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  • あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ
  • 谷まゼロ-05

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

谷まゼロ-05

最終更新:2008年12月28日 23:11

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ここは学院長室。
コルベールが淡々と、オスマン氏に説明していた。
話がいったん終わるとオスマン氏は重々しい口調で喋り始めた。

「つまり、こういうことじゃな。生徒のミス・ヴァリエールは使い魔召喚には成功したが、
 『コントラクト・サーヴァント』が出来なかったというわけじゃな?」

コルベールが自分の描いた谷の仮面のスケッチをオスマンに渡して言った。
「そうです、それで契約を妨げている可能性として、この仮面が理由にあるのではないかと、
 もしかしたら、マジックアイテムの一種かもしれません。オールド・オスマン」
「うーむ、まだ決め付けるには早計であろう、今度探知魔法でもかけて魔法が関係しているか確かめてみなさい」
オスマンは自分の髭を撫で、どこか興味無さ気にそう言った。
コルベールが応えた。
「そうですな」

二人がそんな話をしていると、ドアがノックされた。
「誰じゃ?」
扉の向こうから、女性の声が聞こえてきた。
「私です。オールド・オスマン」
「なんじゃ?入ってきてくれ」
ドアを開け、入って来たのは、学院長付き秘書のミス・ロングビルであった。
理知的で凛々しい顔しており、大人の女性の色気がある。
ミス・ロングビルは、少し慌てたように言った。
「ヴェストリの広場で、決闘をしている生徒達がいるようです。大騒ぎになっています。
 止めに入った教師がいましたが、生徒に邪魔されて、止められないようです」
「まったく、暇をもてあました貴族ほど、たちの悪い生き物はおらんわい。で、だれが暴れておるんだね?」
「一人はギーシュ・ド・グラモン」
「あの、グラモンのとこのバカ息子か。親父も色の道では剛の者じゃったが、息子も輪にかけて女好きじゃ。」
オスマン氏は机を、拳でコツコツと叩いた。
「相手は誰じゃ?」
「……それがメイジではありません。ミス・ヴァリエールの使い魔の青年のようです」
オスマン氏とコルベールは顔を見合わせた。先ほどまで噂していた使い魔のことだったからだ。
「教師達は、決闘を止めるために『眠りの鐘』の使用許可を求めております」
オスマン氏の目が、鷹のように鋭く光った。
「アホか。たかが子供のケンカを止めるのに、秘宝を使ってどうするんじゃ。放って置きなさい」
「わかりました」
ミス・ロングビルが去っていく足音が聞こえた。
自分の秘書が居なくなったのを確認すると、壁にかかった大きな鏡に向って杖を振った。
すると、鏡面にヴェストリの広場の様子が映し出された。
コルベールは、オスマン氏の行動に疑問を思った。
「オールド・オスマン?」
「うむ、まあ、暇をもてあましている者は、ここにもいるというわけじゃ」
どこかイタズラ坊主を思わせるような、おどけた口調でオスマン氏はそう言った。


所変わって、ヴェストリの広場。ここは魔法学院の敷地内、『風』と『火』の塔の間にある、中庭である。
西側にある広場なので、そこには日中でも陽があまり差さない。戦いにはうってつけの場所である。
しかし……先ほどのギャラリーに加え、噂を聞きつけた生徒たちまでが集まり、広場は人で溢れかえっていた。

「諸君!今日僕は一人の可憐なる乙女のために!そして然るべき罰をこの平民に与えるため!
 ここに杖を掲げ、この者と決闘を行う!そして今!戦いの火蓋は切られる!!!」

ギーシュが薔薇の造花を掲げた。うおーッ!と歓声が沸き起こる。
「ギーシュが決闘するぞ!相手はルイズの平民だ!」
谷とギーシュは、逃げ場を断つかのように集まっている大勢の人間達に囲まれていた。
それはもはや、人で出来たコロシアムのようであった。

「とりあえず、逃げずに来たことは褒めてやろうじゃないか」

ギーシュは薔薇の造花を弄りながら、歌うように言った。

まあ、本当は戦わずに降参してくれるのが一番だけどな、こちらも心痛まずに済む。
何せ、君には礼を言いたいぐらいなのだからね。だが、遠慮はしないよ。
モンモランシーが危険にさらされたこと自体は許し難い。

不敵な笑みを浮かべたギーシュはそう考えていた。
谷が何かを我慢できないものを無理やり抑えつけたような、イラついた調子で言った。

「早くしろよ」
「ふん、いいだろう。だが、僕はメイジだ。だから魔法で戦う。よもや文句はあるまいね?」

相手の反応をうかがう。しかし谷は、まるで石像のように動かず立っているだけであった。

「……まあいい。ああと、言い忘れていたよ。僕の二つ名は『青銅』。青銅のギーシュだ。
 従って、青銅のゴーレム『ワルキューレ』がお相手をするよ」

ギーシュは話し終えると余裕の笑みで谷を見つめ、そして薔薇を振った。
花びらが一枚宙に舞ったかと思うと……、甲冑を着た女騎士の形をした人形が現れた。
ワルキューレとギーシュに呼ばれた青銅の人形。身長は人間と同じ程度。
それは、ギーシュの思いのままに動かせることが出来、戦闘にでさえ使用できるほど細密な操作が可能であった。
ワルキューレ自立して動き、ギーシュの横についた。

「さてと、ぐずぐずしていたら観客たちにどやされてしまうからね、いけ!ワルキューレ!」

命令を受けたワルキューレは機敏に動き、谷に向って走り始めた。
ワルキューレは走る勢いに力をそのまま乗せ、谷にその青銅の塊の拳を放った。

次の瞬間ルイズとキュルケは驚きを覚え、他の者は当然のものとしてその光景を見た。
谷は、ワルキューレの攻撃を受け吹っ飛び、体を地面に打ちつけながら転がった。
大きな歓声が巻き起こった。

「……え?何でよ?タニならあんな青銅像ぐらい紙屑同然でしょ?」

殴り飛ばされた谷を見て、そう呟いたのはキュルケだった。
しかし、そう思うのも無理はない、昨日あれだけの力を見せておきながら、この有様なのだから。
それに加え、キュルケは昨晩見せた力が谷の全てではないとも考えていた。
なのにもかかわらず、谷は地面に倒れている。何が何だが理解できなかった。

「ねぇあれってパフォーマンスの一種かしら、ルイズ」
「……」

ルイズは答えなかった。何かねばついたものが心の奥にあったからだ。
もしかしたら、と考えるが、その考えを頭を振ってかき消す。
そんなはずはないと。
谷を殴り飛ばしたギーシュは満足であった。
ギーシュはタニが酷い怪我をしないように手加減し、その上で戦いの負けを認めさせるような絶妙な加減をしていた。
だが、何かが変であった。
ギーシュが不安を胸に抱いていると、何事もなかったように谷が立ち上がった。
ワルキューレを指差して谷は言った。

「おい、オマエ。その像は一体だけか?」

何を聞いているのだろうかとギーシュは思った。

「そんなことを聞いてどうするつもりだい?僕は一体で充分だと思っているからそうしているだけさ」
「全部だせ」

ギーシュはその言葉にカチンと来た。
ワルキューレの攻撃を蚊が刺したようなものを言わんばかりの態度も気に障ったが、
まるで、ギーシュ側が劣っているかのような言い草であったからだ。
ギーシュの心は乱されていた。イラついた調子で言う。

「いいかい?君のためを思って言うが。この戦い、早く降参するのが一番いいのだよ……」

ギーシュの言葉を聞くと、自分を殴り飛ばしたワルキューレの前に立って、
拳を大きく振りかぶった。ワルキューレを殴ろうとしているのだった。
ギーシュは谷の行為をせせら笑った。

「殴ろうというのかい?僕のワルキューレを?はっ!止めておきなよ。青銅といっても、人間の素手では……」

言い切るか否かの瞬間。ギーシュは言葉を失った。耳に聞こえ慣れぬ金属が一瞬でひしゃげる音が届いたからだ。
そう……無言で谷がワルキューレを殴り飛ばしたのだ。
それは、まるで球を空に投げたかのように綺麗な放物線を描いて、
悠々と人垣を飛び越え、学院の壁に衝突し爆ぜた。その様子を人々は、ただ呆然と目で追った。
ワルキューレはまるで、子供が食い散らかした食べカスのように地面に散らばった。
青銅像ぶつけられた学院の壁には大きな亀裂が入っていた。

谷から目線を外し、ワルキューレを目で追っていたギーシュは、そのなれの果てを見て驚愕した。
全身から汗が噴き出してくる。歯の根が合わない。
振り返り、改めて谷の姿を見た。先ほどまでネズミに見えていたものが獅子に化けたかのように見えた。
まるで、突然天国から地獄に突き落とされたような気分であった。
今まで、期待していたもの全てが断ち切られたギーシュ。
眼は泳ぎ、後ろに後ずさった。だが、逃げることはできない。取り囲む観客たちがそれを許さないだろう。

も、もももももしかしてぼ、ぼぼぼ僕はとととんでもな……。

谷が地面を指をさして、ギーシュを脅すように短く言った。

「全部出せ」

「……ヒっ!……は、はい」

ギーシュは顔は半泣きに加え、鼻水までちょっと垂れて、情けない顔になっていた。
平民との戦い、それを安くて美味い戦いだと思っていたのだ。
負ける筈がないと思っていたのだから、この状況は予想だにしないものであった。

ギーシュは従うしかなかった。従わなければ殺すという谷の意思が感じられたからだ。
薔薇の造花である杖を振り、花びらが宙に舞う。今度は一体ではない、新しく現れたのは実に六体。
今のギーシュが出せる最大数であった。

ギーシュには先ほどまでの余裕はすでに消えうせていた。
自分がとんでもない勘違いをしていたことがわかったのだ、しかし時はすでに遅し。
足抜けはもう出来ない。ギーシュは、躊躇しながらも谷に聞いた。

「これで全部のワルキューレ出したが……いったい何を」

ギーシュはこれからワルキューレを全部破壊され、
最後のメインディッシュに自分が宙に舞うことになるのではと、考えていた。
だが、谷は俯き気味の顔をギーシュに向けたまま、手で招くような動作をした。

「全部でかかってこいよ、さもないと……ぶっ殺す!」

ギーシュは恐れおののいた。
いったい何がどうして?そう思わずにはいられなかった。

「うぁっあ!!」

ギーシュは片方の手で顔を庇いながら、目を瞑ったまま杖を振り、ワルキューレたちに谷を襲うように命じた。
ワルキューレは一丸となって谷に代わる代わる拳を振るった。

谷は仁王立ちをしたままそれらすべての攻撃を一身に受けた。
打撃で、顔を殴れれのけ反り、胴を殴られ上体は折れ曲がった。
衣服は破れ、体には血がにじみ出る。まさに一方的な暴力であった。
周りを囲むギャラリーは凍りついていた。
あれほどの力を体現した仮面の男が、何もせずにただ殴られているのだから、異様に感じているのだった。
仮面のせいで表情がわからないので、苦悶の表情は見えない。
そのことが見ているもの全てに不気味さを増長させる。
まるで、不死者を見ているような感覚であった。

尚もまだワルキューレにより暴力は続いた。
次第に辺りから囁くような声が聞こえてくる。
二人を囲む観客たちも、もう決闘を楽しむ様相ではなくなっていたのを理解していた。
だが、なぜかその場から立ち去ることができない。
一人の生徒が呟いた。

「お、おいあれってなんだよ、なんで戦わないんだ。もう10分は殴られてるぞ……普通の人間なら死んでるはずだぜ」


谷は、殴られても蹴飛ばされても、何事もなかったようにまた立ち上がった。何度でも何度でも。
谷の体は鮮血で染まっていく。
ギーシュが止めようとすると、谷が怒声を上げそれを止める、それが何回も繰り返された。
すでに、六体のうち二体のワルキューレは殴り続けたせいで腕の部分が欠損している有様であった。
ボロボロになっていく谷を見ていたルイズは我慢しきれなくなり、人垣を分けて、
谷のいる場所に向おうとした。だが、キュルケがルイズの手首をしっかりと掴んで止めた。

「っ!……離してよっ!止めないとタニが!!」

つい先ほど、ギーシュのことを大笑いしていたとは思えないほど真剣な表情をしたキュルケが言った。

「やめなさいルイズ。タニは……あれは自分の意思で望んでやってることよ。
 それに横槍を入れてみなさい……きっとあなたも、ただじゃ済まないわよ」

「っでも……でも!」

キュルケはルイズの目を見たまま首を横に振った。
ルイズは自分の無力を呪った。

でも……なんでこんなことを……?

ルイズは何故タニがこのようなことをしているか考えてみた。
だが、考えが深まるごとに不安は増すばかりであった。

も、もしかして……もしかして、……そんな!?

ルイズの中で一つの答えが出た。

もしかして、谷は死のうとしているのではないかと考えたのだ。島さんが居ないこの世界に悲観して。
その答えが頭によぎった瞬間、ルイズの凄まじい速さで血の気が引いて行った。
自分が出した答えを、必死にかき消そうとするが、逆にそうする度に頭の中での存在感が増してゆく。

そんな……そんなのってないわっ!!タニやめてよっ!!やめなさいよっ!あんたわたしの使い魔でしょ!!?

谷がまた殴り飛ばされ地面に転がった。
ワルキューレは攻撃を受けていないのにもかかわらず、三体が行動不能になっていた。
それほど激しく谷を痛めつけていたのだった。
だが、それほどの暴力を受けたはずの谷は、まるで寝床から起きるような自然さで立ち上がった。
そして、何か呟いていた。

「っ……ねェな」

誰も聞き取れないほど小さな声であった。
何を言っているのだろうかと、ルイズは耳を澄ました。そうするとまた聞こえた。今度ははっきりと。

「っ全然痛くねェ。……夢だなコレ」

谷の声は震えていた。
まるで、母親を彷徨い探す迷い子が泣いているような、そんなやるせなさがあった。
谷たちを取り囲んでいた者たちは、谷の発言はただの強がりにしか聞こえなかった、だがルイズは違った。

「っ!!?……っう!」

ルイズは思わず口を手で塞いだ。眼の奥から涙が溢れてくる。
わかったのだった。谷の胸中が。
ルイズに現実として伝えられた事実。
それをまだ信じたくないのだ。
何よりも大切な『島さん』に会えないという事実を。
認めたくない、認められる筈がない。
認めたしまったら。何もかもが壊れてしまう。
夢だと信じなければ、立ちあがることも出来ないのだ。

島さんが居なければ、谷はこの先の人生を一歩も歩くことはできない。

谷は、新しくそして常識からかけ離れた世界に迷い込んだとしても、
残してきた自分の家族のことを思い浮かべなかった。
二度と学校に通えなくなることの心配など頭の片隅にもなかった。
これからどこで生活し、どこで糧を得ればいいのかなどということは考えもしなかった。

ただ一つ、ただ一点だけ。
島さんという女性についてだけ考えを寄せていた。
彼の頭の中には、島さんしかいない。

「クソっ……クソっ!夢だ……絶対夢だろっ……痛くねェなら夢だろ!
 頼むから、お願いだから誰でもいいから夢って言ってくれ!!!!夢じゃなきゃ困るんだよ!!!!」

誰に対して言ってるのか谷自身にもわからなかった。

「オレって『夢オチ人生』のはずだろ?いつだってそうだったじゃねェか!!!
 夢を見る度に、島さんが出てくる夢をみてっ!!!なんかこうっ……ちょっといいムードなんかになったりして……!!
 で、でもっ、いいところで夢から醒めて……ああ、また夢だったんだって……落ちこんで……っ!!」

……その方がましだ。っクソ!クソッ!

「人に夢が見せるもんがなんかは知らんが……見せるなら、島さんが出る夢にしやがれっ!!!」

ルイズは頬には一筋の涙が流れていた。
谷の島さんに対する想いの強さ、そして谷とってこの世界が無類の地獄に違いないことがわかったのだ。
そして、この希望がない世界を彷徨い続けなければならない事実。ルイズは悲惨すぎると思ったのだ。

対するギーシュはこの異常な状況を全く理解できていなかった。
だが、自分が本能的に危険を感じている事だけはわかった。

そうだ……降参しよう!そうだそれが一番だ……!
確かに誇りは大事だが、このままでは、あのワルキューレのようにバラバラにされてしまうよ!

ギーシュはゴクリと喉を鳴らしてから恐る恐る谷に向って言った。

「た、頼む。も、もう君の勝ちでいい……僕はこの戦いを……」
「ウルセェ!!!さっさと来やがれ!!!ぶっ殺すぞっ!!!」

ギーシュの言葉は涙ぐんだ声の谷によってかき消された。
怯えきったギーシュには、谷の言葉に逆らう力はなかった。
また同じようにワルキューレに命じ、谷を殴り飛ばした。

殴られた反動で、谷のズボンの後ろポケットから何かが飛び出した。
谷の周りに紙吹雪のようなものが舞う。
谷はどこか慌てた様子で、空中に手を伸ばし掴み取ろうとするが、地面に散らばり落ちてしまった。
地面に散らばった紙を、四つん這いの姿勢になり、無造作にかき集め始めた。
その紙は、映画の前売り券であった。
一枚や二枚ではなく、集めれば束になるほど数がある様だった。
そして、一つの映画につき必ず同じのが二枚あった。
そう、大切な人と一緒に見るための二枚だ。

ふと、思い出したかのように、今までの行為とはかけ離れた静寂さを纏いながら、
まるで、死にかけの虫が足を動かしているかのような動作で、
谷は一枚一枚券を確認しながら集めていった。

「……拾わねェと。……あっと、この映画はもう終わってるじゃねェか……島さん誘おうとしたけどできなかったんだよな。
 これも、これも終わってる……あ、これはあと少しで……って、そういや今日は何日だよ……。
 確か、昨日からだから……そしたら、これは二日後までか……?っは……二日後ってなんだよ……っっうぅっ」

急に現実感が谷を襲う。現実と認めたくないはずなのに、確実に現実であることが明らかになっていく。
谷は手の中にある映画の前売り券が元に戻らなくほど強く拳を握った。
紙が折れ曲がってクシャクシャになった。谷の手は震えていた。
手だけではなく、谷は蹲り体を震わせていた。


……いつものように電車に乗って、村上春樹の小説を読みながら学校に行って、
下駄箱で島さんに『おはよう』って挨拶されたのを、宇宙に飛び出るほど喜んで。
地学室で受ける授業で、教室の窓から向かい側の校舎に島さんが一生懸命授業受けている姿を眺めて。
部活で汗を流して頑張る島さんを、遠くから見守って……。
いつか島さんに告白して、島さんがOKしてくれるのを夢見る、そんな日常。

……それの何が悪いんだよ!!!!オレが何をしたってんだよ!!!!

谷は、券から手を放しゆっくりと立ち上がった。
そして、突然谷は人垣の方へ向かって歩き始めた。
谷が近づくと、まるで、その部分だけ波が引くように人垣が割れた。

谷の気が済み、この場から去ろうとしているのかとギーシュは思った。やっと終わったと安堵の色が顔に出た。
だが、その予想は甘かった。
谷は、ヴェストリの広場に建てられている銅像の前に立った。
その銅像は、メイジの姿をしており、そら高々に杖を掲げている像であった。大きさは谷の身長の三倍はゆうにある。
誰かを称えるものであろうか、それともただの飾りだろうか、それは谷にはわからない。
その場にいる者全員が谷の行動に注目する中、谷はその銅像の足に両手を回した。

誰も、谷が何をしようとしているのか理解できなかった。
急に銅像に抱きつくなど、気でも狂ったのかと思う者がほとんどであった。

だが、谷の周囲に取り巻く者たちは確かに聞いた。
何かが軋むような音を。そしてそれは谷が居るところから響いてきている。
谷の肩が、膨張しているように見えた。凄まじいほどの力がそこに込められているのだった。

「こんなクソみてェなのが現実っていうなら……」

不穏な音をたてて銅像の足に亀裂が入る。

「いらねェ……島さんがいない世界なんて……いらねェ」

周囲の者たちは、驚きのあまり一斉にのけぞった。
谷が、巨大な銅像を台座から引きちぎろうとしているのがわかったのだ。

「こっ、こんな現実……こんな現実!!!!」

そんなこと生身の人間が、ましてや魔法を使えない平民なんかが……出来るわけがない。
皆、そう考えていた。だが体が竦んで動かないことが、何を意味しているのか直感が知らしていた。
ここにいると危ないと。


「こんな現実ぶっ壊してやる!!!!」


台座から、銅像が離れた。その瞬間、皆逃げようと体を反転させ駆け出そうとするが、
谷は銅像の足を掴んだまま、まるでバットを振るような速度で、銅像を振りぬいた。
一瞬で谷の周囲にあるものをすべて宙高く吹き飛ばした。
周りを取り囲んでいた野次馬、観客、教師、何もかもを無差別に銅像で薙ぎ払う。

銅像を掴んだまま、谷は自分の体を軸にして回転し始めた。
それは暴虐の限りを尽くす竜巻の如く、無慈悲に何もかもを巻き込み、そして吹き飛ばした。
逃げる者も全て、そこにある物全て。逃げ惑う悲鳴が木霊し、阿鼻叫喚の地獄を作りだす。

谷は叫ぶ。まるで世界を越え、島さんに届くようにと、どこまでも力強く。

「オレは島さんがいる世界がじゃなきゃ意味がねェんだ!!!
 島さんがいなきゃ、そんなの世界じゃねェ!!!!クソだ!!!!
 オレは島さんが好きだ!!!誰よりもだ!!!
 この先、どこの世界で!!どんな男が島さんの前に現れたって!!!
 その男が島さんをどんなに好きだって抜かそうが!!!
 誰であろうとオレの方が100倍は島さんのことが好きなんだ!!!!
 オレが一番絶対島さんを好きなんだ!!!!」


「島さんが好きだああああああああああああああああああああああああ!!!!」


谷の仮面の目の部分に開いた穴から、滝のように涙が溢れていた。
泣いているのだった。流れる涙は止めどなく流れ続ける。
彼の暴虐も涙も止められる人物はここにいない。
何もかもが無くなるまで、続くに違いなかった。

谷の声がかすれるほど弩級の咆哮がヴェストリの広場を蹂躙する。

「ウッぁあぁあああぁあああああああぁあぁぁぁぁぁああああああ!!!!!」


――全てが終わったとき、ヴェストリの広場で立っている者は誰もいなかった。
この現状を作りだした谷は膝から崩れ、蹲ってすすり泣いていた。

ルイズは、誰よりも早く谷がするであろうことを見抜いたキュルケに襟首を掴まれ、
引きずられるようにして、蹂躙の渦から遠くに逃れていた。
腰が抜けて座り込んでいるルイズが呟いた。

「……ぜ、全滅……タニで」

まさか、谷にこれほどまでの力があろうとは、思いもよらなかったルイズは目の前の光景が信じられなかった。
突然、掴んだルイズを放り出して、屈んでいたキュルケが立ち上がった。
急に襟首を離されたルイズは、地面に頭を打ちそうになった。
だが、キュルケの横顔を見た瞬間、何かを言う気は失せた。

キュルケが、この死屍累々のような凄惨な状況に一切目をくれず、ある一点のみを驚き入った顔で見つめていたのだ。
そしてその目線の先にあるのは、谷であった。
まるで、流れ星を見ることが出来た子供のように高揚感を抑えられないキュルケは言った。

「凄いわ……凄すぎるわ……タニ!ああタニ!こんなのありえないわ!
 男を自分に『惚れさせたい』とは思っても、こんなにあたし自身が強く『惚れられたい』と思ったことはないわ!!」

「……き、キュルケ?あんた何言ってるの?」

信じられないといった表情をしたキュルケはルイズ詰め寄って言った。

「あなたわからないの!?もし、もしもよ?あれだけの愛情がもし自分一人だけに向ってくるとしたら!!
 ……そうよ!相手を壊してしまいそうなまで力強くて、そして曲がることを知らない直線的な愛情のかいなに抱かれたとしたら、
 この『微熱』の二つ名を持つあたしであっても、燃え上がるどころか、燃え尽きて灰になっちゃうかもしれないわ!
 それほどのよ!?これが興奮せずにいられるものですか!」

ルイズはキュルケに言われて初めてそのことを考えた。

自分一人にだけ、決して他の誰にも向かない確固たる愛情。
場所が変ろうが、世界が変わろうが、時間がどれだけ過ぎようとも、ただ一人自分だけを想ってくれる。
他人に、あそこまで愛されてしまったら自分はどうなるのだろう。
もし、あれほどの愛情が、自分だけに注がれたとしたなら……。

今まで恋愛という恋愛を経験をしたことがなかったルイズとって、それは考えるだけでも刺激的すぎた。
ルイズはギュッと胸元を手で強く掴んだ。

高鳴る胸の鼓動が静まらない。


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