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  • あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ
  • アンリエッタ大活劇 後半

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

アンリエッタ大活劇 後半

最終更新:2009年06月29日 23:12

匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
 満身創痍。一撃しかもらっていない(多分)はずなのに、才人の体はもう体はボロボロだった。
 ギーシュの前には、甲冑を纏った女戦士の形をした、金属の質感を持つ人形が立っていた。
 その姿を見て思い出した。自分は突然現れたそれに、思いっきりぶん殴られたのだ。
「言い忘れたな。僕の二つ名は『青銅』。青銅のギーシュだ。僕はメイジだ。だから僕は魔法で戦う。従って君の相手は青銅のゴーレム『ワルキューレ』がする」
「てめぇ……」
 喧嘩は素手で殴り合うもんだとばかり思っていた才人だったが、それは違ったのだ。
 貴族と戦うということは、魔法使いを相手にすることなのだと、今更ながらに気がついた。

「馬鹿! どうして立ったりしたのよ!」
「……お前、いつから見てたんだよ」
「最初から気付いてたわよ! あんたがこんな馬鹿なことしでかすと思ってなかったから、無視してたのよっ!」
「そいつはどうも、と」
 才人はそういうと、腕を持ち上げてボクサーのように構えを取った。見よう見まねだ。単に、まだやる気があるというのをわからせればそれで良かった。
「まだやる気なの!? さっきのでわかったでしょう!? 平民は絶対メイジには勝てないのよ!」
 そう叫んだルイズの体は……震えていた。
「なんだお前、震えてるのか?」
「馬鹿! どうして寝たふりをしてなかったのよ! そうすればわたしがギーシュを説得して……」
「ムカつくから」
「え……?」
「いい加減、ムカつくんだよね……。メイジだか貴族だか知んねえけどよ。お前ら揃いもそろって威張りやがって、魔法が使えることがそんなに偉いのかよ!」
 力の限り叫んで才人は飛び出した。
 その足は一直線にギーシュの呼び出したゴーレムへ。
 そして勢いよく拳を突き出して――狙い違わず、そのパンチはゴーレムの胸にぶち当たった。
 当たり前だが、感触は金属の塊を殴ったようだった。
「……っ!」
「無駄だと思うがね。ワルキューレ!」
 ゴーレムの右腕が飛んで、再び才人の顔面を襲った。
 しかし先ほどのような不意打ちではない。殴られた才人は、今度は一歩下がっただけで何とか堪えた。、気構えがあれば、案外一発くらいは耐えられるものだ。
「はっ。全然利いてねえよ。お前の銅像、弱過ぎ」
 放られた挑発の言葉に、ギーシュの顔から笑みが消えた。
 続けざまにゴーレムの拳打が才人を襲う。
 五発殴られたところで才人が倒れた。食らったことは勿論ないが、プロボクサーのパンチをもらったらこんな感じかも知れないと思った。

 だが、それでも……、

「サイト!」
 目を開けると、ルイズの顔がアップで見えた。
「お願い。もうやめて、このままじゃあなた、死んじゃうわ……」
 ルイズの鳶色の瞳が潤んでいる。
 そんな姿を見て、改めて、やること為すこと一々様になる美少女だと思った。
「……泣いてるのか? お前」
「泣いてないわよ。誰が泣くもんですか。もういいじゃない。あんたはよくやったわ。こんな平民、見たことないわよ……」
 殴られた部分がキリキリと痛む。多分肋骨だかが折れている。
「いてえな」
「痛いに決まってるじゃないの。当たり前じゃない、何考えてるのよ」
 そこでルイズの目から涙が零れる。それが才人の頬にあたった。
 こんな美少女を泣かせてしまったことに、少しだけ心が痛む。
 けれどそこで、そんな二人に割り込むように、ギーシュから声が飛んだ。
「終わりかい?」
「……ちょっと待ってろ、休憩だ」
「サイト!?」
 ギーシュはその受け答えに再び微笑んだ。そして薔薇の花を振るう。
 すると、花びらの一枚が宙に舞い、空中で一降りの剣に変わった。
 ギーシュは剣の柄を握ると、それを才人に向かって放り投げた。投げられた剣が、倒れている才人のそばに突き刺さる。
「これ以上続ける気があるならば、その剣を取りたまえ。違うなら一言こう言いたまえ。ごめんなさい、とな。それで手打ちとしようじゃないか」
「ふざけないでよ!」
 ルイズが立ち上がって怒鳴る。だがギーシュは気にしたふうもなくあとを続けた。
「わかるか? 剣だ。つまり『武器』だ。力なき平民が、貴族に一矢報いようと磨き続けた牙さ。未だ噛みつく気があるのなら、その剣を取りたまえ。その代わり、今度は僕も容赦はしない」
 本気なのだろう。先ほどとは違い、ギーシュの目は真剣な色をしていた。
 それでも才人は迷わずに右手を伸ばした。
 だが、その右手がルイズによって止められた。
「だめ! 絶対だめなんだから! それを握ったら、今度こそ大変なことになるわ!」
 懇願するようなルイズの声。

 それでも……、

「……俺は元の世界にゃ帰れねえ。ここで暮らすしかない」
「そうよ、でもそれがどうしたって言うのよ!」
 ルイズがぐっと才人の右手を握りしめた。才人はルイズの体温を感じながら、力強い声で言う。
「使い魔でもいい。寝るのは床でもいい。飯はまずくたっていい。下着だって洗ってやるよ。
生きるためならしょうがねえ」
 そこで区切り、左の拳を握りしめる。
「でも……」
「でも、何よ」
「下げたくない頭は、下げられねえ!」

――譲れないものがある!

 才人は最後の気力を振り絞って、地面に刺さった剣を掴み取ろうとした。


 そのときであった。


「お話は聞かせてもらいました!」
 ガラッという音を立ててふすまが開かれたのである!

 ……そう、ふすまだ。日本家屋にある、あのふすまだ。
 いつの間にやら食堂のど真ん中に、ででんとふすまが置かれており、それが勢いよく引かれたのである。
 そして、その先には仁王立ちのメイドさん。ふすまに手をかけて、開け放った姿勢のままのアンリが立っていた。

「二股で女性二人を傷つけておきながらなんたる様。大体、すぐさま彼女たちへのフォローを行うなら兎も角、善意で接してくれた人間に悪意で返すとは、なんたる非道! トリステイン貴族の質も落ちたものです。嘆かわしい!」
 周囲の人間が唖然とする中、アンリは針金でも入っているかのようにピンと背筋を伸ばして言葉を続ける。
「加えて、弱者をいたぶって悦に入るとは、貴族の片隅にも置けません! 猛省なさい!」
 その言葉に合わせて、ジャーン! という効果音。
 ……効果音? そう思って才人が音がした方に首を動かしてみると、食堂の隅、そこにはいつの間にやら少人数の楽団が陣取っていた。
 ついで、そそくさとふすまを片付けていた黒子とおぼしき者と目があった。
 会釈された。



「……メイド風情が随分といい口を利くじゃないか。貴族に対する礼というものを知らないらしい」
 青筋を立てながら言ったギーシュの言葉に、アンリは臆することなく応えた。
「わたくし、礼儀のなっていない方に返す礼は持ち合わせておりませんの」
「……どうやら君には教育的指導が必要のようだね。だが、例え平民でも女性に暴力を振るうのは僕の流儀に反する」
 そう言うと、ギーシュは薔薇を口元に持って行きつつ微笑を浮かべた。
「あとでみっちりと教育してあげよう。ワルキューレ、そこのレディを捕まえておけ!」
 ギーシュがそう命令すると、才人の前に立っていたゴーレムが向きを変え、アンリの方へと歩き始めた。
 危ないっ、才人はそう思った。
 アンリの腕は白く細く儚げだ。脆い白磁のような印象を見る者に与えるそれは、ワルキューレに掴まれただけで、折れてしまいそうだった。
 だから才人は咄嗟に危ないと思った。

 だが、事態は才人には及びもつかない、いや、この場の誰もが思いも寄らない方向へと動いた。

 アンリを捕まえよう右手を伸ばしたワルキューレ。アンリは半ば地を這うようにして体を沈み込ませると、すれすれのところでその手をかわす。そしてそのままゴーレムの左後方、死角にあたる場所へと、足を大きく開いて踏み込んだ。素早い身のこなしで移動したアンリは、腰を捻り、背筋力を加え、遠心力を乗せながら、踏み込みの際に右手で掴んだ椅子を、その後頭部へとフルスイングで叩き付けたのである。
 直後、ドグワシャァッ、みたいな聞いたこともない音がして、椅子が粉砕した。
 衝撃でつんのめるワルキューレ。アンリはその足を、流れるような水面蹴りで、後ろから前へと刈り取った。
 バランスを崩したゴーレムが、大きな音と立てて床に倒れる。
 メイドさんはそうやって仰向け倒れたワルキューレの上に乗っかると、マウントポジションの姿勢を取って、「えいっ」と声を上げた。
 このえいっ、は後ろに(はぁと、がつきそうな可愛らしいものだったが、直後に響いたのは
 『メギョ、グリッ、グシャァッ!』 というような壮絶極まりない音である。
 アンリがパンパンと手を叩いて立ち上がると、胴に大穴を開けられて動かなくなった、ゴーレムの残骸だけが残されていた。

「なっ……」
 メイドさんの予想外過ぎる戦闘力に言葉を失っていたギーシュが、半歩遅れて声を漏らした。
 無理もない。普通、メイドはこんなにデタラメな存在じゃない。
「さあ観念なさい!」
 もう凶器としか思えない右手を上げ、指を突き付けアンリはギーシュに言った。

「くっ……ワルキューレ!」
 アンリの思いがけない力に戦慄したギーシュは、慌てて薔薇を振るった。合わせて花びらが舞い、新たなゴーレムが六体現れる。
 これまで一体しか使わなかったのは、それには及ばないと思っていたためである。
 だが、ここで一つ、ギーシュにとってもアクシデントが起こった。
「お、おい!?」
 ゴーレムたちが、ギーシュの命令も待たずに、一斉にアンリに向かって飛び出したのである。
 魔法は使ったもののイメージに強く影響される。この場合、ギーシュがメイドに抱いた恐怖心が、ワルキューレたちに直ちに攻撃するという行動をとらせたのだった。

 多勢に無勢。いくら先ほど一瞬でゴーレム一体を片付けたメイドさんといえど、一度に六体を相手にしてはひとたまりもない。
 才人がそう思ったとき、その体は既に飛び出したあとだった。

『ヴぼぉ!』

「サイトさんっ!?」
「サイトっ!」
 ゴーレムとアンリに挟まれる形で、彼女を守るべく両手を広げて飛び出した才人は、正面から六体のゴーレムパンチと、背後からメイドさんの拳を食らって勢いよく吹き飛んだ。
 しかも前に向かって。

 ゴーレムを巻き込みながら吹っ飛ばされて倒れた才人の傍に、ルイズとアンリが駆け寄った。
「サイトっ! サイト!!」
「サイトさんっ! 気をしっかり! ……なんとむごいことをっ!?」
 アンリがギーシュをきっと睨む。
 それにギーシュは『えええ?』という顔をした。
「くそっ! わけがわからん! こうなったらとりあえず彼女の動きを止めるんだワルキューレたち!」
 焦った声でやっと制御を取り戻したギーシュが命令を飛ばすと、ワルキューレたちは才人たち、正しくはアンリの周りを取り囲んだ。
 だが、アンリはそこに至っても動じず、むしろ事も無げに言い放った。

「アニエスさん、ミシェルさん、やっておしまいなさい」

 その声に、『はっ!』という声が二つ上がる。
 同時に声で飛び出したのは、これまた二人のメイドさん、先ほど見たアニスと呼ばれていた少女と、もう一人は見たことのない少女だった。
 彼女たちはそれぞれ左右からゴーレムを二体ずつ相手取ると、徒手空拳で闘いを始めた。
 殴る蹴る投げ飛ばす。ブーツが、スカートが、ヘッドドレスが宙を舞う。彼女たちがメイド服を翻しながら縦横無尽に走り回るさまは、さながらアクション映画の中のワンシーンのようだ。
 勿論アンリも休んではいない。彼女は飛びかかってきた一体に対して、クロスカウンター気味の右を打ち込み、上半身を吹き飛ばして仕留めていた。
 やがて形勢の不利を悟ったギーシュは仲間たちにも声をかけた。
「ええいっ、君たちも手伝い給え!」
「お、おうっ!」
「仕方がないっ!」
 声を上げて、ギーシュの取り巻きたちも参戦した。
 正に入り乱れての乱戦である。

 そんな中、機会を窺っていたアンリが、アニスに目配せをする。
 察知したアニスと、ミシェルと呼ばれた少女がアンリの左右に後退した。
 それを好機と見て取ったのか、ギーシュたちはすり足で三人を中心にした扇状に移動する。
「さあ追い詰めたぞ。君たちにはきつい指導をしてやろう……無論教育的な意味で」
「教育的な意味でか……」
「教育的指導なら仕方がないな……」
 そういって、ギーシュたちとワルキューレがジリジリと間を詰めようとした、そのときだった。

「静まれい!」
「静まれ静まれ静まれい!」

 アニエスとミシェルの二人が、鋭く声を上げた。
 二人の声に、一同の動きがギクリと止まる。

 その様子を確認して、アニエスは懐に手を突っ込み、そこからなにやら四角いものを取り出した。
 この頃になると、流石の才人もなんだかそれの正体がわかるような気がしていた。

「この紋所が目に入らぬか!」

 図ったように、ジャーン! というシンバルの音が響く。

「こちらにおわす方をどなたと心得る! 恐れ多くも次の女王陛下、アンリエッタ姫殿下なるぞ!」
「一同、姫殿下の御前である。頭が高い! 控えおろう!」

「は、ははー!」
 ミシェルと呼ばれた少女の声に合わせ、その場にいた全員が条件反射のようにその身を屈めていた。
 ギーシュやルイズたちはおろか、遠巻きに見ていた他の学生たちすらも身を低くしている。
「な、なんだぁ……?」
 ボロボロの体に力を込めて、無理矢理上半身を起こそうとした才人であったが、その頭をむんずと誰かに掴まれてしまった。
 見るとそれはルイズのものである。
 彼女はそのまま力を込めると、才人の顔を目一杯床に押しつけた。
「痛っ、いだだだだだっ!」
「馬鹿っ! 良いからおとなしくしてない! 姫殿下の御前よ!?」
「ひ、姫さま? あのメイドさんが、ホントに?」
 才人は何とか目を動かして、アンリエッタ姫を確認した。格好はどこからどう見てもメイドさんだったが、確かに、その立ち姿からは下々の者にあらざる気品を感じる、気がする。

 その場の全員の注目が一点に注目する中、アンリエッタはゆっくりと口を開いた。
「ギーシュ・ド・グラモン!」
「は、はひっ!」
「その方、誇り高きトリステイン貴族の身にありながら、二股をかけて二人の女性の心を傷つけたこと、相違ありませんか?」
「い、いえ、姫殿下それは……」
「だまらっしゃい!」
 だまらっしゃいが出た。
「その方の行いが原因で、二人が涙したのは明白。よって二人に対して、誠心誠意謝り倒すことを命じる! 加えて、無関係であったはずのミス・ヴァリエールの使い魔に因縁をつけ、なぶり者にしたこと、よもや申し開きありませんね」
「め、滅相もございません」
「よろしい。ではことの次第をオスマン老に申しつけるによって、いずれ沙汰あることと、左様心得なさい」
「は、ははーっ」
 観念したのか、ギーシュとその友人たちは平伏しながら深く肩を落としていた。
「さて、ルイズ・ド・ラ・ヴァリエール」
「は、はいっ!」
「良き使い魔を待ちましたね。平民にあって見事な心意気。このわたくし、感服いたしました」
「有り難きお言葉!」
「大事にしてあげなさい」
「ははぁっ!」

 そんなルイズの様子を見てアンリエッタは微笑むと、その場で回れ右をした。

「では、アニエス、ミシェル、行きますよ」
「はっ」
 そう言ってメイド服を着たお姫さまと、これまたメイド服を着たお供の二人は外へ向かって歩き始めた。
 それに合わせてやはり楽団が音楽を奏で始める。

 それは勿論お決まりの、定番のあの曲。

 ♪ちゃっ、ちゃちゃちゃちゃっちゃっ
  ちゃっ、ちゃちゃちゃちゃっちゃっ
  ちゃーーちゃちゃーちゃーちゃーちゃーちゃーちゃー
  ちゃーちゃちゃーちゃーちゃーー
  ちゃちゃちゃちゃっ、ちゃっ♪

 例のアレである。
 『人生楽あれば苦もあるさ』から始まるアレである。
 才人は退場するメイドのバックに、そんな音楽が流れるシュールな光景を目にしながら、気が遠くなっていくのを感じた。

「!? ちょっとっ、サイトっ! サイト!? 誰か、誰か助けて、サイトが白目剥いて倒れちゃったわ!」

 眠りに落ちる最中、印象に残り過ぎるBGMだけが、才人の頭の中で延々エンドレスで流れていた。

 ♪ちゃちゃちゃちゃっちゃっ♪


◇◇◇

 才人が目を覚ますと、見慣れない天井が広がっていた。
 東京にある自宅の、自分の部屋の天井ではない。それを見て薄ぼんやりと、自分の境遇が夢ではないことを思い出した。
「ん……ぁ?」
「サイトさん!?」
 寝ぼけ眼を擦って声がした方をみると、そこには花瓶に手を伸ばしたシエスタがいた。
「あ、悪い……、仕事の邪魔、したか……」
「そんなことより! 良かった、サイトさん。無事に目を覚まされて……」
 感極まったのか、シエスタは涙を浮かべて、寝ていた才人の手をぎゅっと握った。
 と、そこで才人はようやく自分がどこに寝ているのか気がついた。
 そう、ベッドの上である。
 ここ数日寝ていたような床の上ではない、ふかふかのベッドの上に才人は寝かされていた。
 では誰のベッドか、それは才人の顔のすぐ傍で、椅子に座ってすやすやと寝息を立てている桃色ブロンドを見てすぐにわかった。
「あれから三日も目を覚まされなかったんですよ。それにすごい大怪我で……水の秘薬と治癒の魔法をかけてもらって、それでも生死の境をさまよって……峠も二回くらいあって……一度なんて心臓まで止まってしまって……」
「……マジか」
 涙混じりに語るシエスタの言葉に、才人も段々と状況を思い出してきて冷や汗をかいた。
 そんな大怪我だったのか。
 だが、そのわりには……
「あ、でも、お金のことは心配しなくてもいいですよ。治療費はミス・ヴァリエールが払ってらっしゃいましたから」
 なるほど、と納得する。
 体の節々は多少痛むが、痛むのはそれくらいで、そんな生きるか死ぬかの大怪我をしたとは思えなかったのだが、合点が言った。
 これもシエスタがいった水の秘薬と治癒の魔法とやらのおかげだろう。
「すげえな魔法。なるほど、こんなにすごいなら貴族たちが威張り散らすのもわかる気がする。
それで、三日って言ってたけど、シエスタとルイズが看病してくれたのか?」
「いいえ。私は学院のお仕事もありましたから、付きっきりで看病なさっていたのは、ミス・ヴァリエールの方です」
「……そっか」
 可愛いところもあるじゃないか、そう思ってルイズの方を見て、才人は内心ドキっとした。
 先ほどはちらっとしか見なかったので気がつかなかったのだが、寝ているルイズは、実に…
…実に可愛らしかった。
 あどけなく、無邪の欠片もない。寝ているルイズは、本当にこの世に降り立った女神のようだった。
 そんなルイズを見て、才人がごくりと喉をならしたとき、不意に部屋の外から声がした。
「ベッドのシーツ、取り替え終わりました」
「お疲れ様です。あ、サイトさん、丁度良いのでご紹介しますね。いなくなってしまったアンリたちの埋め合わせで、新しく入って来た子たちです」
 そう言われて入って来たのは……
「メイドのアンアンです。よろしくお願いします」
「メイドのアニーだ、よろしく頼む」
「メイドのミシェールです」

「誰かつっこめよ」
 平賀才人の苦難の日々は、まだ始まったばかりであった。


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