あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ内検索 / 「たった一人の監視者-03」で検索した結果
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たった一人の監視者
...人の監視者-02 たった一人の監視者-03 -
たった一人の監視者-03
前ページたった一人の監視者 chapter10 それは飽きた玩具を送りつけるような無作法だった。 皇帝アルブレヒト三世から、皇妃アンリエッタへのトリステイン旧王国領における三権裁可権限の委任状。 公文書の束には皇帝自らの私信が付け加えてある。 どうやら降臨祭の贈り物を前渡ししているつもりらしい。 歓心を買うつもりなのかもしれない。が、かくしてアンリエッタの手に、トリステインは戻った。 委任状が届いた日から時間は飛ぶように流れる。アニエスと、そしてエレオノールの手を借りて、アンリエッタは荒され尽くしていたトリステインの政務に着手した。 鳥の骨が昔一人で行っていた事を三人がかりでやり直すのは、十年の月日を思うとさらに困難なものだった。 しかし、アンリエッタは身を燃やすように現実と向き合った。 十年の虚ろな時間を取り戻そうと、もがいていた。... -
たった一人の監視者-02
前ページ次ページたった一人の監視者 chapter6 “ロールシャッハ記 十二月五日” “鳥の骨の葬儀が終わってもアンリエッタは嘗ての王宮に居座っている” “あれの気が変わらない内に話を進めてしまわなければならない” “鳥の骨に手紙を通した連中を探した” “ここ数年で無様に膨れ上がった外国人居留街。屯するごろつき共が口を割った。ガリア商館で鳥の骨と使者が会っている” “商館の荷役夫は指を三本折るまで我慢していた。口止めされていたと見ていいだろう” “使者はトリスタニアの司教館で受け取ったと言っている” “この裏に居るのはガリアか? それともロマリア?” “あるいは両方かもしれない。私はやるべきことをやるだけだ” 夜の帳が落ちて夜灯りがまばらに町を浮かびあげる。 その中でぽっかりと暗い区画があった。 ジュノー管区。... -
たった一人の監視者-01
前ページ次ページたった一人の監視者 chapter0 その“事件”について、当時の学院教授ジャン・コルベールの日記にはこのように書かれている。 “その日、私が監督した春の使い魔召喚の儀式において、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは、一冊の本と覆面を召喚した” “それはまったくの未知の言語で書かれた書物で、また覆面は成人男性用の布製と見られたが、具体的な製法等において、同じく未知の物質であった” “私は、特殊な事例ではあるものの、使い魔の召喚としてこれを認め、ルイズは覆面に契約の口づけをした” “ルイズ自身から、幾種類かの抗議が上がったが、私は彼女を説得し、最終的に彼女はこれを認めてくれた” “しかし翌日、彼女が寮から失踪したと聞いた時、私は最初深い後悔を感じたが、次の報告を聞いて、一種の不気味さを感じざるを... -
長編(完結)
長編(完結) 長編作品のうち、完結した作品のリストアップです。 ※話数順 作品タイトル 元ネタ 召喚されたキャラ 話数 ゼロの黒魔道士 ファイナルファンタジー9 ビビ 全81+9+9話 ゼロのロリカード HELLSING アーカード(少女形態) 全64話+α ゼロの魔獣 魔獣戦線 天外真理阿 全38話 ゼロのアトリエ ヴィオラートのアトリエ ヴィオラート 全35話 薔薇乙女も使い魔 Rozen Maiden 桜田ジュンと真紅 全31話+α SeeD戦記・ハルケギニア lion heart with revenger ファイナルファンタジーⅧ スコール・レオンハート 全31話+α ゼロな提督 銀河英雄伝説 ヤン・ウェンリー 全31話 気さくな王女 鬼作 鬼作がパクった自転車+少女 全26話 ゴーストステップ・ゼロ トーキョーN◎VA D ヒュー・スペンサー 全25話 鮮... -
長編(五十音順)-01
あ行 作品タイトル 元ネタ 召喚されたキャラ 更新日時 ラスト・レイヴン×ゼロ ARMORED CORE LAST RAVEN ジナイーダ 2009-10-11 15 58 32 (Sun) [秩序]の守護者 ARMORED CORE MASTER OF ARENA ハスラー・ワン 2011-04-16 16 38 23 (Sat) サーヴァント・ARMS ARMS 高槻涼、神宮隼人、巴武士 2010-10-10 12 25 51 (Sun) 三つの『二つ名』 一つのゼロ ARMS クリフ、ヴォルフ、キュクロプス 2011-11-13 18 50 55 (Sun) ゼロの使い魔×相棒 ~トリステイン魔法学院特命係~ 相棒 杉下右京 2010-03-16 00 13 10 (Tue) アウターゾーンZERO アウターゾーン ? 2011-09-06 21 03 16 (Tue) ア... -
[秩序]の守護者-02
前ページ[秩序]の守護者 結論から言おう ルイズにとって、そのゴーレムは大いに期待はずれだった ゴーレム―――ナインボールを連れて戻った当初はちやほやもされたし、ゼロの二つ名が撤回もされかけた もともとルイズも20メイルを越えるゴーレムに家事や秘薬探しを任せようと思ったわけではない しかし使い魔は主に絶対服従、反発などするはずもないと思っていたと言う点に関しては 大いに見通しが甘かったと言わざるを得ない 「アンタ、どこに行ってたのよ! 使い魔がご主人様の許し無く勝手に出かけていいわけないでしょ!」 『文字を覚えるために図書館に行っていた。それと、我々は[秩序]の監視者であって、君の奴隷ではない』 「なっ…………アンタねぇ!」 『それより時間はいいのか? そろそろ授業のはずだが』 「言われなくったって分かってるわ! アンタが起こしてくれればよかったのに... -
もう一人の『左手』-29
前ページ次ページもう一人の『左手』 . 「いい匂いだな」 「ええ」 風見の声に、厨房で子供たちに囲まれながらシチューをかき混ぜていたティファニアが笑顔で答える。 「“ブイスリー”、そろそろ夕食の時間ですよ」 ティファニアは、彼をあくまで『風見志郎』とは呼ばない。 それでいい、と風見も思うし、好きに呼べばいいとも言った。彼女が召喚した使い魔と、ここにいる自分とは、あくまで別人であるという事実は、やはり二人を並べて見せない限り、少女にとって理解も納得もできない事象なのだろう。 なにより自分が『V3』である事も、決して間違いではないのだから。 「――さ、ジム、そろそろ、そのチェスを片付けちゃいなさい。シチューが置けないでしょう?」 かまどにかけられた大鍋。そこには風見とティファニア、そして孤児たちの分を含めた十二人前のシチユーが、ぐつぐつと煮込まれ... -
もう一人の『左手』
「仮面ライダーSPIRITS」の風見志郎(仮面ライダーV3)が召喚される話 もう一人の『左手』-01 もう一人の『左手』-02 もう一人の『左手』-03 もう一人の『左手』-04 もう一人の『左手』-05 もう一人の『左手』-06 もう一人の『左手』-07 もう一人の『左手』-08 もう一人の『左手』-09 もう一人の『左手』-10 もう一人の『左手』-11 もう一人の『左手』-12 もう一人の『左手』-13 もう一人の『左手』-14 もう一人の『左手』-15 もう一人の『左手』-16 もう一人の『左手』-17 もう一人の『左手』-18 もう一人の『左手』-19 もう一人の『左手』-20 もう一人の『左手』-21 もう一人の『左手』-22 もう一人の『左手』-23 もう一人の『左手』-24 もう一人の『左手』-25 もう一人の『左手... -
ゼロのルイズと魔物の勇者
「ドラゴンクエストモンスターズ+」よりスラおを召喚。 ゼロのルイズと魔物の勇者-01 ゼロのルイズと魔物の勇者-02 ゼロのルイズと魔物の勇者-03 ゼロのルイズと魔物の勇者-04 ゼロのルイズと魔物の勇者-05 ゼロのルイズと魔物の勇者-06 ゼロのルイズと魔物の勇者-07 ゼロのルイズと魔物の勇者-08 ゼロのルイズと魔物の勇者-09 -
魔導書が使い魔
機神咆吼デモンベインのアルアジフを召喚 第一章 魔導書が使い魔-01 魔導書が使い魔-02 魔導書が使い魔-03 魔導書が使い魔-04a/b 魔導書が使い魔-05 魔導書が使い魔-06a/b 魔導書が使い魔-07a/b 第二章 魔導書が使い魔-第二章-01 外伝 魔導書が使い魔-タバサと怪異-01 魔導書が使い魔-タバサと怪異-02 魔導書が使い魔-タバサと怪異-03 魔導書が使い魔-タバサと怪異-04 魔導書が使い魔-イザベラと暗殺者-01 魔導書が使い魔-イザベラと暗殺者-02 魔導書が使い魔-イザベラと暗殺者-03 -
虚無と狂信者
注)本SSは『HELLSINGのキャラがルイズに召喚されました』スレに掲載された作品です。 「HELLSING」のアンデルセン、アーカードを召喚 虚無と狂信者-01 虚無と狂信者-02 虚無と狂信者-03 虚無と狂信者-04 虚無と狂信者-05 虚無と狂信者-06 虚無と狂信者-07 虚無と狂信者-08 虚無と狂信者-09 虚無と狂信者-10 虚無と狂信者-11 虚無と狂信者-12 虚無と狂信者-13 虚無と狂信者-14 虚無と狂信者-15 虚無と狂信者-16 虚無と狂信者-17 虚無と狂信者-18 虚無と狂信者-19 虚無と狂信者-20 虚無と狂信者-21 虚無と狂信者-22 虚無と狂信者-23 虚無と狂信者-24 虚無と狂信者-25 虚無と狂信者-26 虚無と狂信者-27 外伝 もう一つの虚無と狂信者-... -
ゼロのしもべ第3部-11
11話 怨怨怨怨怨、と地鳴りとも鳴動ともつかぬ叫びをあげながら現れたのはポセイドンほどもある巨人。 手は馬を握りつぶせるほどに大きく、足は並みの家ほどもある。 血のように赤く、ギラギラと輝く目。大きく開かれた口。そして、右手に握られた巨大な鐘。 「なによ!これ」 とつじょ現れた巨人を見上げてキュルケが叫ぶ。思わず足がすくむ大きさだ。 「命の鐘!」 水の精霊がビンの内側に顔を寄せた。 「まずいぞ。あれは媒介としている単なるものを飲み込んでしまったのだ!」 「どういうことなの!?」 モンモンが大声で問う。戦い向きではない水の魔法を得意とするため1人残っていたのだ。 「命の鐘は操者の生命を消費し力へ変えるというたのを覚えておるか?それの意味するところは、生命の消費量に応じて威力が変化 するということ。見よ、あの単なるものの周囲を!... -
もう一人の『左手』-03
前ページ次ページもう一人の『左手』 四人が学院長室を辞した後、風見はコルベールの部屋に誘われていた。どうやら彼は、二人が元いた“異世界”に多大なる興味があるらしい。 才人も、風見について行くべきか迷ったが、やめておいた。 彼にとっては、自分がTVの再放送で観ていたヒーローが、一人の人間として、当然のように自分の隣にいるという現実は、この魔法の国以上に受け入れがたいものだったからだ。 ――ひょっとして俺は、本当は今頃、病院の集中治療室で、植物状態になって、覚めない悪夢でも見ている最中なんじゃないか? 風見を見ていると、そんな想像が頭をよぎり、気が狂ってしまいそうになってくる。 だったら、かなりムカつく女ではあるが、まだコイツと一緒にいる方がマシかも知れない。そう思ってしまう。 幸い――かどうかはともかく、少女は部屋までついてこい、... -
虚無と狂信者-07
前ページ次ページ虚無と狂信者 ミスロングビル、真の名を土くれのフーケと呼ぶ、は悩んでいた。あの破壊の杖の使い方が分からない。 学院の連中を誘き寄せようかとも思ったが、あんな化け物がいるのでは下手に動けない。というか動きたくない。 そもそもあの吸血鬼共とは酒場で知り合った。明確なギブアンドテイクの元に手を組んだだけだ。 しかし、その強さは明らかに異常ということは分かった。それをあんなにもた易く倒す吸血鬼と神父。 どうもオスマンの話だと奴らは吸血鬼を狩るものらしい。 その話を聞いた時、奴らの話に乗り吸血鬼と成らないでよかったと思ったものだ。 そしてこれからの身の振り方を考える。はっきり言ってこの秘書の仕事の収入は悪くない。 ただ、盗賊の仕事ほどでは無い。 考え事をしていると何かにぶつかった。それにフーケは悶絶する。 赤いコート、帽子、サングラ... -
もう一人の『左手』-07
前ページ次ページもう一人の『左手』 「だめか……」 ぼそりと呟くフーケ。 まあ、ここは仮にも王立魔法学院の宝物庫なのだ。 王宮ほどでは無かろうが、それでも歴史的にも貴重な“お宝”の数々が貯蔵されているはずだ。 『アンロック』や『練金』ごときで、容易く扉が開くとは思ってはいない。 だから、彼女は焦らない。 これでも『土くれ』のフーケといえば、トリステインはおろか、ハルケギニア全土に跨る神出鬼没の怪盗として鳴らしたものだ。 この程度の警備は何度も潜り抜け、無事標的を手中に収めている。 焦らず、逸らず、じっくりと機会を待てばいい。なんせ、今の自分は学院長の秘書なのだから。 フーケは、そう思い、きびすを返した。 その時だった。 廊下の窓から、何かが見えた。 何か、打ち上げ花火のようなものが、深夜の上空に発射される... -
もう一人の『左手』-19
前ページ次ページもう一人の『左手』 . 「さあ、聞かせてもらいましょうか。あんたが一体、どういうつもりなのか」 そう、押し殺した声で言ったキュルケは、怒っていた。 ここは酒場だ。周囲の喧騒からして、盗み聞きされるとは思えないが、それでも、最低限の用心だけは欠かすわけにはいかない。 キュルケが、眼前の人物を怒鳴りつけたいのを、必死になってこらえているのは、話の内容だけではなく、いま自分が会っている人物が誰であるか、絶対に周囲に知られるわけにはいかないからでもあった。 そのため、目立ち過ぎる貴族のマントを脱ぎ捨て、町娘の扮装までしているのだが、しかし、キュルケ持ち前の雰囲気と、庶民の娘にしては派手なコーディネイトのおかげで――哀しいかな、街の娼婦しかに見えなかった。 そんな彼女が、目深にフードを被った、いかにも済まなさそうな、ワケあり風の女性を睨み... -
0G-09
G達の乗った船が、海賊に扮した皇太子達に襲われた… G一人ならば、容易く殲滅出来るのだが、船の操縦法が解らぬ上、ワルドは兎も角ルイズまで死んでは面倒だと何もせず… ただGは黙って寝ていただけなのでこの話は…省略… 「栄光ある敗北? 敗北になんの栄誉がある!」 ウェールズ皇太子から手紙を預かり、少しGと会って話しをしておこうとGの居る部屋の扉の前に立つと 中から、Gのそんな言葉が聞こえた。 死を選ぶ愚か者達に対して……Gも同じ考えを持っているのだと思うと少しだけルイズも嬉しくなる… 同じ思いの者も、この場には確かに居るのだと 「カイン、入るわね」 「好きにすれば良い」 素っ気無く返された返事を気にせずルイズは扉を開けると、ゆっくりと入って行く 「ねぇ…G。彼等は大事な物を守る為に闘うって言ってたけ... -
マジシャン ザ ルイズ 2章 (1)
マジシャン ザ ルイズ 進む マジシャン ザ ルイズ (1)堅牢なる監獄チェルノボーグ チェルノボーグ監獄。 トリステイン城下において、最も厳重な警備と監視が行われている犯罪者の収容施設。 今、土くれのフーケはそこにいた。 「土くれのフーケ!裁判は来週中に行われる予定だ。 お前もチェルノボーグ監獄の噂くらいは知っているだろう。 妙な気など起こさず大人しくしていることだ!」 「……杖が無くちゃ、何も出来ないわよ」 看守に返すフーケの口調も何処か弱々しい。 ベットで横になる、その頭に過ぎるのは先ほど自分が言った言葉だった。 (杖が無くちゃ、魔法は使えないわよ……なのに、なぜあの男は使えたの?) 脳裏に過ぎるのは、この場所に来る直接の原因となった男の姿。 あの時、ウルザは確かに... -
虚無と狂信者-03
前ページ次ページ虚無と狂信者 教皇庁生物学研究所より再生能力強化用製剤及び当該研究データの全てが奪われ、研究者 十五名が殺害される。遺体の状況から吸血鬼の犯行であると判断し、13課が捜査開始。 二年間の捜査の後構成員二名が行方不明。その後10年間の捜査の結果、進展が認めら れず捜査の終結を決定する。当製剤唯一の被験者であるアレクサンド・アンデルセン神父 「一体ここどこだ?」 平賀才人は視界に突然現れた森に茫然とする。それもそうだ、今まで東京に居たんだから。 上を見ると月が二つある。彼は笑って言う。 「夢だなこりゃ。」 「「私の使い魔しらない?」」 ルイズとキュルケは二人同時に話しかける 「あなた、リンゴの香水?それ。」 強い匂いにルイズは顔をしかめた。その途端キュルケが震えだす。 常に冷静なゲルマニアの娘の取... -
もう一人の『左手』-15
前ページ次ページもう一人の『左手』 <フリッグの舞踏会から9時間前> ユニコーンと杖を組み合わせた紋章をつけた馬車が、護衛たる魔法衛士隊の一団とともに、魔法学院の門をしずしずとくぐり、学院長オスマン以下、教員生徒、御目見え以上の資格をもつメイジたちはこぞって居並び、杖を掲げた。 従者に手をとられ、馬車から降りた女性は、いまだ少女と呼ぶべき幼さを、その顔に残していたが、そのあどけなさこそが、彼女の容貌に華を添えていることを、誰もが認めていた。 トリステイン王国第一位王位継承者・アンリエッタ・ド・トリステイン姫殿下。 その可憐で清楚な美貌は、国民の間に絶大な人気を誇り、その支持率は、実際に政務を執る宰相のマザリーニはおろか、国家の最高主権者たる太后マリアンヌさえも凌ぐという。 毎年開催される『使い魔品評会』の最大の主賓であり、その御前に使い魔... -
ゼロと世界の破壊者-03
前ページ次ページゼロと世界の破壊者 第3話「朝日は昇って」 気がつくと、ルイズは風が吹き荒ぶ荒野のど真ん中にいた。 (…あれ?私、こんな所で何してるだろ…?) ルイズは思い返す。 写真館で士達と別れた後、食堂で夕食に無事ありつける事が出来て、お風呂に入って、授業の予習復習もして、それでベッドにぶっ倒れた筈だ。 今日は相当疲れが溜まっていたからすぐに眠りに落ちたと思われる。 (…あぁ、じゃあこれは夢だ。私、夢の中にいるんだ…) ルイズは今自分が夢の中にいる事を理解した。 それにしても殺風景な夢である。殺伐とした荒野に、ルイズはただ一人佇んでいる。 折角夢の中にいるんだから、こう言う機会にしか会えない人と会えれば良いのに。例えば大好きなちいねえさまとか、憧れのワルド様とか、幼なじみのアンリエッタ姫殿下とか…。 などと考えていると、突如異変... -
もう一人の『左手』-01
前ページ次ページもう一人の『左手』 ――これは……!? コルベールは、思わず身体を堅くした。 ディティクト・マジックでその男の肉体を走査した瞬間、これまで見たことも無い反応が起こるのを感じたからだ。 その長身の男は人間だった。 生物学的に言えば、それは疑いようも無い。 黒革の上下に、襟元からスカーフをなびかせたその男は、見るからに精悍な相貌をしていた。 だが、――同時に、男は『ただの』人間ではなかった。 皮膚、筋肉、神経・骨格をはじめ、ありとあらゆる内臓器官が、コルベールの見たことも無い物質によって組成され、代替され、全身の肉体を構成している。 しかし、しかしそれでも、“彼”は人間なのだ。 それはコルベール自身のディティクト・マジックの反応が証明している。 一体……何者……なんだ!? コルベールは、『サモン・サーヴ... -
もう一人の『左手』-14
前ページ次ページもう一人の『左手』 <フリッグの舞踏会から43時間前> 「サイトぉぉぉっ!!」 地獄のような業火が渦巻く森の中から、空中に飛び出した一個の物体。 それが、タンデムに才人を載せた、風見志郎が駆るハリケーンであると気付いた瞬間、シルフィードの背から、ルイズは思わず叫んでいた。 それは絶望の声ではない。 それは喜悦の、感激の、感涙の絶叫だった。 結局、彼女たちは、脱出しなかった。 森の遥か上空から風竜に跨り、炎の中に姿を消した少年と青年を待ったのだ。 無論、同乗者たち――キュルケやフーケは難色を示した。 いくら上空とはいえ、こんな場所に留まっていては、カメバズーカが自爆したら絶対に助からない。 いや、純粋に命の問題だけではない。 そうなったら、自分たちを逃がすために、自ら身体を張って時... -
Jackal00
アルビオン軍七万を前に、たった一人の男が立ち塞がった。 その姿を使い魔の眼で見たメイジは、その姿を滑稽に思った。見慣れない形の白い鎧を纏ったその姿。あれではロクに動けまいと、完全に侮っていた。同時に、罠の可能性を疑った。 それを上官に報告すると、 「総員戦闘用意!」 の掛け声が瞬時にかけられた。 彼は偵察兵は上官──総指揮官の顔が汗だくなのを不思議に思いながら下がった。 そして────死神が動き出す。 偵察兵が先程まで見ていた鎧が消え、数瞬後に使い魔とのリンクが切れた。何が起きたのか判らない彼は、「敵襲!」の声と同時に自分の使い魔が死んだ事に考えが至る前に、使い魔と同じ運命を辿った。 ハイパー・ヴェロシティ・アームガン。初撃でレールガンを放ち、その男は七万の兵に切り込んだ。60口径徹甲重機関銃を性格に撃ち、肉薄する。 『戦場の死神』と称される化... -
もう一人の『左手』-06
前ページ次ページもう一人の『左手』 『ゼロ』のルイズが召喚した、もう一人の“平民”。 黒革の上下に身を包んだ、目付きの悪い長身の男。 確かにさっきの、一人目の平民とは、何やら纏う雰囲気が違うが、それでも所詮、平民は平民。 いや、考えようによっては、ルイズを相手に大人気ない真似をするよりは、見世物としては、はるかにマシだろう。―― そう思って、ワルキューレによる攻撃を開始した瞬間、 「――なっ!!?」 ワルキューレは宙を舞っていた。 それも、三つの鉄槐に寸断されて。 ギーシュには、何が起こったのか分からない。 彼がその目に捉えるには、あまりにも、風見の剣さばきが速過ぎたからだ。 無造作に繰り出されたワルキューレの拳、風見はそれを首を振って躱すと、そのままワルキューレとすれ違うように踏み込みながら、その胴を寸断し、返す刀で、燕返しに戦乙... -
もう一人の『左手』-21
前ページ次ページもう一人の『左手』 . 「てめえら、こいつらも運びな。身代金がたんまり貰えるだろうぜ」 派手な格好の空賊の頭が、ルイズとワルドを指して言い、去って行く。 それに合わせて、周囲の賊たちも、下卑た笑い声を上げるが、――ワルドは妙な違和感を覚えた。 賊たちの立居振舞いから、何と言うか、――演技のような、わざとらしさを感じるのだ。 魔法衛士隊の束ねとしてワルドが知る、本物の『賊』たちは、こんなに無駄なバカ騒ぎ――油断と言い換えてもいいだろう――を獲物の前では決してしないからだ。 なぜなら賊たちにとって、“略奪行為”という時間は、少なくとも傭兵たちにとっての戦闘と同じく、命を賭けた『職業的戦場』なのだから。 彼らのやり方はもっと酷薄だ。要求だけをシンプルに突きつけ、逆らうような素振りを見せれば、人質の一人や二人は、躊躇せずに殺す。人... -
ゼロと在らざるべき者-03
前ページ次ページゼロと在らざるべき者 朝日の光と熱を顔に感じる。その刺激にルイズはゆっくりと目を開けながら体を起こす。カーテンを閉め忘れたか、と思うがこの顔に感じる日差しの暖かさを思うと、それもまたよいかと心の中で頷く。まだ眠気の残る頭を覚醒させるために顔をこすりながらベッドを降りようと―― ふみっ 床の絨毯を捉える前に、妙な感触と共に足が止まる。頭に疑問符を浮かべながら、再度ベッドから降りようと両手で体を反転させてベッドに腰掛ける姿勢になると、そのまま両足を床へ下ろす。 ごっ 再び右足が何か大きなものを踏みつけ、しかも体重が乗った今回はそれを床へと叩き付けた。何だ、と足元に視線を動かすと―― 「おはようございます、ルイズ様」 「きぃやあああぁぁぁあぁぁぁぁ!?」 「全く……場所が悪いのよ場所が。あんなとこ... -
零と異界の英雄たち
「何?使い魔について話して欲しいの?」 その女性は一つため息をつくとやがて静かに語り始めた 「呼び出した時は正直がっかりしたわ だって見た目は平民だったんですもの」 彼女の語る平民の使い魔、その噂を確かめるべく彼女への突撃取材は以外な方向へと向かっていった 彼女の口から語られるのは魔法とは違う『ニンジュツ』と言う技を駆使する超人の活躍だった あの『土くれのフーケ』を退け、レコン・キスタに組みしたグリフォン隊の元隊長ワルド子爵を圧倒したと言う 噂の使い魔、そしてレコン・キスタ7万の軍勢の奇跡に話は進んだ 「そろそろ、あの奇跡についてお聞かせ頂けませんか?」 今、貴族から平民まで噂になっているある噂、それは ヴァリエール家の三女の使い魔とその一党がたった数名の数で7万の軍を破ったと言うものだった 正直に当事者本人から話を聞いた今でもその様な事があるのか と... -
長編(話数順)-01
長編(ページ数順01~04P) ※総ページ数をカウント(例:第○話が前後編なら2ページ分、外伝や幕間も加算) 長編(話数順05P~14P)へ 長編(話数順15P~)へ 01~04P 01~04P 作品タイトル 元ネタ 召喚されたキャラ 更新日時 ラスト・レイヴン×ゼロ ARMORED CORE LAST RAVEN ジナイーダ 2009-10-11 15 58 32 (Sun) ゼロのあやかし ~使い魔の名は愁厳~ あやかしびと 一乃谷愁厳 2009-10-11 16 45 22 (Sun) ルイズと再生の魔法使い アリアンロッドリプレイ・ルージュ トラン=セプター 2009-10-11 16 56 31 (Sun) 零の謳姫 アルトネリコ2 世界に響く少女たちの創造詩 ジャクリ 2009-10-11 17 11 51 (Sun) 『虚無と金剛石~ゼロとダイアモ... -
もう一人の『左手』-05
前ページ次ページもう一人の『左手』 「サイトぉっ!!」 「どいてぇっ! ――いいから――どきなさいよぉっっ!!」 人垣の中から、野次馬を掻き分けて、桃色がかったブロンドの少女が飛び出し、才人のもとへと走り寄り、その血まみれの頭を抱きかかえる。 「しっかりしてサイトっ!! 死んじゃダメ、死んだら……死んだら、絶対に、許さないんだからねっ!!」 「……よお」 才人は、うっすら右目を開くと、ほんの少しだけだが、微笑んだ。 ギーシュに見せた、唇を歪ませた皮肉な笑みではない。人が心落ち着かせたときに見せる、安らかな表情。 ――それは、ルイズが見る、彼の初めての笑顔だった。 ルイズには何故か、才人の、その笑顔の意図を正確に汲み取る事が出来た。 お互い出会ってから、まだ数時間しか経っていないというのに。いや、それどころか、口を開けば、諍いばかりだった... -
使い魔は鉄拳王-03a
前ページ次ページ使い魔は鉄拳王 平八が眠りについた同時刻・・・ガリアの王都リュティスに聳え立つヴェルサイテイル宮殿にて。 退屈と怠惰の日々に身を任せていた無能王ことジョゼフ一世がサモン・サーヴァントを暇つぶしにやってみた。 すると呼ばれてきたのは・・・ 「なんだ・・・ただのジジイか、つまらん!」 呼び出されたのはかなりの高年齢の老人だった。 「……ぬぅ…ここは何所じゃ?」 平八が死に三島財団をわしが手に入れ鉄拳トーナメントを開こうしていたら鏡を見つけ手に触れたとたんここに・・・ そして現在、こういう状況に陥っている。 椅子に座っている男を見たが、この上なく退屈そうな顔をしていた。 虚無と言ってもこんなものか。 さて何が出てくるかと多少の興味はあったが、ただのジジイしかも上半身が裸の。 ジョゼフは外の衛兵呼んだ。 「御呼びでしょうか陛下」 「賊... -
創世の使い魔-00
前ページ次ページ創世の使い魔 創世の使い魔 第0章 ―とある酒場にて― ――『彼』の話を聞きたいって? 珍しい事もあったものだ。『彼』の話を聞きに来たのは君が初めてだ。 おっと、気を悪くしたかな。いつもは船に関係することばかり話してるものでね。 ああ、『彼』の事はよく知ってるよ。『彼』の事を調べるのはとても興味深いからね、まぁ私の数少ない趣味さ。 『彼の伝説』の伝説は至る所に存在する。 例えばフランスの昔からあるおとぎ話で、杖を携えた少年が暴君を倒すというお話は、とても有名だ。絵本にもなっているね。 実のところ、かの王を殺したのは『彼』ではないのだけれど、少なくとも関係者であるという資料は残されている。 そも『彼』の伝承を遡ると、実は文明発祥の時代まで遡ることができる。 いや正確には、それ以上遡るための資料がないと... -
もう一人の『左手』-20
前ページ次ページもう一人の『左手』 . 「なぜ知っているだと……? テメエ一体、さっきから何言ってやがるんだ」 じわりと声に殺気を込めて、平田がそのままカウンターから立ち上がり、風見ににじり寄る。それはまるで、猫科の大型肉食獣が威嚇するような迫力があった。 ――が、そんな見る者の目さえ背けさせるような圧力を、風見は無言のまま、弾き返すような鋭い眼光で睨み返している。口元の冷笑さえも、いまだ浮かべたままだ。 (――ちがう) 不意にフーケは気付いた。 この男は確かに、風見志郎だ。 顔と体格が同じというだけではない。そんな外見的特徴など、魔法を使えば、いくらでも似せられる。だが、そんなことでは、絶対に解決出来ない内面的特徴というものがある。 そういう意味では、この男は紛れもなく風見志郎本人だ。 この雰囲気、体臭、なにより余人には絶対に... -
ZERO A EVIL-03
前ページ次ページZERO A EVIL お腹いっぱいに朝食を食べて満足したルイズは、使い魔の様子を見に行くことにした。 召喚場所に行ってみると、昨日と同じ場所に石像の姿が見える。 ひょっとしたら、あの変な夢はこの石像と何か関係があるかもしれないとルイズは考えていたが、石像には何の変化もない。 昨日契約のキスをした時、一瞬石像の目が光ったように見えたが、やはり気のせいだったらしい。 ルイズはしばらく石像を眺めていたが、もうすぐ授業も始まるので教室に向かうことにした。 教室に入ると多くの生徒が使い魔と一緒に授業が始まるのを待っていた。 その中にはキュルケとフレイムの姿も見える。 すると、フレイムがこっちを不思議そうな表情で見てくる。 どうやら、もうルイズを怖がってはいないようだ。 席に着こうとすると何人かの生徒が自分を見て笑っているのが目に入った。 いつ... -
ご主人様は承認せず! 前編
トリステインの平民ならば、当然知っているだろう! 巷を騒がす“あの噂”ッ! 魔力の限り好き勝手! ふんぞり返った貴族が今や、揃って肝を冷やしていると! ……『土くれ』のフーケ? そうそうまさにその通り! メイジ崩れの盗賊に、貴族の宝が大ピンチ! 愉快痛快我らの土くれっ! しかし! しかしだ諸君っ! その噂には続きがあるのだっ! 悪逆非道の貴族の屋敷! 抜き足差し足忍び足! 侵入を果たす謎の人影……ッ! 始祖をも恐れぬ悪行の確かな証拠を握り締め、寝ぼけ眼の貴族に向かい胸のすくような啖呵を一つ! 「狂った王国を監査するッ!」 君は見たかっ!? 月光を背に堂々たる、其はイーヴァルディの勇者の再来ッ! しかしてその姿はあまりに異様! 黒蝿のような奇怪なマスク! 腹に巻きたるレザーメイル! 亜人だ! 魔人だ! ... -
もう一人の『左手』-04
前ページ次ページもう一人の『左手』 「ガンダールヴ?」 「ああ、やはり思った通りだ。カザミさん、このルーンは間違いなく、伝説の始祖の使い魔ガンダールヴのものだよ!!」 「分かるように言ってくれ。あんたも知っての通り、俺はこの世界の常識が無い」 「あ、――ああ、そうだったね。では始祖ブリミルの説明からした方がよさそうだ」 始祖ブリミル――フルネームを、ブリミル・ル・ルミル・ユル・ヴィリ・ヴェー・ヴァルトリ。 六千年前、東方の聖地よりこの地に降臨し、風火地水の四大系統からなる『系統魔法』の技術を人々に伝え、現在のハルケギニア文明の、ほぼ根幹を創り上げた大聖者。 だが、本人はその四つの系統のいずれでもない、零番目の系統『虚無』の使い手であったとされ、その力は、生命の組成から時空間への干渉まで及んだという、伝説のメイジ。 また、三人の子と弟子の一人に... -
もう一人の『左手』-26
前ページ次ページもう一人の『左手』 . 「離して子爵さまぁっ!! いたのよっ!! サイトがっ、わたしの使い魔がっ」 そう叫びながら、ルイズは甲板に飛び出そうともがく。 だが、彼女を取り押さえるワルドの逞しい腕は、まるで微動だにせず、ルイズの抵抗を空しくさせる。 しかし、――確かに彼女は見たのだ。『イーグル』号の艦橋舷窓から。 地面の中から泥まみれになって、のそのそとモグラのように貴族派の陣中に這い出してきた少年を。 たとえ双月が夜空を煌煌と照らしていたとしても、そして『マリーガラント』号の自沈攻撃によって、戦場が紅蓮の炎に包まれていたとしても、――それでも今は、夜だ。『イーグル』号の小さな舷窓から、一人の少年を視認したというには、やや無理がある。 だが、それでも、ルイズは……才人を見たのだ。 しかし、それを主張する少女の姿は、... -
虚無と狂信者-08
前ページ次ページ虚無と狂信者 「何でアーカードと戦うの?」 寝そべりながらルイズは自分の使い魔に聞く。彼は何事かと少女を見る、その瞳が真剣さと憂いを宿していたため、アンデルセンは答えた。 「私がイスカリオテであり、奴が吸血鬼であるからです。」 ルイズは続けて問う。 「それだけの理由であんな化け物と闘うの?」 アンデルセンは黙って頷いた。ルイズは、今度はあの少年を思い出す。 「サイトもあなたの様になるの?」 彼は考えた。あの弱いただの子どもを。優しさと勇気しかその身に持たない少年を。 「彼は私とは違う。彼は自分の意思を神と同等に信仰しています。自分の心に沿っています。 私は神しか信じていません。それがイスカリオテですから。」 そうなのだ。あの少年が信仰しているのは己でしかないのだ。 ふとあのプロテスタントの、怨敵の主たるあの女を思... -
0G-03
「……ギーシュは、なんでまたアンタと決闘をする事になったのよ」 「シエスタと言う娘が、ギーシュとか言う者が落した香水の小瓶を拾って渡したのだ」 「ふーん、それで?」 「自分の物では無いと言い出した結果、ギーシュと言う者が二人の娘に振られ、シエスタと言う娘の所為にしてな」 「で、なんでアンタが決闘をするわけ?」 「あまりに、ギーシュと言う小僧が滑稽だったのでな…少しばかり論破をしたら、オレに決闘を挑んできた」 「そっ、そうなの…なんかギーシュが一方的に悪いみたいね」 「そう言えば、このオレを殺すなどと言っていたな。自分が殺される覚悟があるようには見えなかったが、その点に関しては評価出来るだろう」 この時、ルイズは本気で悟った。目の前の男は、ギーシュを殺すつもりなのだと… 平民では、メイジには適わないと言われているが、自分を生きた伝説と評したぐらい... -
ゼロの誓約者
サモンナイト より、ハヤトを召喚 ゼロの誓約者-01 ゼロの誓約者-02 -
もう一人の『左手』-08
前ページ次ページもう一人の『左手』 「冗談じゃねえ! 冗談じゃねえ!! 今度こそ本気で冗談じゃねえぞ!!」 「はあ……まあ、たしかに、そうかもねえ……」 才人の怒声に、褐色の肌と豊満な肉体を持つ女性――キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・ツェルプストーが、溜め息を洩らしながら、呟くように同意する。 こんなはずではなかったのだ。 今頃この自室は、本来ならば濃密な色気と媚香が漂う、愛の空間と化しているはずだったのに。 才人の意識が回復してから、はや一週間。 もはや恒例行事と化した観のある、ルイズと才人の大喧嘩。 その怒声は、本来、分厚い石壁で遮られているはずの隣室にまで聞こえて来る。 キュルケは、そのおぼろげに伝わってくる罵声を、聞くとも無く聞きながら、改めて、あの平民の少年は大したものだと思った。 少なくと... -
鋼の使い魔 幕間-03
鋼の使い魔 通廊が揺れている様に思えた。しかしそれはもしかしたら自分のほうが揺れているのかもしれない。 絶えなき砲撃と歩兵の突撃に晒されている今、このニューカッスルに残された300足らずの将兵を指揮するべく、この日のために用意した陣頭指揮所へ続く路を若き王子ウェールズは歩いていた。 その胸は卑しき裏切りの手によって穿孔し、命の雫を床へ零し続けている。 輸血技術のないハルケギニアの外科知識においては多量の出血は即、死に繋がる。 若い命が燃え尽きようとしているウェールズの意識はしかし、傷の痛みを飲み込むほどに明瞭としていた。 ニューカッスル城の閉じられた城門の内側に陣頭指揮所は作られていた。 防杭を並べ、さらに城門自体を固定化や錬金で完全に閉じきった城門を見る事が出来る位置に、土壁と天幕で作られた指揮所があり、わずかな将兵への指示を飛ばしつつ... -
もう一人の『左手』-09
前ページ次ページもう一人の『左手』 「かっ、風見さんっ!! おっ、おれの事はいいから、このクソ女を……うぁぁぁぁ!!」 ゴーレムが、少し手に力を込めただけで、才人が、その勇ましい発言内容を、あっさり覆す呻き声を上げる。 「余計なこと言うんじゃないよ坊や」 女は、そう言いながら、ゴーレムの肩から地上のV3を睨みつけた。 V3は己の迂闊さに、ほぞを噛んだ。 眼前のミス・ロングビルが戦いを挑んで来たのは、あくまで、この自分――V3を、学院に仇なす不審な亜人と判断したからだ、そう思っていた。 だが……違う! 仮にも教育機関の構成員たる者が、不審人物を取り押さえる為の戦闘中に、人質を取るような真似をするはずが無い。 この女は、もとより、ただの秘書などではなかったのだ。 なぜ気付けなかったのだ!? もし、もっと早く気付いていれば、……こん... -
帝王(貴族)に逃走はない(のよ)!-13b
前ページ次ページ帝王(貴族)に逃走はない(のよ)! 翌朝。 馬の蹄や怒号が振動となって宴の余韻の残るニューカッスル城を揺らす。 岬の向こう側からニューカッスルへ進撃するのは傭兵が主力の部隊。 数はおよそ五千と言ったところ。 城の一角が崩れ、門が破れているのを見て、あわよくば城に雪崩れ込もうというつもりだろう。 レキシントンが制圧された事を知らずにいるため、遊弋するサザンクロスを見て空軍に獲物を横取りされるものかと焦ったのかもしれない。 だが、城の中には何も残ってはいない。 あるのはマチルダが贋作であると鑑定した物ばかりだ。 後は、女子供といった非戦闘員が脱出用の船に乗り込むのを待つのみ。 それまで敵兵を一兵たりとも中に入れるわけにはいかない。 傭兵と言っても貴族から身を落した者も多く、門が破れている以上は三百では物量に抗いきれず破られてしまう。 進入され... -
[秩序]の守護者
「ARMORED CORE MASTER OF ARENA」より、ハスラー・ワンとその機体ナインボールを召喚 [秩序]の守護者-01 [秩序]の守護者-02 -
ゼロと世界の破壊者-00
前ページ次ページゼロと世界の破壊者 これまでの仮面ライダーディケイドは!! 「…ディケイド」 「世界を救ってやる…たぶん」 「あなたは9つの世界を旅しなければなりません。それが世界を救う、たった一つの方法です」 「あなたは全ての仮面ライダーを破壊する者…創造は破壊からしか生まれませんからね」 「ディケイド!仮面ライダーと戦う悪魔め!お前の存在こそが世界を破壊するのだ!」 「俺は破壊者だ…悪魔だからな」 「士くんは違う!悪魔なんかじゃない!」 「世界には、僕たちの想像も超える素晴らしいお宝が眠っている。僕は全てをこの手に入れたいんだ!」 「言っておくけど、僕は君よりもずっと前から通りすがりの仮面ライダーだ!…覚えておけ」 「…ただの泥棒だ」 「…世界中の人の笑顔のためだったら、あな... -
ゼロ大師-03
前ページ次ページゼロ大師 「……」 聞仲は豪奢な椅子に座りながら、思考に耽っていた。 この世界に呼ばれてから、これで一日。 たった一日だというのに、新しい環境で、久々に人間と過ごした時間はかなり濃密だった。 まるで数十年前に戻ったかのような感覚、かつて若き紂王に師事して居た時の。 彼の主となったのは、小さき体にコンプレックスを閉じ込めたような少女。 昨日の申公豹との話を聞いていて感じ取った事は、彼女からひしひしと伝わってきた。 おそらくは努力が実らず苦悩しているのだろうと。 優れた才覚を持っていても、それが発揮されない者というのは非常に多い。 仙人でも、人間でもそれは同じである。 軍師という立場、仙人の永遠の時間を持っていた聞仲は、そうした人々を知る機会を十分持っていた。 場所のせいで発揮できない者、誰かの為に発揮できない者、発揮する機... -
もう一人の『左手』-35
前ページもう一人の『左手』 . 「貴族の方々が、平民に何をしようが、我々に何が出来ると言うんだ。たとえどれだけ理不尽であっても、これが始祖ブリミルの定めし世界の理(ことわり)であり、法(のり)なのだ」 その悲痛な台詞に、才人は返す言葉を持たなかった。 彼女の父親は、次の瞬間にはハッと我に返り、済まなさそうな表情を向けたが、詫びの言葉は来なかった。――だが、そんなことは才人にはどうでもよかった。彼が言った台詞は、まぎれもない真実なのだから。 足元がふらつくような感覚をこらえ、才人はシエスタを追って厨房に入る。 「シエスタ……」 何を言えばいいのか、まったく整理もつかないまま才人は口を開く。 「はい?」 シエスタの笑顔に取り乱したところはない。もうパニックは脱したというところなのだろうが、帰省の理由を訊かれたときの彼女の反応を鑑みれば、シエ... -
もう一人の『左手』-02
前ページ次ページもう一人の『左手』 「やめろっ!! やめるんだ風見ぃっ!!」 結城丈二――ライダーマンが、血を吐くような絶叫を上げるのが聞こえた。 だが、戦友には申し訳ないが、風見志郎――仮面ライダーV3には、もはや引き返す気はなかった。 ――V3火柱キック。 レッドボーン、レッドランプ、ダブルタイフーン。 その肉体に仕込まれた三つの動力装置を、ほぼ暴走状態に近いまでにフル回転させ、そのパワーを全て右足に乗せる。理論上では『逆ダブルタイフーン』のさらに数倍の威力を発生させる事が出来る。 ――だが、それゆえに、肉体にかかる負担は半端なものではなく、例え改造された肉体と言えど、その衝撃に耐えられるかどうかは定かではない。 つまり、命と引き換えに放つ、文字通り『最期』の技。 だが、いまの風見には、そんなことなどどうでもい... - @wiki全体から「たった一人の監視者-03」で調べる