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  • あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ
  • ウルトラ5番目の使い魔、第三部-61b

あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ウルトラ5番目の使い魔、第三部-61b

最終更新:2017年08月20日 20:52

匿名ユーザー

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  • ウルトラ5番目の使い魔


 そして時間はあっというまに過ぎ、昼前になって目的地のヴォジョレーグレープの自生している山に到着した。
「うわー、こりゃまたジャングルみたいな山だな」
 ふもとから見上げて、才人は呆れたようにつぶやいた。高尾山登山みたいなものを想像していたがとんでもない、まるで中国の秘境で仙人が住んでいそうなすさまじく険しい高山だった。
 これはさぞかし荘厳な名前がつけられた山なんだろうなと才人は思った。しかし。
「ついたわよ、アラヨット山!」
 ルイズが大声で叫んだ名前のあまりに珍奇な響きに、才人は盛大にずっこけてしまった。
「ル、ルル、ルイズなんだよ、その山の名前はよぉ?」
「ん、あんた知らなかったの? この山にはじめて登頂して解禁日のヴォジョレーグレープを持ち帰ってきた平民の探検家がつけた名前よ。その勇敢さには貴族ですら敬意を表したと言われるわ、確か自分のことを”エドッコ”だと名乗ってたそうよ」
「ああ、さいですか」
 どうやら昔にトリステインにやってきた地球人らしいが、さすが世界に冠たる変態民族ジャパニーズ。残していく足跡の濃さが半端ではない。
 しかし、こちとらは探検家ではない。こんな要塞みたいな山どうやって登るんだよと呆然とする才人。しかしモンモランシーが杖を取り出してこともなげに言った。
「ヴォジョレーグレープは人間の手の入っていない秘境でしか育てない繊細な植物なのよ。それも、山頂でしかいい実はとれないから、ここからは早い者勝ちね。ん? どうしたのサイト、あなたを抱えていかなきゃいけないんだから早くロープで体をくくりなさいよ」
「あ、そういやメイジは飛べるんだったな。なるほど、これも魔法の授業の一環ってことか」
 納得すると、才人はあまりうれしそうな顔ではないモンモランシーに感謝しつつ、彼女と体をロープでつないだ。フライの魔法で浮ける力には個人差があるが、どうやらここにいるメイジはルイズ以外、人ひとりを抱えて飛べるくらいの力はあるようだ。なおルイズはアンリエッタに抱えられている、新入生に運んでもらうなんて傑作ねと、周りで飛んでいる別のグループの生徒が笑っていたが、ルイズ的にはキュルケに借りを作ることのほうがプライドが許さなかったようだ。
「あーあ、こんなときに……の……に乗ればひとっ飛びだったのにね。あら? 誰の、なにだったかしら」
 キュルケがふと首をかしげたのもつかの間、険しい山もその上をまたいでいくメイジにかかっては積み木と変わらず、一行はたいしたトラブルもなくアラヨット山の山頂付近へと到着していた。
 山頂では特別教員のカリーヌやエレオノールが試験官として待っており、到着した者に厳しく言い渡した。
「ようし、よくここまでやってきましたね! しかし、本番はこれからです。上級生は日ごろ学んだ知識を活かし、新入生は上級生からよく学んで立派なポーションを作るように。落ち着いてやればできないことはありません、諸君らにトリステイン貴族としての矜持と信念があればおのずと道は開けるでしょう。ポーション作りもまた、魔法の一環である以上は精神のありようが結果を大きく左右します。採点に手加減はしないからそのつもりでいなさい。では、かかれ!」
 カリーヌとエレオノールの、娘や妹でも容赦しないという視線を背にして、ルイズたちは「これは本気でかからないと危ない」と、飛び出した。
 ボジョレーグレープの木は普通のブドウとよく似ていたが、実の形が決定的に違っていた。実がまるで紫色のダイヤのように高貴に輝いており、才人が見てさえこれが貴重なものだということが一目でわかった。それが木の枝中にびっしりと実っており、木一本でグループ全員の分としては十分すぎるほどであった。
 しかし、この神秘的な光景は解禁日の今日だけなのだ。急いで収穫してポーション作りを始めないといけない。見ると誰に運んできてもらったのかシエスタが地面に落ちた質の落ちる実をせっせと拾い集めて背中のかごへ入れている。負けていられない。
「ルイズ、足を引っ張らないでよ」
「馬鹿にしないでよ。実技ならともかく、ポーションならわたしだってなんとか……女王陛下は大丈夫ですか?」
「うふふ、心配なさらないで。モンモランシーさんが優しく指導してくださってますから」
「あわわ、女王陛下に手ほどきするなんてなんて名誉な。もし失敗なんかしたらモンモランシ家は、あわわわ」
「で、結局めんどくさい収穫作業はおれってことだよな。わかってましたよはいはい」
「相棒はマシなほうだろ、俺っちなんか剪定バサミの代わりだぜ。うれしすぎて泣けてくるぜ」
 こんなのでちゃんとしたポーションが作れるのだろうか? 不安がいっぱいで、木の下でシートを広げてポーション作りにいそしむ一行であった。
 少し耳を澄ますと、ティファニアやベアトリスの悲鳴が聞こえてくるあたり、ほかのグループも難儀しているようだ。カリーヌのプレッシャーがすごいのと、どうやら今年のヴォジョレーグレープは実の品質の差が大きいらしい。

 だが、てんやわんやながらも楽しくできたのはそこまでだった。突然、山が崩れるのではないかという巨大な地震が彼らを襲い、山肌を崩して異様な魔人が巨体を現してきたのだ。
「ドキュメントZATに記録を確認、えんま怪獣エンマーゴ」
 才人の手の中のGUYSメモリーディスプレイが怪獣の正体をあばく。というより、鎧姿で剣と盾を構えて、王と刻まれた冠をかぶっている怪獣なんて他にいやしないのだから間違えるほうが困難だ。
 エンマーゴは地中からその姿を現すと、巨体で木々を踏みつぶし、口から吐き出す真っ黒な噴煙で山々の緑を枯らし始めた。
「野郎、このあたりをまとめてコルベール山にする気か!」
「はげ山って言いたいわけねサイト。この状況でとっさにそんなセリフが出てくるあたり、あんたもたいしたタマねえ」
 モンモランシーが呆れたような感心したような表情で後ろから見つめてくる。才人としては別にコルベールに悪意などを持っているわけではないのだが、ハゲという単語が頭の中で自動的に変換されてしまうのだ。
 しかし、このままエンマーゴに暴れさせるわけにはいかない。奴はまっすぐにアラヨット山を目指してくる。
「まあ大変ですわ。このままヴォジョレーグレープがだめにされたら、せっかくの楽しい遠足が台無しになってしまいます」
「女王陛下もけっこう余裕ですわね……と、とにかくここはご避難くださいませ」
 どこか現実離れした態度のアンリエッタにも呆れつつ、モンモランシーは自身の主君を怪獣の脅威から遠ざけるために、山の反対側を指して避難を促した。これに、家名のために王家に恩を売っておくべきという打算が入っていなかったといえば恐らく嘘になろうが、うまいジュースを作るには果汁の中に些少の水も必要であろう。人間とは血と肉と骨の混成体であり、その精神が混成体であってはいけない道理などはない。
 しかし、無法を我がものとする怪獣の暴挙に対して、逃げるわけにはいかない者たちもいる。才人とルイズは、キュルケにあとのことはよろしくと目くばせすると、仲間たちから離れて手をつなぎあった。

「ウルトラ・ターッチッ!」

 光がほとばしり、進撃するエンマーゴの眼前にウルトラマンAがその白銀と真紅の巨体を現した。
「ウルトラマンAだ!」
 生徒たちから歓声があがる。みんなが楽しみにしていた遠足を邪魔する奴は許せないと現れた正義の巨人は、生徒たちに勇気と希望をもたらしたのだ。
「テエェーイッ!」
 掛け声も鋭く、ウルトラマンAは刀を振り上げてくるエンマーゴに立ち向かっていった。
 ウルトラマンAの金色の目と、エンマーゴのつりあがった真っ赤な視線が交差し、両者は刹那に激突する。エースの放ったキックをエンマーゴは盾で防ぐが、盾ごとエースはエンマーゴの巨体を押し返した。
 だがエンマーゴも負けてはいない。恐ろしげな顔をさらに怒りで燃え上がらせ、巨大な刀を振り上げてエースを威嚇してくる。あれで切られたらタロウのように一巻の終わりだ! エースは才人とルイズに注意を喚起した。
〔気を付けろ、一度戦ったことのある相手だが、油断は禁物だぞ〕
〔はい北斗さん、って……あれ? エンマーゴと戦ったことなんて、ありましたっけ?〕
〔あ、いやすまない。俺の勘違いだ……くそっ〕
 妙なことを言い出すエースに一瞬だけ首をかしげつつ、才人はルイズとともにエンマーゴに向かい合った。
 エンマーゴの特徴は、なんといってもその重装備だ。十万度の高温にも耐える鎧に、ストリウム光線をもはじく盾、そしてなんでも切断できる刀である。こと接近戦となれば太刀打ちできる怪獣や星人は宇宙中探してもそう多くはないだろう。
 しかし、エースにも今ならばからこそある武器がある。才人は、自分の相棒である世界最強の剣(才人談)を使うようエースにうながした。
〔北斗さん! デルフでぶった斬ってやろうぜ〕
〔ようし、まかせろ!〕
 相手が刀ならこちらも刀で勝負するまで。デルフリンガーを拾い上げたエースは物質巨大化能力を使って、数十メートルの大きさにまで巨大化させた。
 日本刀へと姿を変えているデルフを構えるエース。デルフも、この姿での巨大化初陣に張り切っている。
「うひょぉ、やっぱ大きくなると眺めがいいぜ。さぁて、サムライソードになったおれっちの威力、おひろめといこうか」
 剣は誰かに使ってもらわないと出番を作りようがないため、巡ってきたチャンスにはどん欲になるのはわかるが、せっかくの決め場なんだから少しは自重してほしいと思わないでもない才人とルイズであった。
 ともあれ、剣を構え、エンマーゴと対峙するエースの雄姿に新たな歓声があがる。メイジ、貴族にとって剣は平民の使う下賤な武器というイメージがあるが、ここまで大きいと有無を言わさぬ迫力がある。
「ヘヤアッ!」
 エースのデルフリンガーと、エンマーゴの宝剣が激突して、鋭い金属音とともに火花が飛び散る。デルフリンガーの刀身は、十分にエンマーゴの刀との斬りあいに耐えられることが証明された。
 ようし、これならいけると喜びの波が流れる。さらに一刀、二刀と斬り合いが続いたがデルフリンガーは健在で、デルフ自身も不調を示すことはない。
 けれど、これで互角というわけではなかった。エースにあるのはデルフリンガー一本だが、エンマーゴには刀のほかに鎧と盾がある。防御力では圧倒的にエンマーゴのほうが優勢なのだ。
〔やつめ、誘ってやがるな〕
 才人は、せせら笑っているようなエンマーゴを見て思った。これだけ武装の差があれば当然といえるが、戦いは武器だけで決まるものではない。
 そう、戦いは人がするもの。人の力がほかの要素を引き出し、生かしも殺しもする。ルイズは才人に、それを見せてやれと叱咤した。
〔サイト、あんたの力を見せてやりなさい。あのときみたいに!〕
〔ああ、あのときみたいに。いくぜ、これがウルトラマンの本当の力だぁーっ!〕
 才人とエースの心が同調し、エースはデルフリンガーを正眼に構えて一気に振り下ろした。それに対して、エンマーゴは「バカめ」とでもいうふうに盾を振り上げてくる。盾で攻撃を防いで、そこにカウンターで切り捨てようという気なのだ。
 デルフリンガーとエンマーゴの盾が当たり、エンマーゴの口元がニヤリと歪む。しかし、エンマーゴは次の瞬間に予定していたカウンターを放つことはできなかった。エースの剣は盾で止まらずに、そのまま力を緩ませずに盾ごと押し下げてきたのだ!
〔なに安心してやがんだ! 本番はこれからだぜ!〕
 才人の気合とともに、止まらない一刀が火花をあげながらエンマーゴの盾を押し込み、なんと盾に食い込み始めた。
 灯篭切りというものがある。達人が、一刀のもとに石でできた灯篭を真っ二つにしてしまうというものだ。それに、日本では武者が盾を持って戦うことはなかった、それはなぜか? 日本刀の一撃の前には、盾など役に立たないからだ。
「トアァーッ!」
 エースと才人の気合一閃。デルフリンガーはついにエンマーゴの盾をすり抜けて、エンマーゴの体を頭から足元まで駆け抜けた。
 一刀両断。エンマーゴは愕然とした表情のまま固まり、真っ二つになった盾が手から外れて足元に転がる。
「見たか! 新生デルフリンガー様の切れ味をよ!」
 ご満悦なデルフが高らかに笑い声をあげた。しかしうれしいのはわかるが、せっかく決めのシーンなんだから少しは我慢してくれよと思わないでもない才人だった。
 だが、新生デルフリンガー……すさまじい切れ味には違いない。素体になった日本刀が名刀だったのか数打だったのかは才人にはわからないが、丹念に研いでくれた銃士隊の専属の研ぎ師さんには感謝せねばなるまい。
 エンマーゴは、超高速でかつ鋭すぎる一撃で両断されたため、一見すると無傷の状態で立ち往生していた。だがそれも一時的なことだ、残された胴体もまた左右に泣き別れになろうとしたとき、介錯とばかりにエースの光波熱線が叩き込まれた。
『メタリウム光線!』
 鮮やかな色彩を輝かせる光の奔流を撃ち込まれ、エンマーゴは微塵の破片に分割され、飛び散って果てた。
 爆発の炎が青い空を一瞬だけ赤く染め、エンマーゴの刀が宙をくるくると舞って山肌に地獄の化身の墓標のように突き立った。
 勝利! エンマーゴは塵となって消え、山々に平和が戻った。エンマーゴによって荒らされた山肌も最小限で済み、ヴァジョレーグレープも無事で済んだ。
〔やったな、才人、ルイズ〕
〔はい! でも、おれたちだけの力じゃないぜ。怪獣に立ち向かうには、なにより心の力が大事なんだって、前にエンマーゴと戦ったときにしっかり見たからこそできたんだ〕
〔そうよ、わたしたちは一度戦った相手になんか負けるわけないんだから〕
〔ふたりとも……〕
 北斗はこのときなぜか手放しでの称賛をしなかった。才人とルイズは、エンマーゴと戦ったことを理性では”ない”と言ったが、たった今無意識においては”あった”と言ったのである。
 それにしても、どうして唐突にエンマーゴが現れたのか? ウルトラマンAは、喜ぶ才人とルイズとは裏腹に、虚空を見つめて一言だけつぶやいた。
〔奴め、とうとう動き出したか……〕
〔ん? 北斗さん、今なんて?〕
〔あ、いやなんでもない。それより帰ろう、遠足はまだまだこれからだろう?〕
〔ああっ! そうだったわ。急ぐわよサイト、時間切れで失格なんてことになったら、お母様に本気で殺されちゃうわ!〕
 ふたりはすっかり遠足気分に戻り、エースは「それなら長居は無用だな」と、デルフリンガーを手放して飛び立った。
「ショワッチ!」
 エースの姿は青空の雲の上へと消えていき、生徒たちは手を振ってそれを見送った。


 そして遠足は再開され、アラヨット山にはまた魔法学院の生徒たちの悲喜こもごもな声が響き渡る。
 自然は穏やか、懸念していた猛獣もエンマーゴに驚いて逃げてしまったのか影も見せずに平和そのもの。そうしているうちに昼が過ぎ、あっという間にタイムリミットが迫ってきた。
「ああっ! また失敗したわ。もう、このヴォジョレーグレープ腐ってるんじゃないの?」
「なわけないでしょルイズ。わたしも女王陛下もとっくの昔にポーション完成させてるのよ? それより、次で失敗したら確実にタイムオーバーよ、いいのルイズ?」
「うう、うぅぅぅ……モ、モンモランシー……手伝って、ください」
「わかったわよ、こっちはずっとそのつもりだったのに。まあルイズが人に頭を下げるだけでもたいしたものかしら? よほどカリン先生が怖いのね」
 ルイズはキュルケに指摘されて、しぶしぶながらモンモランシーの助力を受けながら最後のポーション作りにとりかかった。
 プライドの高いルイズでも、それ以上の恐怖には勝てなかったわけだ。その理由を知るアンリエッタは「わたくしも手伝いますわ、焦らずがんばりましょう」とルイズを励ましてくれている。
「うぅ、作り方は間違ってないはずなのに、なんでよ」
「単にルイズが不器用なだけだろ」
「なあんですてぇバカ犬! あんた今日ごはん抜きよ!」
「きゃいーん!」
 まさに口は災いの元。余計な一言でルイズを怒らせた才人は、その後ルイズの怒りをなんとか解いてもらうために苦労するはめになった。
 世の中、思っても言ってはいけないことがある。いくらルイズが編み物をしようとするとセーターという名の毛玉ができるほど神がかったぶきっちょだとしても、人間ほんとうのことを言われると腹が立つものだ。
 タイムリミットギリギリのところで、ルイズはなんとかエレオノールから合格点をもらってホッと息をついた。もし間に合わなかったら、ルイズの人生はここで終わりを告げていた可能性が高い。

「ようし、これで全員合格だ。よくやった、あとは学院に戻って解散だ。その後は……ふふ、楽しみにしていなさい」

 日が傾き始める中、生徒たちはやりとげた達成感を持ってアラヨット山を後にした。
 そして帰校して、持ち帰ったヴォジョレーグレープを食堂のマルトーに渡した生徒たちは、数時間後にすばらしいご褒美を得ることができた。
「舌がとろけそう、これはまさに天国の味ですわね……」
 出来上がったヴォジョレーグレープのワインを口にして、アンリエッタは夢見心地な笑顔を浮かべた。
 『固定化』の魔法を使っても保存が不可能、作ったその時にしか味わえないヴォジョレーグレープのワインは、芳醇であり、甘みもしつこくなく、喉を通る時もさわやかで、まさに至高にして究極の味わいをプレゼントしてくれた。
「かんぱーい!」
 食堂は満員で、そこかしこで乾杯の声が聞こえてにぎやかなものである。
 むろん、ルイズや才人も上機嫌で舌鼓を打っており、キュルケは酔ったふりして脱ぎだして男子生徒の視線を集めて楽しんで、モンモランシーは酔った勢いでティファニアに詰め寄っているギーシュをしばきに行っていた。
 ギムリやレイナールたち在校生、ベアトリスら新入生も陽気に騒いで、歌って飲んでいる。
 教師連も同様で、コルベールやシュヴルーズらも年一度の味を精一杯礼節を保ちながら楽しんでいる。オスマンは酔ったふりしてエレオノールのスカートを覗きに行って顔面を踏みつぶされた。
 シエスタやリュリュはおかわりを求める生徒たちにワインを詰めたビンを運ぶために休まずに右往左往している。しかし、仕事が終わった後はちゃんと彼女たち用の分が残されているので、その顔は明るい。
 この日ばかりは平民も貴族も上級生も新入生も教師も関係なく、共通の喜びの中にいた。特に、今年は例年にも増して騒ぎが大きい、それもそのはず。
「あっはっは、やっぱり自分で苦労して手に入れたもんは格別だぜ!」
 自分で足を運び、手を動かして、汗を流して手に入れたからこそ、そこには他には代えがたい喜びが生まれるのだ。たとえば貝が嫌いな子供が自分で潮干狩りをして得たアサリならば喜んで食べるのも、そのひとつと言えよう。
 才人に続いてルイズも、顔を赤らめながら上品にグラスを傾けてつぶやく。
「怪獣と戦ったりしたから、その苦労のぶん喜びもひとしおね。点数をつければ百点満点……いえ、それ以上。今日のこの味は、一生覚えているでしょうねえ」
 苦労の大きさに比例して、達成したときの喜びも大きい。誰もが、その恩恵を心から噛みしめていた。
 宴は続き、まだまだ終わる気配を見せない。


 だが、宴に沸く魔法学院のその様子を、どす黒い喜びの視線で眺めている者がいたのだ。
「アハハハ! まさにグレェイト! そしてワンダホゥ! こうも予定通りに事が進むとは、さすが高名な魔法学院の皆々様。あのエンマーゴは、石像に封じられたオリジナルを解析して再現したデッドコピーでしたが、期待以上に働いてくれました。まったく、いい情報をいただき感謝いたしますよ、お姫様?」
 暗い宮殿の一室で、モニターごしに喜びの声をあげる宇宙人。しかし、感謝の言葉を向けられた青い髪の少女は、じっと押し黙ったままで答えようとはしなかった。
「……」
「おや? お気にめさないですか。でも、石像が運び込まれていた怪獣墓場にまでわざわざ出向いて行ったついでに、ウルトラ戦士にもう一度挑戦したいという方も幾人かお誘いできましたし、私はまさに万々歳です。あそこはいいところですね、そのうちまた行きたいものです。なによりこれで、我々の目的に一歩近づきました。よかったですね、ねえ国王様?」
「フン、つまらん世辞はいらんわ。言う暇があったらさっさと出ていけ。まだ先は長いのだろう? まったく、貴様のやり口は悪魔でさえ道を譲るだろうよ」
「お褒めの言葉と受け取っておきましょう。でも、忘れてもらっては困りますよ? これがあなた方の望んだ理想の世界だということを。では、次の見世物の準備ができたらまた参りますね。お楽しみに」
 宇宙人は去っていき、残された二人のあいだには鉛のように重い沈黙だけが流れ続けた。

 しかし、去った宇宙人は一見平和に見えるハルケギニアのどこかで、夜空にコウモリのようなシルエットを浮かべながら笑っていたのだ。

「まずは、”喜び”。フッフフフフ、確かにいただきましたよ。さて、次はなんでいきましょうか? 頑張って趣向を凝らしませんとねえ」

 異常が異常でない世界。しかし、世は平和で人々は幸せそうに生きている。
 侵略ではなく、破壊でもない。ならば何が企まれているのか? すべてはまだ、はじまったばかりに過ぎない。


 続く






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