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  • ソーサリー・ゼロ背景-06

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ソーサリー・ゼロ背景-06

最終更新:2009年10月31日 20:37

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 彼は奇妙な存在だった。
 どこにでも居るような若い男であり、いかにも平民といった風情の姿をしているのだが、それでありながら、どこかハルケギニアの人々とは違った、
異質な雰囲気を漂わせていた。
 元はといえば、二十日余り前に、タバサと同学年であるひとりの少女――貴族でありながらいかなる魔法も使えないために、≪ゼロ≫という
不名誉なあだ名をもつ――によって≪使い魔≫として召喚され、魔法学院へとやって来たのだ。
 現れた直後に、少女の唱える≪コントラクト・サーヴァント≫の呪文を攻撃性のある魔法と勘違いしたのか、剣を振りかざして暴れようとしたが、
その場に居合わせたタバサが≪ウィンド・ブレイク≫で吹き飛ばして失神させたため、事なきを得た。
 通常は鳥や獣、ときに幻獣が呼び出されるはずの≪サモン・サーヴァント≫において、人間が現れるというのは前代未聞の珍事であったが、
真に学院の者たちを驚愕せしめる事件は、召喚の翌日に起きた。
 彼は、食堂でとある生徒と揉め事を起こし、ついには決闘沙汰にまで発展した。
 主人である少女が必死で止めるのも聞かず、『ヴェストリの広場』で決闘に及んだ彼は、剣で青銅ゴーレムを打ち砕き、さらには、
誰も見たことのない奇妙な魔法の道具を用いて、勝利を得たのだ。
 娯楽に飢えた少年少女たちが野次や声援を飛ばすなか、人垣に混ざって決闘を見届けていたタバサは、彼とその道具に対してわずかに興味を覚えたが、
すぐに思考の埒外に置いた――イザベラ王女からの、出頭命令が届いたためだった。
 タバサが彼に驚かされたのは、決闘の一週間後に起きた別の事件においてのことだった。
 天下を騒がす怪盗≪土塊のフーケ≫が≪エルフの魔法書≫を奪ったことによって引き起こされた、この騒動にタバサは巻き込まれ、
友人のキュルケとともに翼ある大蛇と闘う羽目に陥ったのだが、その闘いの中でタバサは、常識外れの光景を目にした。
 彼が、杖も無しに≪ファイヤーボール≫の魔法を思わせる火の玉を作り出し、大蛇を一撃のもとに倒したのだ。
 闘いの後、疑問が彼女の頭を占めた――彼が使ったのは、決闘のときに使ったような魔法の封じられた品物か、それとも≪先住の魔法≫か。
 彼がそれらしき道具を手にするところを見かけなかったため、前者の可能性は低かったが、後者はさらにありえないことだった。
 自身も≪先住の魔法≫の使い手であり、主人とともに闘いの場に居合わせたシルフィードによれば、彼からは何の精霊の力も感じられなかったというのだ。
 ≪四大系統≫でも≪先住の魔法≫でもない、未知の力を操る異邦人に対する興味はいや増したが、タバサは彼に関する情報を集めたり、
直接に話をしようとはしなかった。
 誰かに興味を示すところを見られれば、別の誰かの注意を惹くことになる。
 彼女は極力、学院内で目立つような真似はしたくなかったのだ。
 そのまま一週間以上が過ぎたある日――正確にはアンリエッタ王女が学院を行啓した日――タバサと彼の関係は、劇的に変化した。
 王女を歓迎する式典から早々に抜け出したタバサは、シルフィードのもとへ向かうことにしたのだが、そこで彼女が見たものは
なんとも異様な光景であり、しばらくの間、呆けたように立ち尽くすことになった。
 なにしろ、後脚で器用に立ち上がったシルフィードが、彼の吹き鳴らす竹笛の音に合わせて踊りらしきものを見せ、楽しげに歌を口ずさんでいたのだから!
 気を取り直したタバサは彼らに近づくと、気まずそうな表情をする彼に告げた――シルフィードの正体が人間の言葉を操る韻竜であることは秘密にせよ。
 かわりにこちらも、彼が魔法使いであることは黙っておくから、と。
 彼は取引に応じ、シルフィードのことは誰にも話さない、と耳慣れぬ異国の神の名において誓った。
 彼とタバサ、そしてシルフィードのふたりと一頭は、互いの秘密を守りあう、不思議な関係になったのだ。

 アルジャンタン地方での吸血鬼退治の任務を終え、学院に戻ってきたタバサは、寄宿舎の玄関で彼と出くわした。
 彼はタバサと話がしたいと言った――ちょうど彼女も、同じことを考えていたところだ。
 タバサは、ふたりきりで話をするため自室に彼をいざなったが、彼の質問には黙ってうなずくか、かぶりを振るか、さもなくば、何の反応も示さなかった。
 石のように押し黙った相手を前にして、いくらか苛立った様子を見せはじめた彼に向かって、タバサは問いかけた。
「あなた……癒しの魔法は使える?」と。
 返ってきた答えは肯定であり、望みの持てるものだった。
 タバサの母親を苦しめている毒は、いかなる≪水≫の魔法も通用しない恐るべきものだが、彼の操る魔法はハルケギニアの常識の外にあるのだから、
試してみるだけの価値はある、とタバサは考えた。
「その魔法は、心に影響を及ぼすような病には効くの? 何年も続いている症状を治せる? 必要な秘薬は貴重なもの?」
 タバサは、普段の寡黙ぶりからは想像もつかないほどの勢いで、矢継ぎ早に質問を繰り出した。
 質問攻めにあった彼は困惑の表情を見せ、実際にやってみないことにはなんとも言えぬと答えるばかりだ。
 彼が、病に臥せっている家族でも居るのかとに質問してきたので、タバサはそうだと答える。
 それを聞いた彼は、では自分の術を試してみたいので、次の≪虚無の曜日≫にでも患者のところまで連れて行ってはくれないか、と言った。
 タバサは黙って頭を下げ、肯定と感謝の意を示した。
 彼女は表情には示さなかったが、内心では少なからぬ驚愕とわずかな疑念を覚えていた――自分のような愛想ひとつ振りまかぬ者を相手に、
見返りも求めず善意を示してくれる人物は、キュルケを除けば彼が初めてだった。

 彼との用件は済ませたので、話を切り上げ、ひとりになろうかと考えたタバサだったが、彼女の脳裏にはシルフィードのある言葉が引っかかっていた。
 任務を終えた帰路、彼女はこう言った――「すごく遠くの国から来て、いろんなことを知ってるみたいだから、もしかしたらあの怪物のことも知ってるかも!」
 タバサには、あの吸血鬼は彼と同じ国からやって来たのではないか、という直感めいた思いがあった。
 彼と吸血鬼はまったく似ていないが、それでもわずかに、共通した雰囲気が感じられるのだ――ハルケギニアよりもずっと古めかしく、野蛮で荒々しい、
危険に満ちた世界独特の。
「もうひとつだけ、訊きたいことがある」
 タバサは彼を見据えると、抑揚に乏しい声をあげた。
「あなたの国にも、吸血鬼はいる? いるなら、特徴を教えてほしい」
 意外な質問に、彼は面喰った様子を見せたが、ひとつ咳払いをすると、≪旧世界≫――彼の祖国がある大陸――における吸血鬼が
どのようなものであるかについて語りだした。

 彼の語る吸血鬼は、ハルケギニアに潜み棲む同名の妖魔とはまったく異なった存在だった。
 人間とよく似た姿をしており、長く伸びた牙で人間の首筋に咬みつき、その生き血をすするのは同じだが、共通点はそれだけだ。
 ≪タイタン≫の吸血鬼は妖魔でも亜人でもなく、そもそも生き物ですらない。
 一度死んだはずの人間がどういうわけか甦った、『不死』と呼ばれる怪物であり、死者であるがゆえに、尋常の方法で傷つくことはない。
 おもな武器は人間離れした怪力だが、獲物を捕らえるためには、強力な催眠効果のある視線を用いることもある。
 赤く輝く眼を覗き込んだ者は自分の意思を失い、呆然と立ちつくして、血を吸われるがままになってしまうのだ。
 それらの能力だけでも充分に脅威だが、さらに恐ろしいことに、吸血鬼は人間を自らの同族へと変えてしまう力を持つ。
 気に入った人間のもとに三晩続けて現れ、少しずつ血を吸い、同時に、人間を吸血鬼へと変貌させてしまう一種の毒を注ぎ込んでいくのだ。
 三晩めに犠牲者は死んでしまうのだが、すぐに吸血鬼として甦り、新たに恐怖を撒き散らすことになる。

 死者が甦り生者に害をなすという、にわかには信じがたい話を聞きながらも、タバサは確信する――あの怪物は間違いなく、
彼の語る吸血鬼と同じ種族であると。
 怪物は≪エア・カッター≫も≪ライトニング・クラウド≫も通用しない不死身の肉体を誇り、赤く光る眼でタバサの意思を奪い、さらには、ローザに≪印≫を付け、
彼女を己の≪血族≫へ変えようとしたのだから。
「咬まれたのが二晩だけなら助かる?」
 ローザの身を案じたタバサは、彼に問いかけた。
 彼はうなずくと、三晩めに血を吸われて死ななければ吸血鬼になることはない、襲われた者もいずれ健康な体に戻る、と答える。
 それを聞いたタバサは、内心でほっと胸を撫で下ろした。
 タバサはメルドープを離れる際、任務に対する協力への報酬として、ローザに十日ぶんの宿賃を渡しておいた――それだけ休めば、
失血で弱っていた彼女も元気を取り戻し、旅芸人の仕事に復帰できるだろう。
 安心したタバサは、吸血鬼について、より多くのことを知りたくなった。
 あの異常きわまりない怪物の同族と、再び闘う機会があるとも思えないが、自分が闘った相手のことを知っておいても損はないと考えたのだ。
 並外れた読書家であることからも判るように、彼女の知的好奇心は非常に旺盛だった。
 まずは怪物への対処法を知ろうと考えたタバサは、彼に問いかけた。
「どうやったら死ぬ?」
 その言葉を受け、彼は吸血鬼の弱点について語りだした。

 吸血鬼はなぜか大蒜(にんにく)を忌み嫌うが、これを突きつけてみたところで、時間稼ぎにしかならない。
その生命なき肉体に武器や火は通用しないが、銀でできた武器だけは吸血鬼を傷つけることができ、殺すことさえ可能だ。
 しかし、このやり方は根本的な解決にはほど遠い。
 死んだ吸血鬼からその霊魂であるコウモリが出現すると、どこへともなく飛び去り、数日後には本来の姿を取り戻してしまうのだ。
 直射日光を当てれば一瞬にして崩れ去り塵と化すというが、曙光の兆しが訪れるやいなや吸血鬼はねぐら
――大抵の場合は、地下の納骨堂に置かれた棺の中――へ逃げ帰ってしまう。
 彼らを倒す最良の方法は、心臓に杭を突き刺すことだ。
 心臓を貫かれると、怪物は苦悶のうちに死んでいく。

タバサは、自分が図らずも怪物の弱点を突いていたことを知った。
 不死身と思われた怪物は、タバサが夢中で放った≪ウィンディ・アイシクル≫に心臓を貫かれ、あっけなく死ぬことになったのだ。
 偶然によって勝利を得たことを知った彼女だったが、彼が次に口にした言葉に、おのれの耳を疑った。

 杭が引き抜かれると吸血鬼はふたたび甦ってしまうため、その体を炎か陽の光によって灰にしなければならない。

 タバサが怪物の死体を最後に見たのは三日前、メルドープの寺院の地下室でのことだった。
 仰向けに寝かされた死体の胸には氷の矢が刺さったままだったが、それは時間の経過にともなって溶け、小さくなっていた。
 氷が溶け、矢の形を失った時点で、おそらく吸血鬼は復活するだろう。
「……終わってない」
 やや青ざめた顔をして、タバサは小さくつぶやいた。
 どうしたのだという彼の問いを無視して、タバサは床に放り出していた鞄を拾い上げ、身の丈よりも長い杖を手にすると、窓を大きく開け放つ。
 困惑した表情の彼の方に振り向いて一言、
「出かける」と告げると、
高く響き渡る口笛を吹き鳴らした。
 たちまち窓の外に飛んできたシルフィードは、翼をはばたかせながら空中にとどまり、自分の背に主人が飛び乗ってくるのを待つ。
「≪虚無の曜日≫までに戻る」
 窓枠に片足を掛けた姿勢でタバサは言った。
「薬を」
 そう言い残すと窓の外に飛び出し、シルフィードの背中へと降り立った。
「アルジャンタンへ。急いで」
 タバサが行き先を告げると、シルフィードは大きく翼を広げて舞い上がる。
「お姉さま、そんなに慌ててどうしたの? 忘れ物? 長旅に疲れておなかを空かせた、かわいそうな使い魔をこき使うだけの理由はあるんでしょうね?
うう、シルフィはこれからごはんだったのに……」
 疑問と不満を一度に吐き出すシルフィードの背の上で、タバサは思考を巡らせる。
 甦った吸血鬼は、どう動くだろうか。
 メイジが油断ならぬ相手であることを思い知った怪物は、アルジャンタンの地から逃げ出す――この考えはあまりに楽観的すぎる。
 逆に、復讐のためにタバサを捜し求める――吸血鬼の執念深そうな顔つきからしてありうる話だが、その前にやるべきことは、別にあるはずだ。
 タバサは頭の中で、自分が吸血鬼ならどうするかを考えた。
「長い眠りからの目覚め……空腹と喉の渇き……腹ごしらえ……人間の血……」
 我知らず考えを口に出していたが、それはシルフィードの鋭い耳でも捉えきれぬほどの、小さなつぶやきにすぎなかった。
「誰でもいい? いや、どうせなら……」
 そこまで言って、はっと息を呑む。
「弱っていることは知っている……居場所もわかる……≪印≫で……三回目の夜……≪血族≫……」
 じょじょに声は大きくなり、それに気づいたシルフィードが長い首を曲げ、主人のほうを振り返る。
「きゅい? どうしたの、お姉さま?」
 タバサはぽつりと、しかし重々しい口調で答えた。
「ローザが危ない」

 ハルケギニアの夜空に浮かぶ大いなる兄弟の片割れ、青の月は、メルドープの町をおぼろに照らしていた。
 強行軍を終えて疲労困憊のシルフィードを町のはずれに置き去りにして、タバサがまず駆けつけたのは、寺院だった。
 彼女の予想通り、吸血鬼の死体は地下室から消えうせていた。
 タバサが司祭から聞き出したところによれば、彼女がこの町を発った翌日の朝、死体に異状はないかと見回りが行われたが、
その時点ですでに死体は消えてしまっていたというのだ。
 『リュティスから来る調査隊に引き渡すまで死体を安置し、何者の手にも触れさせぬこと』という指示は厳格に守られていた
――扉は鍵を掛けて閉ざされ、地下への入り口には衛兵が立てられた。
 しかし、死体はどこにもなく、後には小さな水溜りが残されているだけだった。
 扉のほかに地下室から外へ出る手段といえば、天井に設けられた通気口くらいのものだが、鼠や猫ならともかく、人間がくぐり抜けられる大きさではない。
 ましてや、あの吸血鬼はそびえ立つような長身の持ち主だ。

 タバサが次に向かったのは宿屋だったが、そこでも不可解な消失が起きていた。
 吸血鬼の死体が消えたことが明らかになった朝、旅芸人のローザもまた、宿の一室から姿を消していたのだ。
 寝台のシーツは妙に乱されており、小さな血の染みが残っていたが、助けを求める声や物音を聞いた者は皆無だった。
 財布や毛布など、彼女の荷物はすべて部屋に残されていたが、ただひとつ、レベックだけが見つからなかった。

 タバサはひとまずシルフィードと合流することに決めた。
 宿を出る前に厨房に立ち寄り、目当ての物を手に入れたタバサは、急ぎ足に町外れへと向かいながら、考えを整理した。
 ただやみくもに探したところで、吸血鬼もローザも見つかりはしないことは明白だ。
 しかし、タバサは学院で重大な手がかりを得ていた。
 彼の知識と彼女の読みが正しければ、吸血鬼は明日の夕方までに、今度こそ本当の最期を迎えることだろう。
 ローザの行方を示す手がかりはどこにもなかったが、彼女がどうなったかは容易に想像がついた――考えるだにおぞましいことだったが。
「助けられなかった」
 つぶやきが口をついたそのとき、レベックの緩やかな旋律が夜風に乗って流れてきた。
 驚きに目を見開いたタバサだったが、すぐに音がどこから流れてくるかを聴きわけ、その方向へと走る。
 空気の流れを敏感に感じ取る≪風≫のメイジならではの芸当だ――音とはつまるところ、空気の振動なのだから。
 音の源を求めて走ったタバサは、道から百ヤードほど外れた狭い草地に、ひとりの女が立っているのをを見出した――それは、ローザだった。
 特徴的な黒みがかった赤い髪を下ろして風になびかせ、肩に構えたレベックを、弓を用いて奏でるその姿は、おぼろな月明かりとあいまって
幻想的なものだった。
 ガリアやトリステインのものとはまったく異なった異国風の旋律は、タバサにとって聴き慣れないものだったが、どこか物悲しく、胸を打つものだ。
 タバサが草地に進み出ると、ローザはレベックを奏でる手を休め、微笑んだ。
 その眼はなかば閉じられており、タバサの姿が映っているかどうかも定かではなかった。
「こんばんは、騎士さま。素敵な夜ですね」
 その声はものうげで、どこか皮肉な響きがあった。
 タバサは挨拶に応えず、両手で杖を構え進み出る。
「いずれ、メルドープにお戻りになるだろうとは思っていましたが、こんなに早いとは驚きです。喜ばしいことですが」
 ローザは、ひとり悦にいっているような口調で
「初めての獲物は、あなたにしようと決めていましたから」と言うと、
にっと唇を歪めた。
 そこには、月明かりの下でも見間違えようのない、一対の鋭い牙が突き出していた。


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