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  • あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ
  • ゼロの少女と紅い獅子-10

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロの少女と紅い獅子-10

最終更新:2010年03月11日 04:44

匿名ユーザー

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  • ゼロの少女と紅い獅子



 街は騒然となっていた。
 あちらこちらで火の手が上がりメイジや武装した兵士が戦闘を始めている。
 奇襲のために待機していた連中が炙り出されたか、元々こういう作戦なのかは不明だが。
 反乱軍は積極的に市民を攻撃するそぶりこそ見せないが、無差別に攻撃魔法を叩きこんでは多くの巻沿いをみ出していた。

 詰め所を脱出した一行はその喧騒から逃れる為、一路郊外に向かって進んでいた。途中何度かメイジや兵士が立ちはだかったが、それらはことごとくワルドに無力化された。
 やがて大きな街道に出た。幸い周囲に反乱軍の姿は見えない。街道は街を外れて田舎に向かっている。
 ワルドはウェールズから借りたメイジの一人に告げる。
「この後は君達に任せる。我々にはまだ任務があるからな」
「お力添えに感謝いたします。ブリミルの御加護があらんことを」
 メイジや一行は感謝を述べると街道からゾロゾロと街を後にした。

「どこに逃げたって、戦火から逃げられるとは思えないけどねぇ……」
 去りゆく人々を見ながらフーケが呟いた。
「誰だって命は惜しいさ。目の前に死が迫れば皆逃げる」
 そう言ってワルドは再度辺りに目をやり敵を探ったが、周辺には反乱軍も市民の姿も見えなかった。
 さすがに火をつけて回り、略奪するほどではないらしい。あるいは後から計画的に略奪するのかもしれないが。
「さて……任務はいいが、このままでは賊の手がかりを掴むのも苦労しそうだな。まさか当てもなくアルビオンを彷徨うわけにもいくまい」
「ワルド、ゲンやウェールズ殿下とはどうやって合流するの?」
「うむ、期を見て少し戻ってみるつもりだが、まあ、オオトリ君がいれば少なくとも危害はあるまい」
 その言葉にルイズが複雑な表情を浮かべた。

 学園を出るとき。いやラ・ロシェールを発つ時ですらこんな事になるとは想像もしていなかった。赤と黒のブサイクドラゴン――確かギラスとか言ったか――に襲われる方が、ある意味ではマシだったかもしれない。自分達は国家の存亡に関わろうとしているのだ。
 確かに最早アルビオンは国家としての体を成してはいない。しかしウェールズが存在しレコン・キスタを認めない限り彼等は賊軍のままだ。
 ましてや彼等は状況から察するにジェームズ王を既に虜に、いや殺害してるだろう。
 この現状で待っているのは介入戦争だ。ただ、空中を飛ぶアルビオンにおいそれと手を出せる国はそうないが。
 それでも、ウェールズを立てればまだ大義はある。トリステインは小国だが、ゲルマニアやガリアあたりが本気になればいくらレコン・キスタと言えど打ち負かすだろう。
 逆にウェールズが亡き者になればそれこそ何とでもなる。適当な言葉を並べて――実に不謹慎だが――予言でも何でも捏造すればいい。
 抜け掛けが出来ないのはどこも同じ。他国もそう簡単には攻め込めない。まさかレコン・キスタも本気で聖地を狙ってるとは考えにくい。

 ルイズは身を震わせた。ウェールズの生存如何でハルケ・ギニアの勢力図は大きく変わるかもしれない。
 その護衛の一人に自分の使い魔が混ざっているのだ。
 護衛の失敗を恐れているのではない。あまりの見通しの立たなさが恐ろしいのだ。ここまで巻き込まれて、このいざこざが終わって「ハイ、サヨウナラ」と言う事にはなるまい。任務を中断させてでも彼の安全を確保しなくてはならない。
 ならばどうするか?
 トリステインに連れ帰るのが一番手っ取り早い。だがそれは母国に戦乱の火種を持ち込むことになる。

 ――どーするのよ……。

 最近、急速に増えつつあるため息をついたルイズを見てワルドが口を開く。
「考えていることが大体理解できるぞ、ルイズ。まあ、こうなった以上一旦戻るしかあるまい。ウェールズ殿下の安全保障的にも、な」
「で、でもトリステインに連れて帰ったら……」
「しかたあるまい……。枢機卿はいい顔をしないだろうがな」
 そして、詰所のある方角を見て続けるワルド。
「問題は、殿下がそれを望むかどうかだ」


「奇跡だな。或いはまだブリミルは我らを見放していなかったか」
 ウェールズの呟きは、軽い自嘲を含んでいた。
 二度目の襲撃を何とか撃退したウェールズらは詰め所をから脱出し、近くの空き家に逃げ込んでいた。
 賊の撃退には成功したものの、被害は甚大だった。もともと少なかった味方のメイジは更に何人かが打ち取られ、残る者も皆大なり小なり傷を負っていた。中には虫の息の者もいる。
「もっとも、ここを嗅ぎつけられるのも時間の問題だろうが」
 そう言って、配下の者達を見渡した。
 傷つき打ちのめされても尚、彼らの目は腐ってはいなかった。そして、ウェールズが彼らに下す命令を待っている。
 おそらくは最後の命令を。
 その眼差しを受けてウェールズがすっくと立ち上がった。古びた家屋の中にあってもさすがの凛々しさである。
「私は貴公らの様な家臣もって大変光栄だ」
「むう、ならば一番手柄を立てて益々殿下の覚え良くならねばなりませんな」
 ある家臣の芝居がかった一言に一同がどっと沸いた。

 その光景をゲンは少し離れて見ていた。
 複雑な心境だった。本来ならば玉砕覚悟の突撃など、思いとどまらせるところだ。
 だが彼らは少々状況が違う。
 戦いに敗れ、自分たちの国をほとんどを奪われ、そして今、憎き敵は彼らの首を取らんと肉薄している。
 逆転の道が無いならば、せめて一矢報いて花と散る。それはそれで理解できる。

 だが、彼らには守るべき民が居る。民もまた彼らを当てにしてあの詰所に集っていたのではないのか?
 民を統治する者はその最期の瞬間まで民とともに在るべきではないのか?
 それとも、ウェールズ達にとって民はそのような対象ではないのか。

 ――或いは、彼らが見限られたか。


「君。そう、たしかヴァリエール嬢の従者であったかな」
 ゲンの黙考を打ち破ったのはウェールズだった。このような状況にもかかわらず口元には笑みを浮かべている。
「ここまで、よく戦ってくれた。君が居なくてはもう我等は生きてはいなかったであろう。礼を言う」
「いえ……勿体ないお言葉です」
 頭を下げつつも、渋い顔はすぐには隠せない。ゲンはそこまで器用な男ではなかった。
 その表情を勘違いしたかウェールズが続ける。
「あぁ、心配せずとも君にまで付き合えとは言わんよ。君はヴァリエール嬢達と早々に合流したまえ」
 その心配はもっともな事であったが、ゲンはその言葉に即座に答えることはできなかった。
 なおも逡巡する彼に流石にウェールズも怪訝な表情になる。
「恐れながら殿下、お尋ねしたい事がございます」
「む? 構わぬが」
「殿下は……。この後のアルビオンと貴方の臣民をどうお考えです?」
 意外な方向の質問に一瞬ウェールズは表情を失う。
 そして、その言葉の意味を咀嚼するうちに何とも言えない表情になっていった。
 やがて、それは自嘲の色を増し行く。
「……君は知らなかったのだろうな。此度の戦いは外部からの侵略では無い。わが臣下が、そそのかされたとは言え反乱を起こしたのだ。
 反乱を抑えきれぬ王族に臣民は着いては来るまい。城すら失った王族は討ち死にするのみだ。虜の辱めは受けんよ」
「ならば、人々は何故あの詰所に集まったのです?」
「為政者の庇護を求めて集まったのではあるまい。彼らは助けてくれれば誰でも良いのだよ」
「それでも彼らは殿下と家臣団の皆さんの力を頼りにしてるのですよ」
 しぶとく食い下がるゲンにウェールズは煩げにかぶりを振る。
「私は……もう、彼らを庇護する義務はない」
 その言葉で場が沈黙した。家臣のメイジ達も押し黙っている。ウェールズ本人も口には出したくなかったのだろう。表情からは自嘲の笑みも消え失せ、苦しげな表情を浮かべている。
 それでもゲンは言葉を絞り出さずにはいられなかった。
「……殿下が王族なのは城があるからですか、領地があるからですか。そうでは無いでしょう……!」
 これには流石に家臣も気色ばんだ。杖に手をやり、ズイっと一歩踏み出してくる。
「無礼な、下郎めが。言葉を慎め!」
「殿下、平民の言葉に惑わされてはなりませんぞ」
 口々に罵倒を口にするメイジ達。
 その内の一人が興奮してゲンに詰め寄った。
「平民の分際で我等貴族、ひいては王族たるウェールズ殿下に良くもその様な言葉が吐けたものよ!
領地を追われた口惜しみ、城を追われた口惜しみ、忠誠を誓う王を守りきれぬ口惜しみ、貴様ごときに何がわかるか。戦場に出ぬ貴様らに罵倒されるいわれなど無いわ!」
 他の家臣たちもそうだ、と言わんばかりにゲンを睨みつける。
 確かに彼らにしてみれば、剣折れ矢尽き、最早これまで。ならば敵と刺し違えてでも、と言ったところでこのセリフを浴びせられたなら、無粋な闖入者にしか映らない。
「……知っている」
 何の事か理解できたのはゲン本人だけだっただろう。
「何と?」
 呆けた様にメイジの一人が尋ねた。
 亡国の王子が続ける。その顔は古傷を抉られ苦痛にゆがんだ。
「知っている。国土を破壊され、弟を囚われ、王を目の前で殺された時の、無力さを、口惜しみを俺は知っている」
 場を沈黙が支配した。
 冗談と笑い飛ばすには、ゲンの様子は尋常ではなかった。
 ゲンは奥歯を噛みしめ、拳を握り黙してしまった。固く閉じた拳が小刻みに震えている。 
 家臣たちも互いに顔を見合わせしきりに口は動くものの、重い静寂がそれに蓋をする。
「一体、君は……」
 ようやくウェールズが口を開いた時。
「アアァァァ……!」
 断末魔が突然戸口から響いた。恐らくは外に待機していた刺客がやられたのだろう。
 だが、誰がやったのか? 援軍は期待できない。
 決して喜んで良い状況ではなかった。
 先程までとはまた違った緊張が支配する。皆一様に戸口に注意を払う。

 唐突に扉が開いた。と、言うよりはブチ破って何かが放り込まれたと言ったほうが正しい。その物体が明らかになるとメイジ達の間に戦慄が走った。
 黒焦げになった人間の死体であった。どういう力が働いたか、体のあちこちがおかしな方向にひん曲がっている。
 メイジ達の戦慄はこの死体そのものに向けられた物ではない。その原因に対してである。
 ズルリ、と重たげな移動音が聞こえたのは直後だった。再び皆も注目が戸口に向く。

 実に形容しがたい生物が――これを生物と認めるとするならばだが――そこに居た。
 全長3メイルと言ったところ。石のような肌、真っ赤な目、カエルのような面だが亀の様な首をもち甲羅を背負っている。
 何より異質な事に、本来手足があるべき場所は管の先のようになって広がっている。
 皆言葉を失った。それはあまりにも理解の範疇から逸脱しすぎている。

「な……何だ、コレは?」
 一人がもっともな疑問を口にする。そしてそれに対する回答はすぐに行われた。
「キィシャアアァァァ!」
 突然、バケモノが口を開くと同時に真っ赤な舌が飛び出した。一瞬にして近くに居たメイジの首に絡みつく。
「ゲェッ!」
 それこそカエルの様な悲鳴を残して、そのメイジの体が力無く崩れた。一撃で首の骨を折られたのだろう。
 バケモノは哀れな犠牲者を長い舌で振り回し、無造作に放り投げた。
「うっ……おおおおお!」
 しかし訓練されたメイジである。いかにショックを受けようと、たちまちの内に臨戦態勢となる。無数の炎の矢が、氷の矢がバケモノに殺到した。
 しかし、それらはいたずらにバケモノを刺激したに過ぎなかった。その不気味な皮膚には傷一つ着かない。
 余りの事に、流石に一行が後ずさる。それに合わせてバケモノが一歩踏み出した。
「デエェェイ!」
 その瞬間、ゲンがバケモノに突撃した。右手にはいつの間にか抜刀されたデルフリンガーが握られている。
 すかさずバケモノが舌で迎撃する。寸分の所でかわすゲン、振りかぶった大剣がバケモノの口内を捕らえようとした。
 しかし、その瞬間。長い舌は突然軌道を変えゲンに巻きつく。
 とっさにデルフリンガーで迎撃しようとしたのが仇となり、右腕の自由を奪われる。
「シャッアアァァァ!」
 大きく振り回されそのままゲンは壁に叩きつけられた。派手な音が衝撃を物語る。
 一瞬息が詰まるも、空いた左手で舌を掴んで捻じり上げながら、ゲンはウェールズ達に向かって叫んだ。
「今のうちに逃げてください!」
「な、……逃げるなど。最早……」
「得体のしれないバケモノにやられて、名誉も無いでしょう!」
「む……う……」
 名誉の死などと言う物はあり得ないというのがゲンの考えであったがここは方便である。
 しかし、ウェールズ達はなおも躊躇する。
「ならば、先に行った私の主人達を応援に呼んできて貰えますか?」
「しかし……君はどうする! 見捨てて逃げるなどはできん」
「ご安心を殿下……」
 ゲンは苦しさをにじませながらもニヤリと笑って見せる。
「私はこいつと戦って勝った事がありますから」
「なっ……! 君は一体……?」
 それでもその言葉で楔が抜けたように一行は別の出口にジリジリと移動を始めた。だが、それをバケモノは目ざとく認めると、ウェールズ達に向かった管のようになった前足を向けた。 
「うおっ!」
 そこから、猛烈な火花が散った。至近距離からこれを浴びれば、確かにそう時間を置かず黒焦げになるだろう。
「このぉ!」
 ゲンが腕を絡めとられたまま突進してバケモノに体当たりした。火花の軌道が逸れる。
「今のうちに! 早く」
「う、うむ。君、死ぬなよ! ワルド殿と合流したら戻るからな」
 そう言い残してウェールズ達が足早に脱出してゆく。
 バケモノが追いすがろうとズルリ、ズルリと体を重たげに動かすが、それをゲンが渾身の力を込めて阻止する。  
「飛んで追いかける事も出来ないところをみると、かなり中途半端に生み出されたようだな」
 ゲンが左手に力を込めながら呟く。その甲は鈍いながらも光を帯びていた。
 その力をもってしても不利な状況だったが、ゲンは目の前のバケモノを逃すわけにはいかなかった。
 円盤生物がハルケ・ギニアで出現した事実。それは、ここにブラックスターの破片が降り注いだ証だ。
 そして、こうもタイミングよく表れたという事は、何者かがその力を理解して使っている証。
 ――マグマ以外にも俺のいた宇宙の奴が居るのか?
 一瞬疑問が浮かんだが、それもすぐに打ち消す。なお、彼には現地人が使っているというのは論外だった。
「おまえを倒して、飼い主を引きずり出してやる……!」
 低く唸るように呟き、ゲンはデルフリンガーを振りかざした。


 ルイズ達は元来た道を戻っていた。兎にも角にも、ウェールズ達一行を放っておくわけにはいかなかったからだ。
 もと来た道を逆方向に向かっているにも拘らず、ルイズは妙な違和感を感じていた。
 それは、あとの二人も同様だったらしい。フーケなどは先程からしきりに辺りを見回している。やがて、ワルドがポツリと呟いた。
「妙だな……」
「妙って?」
 違和感が解消できるかもとの期待もあって、ルイズが返す。
「静かすぎる。さっきまであれ程混乱していたのが、ぴたりと止んでしまってる。あまりに不自然だ」
 歩みを止めてルイズも辺りを見渡す。
 成程、いかに裏路地といえど脱出する時はそこら中から喧騒が聞こえていたのに、今では完全に静まり返っている。 
 レコン・キスタの連中が撤退したのだろうか? 息を潜めて隠れている町人の気配は何とは無しに感じられた。
 しかし、ならば何のためにあれ程の騒乱を始めたというのか。敵の意図をルイズは測りかねた。

 その時、唐突に背後から声がした。
「遅いから迎えに来てあげたわよ、ミスタ・ワルド。女性二人をはべらせて到着とは良い御身分ね」
 その声にびくりと反応したのは女性二人。ワルド露骨に顔をしかめながら、ゆっくりと振り返った。
 女が居た。フードを頭かぶっているのと良い、フーケと背格好が似ているが、更に冷たい感じが窺えた。
 フードの間からは意味もなく浮かんだ薄ら笑いが覗く。
 暫く黙っていたワルドはスッっとルイズの前に移動して口を開いた。
「……どう言う事だシェフィールド。事が性急すぎるのでは無いか?」
 詰問するかのような口ぶりのワルドであったが、シェフィールドは飄々とした態度でそれをかわす。
「思った以上に『アレ』の回収が進んだのよ。お陰でそれなりに使い物になるのが出て来る様になったわ」
「バカが……。感づかれたらどうする気だ。それに『アレ』はお前達が思っているほど使いやすい代物ではない」
「感づかれたら、ねぇ?」
 そう言って、首をかしげて見せるシェフィールド。ワルドは身動ぎ一つせず泰然と佇んでいる。

 一方、ルイズは混乱していた。まったく唐突に表れた女とワルドが知り合いであるのは勿論だが、二人の会話を聞く限りではどう考えてもワルドがレコン・キスタに通じているようにしか聞こえない。
 信じられなかった。王国の騎士団全体でも特に優秀であり、枢機卿の覚えも良い模範的なメイジであるワルドが、よもやレコン・キスタと関係があるなどとは夢にも思わない。
 立て続けに起こる、想定外の事象に彼女の理性は悲鳴を上げそうになっていた。
 ところが、理性と言う物は自分に注意が向くと頑丈に成るものだ。
「……で、その小さい娘が――可能性ね。まだ覚醒していないのかしら」
 シェフィールドが自分の事を言ってるという事を理解するのにルイズは時間を要した。
 そして、あっという間に冷静になる。ただしそれは、氷の塊で無理やり得られた冷静さであったが。
 そもそも、会った事もないこの女が何故自分の事を知ってるかが問題であった。
 ――大体、覚醒って何のこと?
 そして、ひどく冷えた心根は次の一言で凍りつく。
「こっちに連れてきた方が始末しやすいって事かしら? ――勿論、やってくれるわよね」

 ――始末、殺す、誰が? 誰を? 何? 何なの? どうなってるのよ? 私は――
「それは覚醒したらの話だ。 約束は守ってもらおう」
「どうでも良いことだわ。不確定要素は早めに摘み取っておくべきじゃない?」
 懐に手を忍ばせながら、あくまでも余裕たっぷりで応じるシェフィールド。
 その動きに応じるように、ワルドが腰に携えた杖に手をやる。
「あらあら、随分とその娘に執着するのね」
「一つ言っておく。俺は貴様の下僕になった覚えはない」
 そして視線はそのままに、背後で呆然とするルイズに声をかける。
「ルイズ、下がっていてくれ。すぐに終わらせる」
「ワルド、……どうなってるの?」
 色々な疑問が口から溢れそうになって結局言葉にならない。わずかに紡いだその声は今にも泣きだしそうだ。
 ワルドはその疑問には答えず。杖を抜きはらった。
 それを見たシェフィールドの笑みに嗜虐的な要素が加わる。
「解ってるかしら? 貴方は重要だけど、決して絶対じゃないのよ?」
 両者の間で緊張の糸が張り詰める。切れた瞬間、どうなるかは全く予想がつかない。

 その糸は意外な方法でプッツリと切れた。
「おぉ、ワルド殿! 戻ってきておられたか」
 現れたのは、ウェールズ一行であった。偶然にもすぐ近くの建物に隠れていたらしい。
 本来合流は喜ばしいところだったが、ルイズは好機かどうか判断しかねた。
 ワルドがレコン・キスタに通じているならば、最悪の状況である。いかに敵らしき人物と相対してるからと言って、それは自分やウェールズの味方である事とは必ずしも一致しない。
 他方、ウェールズ達が来た事でワルドが取り敢えずはトリステイン貴族の仮面を付け直す事も考えられなくはなかった。
 どちらにしても、突拍子もない状況をすぐに説明するのは実に躊躇われた。
 ウェールズもこの状況に違和感を感じたか、一時は晴れた顔が再び曇っている。
 もっとも、ウェールズはシェフィールドを只のメイジくらいにしか考えていないようだが。
「殿下、誠に恐懼の極みでございますが、ルイズ嬢を伴ってここを一刻も早く離れて下さい」
「その前に彼女の従者に加勢してやってはくれんか? ついさっき得体の知れぬバケモノに襲われてな。彼は援軍を呼んできてくれと……いや、まあ、我々を逃がすために残ったのだ。場所はすぐそこだ」
 得体のしれないバケモノと言う言葉にワルド、フーケ、そしてルイズがびくりと反応する。
「シェフィールド、貴様。不完全な個体を顕現させたのか……!」
「ちょうど良い実験台にしようと思ったまで。ま、人間一人に手こずるじゃあまだまだ……」
 その反応にワルドが小馬鹿にしたようにニヤリと笑う。
「その人間一人が、『奴』だ」
 その瞬間シェフィールドの顔から笑みが消え去った。何か考えるようなそぶりを見せ黙り込む。

 その時更なる混乱が壁を突き破って飛び出してきた。

「ぐあっ! くっ、この!」
 地面に叩きつけられながらもゲンは意地でも舌を離さなかった。これこそが正に生命線である。
 そして、叩きつけた獲物を追って石色のバケモノが這い出してくる。
 バケモノにも感情があるのか、しぶとい相手にいら立つかのように甲高い咆哮をあげた。

 立ち上がったゲンはやっとのことで状況を把握する。
「これは、どう言う……」
「おやおや、役者が揃ってしまったわね」
 茶々を入れるようにシェフィールドの声が響いた。いつの間にか笑みが戻っている。
「いいわ、最高の実験装置だわ。せいぜい見せてもらおうかしら」 
 そう言ってバケモノに目をやる。
「せいぜい暴れなさい、ブラックガロン」


<続く>



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