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  • 帝王(貴族)に逃走はない(のよ)!-03

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

帝王(貴族)に逃走はない(のよ)!-03

最終更新:2010年01月19日 17:24

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本来、人の手が届くことの無い高さにまで本で囲まれているトリステイン魔法学院の図書館。
図書館らしく静寂に包まれ、本のページをめくる微かな音だけがしている。
その中の一角。例によって平民が入れるはずのない場所に、サウザーが陣取っていた。

「なるほど。……大体の事は理解した」
今のところ、領土も持たず、部下も居ない。となれば、今やるべき事は情報の収集。
そのためには字を覚える必要があったわけで、この数日は図書館に入り浸っていた。
どういうわけか、言葉は理解できるが文字が理解できないという、非常に厄介な状態に陥っている。
誰かに読ませればいいと思うだろうが、それでは偽の情報に踊らされる可能性が無いとは言えないし、重要な案件について目を通さないというのも問題があった。
今は特に不都合は無いが、先を見据えて最優先事項とする事にしたのだ。

「も、もう文字を覚えたんですか?」
ここに召喚されてまだ三日。にも関わらず、あっさりと理解したと言ってのけた事に
文字を覚えることを手伝うようにと命じられた、学院長秘書であるミス・ロングビルもこれには驚いた。
「大体、だがな」
基本的な所さえ覚えれば、後は量をこなしていくだけで、それはさして問題ではない。
とはいっても、この三日間一睡もせずブッ通しで単語や文法を覚えいた。
無論、南斗鳳凰拳の修練にも耐え得る、並み外れた体力と集中力があってこそ成せる業だが。

この前の決闘騒ぎといい、つくづく規格外な使い魔だとロングビルも思う。
大体、実際のところ契約には至っていない。
あの騒ぎのあと、彼女の直属の上司。
つまり、学院長であるオスマンとも対峙したのだが、なんというか、凄く偉そうだった事はよく覚えている。

第参話『始動』

その三日前のトリステイン魔法学院本塔の一角にある学院長室。
本来この時間ならば、オスマンは暇を持て余しボケっとしているか、水タバコでもふかしているかなのだが
今のこの部屋は、一種異様な空気に包まれそれどころではなくなっていた。

「貴様が、ここの長か。わざわざ俺が出向いてやったのだ。答える事には答えてもらう」
相変わらず膝を組み、頬杖を付いた状態で威圧感を隠すこと無く言い放ったのは無論、聖帝サウザー。
対するのは白い口ひげを触りながら、サウザーから放たれる威圧感を受け流している学院長オスマン。
齢百歳とも、三百歳とも言われているだけあってこの手の流し方は心得ているらしい。
もっとも、流せているのはオスマンのみで、同席しているコルベールとルイズはモロに受け止めてしまっている。
ルイズはルイズで『オールド・オスマンの前なのに何なのよこの態度は!』と場が場でなければ叫んでいるところだったが。

「まず、俺を呼び出した理由でも聞かせてもらおうか」
「え、ええ。あなたは春の使い魔召喚の儀式で……」
汗をかきながらコルベールが答え始めたが、知りたいのは目的ではなく理由だ。
「それは、この小娘から聞いた。よもや、その下らん儀式のためだけに召喚したのではあるまいな」
コルベールの言葉を遮ると、目を細め殺気混じりの視線を送りながら言った。
肝心のコルベールは選ぶ言葉が無いのか、完全に答えに詰まっている。
南斗聖拳最強の南斗鳳凰拳を会得した男のガン付けだ。一般人なら、それだけで逃げ出しそうなものだったが、今度は見かねたオスマンが割り込んできた。

「まぁそう敵意を剥き出しにせずともいいじゃろう。少なくとも我々はあなたの敵ではないよ。南斗のお方」
南斗。確かにオスマンはそう言った。南斗聖拳とだけなら言った覚えはある。この言い方だと南斗聖拳が何か知っている言い方だった。
さすがのサウザーも、この何年生きているか分からないオスマンの言い様には興味を持った。
「……なにを知っている?」

「ミス・ヴァリエール。私も遠見の鏡で見ていたが、彼はただの平民ではない」
「それは…まぁ分かります」
ギーシュを一蹴し、トライアングルメイジのキュルケとタバサの二人を同時に相手にして
傷一つで圧倒した男がただの平民でないという事ぐらいは、ルイズでも理解はできる。

「知る者もほとんどおらんだろうが……彼は遥か昔から伝わる伝説の『南斗聖拳』の使い手。……という事でよろしかったかな?」
「半分正解というところだ。南斗聖拳とは百八派ある流派の総称にすぎん。俺はその中でも最強と呼ばれる南斗鳳凰拳を身に付けている」
「あの地面の切り口、やはりのぅ……」
一人納得し始めたオスマンだったが、他の二人、特にルイズにはさっぱりな事だらけだ。
あのオスマンが伝説とまで言ったのだから、凄いものなのだろうという事ぐらいは理解できたが、とりあえず詳しい事は直接聞いてみる事にした。
「南斗聖拳?……何でしょうか、それは」
こほんと咳払いを一つすると、オスマンがルイズに向き直り重々しい口調で語り始めた。
「遥か昔から、東の地『ロバ・アル・カリイエ』により伝わる、エルフですら知らぬ恐るべき暗殺拳があると聞く…
  その名を南斗聖拳!肉体を極限まで鍛え抜き、四肢を鋭利な刃物と化すことにより
 地上のあらゆる物質を力で打ち砕くと伝えられる一撃必殺の拳法……!それが今…ここに……!」
「くっはははは……。そうだ、よく知っているな」
やろうと思えば鋼鉄すら引き裂く必殺の拳。
ロバ・アル・カリイエというのがどういう場所かは知らないが、オスマンの南斗聖拳に関する認識はほぼ間違いないと言っても問題ないだろう。
ならば、なぜ南斗聖拳の事を知っているかと疑問が残るが
南斗聖拳百八派と言っても、あくまで主なものが百八派というだけで、厳密に言えば流派自体の数はこれより多い。
陽拳と言われているだけに、昔から数多くの流派が分裂し広がっていった。
……およそ拳法と呼べないような紛い物のような代物もあるが、鳳凰拳以外は伝承者は一人というわけではないので同じような前例があったのかもしれない。
それでも、伝説とか言っていたあたり、稀なケースなのだろうと把握した。



「能力は使い手の力量次第。このあたりはメイジと同じかもしれんが……」
サウザーからは見えないようにオスマンが短く杖を振ると、部屋の片隅に置かれていたナイフが飛んだ。
「ふん」
それでもサウザーは動じることなく、頬杖を付いた手を少し動かすと、飛んでくるナイフの刀身を指で挟むようにして止めた。

「お見事。と、まぁ私はあの『ガンダールヴ』にも匹敵すると思っておる」
神の左手『ガンダールヴ』。
あらゆる武器を使いこなし、たった一人で千の軍隊を滅ぼせるとまで伝えられている、かつて始祖ブリミルが使役したと言われる四人の使い魔のうちの一人。
その始祖の使い魔と、ほぼ同等とオスマンは言ってのけた。
それを聞いてコルベールが顔色を変えた。
なにせ、目の前の男は呼び出されただけでまだ契約を行っていない。
状況が状況だっただけに仕方の無い事だったが、ガンダールヴに匹敵するとまで言われた男が契約に応じるかどうか。
そう考えた時、何かが刺さったような音がした。

「このナイフ、止める気でなければ今頃は貴様の額に突き刺さっていたところだ」
サウザーの手にあったナイフはオスマンの頬を掠め、その後ろの壁に突き刺さっている。
無論、止める気が無くても問題なかったが、その場合は投げる場所が少しズレていただけの事だ。
「そこまで見切っていたとはさすがじゃな。……それで、ミスタ・コルベール。ミス・ヴァリエールは契約はしておらんのだね」
「は、はい。あの場合はやむを得なかったものと」
「ふぅむ」
白い髭を触りながらとぼけたような顔をしているオスマンだったが、内心はこれでもかというぐらい困り果てている。
サラマンダーしかり風竜しかり、本来は召喚時に契約するものである。
万が一の事態に備えて監督官として教師が付いてはいるものの、召喚された直後の使い魔というのは大抵が大人しい。
そこを狙って契約に持ち込むというのが本来のやり方なのだ。
その結果が例の決闘騒ぎで、ドットメイジ一人、トライアングルメイジ二人に完封という有様だった。
かといって、コルベールが取った処置について非を問うつもりはない。
そもそも、サモン・サーヴァントで人間が召喚される事がイレギュラーな事なのだ。
呼び出した使い魔が規格外なら、その後取った行動も規格外。
前例が無いだけに、オスマンを以ってしても先人の知恵に頼るというわけにもいかず
また、自身が最高責任者なだけに他に投げるわけにもいかず、自分で答えを見つけるしかなかった。

それでも、逆に考えれば契約してなくてよかったかもしれないと思ったのも事実だった。
もう使用人の間では噂になっているようだったが、この男はどこかの国の帝王だというのである。
サウザーの挙動や、なにより皮膚を直接刺激するような覇気を感じて、まんざら噂だけではないとオスマンも確信していた。
なまじその力量の片鱗を目の辺りにしただけに、下手をすればトリステイン存亡にも関わる。

とりあえず、サウザーはじっくり時間をかけるとして、問題はルイズだった。
どんな魔法も失敗し爆発を起こす問題児。ただ、誰よりも努力している所はオスマンも承知している。
トリステイン子女の例に漏れずプライドが高いルイズをどう説得すればいいものかと頭を痛めたが、とにかく話を切り出すことにした。

「あー、こほん。ミス・ヴァリエール、念のために聞いておくが、サモン・サーヴァントをやり直す気は……」
「ありません」
やんわりとしたオスマンの問いにピシャリという音がしそうなぐらい気持ちよくルイズが返してきた。
「だが、彼が契約に応じるとは思えん。使い魔と契約できねば、進級はおろか退学という事もありえる」
「ミスタ・コルベール。使い魔召喚の儀式は神聖なものでやり直しはできないんじゃなかったんですか?」
「え、ええ。本来なら、ミス。ヴァリエールの言うとおりですね」
ルイズの言葉を肯定したコルベールを見て、モートソグニルに髪の毛を齧らせると決意する。
退学という、オスマンの持つ最強のカードをちらつかせても譲らないルイズを見てどうしたものかと考えを張り巡らせた。

「ふはははは……そうでなくてはな」
だが、思考の迷路からの脱出路を開いたのは他でもないサウザーだった。
「貴様らの言う使い魔がどういうものかは知らぬ。――が、俺はこいつを気に入った」
北斗でもなく、南斗でもない。まして拳法すら知らぬような小娘が、南斗最強の拳を前にして退かぬと言ってのけた。
退かぬ、媚ぬ、省みぬ、を信条とするサウザーにとってこれ程愉快な事はない。
あの時、退いていれば手刀はルイズを貫いていた。
この場で下手に媚びていたり、召喚した事を省みていれば、このような物言いは絶対にない。

「風下にこそ立たぬが、俺の求める物を取り揃えるというのであれば、俺も力ぐらいは貸してやろう」
サウザーが要求した物は三つ。二つは食料と住居の確保。無論、帝王としてである。
そして三つ目が、この学院内における権限。例を挙げるなら施設の使用と立ち入りの無制限化。
力で奪ってもいいのだが、得られる物は一時的なもので、新たに得ようとすればまた力が必要になる。
使える駒はおろか、単身でそんな事をするという事は効率が悪く、賢い者のする事ではない。
ならば、必要としている物を用意させる代わりに、力を貸す。
取引と考えればなんの事はない。……あくまで上から目線だったが。
ただ、風下に立たぬという事から、使い魔などには決してならない。
その場の全員がはっきりとそう感じ取った。

「ふむ……ミス・ヴァリエールの使い魔にはならぬが、協力はする。という事でよろしいかな?」
「物分りが良いではないか。だが、どうしてもというなら、俺を力で捻じ伏せてみる事だ。できればの話だがな」
自信があるなら、何時、何処でもかかってくるがいい、とサウザーが付け加えるとオスマンがため息を一つ吐くと、ルイズへと向き直った。
「彼はそう言っておるが、ミス・ヴァリエールはそれで構わんのかね?」
「構いません」
「やれやれ……ここまではっきり言われると気持ちがいいわい。仕方あるまい、特例じゃがそれを認めるしかなかろうな」
オスマンとしても、これ以上の妥協点は無いと悟ったのか、半ば諦めにも似た気持ちが沸き出ている。
食料と住居の確保はどうにでもなる。施設に関しては、宝物庫が機密上問題になるぐらいだが、見るだけなら減るものではない。
それに、可能性は限りなくゼロに近くても、ルイズがサウザーを負かせる事ができれば従ってやると言っている。
気に入っていると言っているあたり、少なくとも大怪我や殺す事はないだろうと判断した上でそう決めた。

「ただ、今日のような騒ぎを頻繁に起こされては私としても困る。そこはよく考えて頂きたい」
「よかろう。俺が相手をする程のものではないからな」
まだ相手をしていないスクウェアなら興味はあったが、学生風情ならばわざわざ相手をするまでもない。
相手にするなら……目の前の頭の薄い男のような奴というところだった。

話すことはもう無いと言わんばかりにサウザーが立ち上がると、部屋のドアへ手を伸ばし背を向けたままオスマンに問いかけた。
「ああ、一つ聞く事がある」
「我々が答えれる範囲の事であれば答えよう」
「こいつの爆発。これはどういったものだ」
二人にとって気まずい沈黙が数秒流れる。
答えられる。確かに答えられるのだが、本人が居る前でただの失敗魔法と言うのはオスマンもコルベールも答えるのは気が引けた。
その沈黙を打ち破ったのは、その爆発の元凶であるルイズ自身だった。

「あの爆発は魔法が失敗した結果よ。それ以上でもそれ以下でもないわ」
「……なるほどな」
言いながらドアを開けサウザーが部屋の外へと歩を進めるとルイズも同じように外に出て行った。



「……死ぬかと思った。正直、少し漏らしたかもしれん」
ドアが閉じると同時にオスマンの力が抜けるとそう呟いた。
まさか、ナイフを頬スレスレに投げ返されるとは思ってもいなかったらしい。
机の上に突っ伏したオスマンを見て、呆れながらコルベールが言った。
「なら、格好つけてあんな事やらなきゃよかったじゃないですか。それより、よろしいんですか?」
「構わんよ。無理に契約する事など到底できんだろうし、ミス・ヴァリエールもサモン・サーヴァントをやり直す気が無いと言っておる」
召喚そのものは成功したのだし、主を守るのが使い魔なのだから、契約しているのとそう大差はない。
問題は、何時サウザーの気が変わるかという事だ。
その問題は一先ず置いておくとして、コルベールも何故オスマンが南斗聖拳を知っていたのかが気になった。

「まぁ、ミス・ツェルプストーとミス・タバサに勝てる実力があるなら申し分無いとは思いますが
  オールド・オスマンは、その……南斗聖拳。ガンダールヴにも匹敵するというそれを何処でお知りになったのですか?」
コルベールの問いかけに対して、大きくため息を吐くと思い出すかのような口調でオスマンんが語り始めた。
「……百五十年以上前だったかな。火竜山脈へ硫黄を取りに行った時なんじゃが、道中、信じられない物を見た」
火竜山脈。その名が示すように火竜が多く住む火山帯の事だ。
「大きな若い火竜と一人の男が素手で対峙していた」
魔法に優れたメイジであれ、人の身では決してかなわぬ存在。
その竜の前に杖も持たぬ男が素手で立っていたのだから信じられぬというのも無理の無い事だ。
「私も手が出せなかったので、隠れて様子を伺っていたんじゃが
  火竜がブレスを吐いたと思った次の瞬間には、いつの間にか男が火竜の脇に立っていたか思うと火竜の首が胴体から離れていた」
「それが……」
「そう、南斗聖拳。遥か東から来たとしか言わなかったが、古きより伝わる南斗聖拳の一派だと教えてくれた。これが私の知っている全てだ」
火竜すら素手で殺しきる。スクウェアクラスのメイジですら出来るかどうか分からない芸当をやってのけたという事を聞いてコルベールが絶句した。
そして、あの男は、その南斗聖拳の中でも最強だと言っていた。
それが事実であるならば、その強さはコルベールが想像できるところではなかった。

「……王室に報告致しますか?」
「無用じゃ。頭の堅い王室のボンクラどもに言ったところで信じはすまい。
  仮に信じたとして仮定して、アカデミーの連中が来て彼を連れて行こうとしに来たらどうなる」
「……どうなります?」
「あのワルキューレの残骸が人間になるだけじゃな。恐らく杖を抜く暇もあるまい」
オスマンが言わんとしている事はコルベールにもよく理解できた。
いくら魔法が優れていても、杖を持ち呪文を唱えなければ使うことはできない。
武器を構えるという事すら必要としないだけに、どちらが早いかと問われれば自明の理というものだ。

「それにしても……ゼロの二つ名を持つミス・ヴァリエールが、何故、南斗聖拳の使い手を召喚できたのでしょうか」
魔法が使えない落ちこぼれ。それが学院でのルイズの一般的な評価だっただけに、ルイズがサウザーを召喚できた理由が全く分からない。
「分からん、全く以って謎じゃ。そういえば、彼のほかにもう一人、いや、もう一体召喚されたと聞いたが、それはどうなったんだね?」
「あの遺体でしたら、放置するのも何なので、私の研究室に安置しておきました」
同時に召喚された一人と一体。何か深い繋がりがあるのだろうかと思い、ぞんざいにもできなかった。

――火竜すら素手で殺す、ねぇ……だとしたら、相当なバケモンだよ。

と、ロングビルが乱雑に置かれた本を本棚に戻しながら三日前の学院長室での会話を思い出し、そう結論付けた。
二年生の中でもトップクラスの二人を同時に相手にした男なら、不確定要素になるかもしれないと思い
音を消す風の魔法『サイレント』で部屋での会話を伺っていたのだが、話が事実ならばこの先の行動に相当の支障が出る。
火竜を殺すというのはにわかに信じられない事だが、メイジに一歩の遅れも見せなかった事から、遥か東の南斗聖拳の使い手という事だけは信じられた。

本を戻し、サウザーのところに戻ろうとした時、目が合った。
相変わらず頬杖を付きながら、何か薄笑いを浮かべながらロングビルを見ている。
「わたくしの顔に何か付いていますか?」
「くっはは、貴様のようなヤツが秘書だと?……何を考えている?」
突然、そう言われロングビルの心臓が跳ね上がった。
半分冗談めかした口調だったが、言葉尻に確信めいたものが感じられる。
「ふっ……まぁいい。精々、俺の障害にならぬようにする事だ」
巧妙に隠しているつもりだろうが、それを見抜けぬ程サウザーとて甘くは無い。
いわゆる、悪党と呼ばれる人種なら五万と見てきただけに、目を見ればどんなやつかは大体分かるつもりだ。

無意識だが、時折足音を立てないようにする動きから察するに、盗賊の類。
そして、その理由も自分より他の者のためにやっていると、なんとなくそう判断した。
確か、カサンドラの衛士だった、二神風雷拳の使い手、ライガとフウガも獄長ウイグルに弟を人質に取られ、衛士をしていたと密偵からの報告を受けている。
恐らくまぁ、それと似た理由だろうが、どう動こうが興味はない。

この女よりは、ルイズのあの魔法に興味があったというのもある。
金髪の小僧が作り出した木人形。赤い髪の女の炎。タバサとかいう小娘の風と氷。
これらが成功した魔法で、ルイズの爆発が失敗。
拳王の一撃とほぼ同等の威力の魔法が失敗などというのは解せぬ事だ。

召喚者と使い魔には、共通点が多いというのもサウザーが知った事の一つだ。
金髪の小僧なら土竜。キュルケとかいう女は、よく分からぬ火蜥蜴。タバサは竜。
系統によって大まかに呼び出される物の傾向が決まり、実力が高ければ呼び出される使い魔の実力も高い。
となれば、南斗聖拳最強の南斗鳳凰拳のサウザーを呼び出したルイズもまた最強という事になる。
そう考えればあの爆発が拳王の一撃と同等となるのも理解できる。ただ、そうなると何故それが失敗になるかという疑問が残る。
こればかりは魔法に関しては素人同然なので分かりはしなかったが、突如聞こえてきた声にその思考を打ち切った。

「やっと見つけた……!三日もわたしを放っておいてこんな場所で何をやってんのかしら?」
入り口の方から、そんな事を言いながら近付いてくるのはもちろんルイズだ。
後にも先にも聖帝にこんな口を利くのはルイズぐらいなものだろう。
「言ったはずだ。俺は力は貸すと言ったが、貴様の使い魔になる気は無いとな。従えさせたくば……後は分かっていよう」
「上等よ。ヴェストリの広場に来なさい。
  あんたに勝って、わたしがゼロじゃない事を教えてあげるわ。それで、ミス・ロングビル、立会いをお願いしたいのですが」
「くははははは!威勢だけは良いようだな。その二つ名が嫌ならば、南斗爆殺拳のルイズとでも名乗ったらどうだ」
「なによ、その怪しい二つ名は!」
ルイズの頭の中に、何故か葉巻を加えた自分の姿が映ったが、ろくな死に方をしそうになかったので断じてお断りだ。
「貴様も来い、礼にいい物を見せてやろう」

図書館から出ていく二人から、そんな会話が聞こえてきたが、ただ一人残されたロングビルがぽつりと呟いた。
「なんなのさ、こいつら……」
正体を見切られたかと思ったが、本当に興味が無いようで放置され行ってしまった。
その上で契約を行うかどうかの決闘をやろうとしている。
とんだ厄介事に巻き込まれたものだと思ったが、来いと言われた以上行かないわけにもいかず、予定を早めるしかないと考えながらヴェストリの広場に向かう事にした。


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