを投げた・・・・・・!?)
周囲を探っても、人影はおろか気配すらない。そして死んでいる筈の"敵"から、これ以上ないほどの存在感が滲み出ていた。

 すると水平に突き出された左手が下がり、次に右腕が動いた。
心の臓腑に突き刺さる氷の槍を掴むと、ゆっくりと、そして無造作に引き抜き始める。
肉が削れるような音と共に槍はどんどん抜かれていき、遂には地面から抜ける。
自由になった身体で剣を蹴り上げ、空中で回転する大剣を難なく左手で掴む。


 まるで曲芸、まるで手品。そして完全に身体から引き抜かれた氷の槍からは、血が滴り落ちていた。
「あ・・・なんか懐かしい」
左手に持たれた剣が喋る。次の瞬間、引き抜かれた氷の槍は"敵"の手の中で粉々に砕け散った。
単純な握力で以て握り潰したのだ。そして緩慢に歩を進めてきた。

「そういえばこの世界にきてから死んだのは、初めて・・・・・・だな」
声が響く、死んだ筈の"敵"がはっきりと喋っている。それも聞き覚えのある声だった。
タバサの中でピースが一つ一つはめ込まれていく。月の光で見える"敵"の姿、いつもと格好が違うがなんとなくわかった。

「グッド!いやはや、見事だ。本当に素晴らしいコンビネーションだったぞ、タバサ、キュルケ」
タバサは自分の名前を呼ばれて確信する。"アーカード"は結っていた髪をおろし、マフラーを取った。
ナイフをどこかで見たことがある、なんて思ったのも当然だ。そう、トーマスが使っていたナイフだったんだ。


「アーカードッ!」
ルイズが叫び、その胸に飛び込んでいく。タバサは杖を支えにして目を閉じ、一息ついた。
キュルケはポカーンとアーカードを見つめ、ギーシュは乾いた笑いをし、モンモランシーは腰が抜けて尻餅をついた。

「なんでアーカードが・・・?しかもルイズ、ギーシュまで」
「それはこっちの台詞でもあるさ」
アーカードはキュルケに、爽やかな笑みを向けた。

◇

 双方の事情説明も終わり、相互に状況を把握する。
「領地をきちんと管理するのは当然だから、な」
(・・・・・・任務じゃ仕方ないのう)

 アーカードはタバサのアイコンタクトで察した。任務である、と。
その事はキュルケも知っているようで、適当な理由で説明しそれに合わせた。

「まっ、アーカードも無事?だったことだし、お互い水に流しましょう。辺りも暗かったし、しょうがないもの」
「いや、私はお前達だと知っていたぞ」
「え?気付いてたの?」
キュルケは問い返す、常識的に考えればそんなことはありえない。
気付かなかったのならいざ知らず、気付いていた上で殺し合いを始めたなんて。

「私は暗闇でもよ~く見える。お前達二人の背丈とフードの隙間から見えた髪、そしてなによりタバサの特徴的な杖ですぐにわかった」
当然アーカード以外は困惑する。相手が顔見知りだと、知人だとわかっていたのに戦う理由はない、説明すれば済む話だ。


「私達とわかってて戦ったわけ?しかも殺す気満々で??」
キュルケは心底わけがわからないといった声音で聞く。
「理由はどうあれ、お前達二人はあの時点では目的達成の単なる障害物でしかない。
 闘う意志で私の前に立つなら、私がどうするか。ただ進み、押し潰し、粉砕するだけだ」

 キュルケは思い返す、その時の状況を。そして口を開いた。
「いや・・・・・・確かあなたが殺る気満々で立ってたから、私らも戦闘態勢に入ったんだけど・・・?」
「んむ、その通りだ。そうなるよう仕向け、誘導したからな。まぁつまるところ・・・・・・」

 アーカードはそこで溜める、一拍置いてから話し始めた。
「キュルケ、タバサ。お前達二人と闘ってみたかった」
なんとなく予想していた答えに、キュルケは大きく嘆息をついた。
「本当は森の中にいた時点でお前達を見つけていた。でもこんな機会もなかなかないし、お互い殺すつもりで戦ってみたかった。
 とても楽しく、有意義な闘争だった。なに、結果死んだら死んだだ。その時は私が責任をもって吸ってやったから安心しろ」

 全く悪びれる様子もなく答えるアーカードに、キュルケはなんだか毒気を抜かれる。
「ふぅ・・・まぁいいわ、結果論だけれど私たちが勝ったわけだし。ある意味箔がついたわ、私たちの連携は抜群ね」
そう言ってキュルケはタバサの頭をポンと撫でた。


 淡白に笑うキュルケとは違い、タバサはある事を考えていた。アーカードは全力を出していたのか、と。
確かに本気は本気だったろう、だがアーカードは終始白兵戦を挑んできていた。真正面から、正攻法で。
もし手段を選ばず全力で殺しにきていたら?果たして自分達は今ここにこうして生きていられたろうか。
だがいずれにせよ自分にとって、大きな経験値になったことは確かだ。
アーカードは自分達を殺す事も厭わなかったようだし、死んでしまっは元も子もない。

「さて、モンモランシー。さっさと呼び出してくれ」
「え?」
「水の精霊に事情を聞く。何故水かさを増やしているのか、な」
タバサの任務と、水の精霊の涙。二つを両立させるには、水の精霊をどうにかするしかない。

 モンモランシーは「あっ」と納得したように呟き、すぐに水の精霊を呼び出す準備に入った。


◇


 水の精霊には奪われた指輪を奪還すると約束し、水かさを増やすのを止めてもらった。
これによりタバサの任務は完了し、また襲撃者を対処したので水の精霊の涙を貰い受けることができた。

 クロムウェル。水の精霊から、秘宝アンドバリの指輪を奪った内の一人の名前。
神聖アルビオン帝国皇帝オリヴァー・クロムウェル、同時に『レコン・キスタ』の総司令官の名前が該当する。

 アンドバリの指輪、偽りの命を与え、従わせるというマジックアイテム。
そんな超常的な力を見せてカリスマを示せば、以降指輪の力に頼らずとも、それ以上に大量の人間を従わせる事も難しくはない。
だからこそ奪う価値はある。そしてそれを実行するだけの人脈もあることだろう。
たかが司教に過ぎなかったクロムウェルが、台頭してきた時期を考えても割かし符号が合う。可能性は高い。



 さしあたって、奪還に際しての時間の制限は設けられていない。寿命が尽きるまでに、取り返してくれればいいと。
(私が死ぬのはいつのことになるのやら・・・・・・)
ゆっくりと取り掛かればいい、焦ることもない。
このまま戦争が続けば、いずれアルビオンともう一度ぶつかることだろう。



 アーカードは部屋の一角に目を向ける。
「うぅ・・・」
「いつまで塞ぎ込んでいる、我が主」

 無事解除薬を飲んで元に戻ったルイズは、惚れ薬でおかしくなっていた時の記憶に悶絶し苦悩していた。
ベッドで芋虫のように布団を被って丸まりながら、ルイズはチラッとアーカードを一瞥するもまたすぐに潜り込む。
「だって・・・これ以上ない醜態晒すし、キュルケにはからかわれるし、杖を新調しなくちゃならないし。
 姫さまの任務もあるし、帰省の言い訳も考えなくちゃいけないし、少しくらい休んでたっていいじゃない」

 ルイズは布団の中でくぐもった声で言う。
「そうか、まぁ主の好きにするといい」


 アーカードはそれっきり黙って、『イーヴァルディの勇者』の続きを読み始めた。
それ以降フォローがないことに、ルイズは少しムカっとする。だがそれよりも気になることがあった。
「一つ聞きたいんだけど、私があの忌々しい薬飲んだ夜、なんで前みたく・・その・・・」

 ルイズは口ごもる。はっきりと言葉にするのは憚られた。アーカードはその続きを聞くまでもなく、口を開いた。
「ベタ惚れ状態でヤることヤるのは、一回で充分だ。そもそも別に、性欲を持て余してるというわけでもないしな。
 ツンツンしている主を少しずつ、私色に染めるのが楽しいのさ。ゆっくりと時間を掛けて、然るべき後に・・・また新たな世界を見せてやる」

 アーカードの浮かべた極上の笑顔に、眩暈を覚える。
心労が一つ増えたことに、ルイズはさらに頭を悩ますこととなった。
そして、身体的にも精神的にも疲れていたので、―――そのうちルイズは、考えるのをやめた。



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