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  • アノンの法則-21

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

アノンの法則-21

最終更新:2010年11月08日 09:19

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  • アノンの法則


扉を突き破った氷の槍は、真っ直ぐに礼拝堂を走り抜け、ワルドとルイズの間に突き刺さった。
「ぎりぎり間に合ったぜ、相棒」
ルイズの耳には聞き慣れた、低い男の声。
「誰だ!」
氷の槍での奇襲に、後ろに飛びずさったワルドが叫ぶ。
「いや、ウェールズ様が倒れてる。間に合ってないよ、デルフ」
破られた扉から現れたのは、ワルドに殺されたはずの、アノンだった。
「アノン!」
「バカな!? 貴様は確かに殺したはずだ!」
ワルドは困惑して叫んだ。
現にアノンのシャツの胸元は血みどろで、確かに自分の杖が胸を刺し貫いていたことを物語っている。
顔にも、杖が掠めた傷が残っていた。
「たとえ急所を外していたとしても、あれだけの深手を負って……」
アノンは不敵に笑って、答えの代わりに、手に持った杖を軽く振った。
淡い光が、アノンの頬の傷を消し去る。
治癒、『ヒーリング』の魔法だ。それに、さっきの氷の槍。
「貴様…! 水のメイジだったのか!?」
それには答えず、アノンはルイズを見た。
「キミは一応無事みたいだね」
「アノン…あんた、メイジだったの……?」
「娘っこ。その話は後だ。今は……」
アノンが左手のデルフリンガーの切っ先をワルドに向け、右手に杖を構える。
「そう、今はこの裏切り者を倒さないとね」
少し冷静さを取り戻したワルドが尋ねる。
「貴様がメイジということにも驚いたが……なぜにここがわかった? ガンダールヴ」
「ルイズの視界が、ボクの左目に映った」
「なるほど、主人の危機察知したか」
「そうじゃなくても、殺されかけたんだ。次に狙らわれるのは、ルイズかウェールズ様に決まってる」
「それに気づくことができても、ウェールズはあのザマだがな」
ワルドが挑発する。
「それに、少々魔法が使える程度で私に勝てると思っているのか? ラ・ロシェールのときのように叩きのめしてくれる」
「戦いは、どんな相手とでもやってみなくちゃわからないよ」
アノンはそう言って、詠唱を始めると同時に、ワルドに向かって走り出した。
放たれた風の刃を身を屈めてかわし、一気に距離を詰めると、左手のデルフリンガーを斬り上げる。
だが、ワルドは杖であっさりとそれを受け流す。
「凄まじい速度と力だが、貴様は剣に馴れていないな? 予備動作で簡単に先が読めるぞ」
動きを完全に見切り、余裕のワルド。その顔前に、突如鋭い氷の矢が現れた。
「『ウインディ・アイシクル』!」
「なにッ!?」
近距離では剣を使うものと思っていたワルドは、顔面を襲う氷矢に、とっさに頭を下げた。
それでも、帽子の飾り羽が引きちぎられ、宙を舞う。
慌てて距離をとるワルド。
「おのれ…!」
「剣と魔法の併用は、基本なんじゃなかったかな」
今度はアノンが挑発する。
大きく顔を歪ませたワルドが、杖を掲げて言った。
「…ではこちらも本気を出そう。何故、風の魔法が最強と呼ばれるのか、その所以を身に刻むがいい」
何もさせまいとアノンが飛び掛ったが、人間離れした剣戟をワルドは器用に杖で逸らしながら、呪文を唱える。
「ユビキタス・デル・ウィンデ……」
呪文が完成すると、ワルドの体から、分身が現れた。
ワルドと全く同じ格好をした四体の分身。
本体とあわせると全部で五人のワルドが、アノンを囲んだ。
「幻…? いや、実体がある。分身なんてできるのか」
「ただの『分身』ではない。風のユビキタス……。風は偏在する。風の吹くところ、何処となくさ迷い現れ、その距離は意思の力に比例する」
「フーケといたのも、桟橋に上がるときに襲ってきたのも、その『遍在』ってことか」
ワルドはにやりと笑って、懐から仮面を取り出して見せる。
「そう。あの時、貴様に電撃を食らわせてやったのも、この『遍在』だよ」
「なるほど、あの時ボクに蹴り落とされたのも、この『遍在』か」
今度は挑発を挑発で返され、全てのワルドの顔が不快に歪む。
五体のワルドが、アノンに襲い掛かった。
まず、三体のワルドが『ブレイド』を振りかざして迫り来る。
アノンは、一体目の『ブレイド』をデルフリンガーで受け止め、そのまま力づくで押し返すように敵の体ごと弾き飛ばす。
次の瞬間、左右から二本の『ブレイド』が突き出されたが、アノンは身を捻ってかわし、風車のようにデルフリンガーを振り回して二体のワルドを蹴散らした。
そのままの流れで詠唱を完成させ、体勢を崩したワルドたちに氷矢を打ち込む。
が、
「『エア・カッター』!」
確実に標的を狙っていたアノンの氷矢が、空気の刃に阻まれ砕け散った。
後方から魔法を放ったのは、『ブレイド』を発動していない、二体のワルド。
「ッ!」
攻撃が途切れた隙に、弾き飛ばされたワルドたちは体勢を立て直した。
再び『ブレイド』がアノンに迫る。
先ほどと同じく、アノンは難なくデルフリンガーで受け止めたが、今度は即座に援護の魔法が飛んできた。
『ブレイド』を払いのけ、後ろに飛んでそれを避けるアノン。
だが、すぐさまその退路を遮るように『ブレイド』と『エア・カッター』が打ち込まれる。
身をかがめ、転がるようにして強引にかわすしかないアノン。
「くっ…!」
五体のワルドの内、三体が『ブレイド』で接近戦を挑み、残り二体が距離をとって遠距離攻撃で援護に回る。
この『遍在』たちは、ゴーレムのような操り人形ではなく、一つ一つが意思を持っているようで、前衛と後衛に分かれた緻密な連携でアノンを攻め立てる。
一人の杖を受けたと思ったら、すぐに背後から別の『ブレイド』が迫り、距離をとろうとすると詠唱の隙すら与えないように、すかさず風の刃が飛んでくる。
素早い『風』に加えて、五人分という圧倒的な手数。
いかな“超身体能力”に『ガンダールヴ』といえど、たった一人で全てを防ぎ切るには限界があった。
「どうした! こんなものか『ガンダールヴ』!」
五体のワルドに翻弄されながらも、何とか攻撃を防いでいたアノンだったが、ついにワルドの『ブレイド』が足を掠め、転倒した。
「しまった!」
そこに殺到する風の刃。
立ち上がる間もない攻撃を床を転がってかわし、すぐに飛び起きようとしたアノンは、ひやりとした空気を感じた。
この感じには覚えがある。雷の魔法『ライトニング・クラウド』だ。
(まずい…!)
氷や火球なら叩き落としたり、切り払うことができるが、剣で電撃は防げない。
見ると後衛の二体が、杖を掲げている。二人分の『ライトニング・クラウド』だ。
直撃すれば、絶命は必至。

「思い出した!」
その時、突然デルフが叫んだ。
「相棒! 俺を構えろ!」
「!? 前は防ぎきれなかったじゃないか」
「いいから構えろ!」
そう叫んだデルフリンガーの刀身が光り出す。
「コレは…?」
ワルドの杖が、雷の閃光を放った。アノンはとっさに刀身が光り始めたデルフリンガーを掲げた。
「無駄だ! 剣一本で避けられるものではない!」
が、アノンの体を焼き、命を奪うはずの電撃は、光るデルフリンガーの刀身に吸い込まれた。
その光が収まったとき、錆びだらけだったデルフリンガーが砥がれたように、その刀身を輝かせていた。
「これがほんとの俺の姿さ! 相棒! いやあ、てんで忘れてた! そういや、飽き飽きしてたときに、テメエの体を変えたんだった! なにせ、面白いことはありゃあしねえし、つまらん連中ばっかりだったからな!」
驚いたようにデルフリンガーの刀身を見つめていたアノンだったが、
「もっと早く言ってほしかったな。デルフ」
「しかたがねえだろ。忘れてたんだから。でも、安心しな相棒。ちゃちな魔法は全部、俺が吸い込んでやるよ! この『ガンダールヴ』の左腕、デルフリンガー様がな!」
このデルフリンガーは、相手の魔法をその刀身に吸い込み、無効化できる。
これは、メイジの戦いを根本から覆す能力だ。
ワルドは信じられない思いで、アノンの剣を見た。
「馬鹿な…完全に吸収したというのか? 私の『ライトニング・クラウド』を!」
「少し試すよ。デルフ」
「おう、何でも来い!」
威勢よく答えるデルフリンガーを振りかざし、アノンは遍在の一体に飛び掛った。
振り下ろされた剣を、遍在は『ブレイド』で受けようとしたが、デルフリンガーに触れた瞬間、魔法の刃は吸い込まれ、攻撃を防ぐことなく消滅する。
『ブレイド』の防御を素通りしたアノンの斬撃が、『遍在』を袈裟切りに斬り捨てた。
「うん。『ブレイド』も無効化できるみたいだね」
「こ、こんなことが……」
後ずさるワルド。
本体を庇うように『遍在』がアノンに立ちふさがるが、放つ魔法は全て無効化され、剣で切り伏せられるか、体に氷矢を生やして消滅していく。
魔法が弾かれるでもなく、受け止められるでもなく、吸い込まれるという信じ難い事実が、ワルドを激しく動揺させていた。
あっという間に前衛の『遍在』は全滅し、残る『遍在』は一体。
最後の『遍在』を盾に、ワルドはじりじりと後退する。
アノンは魔法を吸い込む剣を向け、ワルドを追うように距離を詰めていく。
「さて、そろそろ終わりかな」
「おのれ…使い魔風情に、この私が…!」
これが最後の攻撃だ。
まず、『ウインディ・アイシクル』で『遍在』を牽制、デルフリンガーで魔法を防ぎながら踏み込んで、本体を仕留める。
攻撃に備え、アノンが足に力を込めたとき…。
ごぼっと、アノンの口から鮮血が溢れた。

「ぐっ、ごほっ」
膝が折れ、倒れそうになる体を、アノンはデルフリンガーを杖にしてなんとか支える。
「持たなかったか……。相棒」
デルフの言葉にも答えられず、血を吐き、荒い呼吸を繰り返すアノン。
血は口からだけでなく、胸からも流れ出していた。
「く、くく……はーっはっはっは!」
その様子を見て、ワルドが笑い声を上げた。
「そうか、おかしいとは思っていたのだ。いくら水のメイジとはいえ、あれだけの深手を完全に治癒するなど!」
『遍在』が杖を構え直し、進み出る。
「旅の途中も、水の秘薬を持っている様子は無かった。貴様ができたのは、せいぜい応急処置程度だろう」
ワルドの言う通りだった。
治癒の魔法を見せつけ、挑発で煽り、平静を装って気づかれまいとしていたが、十分な治療ができなかった傷は、戦闘のせいでさらに開き、アノンの限界を早めていた。
血を吐きながらも立ち上がろうとするアノンに、恐れることなどないと『遍在』が杖を突きつける。
「終わりは貴様だ、ガンダールヴ。今度こそ死ね」
『遍在』が、杖を振り上げた。
その時、突如起こった爆発で、『遍在』の頭が吹き飛んだ。
「アノン!」
見ると、先ほどまで二人の戦いを、焦りながらも眺めるばかりだったルイズが、杖を掲げて立っていた。
「ルイズ!? だめだ! 逃げ…」
「邪魔だ! 下がっていろ!」
止めを邪魔されたワルドが、苛立たしげ杖を振った。
ルイズの体が、突風に吹き飛ばされる。
手足を投げ出して宙を舞うルイズが、アノンの目にひどくゆっくりに映った。
アノンの体が、大きく脈打った。
「ルイズ!」
同時に沸き起こる、今まで感じたことがない程の激しい感情。
左手のルーンが、これまでにない強い光を放つ。
頭の中が赤く染まり、アノンは咆えた。
「いいぞ! これだ相棒! そう! その調子だ! 思い出したぜ! 俺の知ってる『ガンダールヴ』もそうやって力を溜めてた!」
限界を迎えたアノンの体が、床を踏みしめ、力強く立ち上がった。
気圧され、後ずさりながらワルドが叫ぶ。
「ば、ばかな!? 立てるはずが…立てるはずがない!」
「いいか相棒! 『ガンダールヴ』の強さは心の震えで決まる! 怒り! 悲しみ! 愛! 喜び! なんだっていい! 心を震わせたときこそ、『ガンダールヴ』の本領だ!」
『ガンダールヴ』の力の源は、心の震え。
以前のアノンには、何よりも心を震えさせる、夢があった。
その夢への渇望が、地平線まで大地を削る程の力を『魔王』に与えた。
だが、夢破れ、その無意味さを悟って以降、アノンの心を震わせたのは、この世界や魔法への、好奇心くらいのものであった。
だから『ガンダールヴ』のルーンも、今までその力を十分に発揮していなかった。
しかし、ルイズを傷つけられ、使い魔の本能にも似た思いで激昂した今、ルーンはアノンに“本物”の『ガンダールヴ』の力を与えている。
アノンは強く想った。
植木と闘った時の様に。自分だけの世界を望んだ時の様に。
強く。
ルイズを守る、と。
咆哮。
傷の開いた体で、血を吐きながらもなお速く、アノンは駆けた。
ワルドが『ウインド・ブレイク』を唱え、突風をぶつけたが、全てデルフリンガーに吸収される。
「心を震わせろ、ガンダールヴ! お前の心の震えが、俺を振るんだ!」
ワルドの左腕が、宙を舞った。

「うおおおおおおおおっ!」
よろめき、腕を押さえて、ワルドが叫ぶ。
「くっ…」
ルーンの光が消えた。同時に、アノンは膝をつく。
重傷の体を支え続けた『ガンダールヴ』の力も、ここまでのようだ。
「まだだ! ガンダールヴ!」
ワルドが左腕をマントの切れ端で縛りながら、アノンを睨んだ。
「よくも私の腕を…! ここには、すぐに我が『レコン・キスタ』の大群が押し寄せる。だが! 貴様はここで、私が殺す!」
目を血走らせ、ワルドは杖を構える。
外からは砲撃の音や、兵士の断末魔が聞こえてきた。
決戦が始まったのだ。だが、このワルドを倒さねば、逃げることはできない。
ワルドが『エア・ハンマー』を放った。
アノンはそれを横に飛んでかわそうとしたが、体が重い。すでに『ガンダールヴ』の力は失われているのだ。
深手を負っている体では、避けきれない。
デルフリンガーでの防御も間に合わず、アノンは直撃を受けて吹っ飛ばされる。
アノンの体が床を転がり、その手からデルフリンガーが滑り落ちた。
「相棒ー!」
床を滑って行きながら、デルフリンガーが叫ぶ。
「ぐっ…」
ワルドは杖をこちらに向け、警戒しながら距離を詰めてくる。
遠くまで転がったデルフリンガーを拾うのは絶望的だ。
アノンは残された杖を握り締める。
ワルドは四体の『遍在』を失い、精神力を消耗しているが、それはアノンにも言えた。
アノンも傷の治療に加え、戦闘で魔法を乱発したため、もう精神力が尽きかけている。
トライアングル・スペルを、あと一回使えるかどうかといったところだ。
消耗し、追い詰められ、それでも起き上がろうと床についたアノンの手に、何かが触れた。
布、マントだ。
見ると、そこにはウェールズが横たわっていた。
アノンは、倒れたウェールズのところまで吹き飛ばされたのだ。
「う…」
ウェールズが、かすかに呻いた。
「ウェールズ様!」
死んでいるものと思っていたが、ウェールズはまだ辛うじて生きていたのだ。
「ウェールズめ、生きていたか。だが、今度は確実に首をはねてやろう。貴様をそうした後でな、ガンダールヴ!!!」
怒りの形相でワルドが、叫ぶように言った。
ウェールズは生きていた。
しかし、もう虫の息だ。闘うどころか、あと何分も生きていられないだろう。
だが、例え瀕死であっても、生きてさえいるのなら――。
アノンはウェールズの肩を掴んで、引き起こす。
それをワルドがあざ笑った。
「そんな死に損ないをどうするつもりだ?」
その言葉を無視して、アノンは大きく、大きく口を開いた。
「いただきます」
アノンは、ウェールズの頭を口の中に押し込んだ。
「なっ!?」
そのありえない行動に、目をむくワルド。
アノンはそのまま上を向き、ずるずるとウェールズを、自分の体の中に落とし込んでいく。
礼拝堂のステンドグラスから差し込む光が、床に大蛇を思わせるシルエットを映し出す。
最後につま先を飲み込むと、アノンは大きく舌なめずりし、落ちていたウェールズの杖を拾い上げて、ゆっくりとワルドの方を振り向いた。
その顔に浮かぶ、不敵な笑み。
「おまたせ」
「き、貴様、化け物か!?」
目の前の出来事を理解できず、ワルドは取り乱す。
アノンはウェールズの杖をワルドに向け、呪文を唱えた。
「『ウインド・ブレイク』!」
『風』の魔法による突風が巻き起こる。
「なんだと!?」
ワルドは身を屈め、風の障壁で何とかそれをやり過ごした。
「馬鹿な!? 貴様は水のメイジだったはず! それにもう精神力も……!」
「ああ、限界さ。だから、もう終わりにしよう」
ウェールズを取り込んだところで、傷が癒えるわけではない。
次で、終わらせる。
二本の杖を両手に構え、アノンは最後の攻撃に備えた。
(何を恐れる! 奴は疲労した上に傷も開き、死にかけているのだ!)
ワルドも、湧き上がる疑問を振り払い、最後の一撃を決めるべく杖を構える。
数秒の沈黙。
アノンが、走り出した。
ワルドもそれに反応し、弾かれたように走り出す。
アノンは走る勢いのまま、床を蹴って飛び上がった。
(勝った!)
飛び上がったアノンに、ワルドは勝利を確信した。
空は『風』の領域。例え相手が『風』を使えるとしても、スクウェアの自分が負ける道理はない。
ワルドも床を蹴り、空中でアノンを迎え撃った。
空中で激突する瞬間、ワルドが杖を突き出す。完全な射程内。
が、杖の先がアノンを捕らえる寸前、アノンの体がぐん、と後ろに移動した。
「なにッ!?」
アノンは『フライ』で真後ろに飛んだのだ。
ワルドの杖が空を切る。
一瞬虚を突かれたワルドだったが、すぐに空中で体勢を立て直す。
タイミングをずらされはしたが、なんのことはない。
『フライ』を使いながら、他の魔法を使うことは不可能。この時点で、もうアノンに反撃の手はないのだ。
なら、もう一押しすればいいだけだ。
だが、アノンは空中でワルドに、杖を向けた。
「ラグーズ・ウォータル・デル・ウィンデ」
「な、まさか…!」
「『アイス・ストーム』!」
アノンの杖から、氷の粒を纏った竜巻が放たれ、ワルドを襲った。
「ば、馬鹿な!? ぐおおおおおお!」
ワルドは、氷の粒に身を切られながら渦巻く風にまかれ、ステンドグラスを突き破って、礼拝堂の外に弾き飛ばされていった。
「ぐっ、げほっ」
アノンはよろめきつつも何とか着地し、床に血を吐いた。
アノンが『フライ』と『アイス・ストーム』を同時に使えた理由。それは、取り込んだ二人のメイジの能力を、使い分けたからだった。
かつて、神の『花鳥風月』とロベルトの神器を使い分けたときのように、より速く飛べるウェールズの『風』で『フライ』を唱え、モット伯の最後の精神力で『アイス・ストーム』を放ったのだ。
辛くも勝利したアノンは、よたよたと這うように歩き、倒れているルイズに近寄った。
ワルドの魔法に吹き飛ばされたルイズは、気を失っているようだったが、胸が上下していることから、呼吸しているのだとわかる。
抱き起こそうとして、アノンはそのままルイズの上に倒れこんだ。
体が、動かない。
深手のまま闘った肉体はとうに限界を向かえており、開いた傷からは、血がどんどん流れ出している。
辺りに轟音が響き、礼拝堂の壁が震えた。近くに砲弾が落ちたらしい。
「早く、にげ…ないと…」
意識が急速に薄れ、間近まで迫った決戦の音も遠のいていく。
「ルイ…ズ……」
アノンの視界が、闇に覆われた。





頬に受ける風の感触で、ルイズは目を覚ました。
「ルイズ! 目が覚めたのね」
横になっているルイズの顔を、キュルケが覗き込んでいる。
頭の後ろの柔らかい感触は、彼女の膝枕だ。
「ここは…? 痛っ!」
体を起こそうとして、全身の打ち身が激しく痛んだ。
「じっとしてなさい。あなたボロボロよ」
それでも何とか起き上がってみると、そこはタバサの風竜、シルフィードの上。
シルフィードは、アルビオンを離れ、雲の上を滑空していた。
「私達フーケを倒した後、すぐにタバサのシルフィードであなた達を追いかけたの。でも、アルビオンに着いても、勝手がわからなくて立ち往生。そしたらいきなりキーシュのヴェルダンデが穴を掘り出して…」
キュルケの指す方を見ると、シルフィードに咥えられたヴェルダンデが、不満そうな鳴き声をあげた。
「それを辿ったら、お城の中に繋がってて、倒れてるあなたたちを見つけたってわけ」
「…そうだ、アノンは? アノンはどこ!?」 
「ちょっと、落ち着いて。そこにいるわ」
アノンはシルフィードの背中で横になり、タバサの治療を受けていた。
「アノン!」
呼びかけても返事がない。
「今は意識がない。それに安静にさせておかないと、危ない」
「とりあえず、ラ・ロシェールまで急ぎましょう。ちゃんとした医者に見てもらわないと」
そう言われて、ルイズは頷いた。
「それにしても…アノンがこんなになるなんて、一体何があったんだね。それにワルド子爵は?」
ギーシュに問われて、ルイズはワルドの裏切りと、ウェールズの死を思い出した。
胸のポケットに手をやると、しっかりとウェールズから預かった手紙の感触があった。
アノンが守ってくれたのだ。こんな自分を、死ぬ思いをしてまで。
「…ラ・ロシェールに着いたら、話すわ……ワルドの、ことも…」
俯いて震えるルイズに、キュルケたちは黙って頷いた。
シルフィードが、雲の中に入った。
視界が白に染まる。
ルイズは意識のないアノンの手を、そっと握った。
その目から、涙がこぼれる。
「ありがとう…」
ルイズは、静かに呟いた。

「……ごめんなさい」


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