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  • ゴーストステップ・ゼロ-12

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゴーストステップ・ゼロ-12

最終更新:2009年01月29日 13:49

匿名ユーザー

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  • ゴーストステップ・ゼロ


フーケに盗まれた<破壊の杖>を奪還し、フリッグの舞踏会が催された日から数日経過したある日、教室ではミスタ・ギトーによる授業が行われていた。

「さて、最強の系統は知ってるかね?ミス・ツェルプストー」
「虚無じゃないんですか?」

キュルケのその言葉に、ギトーはやれやれとばかりに肩をすくめた。

「伝説の話をしているわけではない。現実的な答えを聞いているのだよ」

引っかかる言い方をするギトーにキュルケは少しだけかちんと来たが、不敵な笑みを浮かべ言い放った。

「さあどうでしょう、使う人にも拠るんではないですか?」
「何を聞いていたのだね?私は系統の話をしている。使う人間という事柄は外して考えたまえ。」

しかし、ギトーは執拗に系統に拘る。キュルケはもう面倒になってきたが、我慢しながら話を続ける。



ゴーストステップ・ゼロ シーン12 “Princess letter”

    シーンカード:カリスマ(啓蒙/宗教、あるいは世俗的権力の介入。権力。罪の恩赦。)





「そうですわねぇ。私としても、風と言ってあげたいのは山々ですが…」
「何?」

彼の目論見としては、風以外の魔法を扱う生徒に己を攻撃させて、それを華麗に打ち返し、風最強を証明しようと思ったのだ。
しかし、この女生徒は可哀想なモノを見る目で自分を見ながら、全く予想もしない話を続けている。

「それが揺らいでしまったのです。そう、この間の事件で…、フーケがこの学院を襲撃した事件ですわ。」

まずい、それは非情にまずい話題だった。

「確か、あの時フーケが繰り出した30メイル級のゴーレムを前に、当時警備していた…」
「いや、もういい!黙りなさいミス・ツェルプストー!」
「あら、そうですか?」

白々しく意外そうな表情を浮かべるキュルケに、苦々し気な顔をして着席を命じたギトーは講義を続ける。

「ん、んんっ。
 さて、諸説あるだろうが、私は対人戦闘において最強の系統は風であると考える。
 確かに、土や水の様な質量は無い、火の様に純粋な破壊力も無いだろう。だが、対人戦ではそもそも、そこまで過剰な力は必要ない。必要なのは確実に命中させる事、それが肝要だ。
 その点において風は突出している、見え難いために対象の回避は困難、しかも!風には先日ミスタ・グラモンとミスタ・スペンサーの決闘で使われた遍在という切り札もある!」
「「ぷっ」」

ギトーが高らかに言い放ったその時、図らずもルイズとキュルケが吹き出したが、幸いというか、自分に酔った教師には聞こえなかった様で、彼は滔々と持論を繰り広げる。

「そう遍在こそ、対人戦闘において風が最強と言われる所以なのだ。」

さらに、ギトーの風最強講演会が続こうかという時、いきなり教室の扉が開かれる。
何事かと教室中の視線が集まると、そこには光り輝く黄金の髪の毛が…もとい、金髪の派手なカツラを被った、コルベールが立っていた。

「何事ですか、ミスタ・コルベール。今は授業中なのですが…」
「うおっほん!本日の授業は全て中止であります!」

教室から歓声が湧き上がる。
コルベールが歓声を抑えるかのように両手を振り、喧騒が静まった事を確認すると、言葉を続けた。

「皆さんに大事なお知らせですぞ。
 本日はトリステイン魔法学院にとって、喜ばしい日であります。始祖ブリミルの降臨祭に並ぶ、めでたい日と言っても良いでしょう。
 恐れ多くも、先の陛下の忘れ形見、我がトリステインがハルケギニアに誇る可憐な一輪の白百合、アンリエッタ姫殿下が本日、ゲルマニアご訪問からのお帰りに、この魔法学院に一日逗留されます。」

教室がざわめき揺れた。

「従って、粗相があってはいけません。
 急なことですが授業は中止、今から全力を挙げて、歓迎式典の準備を行います。生徒諸君は正装し、門に整列すること。」

生徒たちが緊張した面持ちで一斉に頷いた。


そんな時、ヒューは何処にいたかというと…、図書室にいた。
最近、ヒューはハルケギニアの文字を修得しようと悪戦苦闘している。そもそもニューロエイジでは、基本的にニューロタングさえ出来れば、意志の疎通は問題なく出来ていた。特殊な言語でも、翻訳ソフトを<IANUS>に放り込むだけという、ある意味羨ましい世界だ。
しかし、ここハルケギニアではそんな便利な小道具は無い。幸い召喚魔法の影響か、会話する分には問題は無いのだが、こと読み書きという段階になると、地道な学習が必要になる。

文字は重要だ、様々な情報は文字という形で流れていく。文字が読めない書けないという事は、その情報を見逃し、掴んだ情報を渡せず、失う可能性があるという事だ。
かつて、情報が命に関わってくる世界に生きていたヒューにとってみれば、それは自分の生命を放棄する事と同義だろう。
確かに消えかけている命ではあるものの、好き好んで捨てたいとも思わない、使えるのなら、出来るだけ使おうとヒューは思っていた。それはかつて、立ち直る切っ掛けになった事件で仲間だった、イヌへの義理立てであり、出会った少年への意地でもあっただろう。
幸い(と言っていいものか大いに疑問だが)、今つきあっている御主人サマは、中々に厄介な星の元に生まれているらしい。
とりあえず、自分が死ぬまでに何とか自立できる様になって欲しいものだ…と考えていた。

そんなヒューが勉強している、静かな図書館の扉が乱暴に開け放たれた。
何事かと見てみると、彼の御主人サマが乱入してきたのである。



王女アンリエッタは憂鬱に溜め息を吐いた。
齢十七、晴れ渡った空の様なブルーの瞳と通った鼻筋の美少女は、美貌に相応しくない影を纏わせていた。見るものが見ればこの姿にも魅力を見出せるだろうが。やはり、この年頃の娘には明るい笑顔が似合う、というのが常識だろう。
彼女の白く繊細な指が、メイジの証しである杖を所在なげにいじっている。誰がどう見ても、深い悩みを内に秘めているのが明白だった。

「王族たるもの、民衆が見ている前で溜め息を吐くものではござりませんぞ。」

前の座席に座るのは、髪も髭も白い、痩せているというには些か無理がある、初老の男だ。
服装は僧侶の格好なのだが、漂う雰囲気は政治家に近いものがあった。彼こそが、今現在このトリステイン王国を事実上、取り仕切っているマザリーニ枢機卿である。
年齢は40代、実際の年齢と外見に食い違いが出ているが、これは彼が年齢を詐称しているとかではなく、彼の仕事の厳しさ故の事だった。

実はこのトリステイン王国、先王が崩御した後、誰も王位についていない。先王の王妃は喪に服するとして、頑なに即位を拒み、実際は王女がお飾りとして玉座にいる状態だ。
そして、その皺寄せを受けているのが。彼、マザリーニ卿を始めとする文官達だった。

ヒューはその事を、マチルダやマルトーから聞いた時に思わず「なんとも、のんびりしてるじゃないか」と苦笑した。

しかし、「のんびり」させてもらっている方は、彼等に対して感謝の気持を持つ事も無く、我が身が迎える不幸な未来に対して嘆くだけだった。
そう、彼女は別に物見遊山でゲルマニアへ行ったのではなかった。彼女は婚姻を結ぶのだ、ゲルマニアの皇帝アルブレヒト三世と。

しかし、これは仕方が無い事でもあった。今、隣国アルビオンでは内戦が起こっている。
自国内でその騒動が収まれば、いかにマザリーニとて、そこまで焦って政略結婚を進めようとは思わなかっただろう。
だが、内戦を起こしている、所謂“貴族派”は、ハルケギニアの統一と、エルフが治める“聖地”の奪還を高らかに謳っていた。そう、彼等は自国の王家を滅ぼした後、他国も併呑しようと企んでいるのだ。
なればこその政略結婚だった、今のトリステインにゲルマニアと取引できる材料など“始祖から受け継がれた王権”位しかないのだ、これならばゲルマニアも乗るだろう。実際、都市国家の集団であるゲルマニアの皇帝にとって、“王権”は自らの地位を確立する為、喉から手が出るほど欲しいものである。
結果、皇帝と王女の婚姻による軍事同盟は締結される運びとなる。そして、その婚姻は王女の少女時代からの想いとの惜別も意味していた。

目の前に座っている枢機卿から目を逸らし、窓の外を見た王女の瞳に、魔法学院の尖塔が見えてくる。

「そういえば、殿下のご友人が学院にいらっしゃるとか。」
「ええ、ヴァリエール公爵家の末姫で、昔はよくやんちゃをしたものですわ。」
「なるほど、殿下もゲルマニアからの長旅でお疲れでしょう。今夜は、学院にて一晩逗留する予定となっております。一度、その公爵家令嬢と気晴らしもかねて、会われるのも良いかもしれませんな。」
「そうですね、ではその様に。」
「は。」

王女と枢機卿を乗せた馬車は魔法学院の門を潜り抜けていった。


「トリステイン王女、アンリエッタ姫殿下のおなーりー!」

出迎えのため整列した教師生徒達は、その口上と共に杖を一斉に掲げた。
杖を掲げた生徒や教師達の間に敷かれた、緋色の絨毯の上を、マザリーニ枢機卿に介添えされたアンリエッタが粛々と歩いていく。
キュルケやタバサ、そしてヒューは、生徒達の列とは離れた場所で、その光景を見ている。

「ふぅん、結構美人じゃない。」
「だな、しかしまた物々しいな。」
【そりゃあ、しょうがねえよ相棒。何たって一国の王位継承者だ、万が一、何かあったら事だからな。】
「ま、そうだがね。やれやれ、ただ出迎えるだけなら図書館にいさせて欲しかったよ。」
「ご愁傷様。」
「それに関してはしょうがないわね。一応、貴方の主人のルイズは公爵家令嬢だもの、その使い魔が王族の出迎えほっぽいて図書館で勉強していたなんて、赦される事じゃないわよ。」
「そんなもんかね。」
【しょうがねえさ、それがハルケギニアってもんだ。】

さて、御主人サマはどうしているかと思いながら、アンリエッタを歓迎する生徒達の中にいるルイズを探してみると、妙な表情をしていた。顔は紅潮し、視線は歓迎しているはずのアンリエッタを通り過ぎている。
その視線を辿ってみると、ハルケギニア独特の動物“グリフォン”に騎乗している美丈夫に、釘付けになっていた。

(ほほう、御主人サマの好みはああいったタイプか)

等と益体もない事を考えていると、正面玄関で待ち受けていたオスマンとアンリエッタが何やら言葉を交わしていた。
アンリエッタ一行と、オスマン等教師陣が学院内に入っていった事で、一応式典が終わったのか、集まっていた生徒達は解散していった。



その日、アンリエッタを交えた晩餐も終わり、学生達はそれぞれの部屋で気侭に過ごしている。
そんな中、ヒューはルイズの部屋ではなく、食堂にいた。
最近、ヒューは厨房でマルトーやマチルダと飲みながら、最近の世間話に花を咲かせるのを常としているのだが、今日明日は、マルトーがいつもより多くの仕事をこなさないとならない為、今日は食堂の片隅で1人飲みながら本を読んでいた。
そんなヒューの視界の隅をローブに身を包んだ人影がかすめていく。

(また夜這いか…、昨日も行っていたのにギーシュもマメな事だ。)

最近、付き合いのある少年の頑張りを微笑ましく思いながら、ワインをまた一口喉に流し込む。
と、そこでまたもや不審な…いや、見知った人物が目の前を横切っていった。
先程、通り過ぎていったはずのギーシュである。何のつもりか、壁に身をくっつけたり、柱の影に隠れたりしながら廊下を進んでいる。

「いかんな、そこまで飲んだつもりは無いんだが。少し酔ったか…。」

頭を振って、酒肴を片付けた後、マルトーに肴の感想と礼を言って、ルイズの部屋へと戻って行った。

のんびりと、魔法学院の女子寮の廊下を進み、そろそろルイズの部屋に着こうかという時、ヒューの目に妙なモノが映る。
今頃はモンモランシーの部屋で楽しく過ごしているはずのギーシュが、扉の傍で蹲っているのだ。背中をこちらに向けて耳を扉につけている。見ようによっては、中の会話を盗み聞きしているようなその姿を見て、訝しく思いはしたが、身体の調子を悪くして座り込んでいるのだろう…、と好意的に解釈したヒューは、とりあえず声を掛けてみるべく近付いていった。

「むむむ、何という事だ!」
「トリック・オア・トリート
 よう、ギーシュ。ここはモンモランシーの部屋じゃあないぜ?」
「ひっ!ヒ、ヒュー?」
「モンモランシーの部屋はもう少し向こうだ。夜更かしして明日遅刻なんてしないようにするんだぞ。」

ギーシュにそういった後、ヒューは彼を扉の前から退かせて、部屋の扉を無造作に開ける。

そこには、互いを抱きしめ合っている、御主人サマと姫殿下の姿があった。何故か2人の頬は紅潮している。
ふと、ヒューとルイズの視線が交錯した。

2人の間に何とも言えない空気が流れていく。
ヒューは気まず気に視線を逸らすと、一言。

「失礼した、ごゆっくり」

と謝罪の言葉を告げて、扉を閉じる。

が、その扉は再び、勢い良く開かれた。

「ちょっと待ちなさいヒュー!アンタ何か妙な事考えて無い?」
「いや、別に?人の性癖は色々だからな、恥じる事は無いさ。」
「ちょ…!それが勘違いだって言ってるのよ!そもそも私には」

果てしなくテンションが上がっていくルイズ。しかし、そんな彼女に麗しい声が掛かる。

「ル、ルイズ。そのような大声を出しては…。」
「そうでした、申し訳ありません姫様。ヒューとりあえず入って頂戴、それと何でいるのか分からないけどギーシュも。
 ほら、早く!」
「あ、ああ。判ったよルイズ。」

ルイズの言葉に大人しく従うギーシュ、ヒューは何故、姫殿下がここにいるんだ?と思いながら部屋に入っていく。
部屋に入ったギーシュとルイズは、アンリエッタの前に跪いていた。ヒューは扉に体重を預けるようにして立っていたが、当然ルイズから怒声が飛ぶ。

「ヒュー、アンタ何してるの、早く跪きなさい!」
「はいはい、分かったよ。」

ルイズの剣幕に呆れながらも、一応指示に従う。
3人が跪くのを待っていたのか、アンリエッタが話し始める。

「ねぇ、ルイズ。こちらの殿方は?」
「あ、あの。お恥ずかしい話ですが、私の使い魔でヒュー・スペンサーといいます。」
「まあっ。では貴方がオールド・オスマンが仰っていた、遠い国からいらっしゃったメイジなのですね?」
「え・・・、いえ、姫様。」
「いいえ、分かっておりますルイズ。あの盗賊、“土くれ”のフーケから盗まれた物を、貴女達と共に怪我を負うことなく取り返したと聞きました。
 今までその様な事、誰もなしえなかったのです。もっと自分の使い魔を誇ってもよいのですよ?」
「は、はぁ…」

アンリエッタの感歎したような声に、ルイズは恥じ入りながら訂正しようとしたが。続くアンリエッタの言葉に飲み込まれてしまった。

「確か、ミスタ・スペンサーといいましたね?」

ルイズの後に控えていたヒューは、ただ黙って頭を垂れる。

「メイジという身で、ルイズの使い魔となっていただいた事には、私も感謝いたします。
 ルイズは私のただ1人の親友、どうぞこれからも力になって下さいまし。」

この言葉にもヒューは特に何も言わず、ただ頭を垂れて了承の意を表した。
会話が途切れるのを待っていたのだろう。ルイズの隣に控えていたギーシュが身を乗り出しながら、アンリエッタに嘆願の声を上げる。

「姫殿下! 先程、ミス・ヴァリエールに命じられた困難な任務、是非ともこのギーシュ・ド・グラモンにも仰せつけますよう!」
「グラモン?貴方はまさか、あのグラモン元帥の?」
「息子でございます、姫殿下。」
「あなたも、わたくしの力になってくれると言うの?」
「はっ!武門の血を継ぐ者として、このような任務の一員に加えて頂けるのなら、これはもう、望外の幸せにございます。」

ギーシュの言葉に、アンリエッタはトリステインの華と呼ばれるに相応しい程、可憐に微笑んだ。

「ありがとう。お父様も立派で勇敢な貴族ですが、あなたもその血を受け継いでいるのね。ではお願いしますわ。
 ギーシュさん。」

その言葉と微笑みだけですっかりギーシュは舞い上がり、頭に血が上ったのか。

「おお、姫殿下が!姫殿下が僕の名前を呼んでくださった!トリステインの可憐なる白百合が!麗しの君が僕に!この僕に微笑んでくださった!」

そのままギーシュは立ったまま気絶していた、その顔は幸せそうな笑みを浮かべたままである。
ヒューは器用だなと思い、ルイズはもはや呆れ返って溜め息を一つ吐くと真剣な声で言う。

「では明日の朝、私達はアルビオンに向かって出発することにします。」
「王室の方々はアルビオンのニューカッスル付近に陣を構えていると聞き及びます。」
「了解しました。幼少の頃、姉達とアルビオンを旅したことがございますので。地理にはいささか明るいかと存じます。」
「どうかくれぐれも油断無きよう。
 アルビオンの貴族派たちは、貴女方の目的を知ったらどんな手を使ってでも妨害しようとするでしょうから。」
「承知しております。」

ルイズの言葉を聞いたアンリエッタは、机に向かうと羽ペンと羊皮紙を使って手紙をしたため始めた。
そうして手紙を書き終えると、封をして祈りながら胸に抱いた後、ルイズに差し出す。
ルイズはその手紙を、じっと凝視した後。いきなりヒューとギーシュを部屋から追い出しにかかる。

「お、おいおい、何事だ?ルイズお嬢さん。」
「いいから、少し出てなさい。」

そう言うと、ルイズは2人を部屋から追い出して扉を閉じる。

「ル、ルイズ。いきなり何を?」
「姫様!」
「は、はい。」
「不躾でではございますが、もしやウェールズ殿下と姫様は…」

ルイズが言葉を濁しつつ聞くと、アンリエッタは少し躊躇いつつも頬を染めて頷いた。

「な、何という事、では取り返すべき手紙というのは。」
「ええ、貴女が思った通りのものです。」
「では、姫様。一つ質問がございます。」
「何かしら。」
「例えば。そう、例えばの話です。もし、今の姫様のお姿とお声を殿下に届けられるとしたら如何なさいます?」
「出来るのですか!?」
「お答えを、姫様。」

驚くアンリエッタに、ルイズは表情を硬くしながら質問をする。

「出来るのであれば。ええ、出来る事なら声や姿だけではありません、今この場からあの方の元へ飛んで行きたい位です。」
「判りました。ただ一つ、いえ二つ条件があります。それを呑んで頂けるのであれば、お姿と声をお届けしましょう。」
「その条件とは?」
「一つ、いまから見ることを他言無用にする事。例え大后陛下でも。
 二つ、この事について詮索しない事。これから後、2人きりの時でもです。出来ますか?」

そのルイズのあまりにも真剣な表情に、アンリエッタは息を呑む。幼馴染の彼女でさえ、ルイズのこんな表情を見たのは初めてだったのだ。
そして、その条件について暫し考えた後、答えを返す。

「判りました。その条件、呑みましょう。」
「感謝いたします。では、“ディアーナ”起きてちょうだい。」
【お疲れ様です、マスター・ルイズ。
 ただ今の時刻、午後10時34分です。ご用件をどうぞ。】
「ル、ルイズ。今の声は?」

突然響いた、可憐な声に驚くアンリエッタ。その声をよそにルイズは動画記録の準備を整えた。
ルイズは、自分の手から外した<ウォッチャー>を机に安置して、アンリエッタに説明を始める。

「姫様、これは“ディアーナ”と申しまして、私のもう1つの使い魔の様な存在です。
 この子には絵と音を保存する能力があるので、これならば殿下に姫様のお姿とお声を届ける事ができましょう。」
「まぁ、こんな小さなブレスレットが…」
「では、私は暫く出ております。始められる時と終わる時にはその旨、その子にお伝え下さい。では」

そう言って、ルイズは部屋を出て行く。彼女は王女が何を言ったのか、何を言おうとしていたのか聞こうとは思わなかった。



時間をほんの少し巻き戻し、所を僅かに移して…ここはルイズの部屋の前。
ここにいるのは、部屋を追い出されたヒューとギーシュである。

「ところでギーシュさっき何か言っていなかったか?」
「ん?何の事だね?」
「いや、任務がどうとか、言ってただろう。
 ルイズお嬢さんの口ぶりじゃあ、どうも俺まで人数に入っているみたいだったからな。気になるのさ。」
「なるほど、確かにヒューは聞いていなかったからね。
 仕方ない、説明しよう。」

そうしてギーシュは、今回受ける事になる任務の詳細をヒューに話し始めた。いささか脚色や演出過多な面はあったが、何とか聞き出せた話はとんでもないものだった。
要約するとこうである。今度、隣国ゲルマニアと結婚をすることになったトリステインのアンリエッタ姫だが。どうもその婚姻を妨げる手紙が内戦中のアルビオンにあるらしい、他人にその件を漏らしたくないお姫様は悩んだ挙句、手紙の回収をルイズに託した…

「…と、こんなところで間違いは無いんだな?」
「うむ、概要はその様な所だろう、おや?どうしたねヒュー?」

ギーシュがヒューを見てみると、何やら頭痛を堪えるような表情をしていた。

「どうしたもこうしたも無いだろう、ギーシュ…、君はこれがどういう事か分かっているのか?」
「当然だろう?ヒュー!これは名誉な事だよ。麗しの姫君の悩みを解決してさしあげる…。あぁ、なんと名誉ある事か…。」

きつかった頭痛は、さらに痛みを増した。
これは何だろう、自分がおかしいのか?それとも<IANUS>が何がしか変調をきたして聴覚に障害でも起きているのか?

そんな時、ルイズが部屋から出てきた。…ルイズだけが。
丁度いい、ルイズにも訪ねてみよう。

「ルイズお嬢さん、さっきギーシュから信じられない話を聞いたんだが?」
「何のこと?」

ルイズが不思議そうな声で聞いてくる、ああ何だやっぱり聞き違いか。と半ば安心したヒューだったが、頭痛が再発するのにそんなに時間は要さなかった。

「いやね、馬鹿らしい話さ。内戦中の国に潜入して、劣勢の王軍から手紙を回取してくるとか…。」
「ちょっと、ヒュー!姫様直々の任務を馬鹿らしいとはどういう了見よ!」

「は?」
「いいこと?この任務はね、トリステインの未来に関わる重大なものなのよ?それを馬鹿らしいとか!」
「いや、待ってくれ、頼むから待ってくれ。ルイズお嬢さん。」
「何よ?」

ヒューは何度か深呼吸を繰り返すと、響く頭痛を堪えつつ話を始めた。

「今現在のアルビオンの状況は判るな?」
「レコン・キスタとかいう、恥知らずな貴族達が反乱を起こしているんでしょう?知ってるわよそれ位。」
「王軍がもはや風前の灯火っていうのは?」
「知ってるわ、始祖から繋がる王権の一つがこれで失われてしまうのは、本当に残念だけどね。」
「まぁ、王権云々は置いておこう。
 じゃあ、今までの事を整理しようか、とりあえずギーシュも聞け。」

いきなり不機嫌な声になったヒューに、ギーシュは怯えながら頷く。

「内戦で政情不安になっている国に、隣国から貴族の子女が渡って来る。言うまでもない事だが君達の事だ。
 さて、この隣国は反乱軍の貴族派にとってみれば、敵軍の友好国の一員。さすがに殺されはしないだろうが、捕まって尋問位はされるだろう。」
「ふん!あんな連中に話す事なんて何もありはしないわ!」「そうだとも!」
「魔法や薬を使われても?」
「う!」「そ、それは…」
「少なくともこれはまだいい方だ。最悪なのは拷問で情報を吐いた挙句、殺されるっていう事かな?」

ヒューが何でもない事の様に口にした、拷問や殺される、といった言葉にルイズとギーシュは顔を青くした。

「ま、まさか。私達は隣国の貴族よ?それを殺すだなんて…。」
「連中は自国の王を殺そうとしてるんだぞ?他国の貴族に遠慮する理由はないだろう。
 それに、自分達が殺したと教える必要はない。」
「どういう事だい?」
「いや、アルビオンは空に浮いているって話じゃないか。杖を取り上げて、高空から落とせば遺体なんて残らないしな。
 仮に万が一、生き残れても下は海だからほぼ間違いなく死ぬし、遺体は魚が処理してくれるだろう。
 とまあ、ここまでは君達自身の話だ。実はこれにはまだ続きがあるけど。」

ヒューは「どうする?」とばかりに2人に尋ねる。
とまどうルイズとギーシュだったが、話を聞く事にしたのか、ヒューに頷いてみせた。

「じゃあ次はトリステイン内部になる。
 殿下が他の人間は信用ならないと言っている以上、恐らく国内にもレコン・キスタがいるんだろう。」
「なんですって?」「なんと!」
「そいつらに連絡が入るのさ、≪ヴァリエール家の娘とグラモン家の息子が、王女からの蜜命を受けてアルビオンに潜入していた、殺しておいたから≫ってね。
 で、そいつらはその情報を受けてどうするか…。一番考えられるのは、両家と王家の離間工作だ。」
「そうか。」
「なるほど、私の家とギーシュの家が王家に対して隔意を持てば、それだけで対トリステインの戦略としてはかなりのモノだわ。」
「加えて、君達の任務も失敗しているという事だから。例の手紙も公表されて、殿下の婚姻も破棄、名誉も失墜してるだろうからな。遠からずトリステインは滅びるだろう。」

淡々としたヒューの分析にルイズとギーシュは顔を青くしたまま俯いていた。

「け、けど。失敗するって決まったわけじゃないでしょう?」
「そ、そうだとも!僕達が力を合せれば!」
「成功率は限りなく低いがな。」
「貴方でも無理なの?」
「情報もバックアップも現地のコネも無い、ついでに足も無い、無い無い尽くしさ。これで大丈夫とか言える君等が羨ましいよ。」
「けどヒュー、手紙を取り戻せなかったら…結局同じ事なんじゃない?」
「かもな、一番あって欲しいと思うのは、件の皇太子殿下が、気を利かせて手紙を処分しておいてくれることかな?」
「そうね、だけど。もう受けてしまったんだもの、私は行くわよ。」
「う、うむ。確かに無謀だったし、怖いけどトリステインの貴族として、これは受けなければならない使命だと思う。」

震えながらも決意を告げる、2人を見てヒューは苦笑して告げた。

「分かっちゃいたけどね。まぁ、俺も使い魔として、できるだけの事をしよう。」
「ごめんなさいヒュー。この間、色々教えてくれていたのに…。」
「いいさ、人間は失敗から学んでいくものだからな。これで生きて帰れて、ルイズお嬢さんが成長できるのなら何よりだ。」
「うん。」

ヒューはそうルイズを慰めると、逆に質問を始める。

「で?ルイズお嬢さんはどうして出てきたんだい?」
「姫様に伝言を入れてもらっているの…」
「そうか。」
「怒らないの?」
「あれはルイズお嬢さんに遣った物だ、どう使おうがお嬢さんの勝手。俺が言ったのはただの忠告。人は自分が持っていないものを欲しがるからな、お嬢さんにも分かるだろう?」
「ええ。」

2人がそこまで話した時、ルイズの部屋の扉が再び開く。

「あ、終わったみたい…姫様?!どうなされました!お顔が真っ青ですわ!」

扉から出てきたアンリエッタの顔は、蒼白を通り越して白蝋の様になり、身体は極寒の地にいるかの如く小刻みに震えていた。

「ご、ごめんなさい。ルイズ…ルイズ・フランソワーズ。そんな大変な、恐ろしい事だとは思わなかったのです…。」

アンリエッタはそこまで言うと、倒れ伏し、泣き崩れるのだった。



まともに立つ事すら、困難なアンリエッタを伴って、一行はルイズの部屋に戻った。
ルイズが介添えしながら飲ませた酒精で、アンリエッタは一応の落ち着きを取り戻したのか、幾分顔色も戻った様である。

「ルイズ、それにギーシュさん。本当にごめんなさい…、今からでも遅くはありませんわ、断っても構わないの」
「何をおっしゃいます、姫様!例え行かなかったとしても、トリステインの危機には間違いございません。
 ならば、何としてでも件の手紙は取り戻さねば。」
「そうですとも。確かに僕やミス・ヴァリエールは未熟です、ですがトリステイン貴族としての誇りは十分以上に持っております。」
「ありがとう、本当にありがとうございます。愚かな私が犯した愚行の為に、貴方方の様に立派な貴族を、危険な目に合わせてしまい、何と詫びればいいのか…。」
「姫様、どうかお嘆きにならないで下さいまし。私達は死地に赴きますが、死ぬと決まったわけではありません。
 きっと、きっと生きて手紙を取り戻してまいりますわ。」
「ええ、そうね、分かりました。だけどルイズ…、死なないで、死んではだめよ?きっと生きて帰って来てちょうだい。」
「はい、大丈夫ですわ、レコン・キスタなどという恥知らずな連中なんて、お母様に比べたら可愛いものです。」
「ふふっ、そうね。でも、いけませんよルイズ、お母様の事をそんなに悪く言っては。」

自責の念で泣き崩れるアンリエッタを、ルイズとギーシュが慰めた後。2人は再び任務を受ける旨を伝え、生還する事を誓う。
アンリエッタはルイズと抱き合ったまま、顔をヒューへ向けて話し始めた。

「ミスタ・スペンサー。どうかルイズの事を守ってくださいまし、貴方の様な力と見識を持つ方が共にいれば、きっと助かる可能性もありましょう。」
「ああ、できるだけの事はするつもりだ。
 ところで、アンリエッタ姫。一つ聞きたい事があるんだが?」
「何でしょう?」
「優先順位はどうする?」
「どうする、といいますと?」
「要するに、≪ルイズお嬢さん達の命と手紙。どっちを優先するか…≫っていう話だよ。」
「な!」

アンリエッタはヒューからの問いに凍りついた。何という事を聞いてくるのか…。一瞬、この男に対して殺意めいたものが
湧く。…しかし、元を糺せば自分が原因なのだ、自分の愚行が親友を殺し、この国にいる全ての人々を殺すのだ。
ルイズを己の腕から解き放ち、ヒューに身体ごと向き直ったアンリエッタは考えた。ルイズという個を取るか、それとも王族として自らが治めるべきこの地を取るのか。

「手紙を…、手紙の回収を。無理ならば、なんとしても処分をしてください。」

僅かに戻っていた顔色は、再び白蝋の様になっていた。しかし、彼女に先程の今にも折れそうな、弱々しさは見えなかった。
アンリエッタはもしかすると今、やっと王族になったのかもしれない。

「おや、いいのかい?確かルイズお嬢さんの家は、かなり大きい所なんだろう?」
「かまいません、元は自らの不明で犯した罪です。この件でルイズが死んだのであれば、その罪を償う覚悟はあります。
 幸い、ヴァリエール家は王家の血を継いでいます。私1人死んでもトリステインは無くなりませんわ。」

毅然とした口調で言い放ったアンリエッタは、ルイズの手を取って言葉を続けた。

「ごめんなさい、ルイズ。だけどこの国を統べる者として、今は何としてもゲルマニアとの同盟は必要なの。」
「分かっております。姫様、姫様は王族なのですもの。ならば国をいいえ、力なき民を1人でも多く生かす事こそ、その勤めですもの。」

謝るアンリエッタを、ルイズは逆に励ましていた。

「不躾で悪いんだけどな。姫殿下、死んで詫びようなんて勘違いもいい所だぞ?」
「!」
「ヒュー!控えなさい!」

ヒューの真剣な声に、ルイズとアンリエッタはヒューの方を向いた。
ルイズから怒号が飛んだが、ヒューの言葉は続く。

「そりゃあ、死んだら一応責任取ったように見えるだろうさ。
 けどな、それは結局逃げているだけだ。」
「で、ではどうしろと言うのです!ルイズとギーシュさん、それに貴方を死なせておいて、のうのう生きろとでも?」
「死んだらどうなる?ゲルマニアとの同盟は貴女あってこそだぞ。まさか、それすらもヴァリエール家に押し付ける気か?
 確かにルイズお嬢さんの上には2人姉がいるからな、どちらかは出せるだろうさ。けどそれを先方が受けるかは微妙だな。軽く見られている、とも取られかねない。
 それに、のうのうと、なんて言ってないだろう。
 姫殿下、貴女は生きなきゃならない。生きて王族としての責任を果たすんだ、死ぬ時は王族としての責任を取る為に死ぬべきだ。それが貴女の為に死ぬ連中に対する…いや、今まで貴女を生かしてきた平民を含めた人達に対する勤めってものだろう。」

アンリエッタはヒューの最後の台詞に驚いた。この男はよりにもよって“平民に対する勤め”があるから生きろ、と言っているのだ。確かに平民を導き治めるのは自分達メイジの務めだ、しかし、この男の口ぶりは、まるで平民がいなければ、自分達は死んでしまうと言っているかのようではないか。

「お、おかしな事を仰るのね、ミスタ・スペンサー。貴方の口ぶりだと、平民がいなければ私達メイジは死んでしまうという風に聞こえてしまうだけれど?」
「その通りだろう?」
「な、何を馬鹿な…。そのような事はありえませんわ。」
「じゃあ、何から何までメイジだけで出来るとでも?」
「そ、それは。無理…ですけど。」
「そう、貴族の生活基盤には平民の存在が必要不可欠だろう。もちろん平民にも貴族の魔法は必要だ。
 馬車の両輪の様に、メイジと平民、どちらも互いが必要なんだよ。」

そこまで言うと、もう話す事は無いと言いたげにヒューは口を閉ざした。


ルイズとアンリエッタは、宿泊所へと続く魔法学院の廊下を並んで歩いている。
ルイズの部屋から続く沈黙を破ったのは、意外にもアンリエッタだった。

「驚きました。」
「姫様?」
「ミスタ・スペンサーが仰った事です。確かに死んでしまっては、己が犯した罪から逃げてしまう事になりますもの。
 それでは、責任から逃げてしまっては、お母様と同じになってしまいます。」
「ひ、姫様?いきなり何を。」
「聞いてちょうだい、ルイズ・フランソワーズ。
 私ね、お母様が嫌いなのよ。」

ルイズは驚いた、いきなりアンリエッタがとんでもない事を言い出したのだ。

「い、いけません!大后陛下をそのように言うなど。」
「いいえ、お母様がちゃんと王妃としての責務を果たしていれば、せめて男の世継ぎか、姉妹がいれば…。いえ、そうね止めましょう、仮定の話をしてもしょうがないわ。
 けどね、あの方が仰った事に驚いた事は事実よ。今まで考えもしなかったもの…、私達と平民の関係なんて、支配する者とされる者、位にしか思ってなかった。
 馬車の両輪…、確かにそうです。彼等が作る作物がなければ、日々の食事にも事欠くでしょう。それに、彼等から納められる税があってこそ、私達は生活できるのです。」
「それは、私もです。私も以前言われました、反論しても悉く論破されましたし。」
「まぁ、どうやらとんでもない方のようね。」

しょげかえったルイズの様子を見たアンリエッタは、ころころと玉の様に笑った。

「はい、色んな知識を持っています。それこそ私には想像も出来ないくらいの…」
「まぁ、そんなに?」
「はい、ヒューは仕事で身についただけ。と言っておりましたが、きっとその下地にはとんでもない知識があるのでしょう。
 姫様、私この間の舞踏会でヒューに言われた事があります。」
「聞かせてくれるかしら。」
「ヒューはこう言ってました。
 ≪私達は人間だ、獣と違って優れた肉体はない。だけど、考え・想像するという力を持っている。だったらそれを使うべきだ。
 そして、想像し考える為には情報がいる。なるべく真相に近く、そして多くの情報が。それさえあれば対策も選択肢もより多く用意できる≫と。
 そして姫様。私は今日、想像する事を怠って姫様の任務を受けました。いえ、後悔はしておりません、これは誰かがやらなければいけない事ですもの。多分想像し、考えたとしても受けていたでしょう。
 姫様、考えてくださいませ、想像してくださいませ。そうする事で未然に防げる事もあるはずです、難しいのなら勉強すればいいんです、人は誰しも完全ではありえませんもの。人に教えてもらう事は別に恥ではありませんから、習い覚えた知識でより良い治世を行えばより多くの人が幸せになるはずです。」
「まだ、間に合うかしら。」
「間に合いますとも、その為に私達はアルビオンに向かうんです。力なき民が長く平穏を享受できるように。」
「そうね、頑張りましょう。そして貴女の使い魔を見返してやらなくちゃ。」
「はい!わたしもヒューの主として相応しいメイジになってみせます。」

2人の少女は夜空に浮かぶ双月を見ながら、未だ見ぬ未来に想いを馳せていた。

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