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  • あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ
  • ゴーストステップ・ゼロ-23

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゴーストステップ・ゼロ-23

最終更新:2009年07月24日 11:01

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  • ゴーストステップ・ゼロ



レース越しに差し込む柔らかい光の中でルイズは目覚めた。
眠っていた部屋はトリステイン魔法学院の学生寮でも、前日逗留した宿でもない。
未だ眠りの精が支配する頭を動かして昨晩起きた出来事を何とか思い出したルイズは寝台から飛び降りると、部屋から飛び出した。
しかし、扉を開いて部屋から出ようとした瞬間、扉の前に立つ人物と衝突し、その人物に受け止められてしまった。

「ヒュー?」

春の召喚の日から最も自分の近くに居た人物の名を口にしたルイズだったが、その視線を上げた瞬間、瞳に映ったのは自分の使い魔ではなかった。

「あ……、ワルド」
「おはようルイズ、目が覚めたみたいだね。」



ゴーストステップ・ゼロ  シーン23 “ To the World / 世界へ ”

    シーンカード:ハイランダー(希望 / 予期せぬ幸運。状況の好転。失敗しかけていた計画の奇跡的な進展。)




ワルドはルイズの勘違いに別段気を悪くした様子はなかったが、さりとて機嫌が良い様にも見えない。
それは、これからこの城にいる王党派の人々が辿る運命を思えば別段おかしくはないだろう。しかし、ルイズにはそれだけとは思えなかった。
そんなルイズにワルドは視線を合わせて話しかける。

「ルイズ、少し話があるんだが。」
「ごめんなさいワルド、私用事があって……」
「君の使い魔の件もあるんだ」
「ヒューの事も?」

戸惑って聞き返すルイズにワルドは渋面を浮かべて頷く。

「ああ、それにウェールズ殿下も君に話したい事があると仰っていた。」
「ウェールズ殿下まで?」
「支度ができたら中庭にある礼拝堂まで来て欲しい、いいかい?」
「え、ええ」

ルイズの返事を確認したワルドは一足先に礼拝堂に行くのだろう、足早に去っていった。


ワルドが言ったように改めて身支度を整えたルイズは、ニューカッスル城の中庭にある礼拝堂に赴く、扉の前で身なりに乱れが無いか再度確認して目の前にある重厚な扉を押し開いた。

礼拝堂の中は精緻なステンドグラスから零れる美しい光で照らされており、ウェールズとワルドだけがルイズを待っている。
ウェールズを警護する為の兵が居ない事をルイズは訝しく思ったが、それ程機密性が高い話なのかと思い直して礼拝堂の中へ足を踏み入れた。
扉が開く音でルイズの到着を知ったウェールズとワルドは、共に立ち上がって少女を迎える。

「おはようございます、ウェールズ殿下。ワルド様。」
「おはよう、ラ・ヴァリエール嬢。朝早くから呼びつけるという無作法を赦してほしい。」
「いいえ、お忙しい中、私如きを待っていただいただけでもありがたき事と存じます。」
「そういって貰えると助かる。
 子爵、ラ・ヴァリエール嬢に例の物を」

ルイズと挨拶を交わしたウェールズは、柔らかかった表情を軍司令官らしく厳しいものに改めるとワルドを促す。
ワルドはウェールズに頷くと無言でルイズの前に進み、両手に持った物を恭しくルイズに差し出した。
その真紅のビロードに包まれた物が何であるか、ルイズは人に言われずとも理解する。

<始祖のオルゴール>だ。

受け取る事を躊躇するルイズにウェールズは話し始める。

「ラ・ヴァリエール嬢、貴女が<始祖のオルゴール>を受け取りたくないという気持は私も分かるつもりだ。
 私も『虚無』程ではないが、『王権』という大きな力を受ける身だからね。
 だからこそこう言おう、受け取るんだルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。」

そんなウェールズにルイズは問いかける。

「何故、私なのでしょうか。」

ウェールズは俯いて問いかけるルイズを参拝者用の椅子に座らせると、自らもその隣に腰掛け話し始めた。

「それは私もだよ、ラ・ヴァリエール嬢。
 何故、私が皇太子なのか。何故、アンがトリステインの王女なのか。幾度も始祖や父を恨み悩んだものだよ」
「答えは出たのですか?」
「生憎と未だに出せていない、情けないことにね。
 ただ最近……そう、死を目前にしてこう思うようにはなった。」
「?」
「“死ぬ時には悔いなく、笑って逝こう”と……。
 ならばこそ、『王権』も背負おう、愛しい姫の為に一人でも多く賊軍を葬ろうと決意したのさ。
 ラ・ヴァリエール嬢、確かに『虚無』という力は大きい、いや大きすぎる物だろう。だが、それは君の意思でのみ使われるべき力だ、自らの力を自覚する為、ひいては君の為にも力は握っておいたほうがいい。
 それにこれは君の使い魔……ヒュー君からの頼みでもあるんだ。」
「ヒューからの?
 そうですわ、ウェールズ殿下。アイツは、ヒューは何処にいるんですか?」

期せずして告げられた己の使い魔の名前にルイズはこの場所に来たもう一つの理由を思い出す。
そんなルイズにウェールズは少女の使い魔の行方を告げた。

「彼は昨晩、城を出たよ。彼から伝言を預かっている、聞くかね?」

ヒューが城を出たという話に衝撃を受けたルイズだったが、己を見据えるウェールズの様子に、息を呑みながらも居住いを正して頷く。

「彼はこう言っていた。
 “こういった力が表舞台に出るということは、それ相応の理由がある。
 できる事ならもしもの時の為に力は持っておいて欲しい。
 それでも迷う様なら<始祖のオルゴール>の中に手紙を入れているのでそれを読んでみてくれ”と。
 それから、君が『虚無』の使い手だという事は決して口外しない事を杖と始祖ブリミルに誓おう。これはワルド子爵も誓っていたから安心すると良い。」

ウェールズの意外な言葉に頷いたルイズは暫く考えるた後、質問を返す。

「あ、あのウェールズ殿下、お聞きしたい事があるのですが。」
「何だね?ラ・ヴァリエール嬢。」
「此度の戦で私に『虚無』を使わせたかったのでは?」

ルイズの質問にウェールズは苦笑すると肯定の言葉を返した。

「ああ、確かにね。君の『虚無』があれば一定の戦果は期待でき、その名をもって打って出れば恭順を示す者達も出てくるかもしれない、しかし連中には<アンドバリの指輪>という鬼札がある。
 かの指輪の力がどこまで及ぶのか判らない以上、そのような賭けじみた事に巻き込みたくは無い。しかもこれは我が国の問題だ、トリステイン貴族の君を巻き込む事は憚られる。」
「でも!」
「ラ・ヴァリエール嬢、先にも言った通り、その『虚無』という力は君の意志で使うべき力だ。使う時にはよく考えて欲しい、できる事ならその場の勢いや虚栄心を満たす為に使わない様に、ね。」

ウェールズのその言葉にルイズはヒューの言葉を思い出していた。
想像する事・考える事・情報を集めて選択肢を増やす事……それは以前、ヒューが自分に自分がアンリエッタに言った事だ。
そう、今は逃げる事しか選択肢は無いけれども情報を集めて考えれば、最上とは言わないまでも選択肢は増やせるだろう。
そして、選択肢を増やす為の情報は目の前にある小箱に入っている。

ルイズは躊躇しなかった、情報が欲しいというのもあっただろう。しかし、一番大きかったのはあの男が自分に何を残したのか……それを知りたかった。
<始祖のオルゴール>をワルドの手から受け取ったルイズは、その中に数枚の便箋を見つけると壊れ物を扱うように丁寧に広げる。
便箋の中の文章はたどたどしく、文法も無茶苦茶だった、しかも楷書であるにも関わらず下手糞な文字で綴られていた。


“ルイズお嬢さんへ

 これを読んでいるという事は『虚無』を継ぐかどうか悩んでいるのだろうと思う。
 俺個人としては継ぐ事を勧めたい、その理由は3つある。

 1つ目は個人的な経験だが、こういう厄介事は磁石の様な物だという事だ。
 騒動に巻き込まれた時にある程度の力があれば選べる選択肢が増えるだろう?特に君が受け継ぐ『虚無』というのは普通の系統魔法と比べると一つ抜きん出たアドバンテージがある。
 政治力というヤツだ。
 レコン・キスタがこれ程まで勢力を伸ばしたのは<アンドバリの指輪>の力に因る所が大きいが、それと同じ位『虚無』というネームバリューが大きい。何しろ始祖のみが使えていた謎だらけの魔法だからな、あの指輪の力が『虚無』かどうか誰にも確認できなかっただろう。それに君達ブリミル教徒に『虚無』という言葉はかなり大きな影響力があるはずだ。

 政治というのは色々としがらみが増えて面倒な面もあるが、使いこなせばこれ以上ない位強力な力だ、……事によると魔法よりも強力だ。なにしろ個人の力ではどうしようもないからな。
 昨晩言っていた事(隠匿を勧めていた事)と矛盾していると思うだろう、確かにその通り矛盾した意見だ。しかし、今でも隠匿すべしという意見を覆すつもりはない、これに関しては2つ目に挙げる理由が関係してくる。

 2つ目は、君が『虚無』を受け継ごうと継ぐまいとこれからハルケギニアは混乱期に入っていく可能性が高いという事。
 昨日話した『虚無』の使い手になるための条件を覚えているだろうか。
 各王家の血を受け継ぐ事・王家に伝わるルビーを嵌めている事・その状態で虚無の秘宝を使用する事。
 聡明な君ならもう分かるだろう。そう、『虚無』の使い手は君一人ではないという事だ。恐らくゲルマニア以外の国……ガリア、アルビオン、ロマリア……この3国に使い手か、そうなる可能性がある人物がいるはずだ。
 まぁ、少なくとも『アルビオン王家には王と皇太子しかいない』ので次世代に使い手が出てくる可能性が高い。臭いのは他の2国だろう、下手をするとレコン・キスタと同様の理由を掲げて統一戦争なり聖地奪還戦争なり起こす可能性が高い。
 特に宗教国家であるロマリア辺りが聖地奪還戦争を起こす可能性が高いと思う、そこら辺は皇太子や子爵と相談してくれ。
 で、1つ目の理由と繋がる話だが、要するに奇襲効果だ。今の所『虚無』の使い手はハルケギニア全土で君を含めて四人中二人ないし三人といったところだろう、そして現在トリステインに使い手がいる事は他の使い手にはバレていない、ならばこれは有効活用するべきだ、特にトリステインは他国と比べると国力に大きな差があるからな。
 使う時はギリギリまで隠匿し、最大の効果を望める時に使うべきだと思う。そうすれば『虚無』という魔法の特性=呪文等が知られていない事……から相手方もそうそう手出しは難しくなってくると思う。
それから後は政治家の仕事になるがそこら辺はアンリエッタ姫や枢機卿に期待するしかない。

 そして3つ目、これが一番重要で大切な事。
 3つ目の理由は、これこそが『君の魔法だから』だ。
 君は物心ついてからこれまで毎日魔法の勉強をしてきたはずだ、他のメイジ達と違って普通の魔法が使えない分、より熱心に真摯に魔法に向き合ってきただろう。
 他の貴族達が戯れに魔法を使っている時でも君は失敗し続けてきた。
 俺を召喚した後も毎日練習していた事は知っている、努力する方向性が違っていたとはいえ君のその日々は無駄ではない、意味あるものだと思って欲しい。

 『病める貝にこそ真珠は宿る』昔、探偵の先輩から教わった言葉だ。聞いた時はピンと来なかったが君なら分かると思う。
 物事の真の価値を知るのは、それを失いかけた人・失った人だけだという話だ。確かに君は魔法を使えない・使えなかっただろう、だけどその代わり君は他の貴族には無い大切なものをいくつも手に入れたと思う。
 できることなら君の魔法は戯れや虚栄心を満たす為に使うのではなく、その大切なものを守る為に使って欲しい。

 さて、便箋の余白も残り少なくなってきた。
 本当なら面と向かって別れの挨拶を告げるべきなんだろうが、野暮用があるのでこの様な形で勘弁してもらいたい。
 ただ、君に魔法を見つけてあげられた事をささやかな誇りとしてこの胸に抱き、君達の前から去ることを赦して欲しい。

 それでは、君と友人達が立派な貴族となって領民達と末永く幸せに過ごす事を祈っている。


       ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの忠実な使い魔
                         そして君の友人  “ゴースト・ステップ”ヒュー・スペンサー ”


ルイズがその手紙を読み終わった後、彼女の許可を得てウェールズとワルドも目を通す。
暫くの沈黙の後、ウェールズがルイズに話しかける。

「ラ・ヴァリエール嬢、受け取ってくれるかね?」

ウェールズの静かな言葉に対し、ルイズはただしっかりと頷き<始祖のオルゴール>と<風のルビー>を受け取った。

「ルイズ、そしてウェールズ殿下。
 トリステイン魔法衛視隊……いえ、一人のメイジとして貴方方に話さなければならない事があります。」

二人のやり取りを見ていたワルドが二人の前に自らの杖を置いた後、跪いて語りかける。ルイズとウェールズはその尋常ではない様子に息を呑んでワルドを見る。

「何のつもりかな子爵」
「私の話が終わった後、私が赦せぬとあれば殿下の刃もちて私を断罪していただきたい。」

真剣なワルドのその目にウェールズは頷き、ルイズは不安な面持ちでワルドを見つめていた。
ワルドはしばらく逡巡していたが意を決したのか、語り始めた……己が裏切り者だったという事実を。

「実は……私は貴族派、レコン・キスタの一員でした。」
「何っ!」
「嘘!」

ワルドの一言にウェールズは咄嗟に杖を構えながらルイズを庇う。庇われたルイズは信じられないといった表情を浮かべている。
しかし、ウェールズの眼光を受けてもワルドは指先一つ動かさなかった。その様子に遍在を潜ませているのかといぶかしんだウェールズだったが、暗殺をするのならばとっくにしている事に思い至り、床にあるワルドの杖を取り上げて彼に話しかける。

「でした……とはどういう意味かな子爵。」
「言葉通りの意味です、かつて私は彼等の掲げる理想。
 惰眠を貪る王家を廃し、心ある貴族の手によってハルケギニアを始祖ブリミルが求める姿に戻そうという理想に共感していました。
 しかし、ルイズが目覚めた時からレコン・キスタが掲げる理想や言葉が偽りだという事を知ってしまったのです。」
「そうか、連中が蜂起した根拠には“始祖の恩寵が王家から離れた”という大前提があったな。」
「はい、始祖ブリミルが没して6千年。ルイズが目覚めるまで『虚無』の使い手はついぞ現れないまま。
 私はトリステインと王家に忠誠を誓って働いた結果、魔法衛視隊の一隊を率いるまでになったのです。しかし、地位が上がるだけ・長く勤めるだけ、国が貴族が腐っていく様を目の当たりにしてきました。」

跪き語り続けるワルドの身体は押し隠してきた怒りからか、小刻みに震えている。

「トリステインの国力が年々その力を落としていくのを横目に腐った連中は不正を働き、私腹を肥やしていた。
 そんな状況を憂いていた若い貴族達も年を経るに従って腐っていく。最も国に対して責任ある貴族である王家にしてもマリアンヌ王后は王の喪を理由に政を放り出し、婿を迎えるべき立場のアンリエッタ姫もこの様な不祥事を引き起こす。
 気が付いたらあの国の事を最も考えているのは他国出身のマザリーニ枢機卿という体たらく。
 そこに系統魔法には扱えない奇跡をもって蜂起した集団があると聞けば、始祖の恩寵が王家から失われたとも思えましょう。
 聞けばその集団が掲げている大義は“聖地”の奪回と貴族の共和制による統治というものでした、その理想は始祖ブリミルの御心に適うものだろうと思えましたし、余人に倒される位ならいっそこの手で……とも思ったのですよ。」

ワルドはそこまで言うと口を閉ざした。ルイズは信頼していた婚約者の告白に呆然とし、ウェールズは裏切りの原因の一つに自分も関わっている事を聞かされ苦虫を噛み潰した様な表情をしている。

「なるほど、昨晩のラ・ヴァリエール嬢の目覚めとヒュー君の説明で子爵は連中の虚言を知ってしまった。
 信じていた拠り所の真実・虚言を知った為、これ以上連中に服従する事ができない。そういう事だな?」

鋭い視線をワルドに注ぎながらウェールズが詰問すると、ワルドは黙したままウェールズを見返す。
その沈黙を是と取ったのか、ウェールズはルイズに向き直ると改めて話しかける。

「さて、ラ・ヴァリエール嬢。個人的には何らかの処罰を与えたい所だが生憎と子爵はトリステインの貴族だ。僕が処罰を与えるのは筋違いというものだろう、ここはアンの女官である君の意見を尊重したいのだが。」

ウェールズからの質問に暫く考え込んでいたルイズは、ワルドに質問をした。

「どうしてここで告白しようと思ったの?黙っていれば貴方がレコン・キスタだなんて誰も信じなかったでしょうに。」

ルイズの言葉にワルドは苦笑すると「メイジのいや、貴族の……そして男としてのプライドだよ」と告げる。

「貴族と男のプライド?」
「そう、僕はねルイズ。イーグル号の中で君の使い魔と賭けをしたんだ。僕達がアルビオンにいる間にルイズ、君が魔法を使えるかどうか……とね。
 結果はこの通り、負けた以上負債は支払わなければ。それに先の手紙にも感じた事がある。」
「手紙に?」

ルイズの言葉を聞いたワルドは今まで悔恨に歪んでいた表情から一変、晴れ渡った空の様にスッキリとした表情を浮かべていた。

「『病める貝にこそ真珠は宿る』、だったか。
 あの言葉でもう一度頑張ってみるのも良いかと思ったんだよ。失われたトリステイン貴族としてのプライド、貴族の責務……
いや、レコン・キスタという山師に誑かされて失われた貴族としての生き様を僕は取り戻したい、国が衰えるというのなら守り立て直したい、貴族達が腐っていくのならその者達をどうにかしたいんだ。
 一度は国を、王家を見捨てた位だからね、何だってできる。流石に今の王家に忠誠は誓えない……だけどねルイズ、僕はこう思う事にしたんだ。ならば、忠誠に値する王家になってもらおうとね。
 王家という柱がきちんと立てば国も立ち直る、腐った者達も放逐できる。そうなれば国自体も立ち直るだろう、そう思ったら居ても立っても居られなくなった!
 それに、ルイズ。僕は何よりもまず、一人の男として君の使い魔に負けたくはないのさ。」

ワルドの表情を見、話を聞いたルイズはウェールズに向き直ると自分なりの答えを告げる。

「ウェールズ殿下。私はワルド子爵を信じてみようかと思います。」
「ほう、それは何故だね?言っておくが裏切り者はそうそう信じられるものではないと思うんだが。」

その瞳に暖かいものを浮かべながらウェールズはルイズに問いかける。

「ええ、確かに全面的に信じられるとは申しません。
 ただ私は信じたいのです、子爵が言った貴族のプライドというものを……男の意地というものを。ウェールズ殿下が戦おうとしているのも男の意地というものでございましょう?
 殿方がそういう言い回しをするという事は並々ならぬ覚悟があっての事と存じます、ならばこそ信じてみようと思いました。
 それに、子爵がもし偽りを申していたならば、それは己が貴族である事を自ら否定するだけではなく、殿方としての価値そのものに関わりましょう。」

そこまで言うとルイズはウェールズを真っ直ぐに見据えて微笑んだ。

「なるほど、確かにその2つを賭けるとするならば並々ならぬ覚悟とみて良いだろう。ならば僕からは何も言うまい、ワルド子爵、くれぐれも彼女の期待を裏切る事が無いように祈っているよ。」

ウェールズはそう言うと、持っていたワルドの杖を返すと、ルイズ達に背を向け礼拝堂から去って行く。
残された2人は何も言わずただ座っていた。

どれ程の時間が経っただろうか、外では王党派の人々が最後の戦いの為に動き回っているのか、その喧騒が礼拝堂の中にまで聞こえてくる。
ルイズの傍に立つワルドは頃合いだと感じたのか、ルイズに脱出を促す為に話しかけようとした正にその時、ルイズは<始祖のオルゴール>を開いた。
何事かと訝しがるワルドを無視して、ルイズは“ディアーナ”に指示を出す。

「“ディアーナ”、今から私が良いと言うまで録音してちょうだい。」
【録音のレベルは如何いたしましょう。】
「最大で、貴方が録れる範囲でお願い!」
【承知致しました、マスター・ルイズ】

それから十分程だろうか、おもむろに<始祖のオルゴール>を閉じたルイズは矢継ぎ早に“ディアーナ”に命じる。

「録音はもう良いわ。“ディアーナ”、私達の会話以外に……何と言うのかしら、何がしかの規則に則った音はある?」
【了解。サンプリングした音声からご要望に該当する周波数を割り出し音声化します、少々お待ち下さい。】
「ルイズ、一体何を始めたんだい?」

“ディアーナ”との会話が途切れた事を察して、ワルドはルイズに何をしているのかと話しかける。
問われたルイズは言葉を選びながらではあるが、ワルドの質問に答えた。

「昨日の夜、<始祖のオルゴール>を開けた時の事を覚えてる?」
「ああ、君が『虚無』に目覚めた記念すべき時だったからね、よく覚えているとも。」
「そうね、確かに私が魔法を使えるようになった記念すべき時だったわ。
 だけど本当に重要なのはそこじゃないの、重要なのは“私”にだけ<始祖のオルゴール>の音が聞こえたという事実。
 多分、王家のルビーは嵌める事で虚無の担い手である人物に、<始祖の秘宝>の中にある情報を伝える様にしているんだと思う、<始祖のオルゴール>の場合は音として認識されるんでしょうね。
 それと同時に、担い手の状態を確認して伝えるべき魔法を選別しているんだわ。」
「担い手の状態を?何故そんな事が分かるんだいルイズ」

そう聞き返してくるワルドにルイズは顔を向けながら昨晩の事を例に挙げた。

「昨晩、私が『虚無』の呪文を修得した時こう言っていたわ“初歩の初歩の初歩”と、ならば『虚無』にはいくつかの段階があるのよ。
 そして、担い手がどれ位のレベルにいるかどうか判別して、伝えるべき呪文を判別しているんだわ。」
「なるほど、君が『虚無』に目覚めたばかりだという事を鑑みて、最も易しいとされる呪文を伝えたのか。
 ところで伝えられた『エクスプロージョン(爆発)』というのはどういった呪文なんだい?」
「実際に使ってみるまではっきりとは言えないけれど、現在の王党派を救うだけなら十分な威力を持っていると思う。」

淡々としたルイズの言葉に真実を感じ取ったワルドは息を呑んだ、彼女の言葉が真実ならば“初歩の初歩の初歩”というレベルの呪文でトライアングルスペルを凌駕する威力を持つ事になる、それは正しく伝説の力と言っても過言ではないだろう。
そう考えているワルドを他所にルイズは言葉を続ける。

「でね、何を始めたのかというと『エクスプロージョン(爆発)』以外の初歩の呪文を探しているのよ。」
「『エクスプロージョン(爆発)』以外の呪文?初歩以上の呪文を求めないのかい?」
「ええ、『エクスプロージョン(爆発)』がどれ位消耗する呪文なのか分からないし、初めは初心者向けの呪文を修得する事を優先させようと思うの。
 貴方だって最初はドットスペルしか使えなかったでしょう?」

ルイズのその言葉にワルドは空恐ろしいモノを感じた、普通の貴族はランクが上がった途端に使用できる最大級の呪文を連発しようとする、斯く言う自分も昔はそうだった。しかし目の前の少女は違う、強力な伝説の力を手に入れたにも関わらず、それに溺れることなく冷徹に手に入れた力を見極めようとしているのだ。

「そうすると君は王党派の援護をするつもりなのかい?」
「ええ、それに貴方も承知していると思うけど、王党派が潰されたら次はトリステインの番だわ、できるだけダメージを与えて足を止めるべきでしょう。」
「しかし、相手には例の指輪がある。いくらダメージを与えたところで……」
「そこはヒューに任せるわ。」

いきなり出てきた使い魔の名前にワルドは疑問を抱いた、彼女の使い魔は昨晩遅く“野暮用”と言って姿を消したっきりだ、昨晩の様子からすると二人で何かを計画していたとも思えない。
訝しげにしているワルドに気が付いたのか、ルイズは根拠になる思い出を話し始める。

「私がヒューを呼び出す少し前、彼が関わった事件があったのよ。」
「事件?」
「ええ、他人の頭の中を別人に変えてしまう魔法を使った陰謀があったらしいの、国が関わる位のね。」

ルイズのその話にワルドは言葉を失った、そんな魔法聞いた事も見た事も無かったからだ。
とっさに反論しようとするワルドを手で制したルイズは話を続ける。

「安心して、ハルケギニアの話ではないわ、あくまでもヒューが住んでいた東方の話よ。
 まぁ、結果としてヒューと友人達の行動でその陰謀は未然に防がれたんだけど、犠牲者が出なかったわけじゃないの。」
「なるほど、同じ様な方向性の力を持つ<アンドバリの指輪>は彼にとってみれば、その事件と同じ様に思えるのかも知れないな。」
「ええ、上手くすればレコン・キスタをアルビオンで封じる事ができるかもしれない。」
【マスター・ルイズ、一部音声化が終了しましたが如何いたしましょう?】

ルイズが話し終わるのを見計らったかのように、彼女の左手首から“ディアーナ”の声が響く。その内容に暫く考えたルイズだったが、時間も無い事と割り切って音声化が終了したものを逐次聞く事にした。

「再生してちょうだい」
【了解しました、ではファイル1から順次再生いたします。】

そうして再生された呪文は『エクスプロージョン(爆発)』を含めて3つあった。
様々な幻影を作り出す『イリュージョン(幻影)』と、あらゆる呪文の効果を打ち消す『ディスペル(解呪)』である。
残りの音源は様々な旋律が入り組んでいる為、解析に時間が掛かるという。
ルイズは“ディアーナ”に以降の解析は慎重に進める様に命じると、ワルドと共に礼拝堂の扉を開け放って光差す世界へ歩き始めた。
それは、ルイズが初めてメイジとして歩き始めた瞬間でもあった。


王党派とレコン・キスタの決戦まで後、3時間




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