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  • あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ
  • 毒の爪の使い魔-23b

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

毒の爪の使い魔-23b

最終更新:2009年01月07日 19:08

匿名ユーザー

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  • 毒の爪の使い魔


ラグドリアン湖の近くに位置する旧オルレアン邸に、タバサの乗ったシルフィードは降り立った。
タバサはシルフィードの背から降りると、屋敷を見渡す。
見た限り変化は無い。だが、敵意のような物は微妙に感じられる。
当然だ。最早、用済みの自分を生かしておく理由は何処にも無いのだ。
中には自分を捕らえる…もしくは、始末するための刺客がいるのは間違い無い。
シルフィードもまた屋敷を覆う空気が、夕べとは様変わりしているのを感じ取っていた。
きゅい、と心配そうに鳴きながら主人を見る。
そんなシルフィードにタバサは、いつもと変わらぬ調子で言う。
「あなたはここで待っていて」
「きゅい、きゅい、きゅい!」
鳴きながらシルフィードは首を振る。
今度の相手はガリア王国そのものだ。今までの亜人や幻獣、メイジなどとは違いすぎる。
一国と個人ではお話にならない。自分の主人がどれほどの力をつけていようともだ。

そんなシルフィードの頭を撫でながら、タバサは諭すように告げた。
「あなたが待っているから、わたしは戦える。帰る場所が在るから、わたしは戦える」
シルフィードは目に涙を溜め、主人を見つめる。
そんなシルフィードに対してタバサは――優しく笑った。
「大丈夫……必ず戻ってくるから、約束」
その言葉にシルフィードは涙を零す。そして、一声小さく鳴くと、空へと羽ばたいた。
空を旋回するシルフィードを見つめながら、タバサは「ありがとう」と呟いた。

玄関に鍵は掛かっていなかった。
タバサが押すと、抵抗も無く扉は開いた。
ギィ~~~、という重たい音が屋敷に響く。
いつも飛んでくるはずの、執事のペルスランや他の使用人の姿も、当然の事ながら無い
タバサは屋敷へと踏み込んだ――瞬間、物陰から一斉に何かが飛んできた。
「デル・ハガラース」
呪文を唱え、タバサはその場を飛び退く。
飛んできた何かはブーメランのようだ。
タバサが立っていた場所でUターンし、それぞれが飛んできた場所へと戻っていく。
ブーメランが消えると、物陰から何かが姿を現した。
それは大きさが一メイル前後の、真紅の身体を持った幻獣だった。

『スラッツァ』――頭に生えた、毒のある二つの角をブーメランのように使う幻獣だ。
全部で三種類おり、真紅の身体を持ったこの個体はその中でも最強。
普段でも獲物を積極的に狩る、根っからの狩人だ。

タバサは見慣れない幻獣の群れにジョーカーの存在を確信する。
杖を握る手に自然と力が籠もる。
現れたスラッツァは全部で五体、何とかならない数ではない。
スラッツァが一斉に頭の角に手をかける。
その仕草にタバサは先程の攻撃を思い返し、角を飛ばす前にけりを付けようと杖を振ろうとした。
――瞬間、足元が陥没し、タバサは足を滑らせて尻餅を付く。

見れば、床には何時の間にか、蟻地獄の巣のような物が出来ている。
しかし、穴の中心に向かって流れているそれは砂ではない。何より、穴は青く輝いているのだ。
すると、穴の中心から一つ目の黄色い幻獣が頭を出した。

『ガザロウ』――蟻地獄の巣の様にも見える次元の洞<ウロ>に住み着いている幻獣。
洞の力で吸い寄せられる獲物にクワガタの顎にも見える、鋭い牙が何本も生えた巨大なハサミで攻撃する。
黄色と青色の二種類が存在し、黄色い方が強い個体である。

ガザロウは一つ目をギョロリと動かし、タバサの姿を捉える。
巨大なハサミを振り上げ、タバサへと打ち下ろす。
ガキンッッ!!!
ハサミが噛み合わさった、大きな音が響き渡る。…そう”噛み合わさった”のだ。
そこにタバサの姿は既に無い。大きく跳躍し、洞から脱出していた。

そこへスラッツァ達の角が迫ってきた。
回転しながら飛ぶそれは、さながらジャンガのカッターの縮小版といった感じだ。
しかし、比べるまでも無いほど、タバサはそれに脅威を感じなかった。
短く呪文を唱え、杖を突き出した。
旋風が巻き起こり、角を残らず押し返す。
押し戻された角はそれぞれの主人を切り裂いた。
途端、砂の城が崩れるようにスラッツァは細かな粒子となって消滅する。
着地したタバサは、間髪入れずにジャベリンを生み出し、洞の中心のガザロウ目掛けて放った。
洞から出られないガザロウに為す術は無い。
大した抵抗も出来ずに一つ目を串刺しにされ、洞ごと消滅した。

幻獣達が消滅したのを確認し、タバサは再び歩き出した。

屋敷の一番奥…母の居室に通じる長い通路を歩いていると、またしても何かが姿を現した。
黒光りする丸いボディに赤い目、左右には鬼の角のように白いトゲが生えている。
珍妙な物体だが、タバサはそれに見覚えがあった。
そう…確かプチ・トロワに警備用として何体か配置してあった物だ。

『ササルン』――幻獣なのか機械なのか、一切が不明な謎の存在。
しかし、上位の存在は”向こう”の『ルナベール』の主が製作した戦闘メカと同じ特殊鋼でできており、
どちらかと言えば機械なのであろう。
黒いボディの固体は一番格下ではあるが、それでも通常の攻撃ではビクともしないほど頑丈である。
無論、並みのメイジの魔法も容易く弾く事が出来る。

普段のタバサならば厄介な相手だったろう。
だが、今のタバサをこの程度で止められる道理が一体何処に有るだろうか?
一斉に飛び掛るササルンにタバサは全く動じずに杖を振る。
風の渦…『エア・ストーム』の呪文が発動する。
巻き起こる竜巻にササルン達は残らず飲み込まれた。
無論、この程度でどうにかなる物ではない。…本命は飲み込まれた後だ。

『エア・ストーム』の中で、飲み込まれたササルン達は互いに激しくぶつかり合った。
何度も何度もぶつかり続けるササルンの身体は、次第に罅割れていく。

そう…これが本当の狙い。
硬い物体はスポンジ等と違い、柔軟性が無く衝撃を逃がす事が出来ない。
同程度の硬度を持った物体同士が、激しくぶつかり続ければ何れ砕けてしまう。
タバサはそれを見越して呪文を唱えたのだ。
罅割れ、砕けたササルンは、体中から小さな火花を吹きながら動かなくなった。
それらを一瞥し、タバサは更に奥へと進んだ。

タバサは母の居室の前に立ち、取っ手に手を掛けた。
鍵は掛かっておらず、タバサはそれを無造作に引いた。
「お待ちしていましたよ、シャルロットさん」
部屋の中へと入った瞬間、気安い感じで声を掛けられた。

タバサは声の主へと、怒りの籠もった視線を向ける。
部屋の奥…三方を窓に囲まれた日当たりの良い場所に置かれた椅子の上に、ジョーカーの姿は在った。
その反対側にもう一人、こちらに背を向けて立っている細身の長身の男がいた。
茶色のローブを着て、つばの広い羽根の付いた異国の帽子を被っている。
ぱらぱらと本のページを捲る音が聞こえた。どうやら本を読んでるらしかった。
見たところ、杖らしき物は持っていない。…メイジ殺しと呼ばれる者だろうか?
だが、例えどんなに腕の立つ傭兵でも、不意打ちでも食らわなければ後れを取る事は無い。
男の方は一先ず置いておく事にし、タバサは改めてジョーカーを睨む。

ジョーカーはタバサの方を向いたまま、座り心地を確かめるように身体を動かす。
「この椅子は中々に良いですネ。いやいや、貴方のお母上もさぞかし気持ち良かった事でしょう~」
そんな風に楽しげに話すジョーカーに対し、タバサは怒りを募らせた。
母がいつも座っていた椅子に無遠慮で腰掛けているのだ。怒らない方が無理だった。

「母は何処?」
タバサは静かに尋ねた。
ジョーカーは指を人で言う顎の辺りに当て、何事かを考える素振りを見せる。
暫く考え込んだ後、タバサを見た。
「大人しくついてくるのでしたら、会わせてさしあげますがネ?
と言うか…先程、ンガポコちゃんが貴方のメッセージを持って来てくれたのですが……面白い冗談でしたよ」
言葉の最後の方、不気味なまでに声のトーンが下がった。
「首を貰う……いやはや、あんな返事が来るとは驚きです。――とはいえ、ある程度は予想できていましたがネ。
まァ…素直についてくるとは思っていませんでしたよ。ですから…」
ジョーカーは椅子から下り、タバサを静かに見据える。

「力ずくでいかせてもらいましょう」

言い終わるや否や、ジョーカーはパチンと指を鳴らす。
ジョーカーの前方の床に青いゲートが開き、暗い赤色をした幻獣が三体姿を現した。

『アタックマギ』――魔法学院で召喚された『マジックマギ』と同じ種族の幻獣。
体色が赤っぽく、頭に闇色の翼を生やし、背中のマークが剣であるのが違いだ。
今召喚されたのは、その中で最強の個体だ。
アタックマギは他の幻獣の攻撃力をパワーアップさせるのを得意としているのだが、
ジョーカーによって弄られている為、それに当て嵌まらない。
マジックマギが『スリープ・クラウド』を唱えていたように、アタックマギもまた…。

一斉に杖を翳す。三体のアタックマギの身体の周囲を、無数の赤い光の玉が回る。
攻撃補助の魔法が掛かった証だ。
続いて、アタックマギ達は一斉にタバサに杖を向ける。
その杖の先端に火の玉が膨れ上がった。
それを認め、タバサは身構える。
「では、やっちゃいなさーい!」
叫びながら、ジョーカーは再度指を鳴らす。
途端、杖の先端から途方も無い熱量と勢いを持った火炎放射が放たれ、タバサを襲う。
瞬く間に炎はタバサの小柄な身体を飲み込み、渦を巻く。
その光景を見つめながらジョーカーはほくそ笑む。

――まさかこの程度で死んだりはしないだろう。
あいつの事だ、防御用に冷気を身に纏わせる位はしているはず。
しかし、この炎を完全に防ぐ事は幾らなんでも不可能だ。多少の火傷などは負うだろう。
そうして弱った所で捕獲すればいい。…もとより、これ位の無茶はしなければ捕まえられない相手なのだ。

…そんなジョーカーの予想は、見事に裏切られた。

「なんですと?」
ジョーカーの目の前で炎が猛烈な勢いで鎮火していく。
水蒸気が煙のように立ち上り、煙幕の如くその場を覆い隠す。
次の瞬間、立ち込める水蒸気を突き破り、三本の氷の矢が飛んできた。
それらは正確に三体の幻獣を貫く。消滅するアタックマギ。

水蒸気が晴れ、その向こうにタバサが見えた。
その周囲には猛烈な勢いの冷気が吹き荒れている。
その冷気は、とてもあの炎を消し止めた後とは思えない勢いを維持している。
タバサが杖を再度振ると、吹き荒れる冷気の嵐は瞬く間に消滅した。

顔を顰め、ジョーカーは再度指を鳴らした。
再びゲートが開き、二体の幻獣が姿を現す。
赤い貝殻を背負い、足の代わりにキャタピラが付いた幻獣だ。

『グリッヅファランクス』――両脇にミサイルランチャーを備えた幻獣で、大砲を備えた『グリッヅ』とは同じ種族。
好戦的で凶暴な性格をしており、ちょっとした事でも激怒する。
赤い貝殻をしたこの個体は小型の中では最上位の存在。
その貝殻の赤は、屠った敵の血の色であり、残虐な性格を如実に表している。
それ故に、全ての幻獣に恐れられる存在である。
…ちなみにグリッヅ達には大食い大会によって決まった階級が存在し、この個体の階級は准尉。

「こうなれば容赦はできませんネ…」
ジョーカーの言葉に答えるかのように、グリッヅファランクスはミサイルランチャーの照準をタバサに合わせる。
六連装のミサイルランチャーが両サイド合わせて二つ、それが二体分だ。
(まァ、腕や足がもげても生きていればいいでしょうしネ…)
残酷な事を考えながら、ジョーカーは指を鳴らす。四つのミサイルランチャーが一斉に火を噴いた。
合計二十四発のミサイルが火を噴きながらタバサへと殺到する。

フーケのゴーレムを破壊した、あの『破壊の箱』と同程度の威力を持っているだろう事を、タバサは解っている。
それでも、タバサは動じない。ルーンを唱えて杖を振る。
風が渦巻き、ミサイルを絡め取った。
恐るべき推進力で進むミサイルは、しかし…タバサの巻き起こした風で完全にその動きを止められていた。
再度タバサは杖を振る。
風に新たな動きが加わり、ミサイルの向きを強引に変える。
ミサイルはその目標を自らを打ち出した幻獣へと向け、牙を剥く。
「くっ!?」
ジョーカーは手を眼前に翳した。

直後、巻き起こる大爆発。

濛々と煙が立ち込め、それをタバサは油断無く見据える。
煙が晴れていき、ジョーカーが姿を現す。
傍にはあの幻獣の無残な姿があったが、それも直ぐに消滅した。
母がいつも座っていた椅子も机も、三方を囲む窓も全てが吹き飛んでいた。

「いやはや…、これはこれは凄いですネ」
ジョーカーが感心しきった様子で呟く。
「これほどまでの力をお持ちとは……ワタクシのメガネも多少曇ったのでしょうかネ?
本当に予想外でしたよ…。いやはや…」
素直な賞賛なのだろうが、タバサは喜びなど感じない。
あるのは、押さえきれないほどの”怒り”だけである。
見ると、ジョーカーは腕組みをするようなポーズを取り、考え事をしているようだ。
ややあって、ジョーカーは明後日の方へ顔を向ける。

「やっぱり、ここは貴方にお任せしますネ…ビダーシャルさん」

ジョーカーの見ている方へタバサも視線を向ける。そこには先程の男が居た。
あれほどの大爆発に晒されたのにも拘らず、先程の男がまるで何も無かったかのように本を読んでいた。
しかも、服などには僅かな焦げ後も見られない。…これは一体どう言う事であろうか?
メイジではないと思っていたのだが…、何かしらの魔法を使ったのだろうか?
いや、やはり杖などは見当たらない。ならば、どういった手段を用いたのだろうか…。

男が本から顔を上げる、非常に整った美しい顔だ。
しかし、その年齢は解らない。実に不思議な雰囲気が感じられる男だ。
男はジョーカーを一瞥し、タバサへと視線を向ける。
「お前に要求したい」
ビダーシャルと呼ばれた男は、気の毒そうな声でタバサに言った。
「要求?」
「ああ。我の要求はただ一つ、”抵抗しないで欲しい”と言う事だ。
我等は無益な争いは好まない。我はお前の意思に関わらず、お前をジョゼフの元へ連れて行かねばならない。
そう言う約束をしてしまっているからな。だから、穏やかに同行を願いたいのだ」
伯父王の名を聞き、タバサの血が逆流する。
有無を言わせず、『ウィンディ・アイシクル』が飛んだ。
しかし、無数の氷の矢は男に当たる寸前で停止し、床へ落ちて割れた。
一瞬驚いたが、直ぐにタバサは再度ウィンディ・アイシクル唱えた。今度は倍の量だ。
だが、その氷の矢も尽く男の眼前で停止し、床へ落下した。

男は哀れむような表情をタバサに向ける。
タバサの表情に焦りの色が浮かぶ。
相手は杖を持たず、呪文を唱える素振りすらない。
それでいて、自分のウィンディ・アイシクルを意にも介していないのだ。
どのような系統呪文を使えば、そのような事が可能なのだろうか?

――系統呪文?

タバサはハッとなった。
そうだ、この世には自分達メイジが使う系統呪文の他に、もう一つ別の系統が存在している。
北花壇騎士団として戦ってきた、亜人達が使う呪文…。
それは……

「先住魔法…」

その言葉を聞き、男はさも不思議そうな表情をした。
「どうしてお前達蛮人は、そのような無粋な呼び方をするのだ?
…ああ、もしや私を蛮人と勘違いしていたのか。失礼をした。
お前達蛮人は初対面の場合、帽子を脱ぐのが作法だったな」
男はそう言うと、帽子を脱いだ。
そこに現れたのは、美しい金色の髪の間から突き出た……長い尖った耳。
「私は”ネフテス”のビダーシャルだ。出会いに感謝を」
「エルフ」
タバサの目が驚愕に見開かれた。次いで、杖を持つ手に力が籠もる。

エルフ……ハルケギニアの東方に広がる砂漠に暮らす長命の種族。
人間の何倍もの歴史と文明を誇り、強力な先住魔法の使い手である恐るべき戦士。
タバサにとっても竜と並んで立ち会いたくない相手だった。
初めて対峙した事で、その実力が嫌と言うほど解った。
何しろ、自分のウィンディ・アイシクルがまるで通用しないのだから。

エルフの男は哀れみを含んだ視線をタバサに向ける。
「お前では我には決して勝てない。故に、これ以上の争いは無意味なものだ。
大人しく、我と共に来てほしい」
「――ッッ!」
エルフの脅威に心が折れそうになる。
しかし、タバサは恐怖を必死に抑えた。

――そうだ、母は自分のこの手で取り返すのだ。
後悔しない為にも…必ず。その為にはどんな相手にも負ける訳には行かない。
相手がエルフであろうが、竜だであろうが、神であろうがだ。
そうだ……負ける訳には行かない!

タバサの強い意志と激しい怒りは、自身の魔力と呪文の威力を跳ね上げる。
「ラグーズ・ウォータル・イス・イーサ・ハガラース」
タバサの周囲の空気が瞬時に凍り付き、とぐろを巻く蛇のように身体の周りを回転する。
芸術的な美しさと、触れる物全てを凍てつかせて切り刻む威力を併せ持った、『氷嵐』<アイス・ストーム>が顕現する。
荒れ狂う嵐は、部屋の内装を尽く引き裂いていく。
嵐の目が杖に移り、タバサは杖を振り下ろした。
アイス・ストームがエルフ目掛けて直進する。
どんな防御魔法が掛かっていようが、それごと飲み込んでしまうように思えた。
しかし、エルフはまるで動じた気配が無い。それどころか、タバサから視線をずらそうともしないのだ。
その瞳に宿る感情が”遠慮”であると気が付き、タバサは愕然とした。
目の前のエルフは自身を敵とさえ認めていないのだ。

アイス・ストームがエルフを飲み込もうとした瞬間、突如としてアイス・ストームは逆回転を始めた。
そのまま同じ勢いを保ったまま、アイス・ストームはタバサへと襲い掛かる。
それは今し方、タバサ自身が風でグリッヅファランクスの攻撃を跳ね返したのと皮肉にも似ていた。
実践豊富なタバサは一瞬で呪文を完成させ、その場から飛び退こうとする。――しかし、飛び立てない。
見れば、タバサの両足は床に飲まれていた。粘土の様に形を変えた床に、両足が掴まれているのだ。
タバサは呆然と自分に襲い掛かるアイス・ストームを見つめた。

「ごめん…約束守れ――」

タバサの言葉は最後まで完成しなかった。

アイス・ストームに飲み込まれ、ボロボロになったタバサにビダーシャルは近づいた。
己の作り出したアイス・ストームにより、その小さな身体は無残に傷付いていた。
氷の融けた水と流れ出た血が混ざり合い、床の絨毯を濡らしている。
首に手を当てる。虫の息だ。
「この者の身体を流れる水よ…」
ビダーシャルは呪文を唱える。
彼等エルフが”精霊の力”と呼ぶそれの効果は系統魔法を凌駕していた。
タバサの身体の傷が絵の具で塗り潰すかの様に、瞬く間に消えていく。
系統魔法の『治癒』とは比べ物にならない回復力だ。
傷の塞がったタバサをビダーシャルは慎重に抱えあげた。

「いやはや、大した物です。実に鮮やかな手際でしたよ」
パチパチと拍手をしながらジョーカーはビダーシャルに声を掛ける。
ビダーシャルはジョーカーを見ようともしない。
「我は与えられた役目を終えただけだ」
「のほほ、のほほほほ」
何が可笑しいのか、ジョーカーは頻りに笑った。

――背後で何かの気配がした。

二人は揃って背後を振り返る…、そこには一匹の風竜がいた。
タバサの使い魔のシルフィードだ。その目が今、怒りに光っている。
その目の光に、ビダーシャルはシルフィードがただの風竜ではない事を悟った。
「韻竜か…」
絶滅したとされる古代種…、知能が高く、言語感覚に優れ、先住の魔法も操る事の出来る、非常に優れた幻獣。
ビダーシャルは腕の中で昏睡する少女を見下ろした。…韻竜を使い魔にするほどの少女。
相当の手練だったのだろう。自分が”契約”をした場所でなければ、危険だったかもしれない。

ビダーシャルは再びシルフィードへと目を向ける。
「韻竜よ、お前と争うつもりは無い。”大いなる意思”はお前と私が戦う事を望んでいない」

”大いなる意思”――エルフや韻竜など、ハルケギニアの先住民が信仰している概念。
”精霊の力”の源であり、自分達の行動を決定付ける存在。
――極端な言い方をすれば”神”そのものである。

”大いなる意思”と言われてもシルフィードは引かなかった。
逆に恐怖に蝕まれそうな自身を奮い立たせるように、唸り声を上げる。
――目の前のエルフは強い。…恐らくは、自分など足元にも及ばないほどに。
だからと言って引けない。自分の愛すべき主人は目の前のエルフの腕の中にいるのだ。
この場で助けられるのは自分だけなのだ…。

シルフィードが一向に引く気配を見せないのを見て、ビダーシャルは哀れみの表情を浮かべる。
「魂まで蛮人に売り渡したか。使い魔とは哀しい存在だな…」
ビダーシャルのその言葉に呼応するかのように、シルフィードは牙を剥いて襲い掛かった。
寂しげに首を振り、ビダーシャルは手を翳そうとする。

――次の瞬間、シルフィードは炎に巻かれて吹き飛んでいた。

吹き飛ぶシルフィードを見つめながらビダーシャルは口を開く。
「…なんとも乱暴だな」
「いえ……こちらの事情も考えずに牙を剥いてくる”駄犬”にはお仕置きが必要ですからネ」
ビダーシャルの隣にはフラワージョーカーへと変身したジョーカーがいた。
シルフィードが動かない事を確認し、ジョーカーは変身を解いた。
そして、ビダーシャルへと向き直る。
「では、参りましょうか?」
ビダーシャルは答えない。
ジョーカーは笑って指鳴らした。

次の瞬間、部屋には誰の姿も無かった。
後に残ったのは、ボロボロになった部屋と重傷のシルフィードだけだった。

――あの事件から三日。
ジャンガは最早、自分の指定席とも言える、本塔の屋根の上で寝転んでいた。
「ふぅ…」
小さくため息を吐いた。
そのため息に気が付いたか、デルフリンガーが話しかける。
「どうした、相棒? ため息なんか吐いてよ」
「いろいろあって、疲れただけだ…」
言いながら青空を見上げる。
ジャンガは未だ、後悔しているかどうかの答えを出せずにいたのだった。
いや、答えを出すのを迷っていると言えばいいのだろうか?
何しろ、彼の中では未だ”悪党としての死”に対する悩みが残っているのだ。

「なぁ…相棒、悩んでる所悪いんだが…、ちょっといいか?」
「…ンだよ?」
「いやな…前にあの、眼鏡の娘っ子の家に行った時に聞こうとした事なんだけどもよ…」
「ああ…、そんな事があったな。…で、何だよ?」
デルフリンガーは一拍置いて口を開いた。
「お前さんのルーンについてなんだが…」
ジャンガは袖を捲り、左手のルーンを見た。
「これがなんだってんだ?」
「いや……なんて言うのかな…、ちょっと普通じゃない気がするんだよ…」
「普通じゃないのは当然だろうが。偉大なる”始祖様”の使い魔『ガンダールヴ』のルーンなんだからよ」
そうなんだがよ、とデルフは言う。
「なんて言うのかな……こう、何か…普通のガンダールヴと違うと言うか…、
何か違和感みたいなのがあるんだよ」
そのデルフの言葉にジャンガは引っかかる物を感じた。
「あン? テメェ…まるでガンダールヴに以前にも握られていたような物言いじゃねェか」
「それは流石に分からねぇ、…と言うか忘れた」
「当てにならねェ奴だゼ」
「仕方ねぇだろ? 六千年も生きてりゃ忘れる事だって沢山あるさ」
「それじゃ、テメェの感じている”違和感”とやらも、気のせいかもしれねェじゃねェか?」
「う~ん…そうなんかね?」
デルフリンガーを他所に、ジャンガは大きな欠伸をすると、帽子を目深に被って昼寝を始め――
「おい、相棒!?」
――ようとして、デルフリンガーの声に遮られた。

不愉快な気分を隠そうともしないで、ジャンガは帽子を持ち上げ、デルフリンガーを睨む。
「ンだよ、今度は?」
「そんなふうに睨むなって…。そんな事より、あれを見てみろ」
「ン?」
デルフリンガーに言われるまま、前方に目を向け――驚愕に目を見開いた。
「ありゃ…」
「眼鏡の娘っ子の使い魔の風韻竜だ」

そう…、自分の遥か前方、空をよろよろと危ない羽ばたきで飛んでいるのは、シルフィードだった。
その全身に火傷の跡が見える。何があったのだろうか?
やがて力尽きたのか…、シルフィードは森の中へと落下する。

「ただ事じゃねぇな?」
「チッ…」
舌打ちし、ジャンガはデルフリンガーを掴むや本塔から跳躍した。
地面に降り立ち、疾風の如き速さでシルフィードの落下地点へと駆ける。
森の木々の間を走り抜けていくと、降り立ったシルフィードが荒く息を上げているのが見えた。
シルフィードの眼前で急停止。
突然の事に風韻竜は驚き、目を見開く。
「きゅ、きゅい!?」
「落ち着け、俺だ」
「あ、お前だったのね!?驚かさないで欲しいのね…きゅい」
「ズタボロのくせに、口は変わらず達者だな…」
ジャンガは半ば呆れたようにシルフィードを見つめる。
「で、何でテメェはそんなにズタボロなんだ? テメェの大切なご主人様はどうしたんだよ?」

ジャンガのその言葉を聞いたシルフィードは、俯き全身を振るわせる。
目に涙が溢れ、ポタポタと雫となって落ちていく。
その様子にジャンガはただならぬ物を感じた。
「何があった?」
シルフィードは暫く俯いたまま泣いていたが、やがて顔を上げてジャンガを真っ直ぐに見つめた。
「…この際だから、お前で我慢してやるのね!」
「…あン?」
突然の暴言に、ジャンガは額にハッキリと青筋を浮かべる。
「風韻竜のシルフィが、お前のような亜人に頭を低くして物事を頼むのね。だから、大人しく聞くのね」
「豪く生意気な口を利くじゃねェか、テメェ。――細切れになりたいのかよ?」
言いながら爪を構えるジャンガ。
…しかし、そんな彼の怒りも、次のシルフィードの言葉で雲散霧消した。



「頼むのね…、お姉さまを助けて欲しいのね!」


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