あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ内検索 / 「ゼロのメイジと赤の女王‐04」で検索した結果
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ゼロのメイジと赤の女王
...と赤の女王‐03 ゼロのメイジと赤の女王‐04 ゼロのメイジと赤の女王‐05 ゼロのメイジと赤の女王‐06 -
ゼロのメイジと赤の女王‐04
前ページ次ページゼロのメイジと赤の女王 翌朝、早々に目覚めた陽子はとりあえずいいつけを済ませようと、そっとルイズの部屋を抜け出した。 広い廊下を歩きながら周囲を見て回るが、無駄に大きな城は何がどこにあるのかさっぱりわからない。 「・・・さて、水場はどこにあるんだろう」 少し困ったようにひとりごちた陽子に、冗祐が助言する。 「使用人をつかまえて訊いたほうが早いのでは?」 「そうだな、これだけ広いのなら働いている人も大勢いるか・・・」 「ならば丑の方角に、人が」 「わかった、ありがとう」 教えられた方向へ向かえば、遠くから人影が向かってくるのが見えた。彼女――――どうやら女性だ――――は陽子に気づくと軽く目を見張って、にこりと笑んだ。 切りそろえられた黒髪と白い肌に散ったそばかすの愛らしい、陽子とそう歳の変わりなさそうな少女だ。 ... -
ゼロのメイジと赤の女王‐02
前ページ次ページゼロのメイジと赤の女王 「・・・・・・非常識は大分見てきたと思ったけれど、人間が騎獣にも乗らず空を飛んでいるのを見たのは、流石に初めてだな・・・」 陽子はほとんど呆れたようにひとりごちた。数十の人間が身ひとつで宙を駆る姿は、なかなかどうして大したものだった。 あれからコルベールとふたりがかりで必死にルイズをなだめにかかったが、こんな細い少女のどこにこれほどの力があるのだろうと不思議に思うほど、彼女は怒り狂っていた。 やっと落ち着かせてみれば授業時間が過ぎているどころか、日が傾き始めていた。 コルベールが疲れたように解散を云い渡し、待ちくたびれた少年少女はルイズを口々に罵り、あるいは嘲笑って遠くに見える石造りの城のほうへ飛び去っていった。 「・・・私たちも行くわよ」 ルイズは頭上をゆく彼らを力いっぱい睨みつけながらさっさと... -
ゼロのメイジと赤の女王‐03
前ページ次ページゼロのメイジと赤の女王 ふたりが城に到着したのは、とうに日も暮れてのことだった。 ルイズは迷いのない足取りで城の中の一室に入ると、物も云わずにベッドへ飛び込んだ。 あれじゃ制服が皺になるんじゃないかなと陽子は思ったが、声をかけられるような雰囲気でもない。 何の気なしに窓へと視線をやって、驚愕に目を見張った。 「・・・月が、ふたつ・・・?!」 月影の国にも様々な非常識が溢れていたが、流石に月と太陽はひとつずつしかなかった。 ああこれはもう異世界確定だな。陽子は軽く頭を抱える。 どうしよう、不可抗力だと思うんだけど、やっぱり怒られてしまうだろうか。こんなに遠くまで来る気はなかったのだけれど。 仏頂面をさらに渋くした景麒と、穏やかなままで威圧する浩瀚を想像してしまい冷や汗を流す。 これはどうしたものかなと悩んだ末... -
ゼロのメイジと赤の女王‐01
前ページ次ページゼロのメイジと赤の女王 眼を開けて視界に飛び込んできたのは、蒼い蒼い空と、広い広い草原だった。 陽子は尻餅をついた格好で、ぽかんとその光景を見詰めた。 抜けるような蒼空と豊かな草原、遠目には西洋風の石造りの城がそびえている。 一体全体これは何事だろう。つい先程まで街中にいたはずの自分がこんなところにいる理由がまるで思いつかず、陽子は困惑する。 「あんた誰?」 呆けた陽子の目前に仁王立ちしているのは少し信じられぬほど美しい少女である。 意志の強そうな鳶色の瞳は白磁のようにすべらかな膚と愛らしい顔立ちを飾り、それを縁取る桃色の髪は光を受けた部分がちらちらと金色に輝く。 身に纏っているのは漆黒のマント。その下にブラウスとプリーツスカート、オーバーニーソックス。間違っても慶の国ではまず見ないいでたちである。 月影を... -
ゼロのメイジと赤の女王‐06
前ページゼロのメイジと赤の女王 「よいしょ、っと…」 軽く声を掛けて、陽子は黒焦げになった机を持ち上げた。 爆発から二時間後、ようやく目を覚ましたシュヴールズは、ルイズに教室の後片付けを命じた。その際に魔法の不使用を言い渡されたが、彼女の場合、それにあまり意味はないようだ。 しかし「失敗を恐れずに」とか云っときながら罰を与えるとは。教職に向いているとはとても思えない女性の言動にやや呆れながら、陽子は壊れた机や窓ガラスを片付け、雑巾をかける。 ルイズは徹頭徹尾仏頂面で、申し訳程度に煤のこびりついた机を拭っていた。 眉間にしわを寄せ、だんまりを決め込んでいるルイズに触るのは得策ではないだろうと、陽子も何も言わずに黙々と掃除を続ける。 重苦しい沈黙の中、聞こえるのはただ作業する物音だけだった。 「…なんか、言いたいこと、あるんじゃない... -
ゼロのメイジと赤の女王‐05
前ページ次ページゼロのメイジと赤の女王 身支度を済ませて部屋を出ると、丁度隣の部屋から出てきた少女とかちあった。途端、ぴりりとルイズの周囲の空気が張り詰める。苦い表情は朝っぱらから嫌なやつに会ってしまったと云わんばかりだ。 その反応にか少女は陽子とは少しばかり色合いの違う赤い髪を掻きあげてにっこりする。身長はルイズより大分高く、女らしい曲線を描く身体はまるで大人と子供だ。褐色の肌が朝日にぴかりと光っていた。 おはよう、ルイズ。おはよう、キュルケ。対照的な少女たちは対照的な表情で挨拶を交わした。ところで、キュルケと呼ばれた赤毛の少女はにやにやと笑いながらルイズの後ろに控えている陽子を指す。 「あなたの使い魔って、それ?」 「・・・そうよ」 苦虫を噛み潰したような顔で肯定するルイズに、キュルケはあからさまに馬鹿にした表情で笑い出した。 「あっはっは... -
虚無のメイジと双子の術士
クロス元はサガ・フロンティア、 召喚キャラはブルーおよびルージュを召喚 虚無のメイジと双子の術士-01 虚無のメイジと双子の術士-02 虚無のメイジと双子の術士-03 虚無のメイジと双子の術士-04 -
虚無のメイジと、吸血鬼
「閉鎖師」シリーズより、吸血鬼フィオナ・イストラッド。 虚無のメイジと、吸血鬼-01 虚無のメイジと、吸血鬼-02 虚無のメイジと、吸血鬼-03 -
伝説のメイジと伝説の使い魔
ドラゴンボール劇場版からブロリーを召喚 伝説のメイジと伝説の使い魔-01第一話 伝説の出会い 伝説のメイジと伝説の使い魔-02第二話 記憶喪失 伝説のメイジと伝説の使い魔-03第三話 使い魔の朝 -
虚無のメイジと、吸血鬼-01
前ページ次ページ虚無のメイジと、吸血鬼 燦々と日が照る日中は、吸血鬼にとっては至極暮らしにくい時間である。 しかし、今この場に存在する吸血鬼――名をフィオナ・アイスハイムと言う――にとっては、 苦痛を呼び起こす物では、ありえなかった。『尊き三種』の一つであるラインゴルト氏族の直系、 アイスハイムを束ねる”蒼姫”は対吸血鬼属性の殆どを克服していたのだから。 彼女にとっての日の光は、人間たちにとっての夜と同じ様に、眠気を誘う物でしかない。 紅色の瞳に、空色の長い髪。縁のない眼鏡のレンズの奥には、面白いものを見つけた時のような、 光が宿っている。しかし、その視線の先には、何もない。 その様子は、日の光に照らされたまま、虚空を見詰めている――と、凡百の人間には見えるだろう。 しかし、常人ならざる感覚を持つ者にとっては、虚空に開いた穴を眺めている、と見える。... -
長編(五十音順)-03
さ行 作品タイトル 元ネタ 召喚されたキャラ 更新日時 虚無の使い魔と煉獄の虚神 円環少女 グレン・アザレイ 2009-01-01 17 29 32 (Thu) PSYFER THE BLAZE サイファー 炎修太 2010-11-07 00 27 24 (Sun) 機械仕掛けの使い魔 サイボーグクロちゃん クロ 2012-02-08 20 35 19 (Wed) 化け猫の使い魔 サイボーグクロちゃん マタタビ 2007-08-02 17 10 42 (Thu) サイボーグ 0009 サイボーグ009 島村ジョー 2010-09-14 18 18 56 (Tue) 使い魔は妖魔か或いは人間か サガ フロンティア アセルス 2014-07-12 00 04 04 (Sat) 時の使い魔 サガ フロンティア 時の君 2010-08-12 13 26 39 (Thu) ゼロの使い魔・ブ... -
虚無のメイジと、吸血鬼-02
前ページ次ページ虚無のメイジと、吸血鬼 口付けは、長くて短かった。ルイズが感じたのは柔らかく、暖かい感触。 ――吸血鬼だって言うから、もっと冷たいと思っていたのに。 意外なくらい温もりに溢れていて、瑞々しかった。少し、羨ましくなる。 実を言えばルイズ自身も負けてはいないのだが、そこは隣の芝生は青く見えるという物。 どちらともなく唇が離れていく時に、不覚にも、もう少し――などと思ってしまったほどだ。 契約の口付けが、終わる。 周囲はまた、沈黙に包まれていた。 吸血鬼と言う危険な存在が、こうも簡単に人間との契約を結んだ事への驚きに。 何か裏があるのではないか、と思っている者も少なからず居る。 それだから、フィオナが左手を掲げた時に一瞬空気が硬化したのも無理はないだろう。 心配性な何人かは、振り下ろされた左手がルイズを叩き... -
伝説のメイジと伝説の使い魔-01
前ページ次ページ伝説のメイジと伝説の使い魔 第一話 伝説の出会い 「――――」 世界のどこか、どこでもない淡い光の中で、男は誰かの名を叫んだ。その名が何者か、男自身もすでに忘れた。 記憶がなくとも、男は、本能から、本能でしか表せようのない誰かを求めた。 男の根源に眠るのは、流れる血だからこその欲望。自身の強大な力ゆえの狂気。それを上回れた故の、かつて、隣であった故の、劣等感を味わった故の憎しみ。 「――――」 男は叫ぶ。光の彼方に向かって。 男はその意味を喪失し始めていた。男の頭が霞のような霧に覆われ、何もかもが忘却されてゆく。 不意に男は額を押さえる。何かに支配される不快感を感じたからだ。 男は額を掻き毟る。そうでなくては頭が割れる。記憶の彼方に感じた、痛く、僅かに暖かみのある拘束。 男のすべてが光に包まれる。男はもう何も考えら... -
虚無のメイジと双子の術士-04
前ページ虚無のメイジと双子の術士 朝の光と小鳥のさえずりで目が覚めた。 その程度のことで目が覚めたのは、非常に寝にくい環境だったからか。 起き上がって、どうするべきか考える。 ――自分自身には、特にすることはない。 が、ルイズにはあるかも知れない。 此処は学校だと、コルベールという教師も言っていた。ならば、授業もあるだろう。 起こしても咎められることはあるまい――休日なら話は別だが。 ルイズが寝ているベッドまで歩いていくと、 肩に触れて、体を揺らす。 「朝だぞ、起きなくて良いのか」 「うーん……あと五分……」 何というか、非常に典型的な「そのまま寝入ってしまう人」のセリフを聞かされて、 彼は一応聞いておくことにした。 「今日は休日ですか?」 「ん……え?んー……違う……けど、まだ早いし……寝るわ……」 「休日じゃないんだな... -
ゼロの女帝-10
前ページ次ページゼロの女帝 「もうすぐラ・ロシェーヌね」 「思っていたより早く着いた」 「シルフィードもだけど、ワルド卿のグリフォンのおかげね。 あらどうされましたワルド卿?」 「い、いやちょっとね」 「まあまあワルドちゃんったら、まるで『初めてのデートの相手が待ち合わせに遅れてる』みたいよ」 「な、なにおおっしゃっているのかわかり・・・・・・」 「ワルドちゃんは男の子、しかもこの中で最年長なんだからどっしりと『俺に全て任せておけ』みたいに構えないと。 ましてルイズちゃんの前なんだから」 「どう考えてもワルド卿はヴァリエールにはもったいないわよねぇ」 などとヨタ話をしながら飛び行く二匹。 そして岩陰からそれを見送るのは、珍妙な格好をした一人の男。 トリステインでは見かけない衣装だ。 否、ハルケギニア全土を見てもこのような服を着た者... -
虚無のメイジと、吸血鬼-03
前ページ虚無のメイジと、吸血鬼 「フィオナ……一つ聞きたいんだけど」 ルイズは、訝しげな表情を微笑を浮かべる己の使い魔に向け、言った。 「それじゃああなた、何が出来るの?」 虚無のメイジと、吸血鬼 ルイズの部屋に辿り着き、中へ通されてから待つこと暫し。 教室に戻り、何がしかの用事――知る必要はないと考えたため、フィオナは聞かなかった――を済ませてきたのであろう。 主が戻ってきた事に音で気付くと、主の寝台に腰を落ち着けていたフィオナは、音を立てずに立ち上がった。 歩を進め、部屋の中心で立ち止まると、扉へと向き直り、主が戸を空けるのを待つ。 「お早いお帰りでしたね」 扉が開くと同時に、フィオナは主へ向けて声を掛けた。表情を見た所、機嫌は悪くはなさそうだ。 まあ、機嫌が悪かろうと主に媚び諂うつもりはないの... -
ゼロの女帝-16
前ページ次ページゼロの女帝 「それはこの世の真理を否定することだ!」 その叫びとともに、ワルドの遍在が掻き消える。 「あら?もう精神力が尽きたのかしら」 「違う。おそらく『遍在』による攻撃が通用しないと判断した。 通用しないなら無意味に精神力と体力を消耗するだけ」 「だろうね。『遍在』の強みは分身が見た聞いた感じた事も知る事が出来るというもの。 つまり彼は『遍在』が倒される度に四回『死』を体感してると言っていい。 死とまではいかないかもしれないが一度につき四回もマダム・セトの攻撃に貫かれる 感触を味わっているのだ」 解説役になったウェールズとタバサ。 「女ならそれは日常茶飯事ですけど、普通の殿方ならそれはつらそうですわね」 「『遍在』は作った時に魔法を唱えるだけの精神力を分け与えねばならない。 通常の数倍消耗す... -
ゼロの女帝-27
前ページゼロの女帝 キィン!ガキィン! 刃と刃が打ち鳴らされる。 「はぁっ!」 黒髪の少年が小柄な体に合わぬ大きな剣を一閃させると、また一人ガリア正規兵の鎧を纏った男が倒れ付す。 「悪ィな」 少年はそう一言声をかけると、もう後ろも見ずに次の相手へと挑みかかる。 「とゆーか」 金髪のキザっちぃ少年がゴーレムを兵に挑ませながら少年に語りかける。 「メイジが殆どいないんで助かってるといえば助かってるんだが、この兵の数は一体何なんだ」 「しかたないでしょ」 赤髪の扇情的な雰囲気の少女が炎を放ちつつそれに答える。 「王の勅命で処罰されようってんだから警備も相応でしょ。 ましてかのオルレアン公の娘さんよ? 話漏れたら反逆罪覚悟で救い出そうとする貴族がいくら出てくることや らっと」 「そ、それにしてもルイズ... -
ゼロの女帝-23
前ページ次ページゼロの女帝 「さて」 とシルフィードの背中でサイトは後ろのタバサに語りかける。 「今回の任務はどんなんだ?まあなんとなく分かるけど」 「王宮に反乱を宣言した土のメイジの捕縛」 「それってひょっとして」 「肯定。 『パペットマスター』の異名を持つ土のスクェアメイジ、名をワィル。 ゴーレムやガーゴイル製造に長けていてそれらの売買で巨大な富を得ている」 「こないだ同じ罪状で俺らが成敗したばかりじゃないか! ・・・・・・・・ひょっとしてわざと反乱させてるのか」 「肯定。 彼は反乱を起こそうとも討伐軍の兵士を決して殺さない。 故に兵の鍛錬に最適だし私達が彼のガーゴイルを倒すことで彼は精進し、更なる強力なガーゴイルを作成する。 それはガリアにとって有益」 「ンなこったろうと思ったよ。 前回わ... -
伝説のメイジと伝説の使い魔-03
前ページ伝説のメイジと伝説の使い魔 第三話 使い魔の朝 春の朝は、どうしてこうも、心地がいいのだろうか。 滑らかでふんわりと被さる毛布の感触は、最高級のドレスを纏うように、肌を優しく包んでいる。 部屋の温度と毛布の暖かさのマッチ加減は最高である。体の芯から来る気持ち良さ。まるで憧れの騎士に抱かれているようではないか。 ああ、春眠こそ神が人に与えた祝福。 以上、暁を覚えないルイズの詩である。 ルイズが気分良く朝のまどろみを満喫していると、誰かが腕を掴んできた。しかもかなり強く。 ルイズはリラックスムードに水を差された気分になる。朝の恵みを邪魔するのはどこの誰だ?ルイズは体を傾け抗議しようとしたら、ものすごい振動が全身に襲い掛かる。 最初は地震と思ったが、そんな生易しいものじゃない。表わすなら、直下で大爆発でも起きたような衝撃。 ベッドが... -
虚無のメイジと双子の術士-01
前ページ次ページ虚無のメイジと双子の術士 光が弾ける。 この不自然なまでに明るい場ではさして目立たなかったが、それは明らかに周囲の物と違っていた。 解りやすく言えば、威力がある。 それが弾けた場所は爆撃でも受けたかのように吹き飛んでいる。 見ればその焦げ跡はその場所のそこら中にあった。 焦げ跡に限定しないのならば、もっと破壊の痕跡はあった。 柱は鋭く斬り倒され、固形化した雲とでもいうのか――白い床は所々消し飛んでおり、 階段は何かに食われたかのように削り取られ、粉々になった瓦礫が空中で静止している。 それらはこの場所に致命的な変化をもたらしていた。 別に、悪いと言うことではない。 もとより、『彼ら』はそのためにここに来たのだから。 破壊の跡は、ある一点に向かうほど、その密度を増している。 その一点で―――この場所の一番奥深くで、ふたつの存在... -
ゼロの黒魔道士-00
前ページ次ページゼロの黒魔道士 みんな…… ありがとう…… さようなら…… ボクの記憶を空へあずけに行くよ…… …空の向こうって、こんなに人がいるんだっけ…? ―ゼロの黒魔道士― …たしかに、ボクは動かなくなってしまったはずだった… …不思議と怖くないやって思ってた みんなとめぐり逢えたから、だよね、きっと… …死ぬときって、「光に包まれる」って表現があるって聞いてたけど… 「…人形?いえ、人なの?」 …光に包まれて、気づいたら青空が広がっていた… 「まさか、私、平民を召還しちゃったの?」 …ひょっとして、ここが空の向こうの…天国とかなのかなぁ…? 「あんた、何?」 …空の向こうにも、こんなに人がいっぱいいて… 「あんた、何なの?」 …空の向こうにも、しっかりと草や木... -
ゼロの旅人
少女が使い魔召喚の魔法を唱えると案の定爆発が起こりました。 さすがゼロのルイズ! と級友たちは囃し立てましたが、その爆煙の中から現れたものを見て目を剥きます。 現れたのは、鉄の馬に跨った旅人でした。 足の代わりに二つの車輪を持つその鉄の馬はドルンドルンと低く嘶き、あまつさえ「あれ、ここはどこだろう?」などと言葉を話します。 いったい何物なのか、見たこともない生き物でした。 鉄の馬に跨っていた旅人は、精悍な顔つきをした少年のような少女でした。 皮製のジャケットに皮製のパンツを履き、腰には二つの筒を差しています。 貴族の少年の一人が言いました、「あれは銃だ」 「あれ、おかしいな。さっきまで街道を走っていたはずなのに。エルメス、ここがどこか分かる?」 「わかんないよキノ。でも周りには人がいるみたいだし、聞いてみたら?」 「ああああ、あ... -
ゼロの女帝-00
前ページ次ページゼロの女帝 明日はトリステイン魔法学校生徒全員によるサ-ヴァント召喚の儀式があるという日。 虚無の日である今日、生徒達はある者はくつろぎ、ある者は予習と準備を行い、そして・・・ ある者は魔法の基礎を記した書物を図書館にて読んでいました。 そんな彼女にかけられたひとつの声。 「よろしいですか、ミス・ヴァリエール」 「コルベ-ル先生・・・」 陰気な表情で教本に穴を開けんばかりに読み込んでいた学園始まって以来の劣等生と 称されるルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは 気分を変えたかったのでしょう、教本を閉じて恩師に向かい合う。 「ひとりで唸っていてもどうにもなりません。明日に備えてここはひとつ、補習といきませんか?」 「先生がみてくださるのですか?」 「はい。あなたの魔法の性質や個... -
ゼロの氷竜-09
前ページ次ページゼロの氷竜 ゼロの氷竜 九話 ルイズに召喚された日の晩にタバサたちと別れた後、ブラムドは確信と共に一つの魔法を使う。 それは自らを探知する魔法を打ち消し、魔法の種類と術者の居場所を探る魔法。 『感知対抗(カウンターセンス)』 確信通りその身を探る術者の存在を知り、ブラムドは再び『飛翔』を唱えて術者のもとへと飛ぶ。 突然、鏡が本来の姿を取り戻す。 そこに映るのは年老いた男、学院の長であるオスマンの姿だ。 「はて?」 とつぶやき、オスマンは再び鏡を働かせて先刻の場所を映させる。 しかしそこにはすでに人影はない。 「むぅ……」 眉根に皺を寄せながら、オスマンは辺りを映して目標を探す。 『解錠(アンロック)』 窓の鍵が外から開かれ、そこから輝くような銀髪を持つ一人の女が姿を現した。 「どこの世界にも、似たような品物があるのだな」... -
狼と虚無のメイジ-06
前ページ次ページ狼と虚無のメイジ 狼と虚無のメイジ 第六幕 「うふふふふふふふふ……ツェルプストーの顔ったら無かったわ!」 喜色満面。派手なリアクションも交えて悦に浸るルイズの後にホロが続く。 「そんなに……はむ……嬉しい……もぐもぐ……ものかのう……朝から……何度目じゃ……むぐ」 「あたりまえよ!何しろあいつは我がヴァリエール家200年来の仇敵だもの!言うなれば仇を獲ったと言うところね!」 「随分と可愛らしい仇討ちじゃの……はむっ」 そこまで言ってようやくルイズは、ホロの言葉に一々挟まる咀嚼音に気がついた。 「……さっきから何食べてるのよ」 「うん?ああ、マルトー、と言ったかや?料理長だそうじゃが気の利く雄じゃ。賄いを豪勢に分けてもらったんじゃ……むぐむぐ」 片手で持てる程度のバスケット。 こんがりと狐色に焼けたパンの... -
五月蠅いゼロの五月蠅くない使い魔-01
前ページ次ページ五月蠅いゼロの五月蠅くない使い魔 第1夜 使い魔って何? 草原を、自身の肩まである杖を持った少女が歩いている。 服装は、肩を露出させる厚く白い無地のワンピースに金のバックルの付いたベルト、手首からの二の腕まである青紫色の腕袋、そして浅葱色のマント。髪は薄紫色で、大雑把に二つ縛りでまとめられて先がブラシのようになっており、額には小さな玉がくくり付けられている。 加えて少女の後ろを跳ねながら付いてくるのは、人間の頭より一回り小さい『タマゴ』――自らの意思で動く『タマゴ』だ。 タマゴ鑑定士すら正体のわからぬタマゴであるが、魔物には違いなく、少女に従っている。 少女は類まれなる魔法の才能を持つ『賢者』であると同時に、『魔物使い(モンスターマスター)』でもあった。後ろのタマゴは、かつて仲間だった三匹の魔物の生まれ変わりだと少女は思... -
虚無のメイジと双子の術士-02
前ページ次ページ虚無のメイジと双子の術士 彼は、目を覚ました。 まだ少し微睡んだ意識で、周囲を確認する。 ふわふわした物の上に寝かされて、ふわふわした物が掛けられている。 ベッドの上に居るのだと判断した。布団かも知れないが。 これがふわふわした雲の上にでも居たのなら、天国か『地獄』と判断したかも知れないが、 少なくとも毛布を掛けてくれるような人がそこに居るとは思えない。 「生きてるのか……」 呟くと、視界の端で何かが動くのが見えた。 人影のようだった。彼の方に歩いてくる。 「起きたようですね――えーと……失礼でなければ、お名前は?」 視線が、人影をはっきりと捉える。 禿げた頭の男だった。 名前を聞かれて、彼は戸惑う。どちらと呼ばれても気にはならないだろうが、 名乗るとするならどちらが相応しいのだろう? どちらか本気で悩んだが... -
伝説のメイジと伝説の使い魔-02
前ページ次ページ伝説のメイジと伝説の使い魔 第二話 記憶喪失 「ブロリー?それがあんたの名前なのね」 「ブロリー……僕の、名前……僕は誰……?」 男は意味不明な言葉を紡ぐ。 「あんた、何意味わかんない事言ってるのよ。ブロリーってあんたの名前でしょ」 「名前……わからない……ここは……?」 会話が成立していない。ルイズの頭に再び血が上り始める。 「知らないわよ!も~、何でこんな変な平民を使い魔にしなきゃいけないのよ」 男は、ルイズの存在などまったく無視で、自分の世界に入り込んだように独り言を続けている。 使い魔の癖にこの態度。ルイズの頭がいい感じに煮えたぎる。理性がストレスを抑えるのを放棄する。 失笑という冷や水を浴びなかったら、透き通るような桃色の髪を乱さねばならなかっただろう。 ここでキレては恥の上乗せ。活力を取り戻した理性... -
虚無のメイジと双子の術士-03
前ページ次ページ虚無のメイジと双子の術士 「本当に別の場所のようだな」 窓から見える、双つの月を眺めて彼はそう言う。 信用性も疑えるような古い文献でなら月は二つある、と見たこともあったかも知れないが、 彼自身はそれを見たこともないし、信じても居なかった。 世界は広い。一度閉塞的な環境から世界を回った身としては、それは当然の実感としてある。 混沌は無限に広がり、既知の領域などまさしく大海の塵芥に過ぎない、等という説も知識としてある。 そこまで極端な考えはなくとも、未知の世界に対する驚愕や困惑はあまり浮かばなかった。 興味もないわけではないが、それほど多くはない。 「別の場所?何言ってるのよ?」 「独り言だ」 「独り言だろうと構わないわ。どういう意味よ?」 「召喚された、と言うことだ」 ルイズはベッドに腰掛け、彼は窓を空けて縁に寄りかかっ... -
ゼロの工作員-10
前ページ次ページゼロの工作員 トリステイン魔法学院の宝物庫にはコルベールのガラクタから 強力なマジックアイテムまで古今東西のあらゆる貴重品が納められている。 分厚い鉄扉の管理はスクウェアメイジたる学長のオールド・オスマンが管理し、 強力なメイジによる 固定化 がかけられ鉄壁の防御を誇る。 腰まで掛かるウェーブの入った長い緑の髪と、フレームなしの眼鏡を付けた 気の強そうな女性が目録の確認をしている。オスマンの秘書、ロングビルだ。 「さぁさ、皆様、教材を選んだら出てって下さいな」 先日ルイズの魔法で吹き飛ばされ、二度と彼女に魔法を唱えさせまいと誓った 『赤土』のシェヴルーズが「レビテーション」で硫黄を運び、 陰気で高慢な『疾風』ギトーが力を見せ付けているのか必要以上に高度な魔法、 偏在 で分身をつくり四人になって運ぶ。 ... -
ゼロの氷竜-18
前ページ次ページゼロの氷竜 ゼロの氷竜 十八話 「……そこまでにしておけ」 ブラムドが声をかけなければ、おそらくルイズはキュルケの左腕に噛みついていた。 それも、数日は跡が消えないほどの強さで。 キュルケはなぜると言うよりは手のひらを押しつけるといった方が相応しい行為を取りやめ、ルイズを抱え込んでいた左腕を解放する。 二人は互いに顔を背けているが、その表情は怒っているものではない。 さらには時折、互いを伺うように視線を投げている。 目線があった瞬間、全力で顔を背ける動作は鏡に映したかのようだ。 照れ隠しと見て取ったブラムドは安心し、ゆるんだ表情を正しながら改めて声を発する。 「さて」 少女たちが、その声に視線を集める。 「ルイズ、お前は何にために魔法を求める?」 その問いに、ルイズは即答できなかった。 魔法を使えることは、メイジであること、すな... -
ゼロのアルケミスト-3
前ページ次ページゼロのアルケミスト 異世界から召喚された人外魔境のマッド・アルケミスト クラリス・パラケルススの一日は終始趣味の為に消費される。 元居た世界では組織の運営に関する書類仕事なども有ったのだが、ハルケギニアのトリステイン魔法学院に不本意ながら居を移してからはソレすら無くなった。 故に今はほぼ全てを趣味(主に実験)に消費されているといっても過言ではない。 「どうぞ~開いてるわよ~」 今日も今日とてフラスコに満たした紫色の液体に、スポイトから群青色の液体を一滴ずつ加えていたクラリスは作業から目を離す事無く、ノックされたドアに答えた。 開け放たれた扉から無言で入ってくるのは青髪に眼鏡をかけ、小柄な身長と相反する長い杖を持った少女。 「あら? まだ授業中じゃなかったかしら」 「自習になった」 「なるほど。で? 何か御用」 ... -
ゼロの女帝
「天地無用!」シリーズの神木・瀬戸・樹雷を召喚 ゼロの女帝 前 章 ゼロの女帝 第 一 話 ゼロの女帝 第 二 話 ゼロの女帝 第 三 話 ゼロの女帝 第 四 話 ゼロの女帝 第 五 話 ゼロの女帝 第 六 話 ゼロの女帝 第 七 話 ゼロの女帝 第 八 話 ゼロの女帝 第 九 話 ゼロの女帝 第 十 話 ゼロの女帝 第十一話 ゼロの女帝 第十二話 ゼロの女帝 第十三話 ゼロの女帝 第十四話 ゼロの女帝 第十五話 ゼロの女帝 第十六話 ゼロの女帝 第十七話 ゼロの女帝 第十八話 ゼロの女帝 第十九話 ゼロの女帝 第二十話 ゼロの女帝 第二十一話 ゼロの女帝 第二十二話 ゼロの女帝 第二十三話 ゼロの女帝 第二十四話 ゼロの女帝 第二十五話 ゼロの女帝 第二十六話 ゼロの女帝 第二十七話 -
ゼロの因果導体-03
―――夢を見た。命を危険に晒しながら、守るべき者のために、生きる人々の夢を。 ―――夢と現実の境界は、目覚めたときに見えたものを、どう感じるかだけだ。それを区別できるのは、神様だけなんだろう。 ※ ※ ※ 不意に鳴り響いた電子音で夢の世界から引き戻される。 寝ぼけた頭で辺りを探ると何かを掴む。 「布切れ?」 よく目を凝らしてみると女性物の下着であった。 瞬時に自分の置かれている状況を思い出す。 その一:自分はベータに自分の乗っていた戦術機を粉砕されて死んだ……、はずだった。 その二:気づいたら違う世界に飛ばされていた。 その三:犯人はルイズとか言う魔女っ娘。理由は使い魔にするため。 「よし、思い出した」 握ったままのショーツを放り投げ、寝る前に外した腕時計を掴み、腕時計の目覚ましを止める。 ... -
ゼロの女帝-19
前ページ次ページゼロの女帝 その一撃に青ざめるミョズニトニルン。 見ると、その女が迫ってくるではないか。 『フライ』じゃない もちろん『レビテーション』でもない 純粋に脚力(あるいは『神の頭脳』たる自分さえも知らない何か)による跳躍で まっすぐこの船に迫ってくるのだ。 「こんにちわー」 その女はレキシントン号ブリッジの壁にぽっかりとあいた穴から入ってきた。 妙にゆったりした、まるで床の吹き掃除をするかのような長いスカートをはいている。 「な、なにものだ!」 数人のメイジが杖を構える・・・・もとい、構えようとする。 だが彼らは即座に、なにも何も起こらず倒れこんで行く。 そんな彼らの足元に小さな石が転がってるのには誰も気づかなかった。 「き・・・・・・・キサマ・・・・・」 「キシャマー!」 銀髪おかっぱの... -
ゼロの使い-12
前ページ/ゼロの使い/次ページ 「奴らに狙われて、次の朝日を拝んだ者はいない。どうだ、納得したか?オスマンは終わりだと。」 メンヌヴィルの挑発に、コルベールは冷静に答えた。 「貴方がその暗殺部隊を評価するように、私もオスマンを評価している。彼は絶対に負けない。」 「ほざいてろ。今回の隊長はかつてアルビオン王家が飼っていた三人のスクウェアメイジを仕留めた実力者だ。」 「たとえ、相手が神であろうとも、私は彼の勝利を信じる。そして・・・」 コルベールはかつての部下に、強力な火炎魔法を見舞った。 「我が学院の生徒の誰一人の命も貴様らには渡さん!お前を殺し、私が助ける!」 コルベールが2発目の発射体勢に入った瞬間、我が目を疑った。 あろう事か、メンヌヴィルは今の魔法を美味そうに吸い込み、軽くゲップをした。 「ククク・・・元隊長殿の炎・・・実に美味... -
ゼロの氷竜-04
前ページ次ページゼロの氷竜 ゼロの氷竜 四話 学院寮の一室、学院長のはからいで夕食を運んできた黒髪のメイドは、部屋の主とその使い魔が食事を取った後も自然に部屋へと残っていた。 部屋の主、その使い魔、黒髪のメイドの三者が揃い、部屋の主が他の二者を互いへと紹介する。 学院のメイドではあるが、自身の大切な友人と紹介された黒髪のメイドは、照れくさそうに顔を真っ赤にしていた。 銀髪の使い魔は学院長との取り決めに従い、遙か東方のメイジとして紹介された。 学生たちが使い魔召喚の儀式から戻ってきた折、部屋の主を探していた黒髪のメイドは他の使い魔を見ており、鳥でも獣でも魔物でもない銀髪の使い魔を紹介され、驚きの表情を隠すことが出来なかった。 銀髪の使い魔が特に水を向けたわけではないが、いつしか部屋の主が黒髪のメイドと友人になったきっかけを話し始め、黒髪のメイドは真っ赤になって... -
ナイトメイジ
「ナイトウィザード」より蠅の女王 ベール・ゼファー召喚 ナイトメイジ-01 ナイトメイジ-02 ナイトメイジ-03 ナイトメイジ-04 ナイトメイジ-05 ナイトメイジ-06 ナイトメイジ-07 ナイトメイジ-08 ナイトメイジ-09 ナイトメイジ-10 ナイトメイジ-11 ナイトメイジ-12 ナイトメイジ-13 ナイトメイジ-14 ナイトメイジ-15 ナイトメイジ-16 ナイトメイジ-17 ナイトメイジ-18 ナイトメイジ-19 ナイトメイジ-20 ナイトメイジ-21 ナイトメイジ-22 ナイトメイジ-23 ナイトメイジ-24 ナイトメイジ-25 ナイトメイジ-26 ナイトメイジ-27 ナイトメイジ-28 ナイトメイジ-29 ナイトメイジ-30 ナイトメイジ-31 ナイトメイジ-32 ナイトメイジ-33 ナイトメイ... -
長編(話数順)-02
長編(ページ数順05~14P) ※総ページ数をカウント(例:第○話が前後編なら2ページ分、外伝や幕間も加算) 長編(話数順01~04P)へ 長編(話数順15P~)へ 10~14P 05~09P 10~14P 作品タイトル 元ネタ 召喚されたキャラ 更新日時 超魔王(?)使い魔 魔界戦記ディスガイア ラハール 2007-07-21 17 35 48 (Sat) ゼロの皇帝 ロマンシング サ・ガ2 最終皇帝 2009-10-03 22 10 54 (Sat) 0G 影技-シャドウスキル G・カイン・ファランクス 2009-10-03 21 26 29 (Sat) 使い魔の夢 仮面ライダー555 乾巧 2007-08-30 01 45 09 (Thu) 竜が堕ちゆく先は ドラッグ オン ドラグーン アンヘル 2007-08-29 23 27 27 (Wed) 使い魔の... -
ゼロの女帝-15
前ページ次ページゼロの女帝 「うわーんうわーん」 ワルドはまだ泣き続けていた。 「ね、ワルドちゃん、もう泣かないで」 「うるさいやい、さわんな」 頭を撫でようとした瀬戸の手を振り払う。 「ヴァリエール、あんたなんとかしなさいよ。婚約者でしょ」 「やよ。あんたこそなんとかしなさい」 「あたしだって嫌よ。子供の頃からよく言われたでしょ、『他人の嫌がることを進んでやりなさい』って」 「意味が違う」 「しょうがないわね。 はい、ワルドちゃんの杖一本だけ返したげるから泣き止んで」 「ほんと?ほんとにホンモノのボクのつえ?」 「ちょっとセト!」 「しかたないじゃない。 このままじゃまるであたしが弱い者苛めしてるみたいだから」 そういって瀬戸はワルドの手に一本の杖を渡す。 「わぁい 『予備の杖くん28号』だ! おまえがいればビルの町にが... -
ゼロの使い悪魔
使い魔召喚の儀式の日、ルイズが召喚したのは1人の男だった。 ルイズとその友人達は聞いた事も無いような男の奇妙な本名よりも、悪魔を意味する男の故郷でのふたつ名“ディアボロス”の名で呼んだ。 “ディアボロス”は魔法を使いこなそうとするルイズの世話を、何くれとなく焼いていた。 なぜそこまでするのかというルイズの問いに、“ディアボロス”は自分も故郷では失敗を繰り返し挫折と転落を繰り返してきたのだと語った。 “ディアボロス”はルイズの姿から、自身が無くしていた希望を見たのかもしれなかった。 召喚から数日後、“ディアボロス”は些細な事からギーシュと決闘するはめになった。 “ディアボロス”はギーシュのワルキューレを見てもまったく動じる事無く、 「ブラム=ストーカー/モルフェウスといったところか……。まあこんな小僧、油断しなければ負けは無いな」 と笑みと共に謎の言葉を呟い... -
狼と虚無のメイジ-02
前ページ次ページ狼と虚無のメイジ 「娘、酒などないかや」 毛皮をめくれば下半身すらも露なその娘だが、異常なこの状況に動じている様子は全くない。 よく見れば脱穀前の小麦にまみれ、場違いなことこの上無かった。 「なんじゃ、酒はないのかや。なら食べ物は……」 「ちょちょちょちょっと待ちなさいよっ!何無視してるのよ!あんた誰よ!」 「わっち?」 「あんた以外に誰がいるのよ」 娘はあたりを見回して一言。 「色々と、たくさんおるのう」 「~~~!」 まさしく、辺りを見回せばクラスメイトが大量にいる。 失笑が漏れる中、ルイズは自らの杖を、娘につきつけた。 「あんたは、誰よ!」 杖をつきつけられて、流石に娘の顔から笑みが消えた。赤い……よく見れば琥珀色に強い赤みのかかった瞳をすっと細める。 「礼儀の知らぬ娘じゃの」 ... -
狼と虚無のメイジ-01
前ページ次ページ狼と虚無のメイジ その村では見事に実った麦穂が風に揺られることを狼が走るという。 風に揺られる様子が、麦畑の中を狼が走っているように見えるからだ。 風が強すぎて麦穂が揺れることを狼に踏まれるとい、不作の時は狼に食われたという。 上手い表現だが、迷惑なものもあるのが玉に瑕だな、と荷馬車の上で「彼女」は思った。 今では少し気取った言いまわしなだけで、昔のように親しみと畏れこめて言うものは少ない。 揺れる麦穂を見下ろす秋空はもう見慣れたものになったと言うのに、その下の様子は実に様変わりしていた。 初めて来た時の村人などとっくにいない。人間は長生きしてもせいぜい70年。100年生きる者も稀だ。 いや、人からすれば何百年も変わらない方がおかしいのだろう。 だからもう、昔の約束を律儀に守ることもないだろうと「彼女」は思った。 村人は、迫... -
ゼロのパラサイト-03
前ページ次ページゼロのパラサイト あの乱痴気騒ぎの後、周囲の視線に気づいて冷静になったルイズは逃げるようにして部屋に戻った。 ガッチリと鍵をかけ、耳まで真っ赤になった頭をベッドに突っ込んで唸る。 ルイズの部分というかなんというか、変なタイミングで予想外の事が起きたせいで余裕が持てなかった。 肌を晒すなんてどうでもいいという思いがある一方で、顔からフレイム・ボールが出せそうなぐらい恥ずかしい。 その後の行動と周囲からの視線も十分すぎるほど恥ずかしいのだから、結局駄目だ。さらにベッドに顔をめり込ませる。 「そんな事してる場合じゃなかった……。練習しないと」 半時ほど悶えまくった後で、ようやくルイズは今日の目標を思い出した。 アレは疑われた時の防御策の一環だったと考えて前向きに処理、という名の現実逃避を実行する。 まだ世間では最初... -
ゼロの蝶々-2
呼び出しはしたものの、パピヨンとルイズの契約は難航すると皆が予測した。 何故なら妖精という種族は人間と、というより普通の生命体とはまるで違う存在である。 例えば「水の精霊」という存在がある。 彼ら、ではなく「彼」は「個にして全。全にして個」であるという。 群体に近い存在でありながら単一であるとも言える。 ばらばらにされようとその意識は一つのままなのだそうだ。 妖精はそこまで極端な存在ではないがそれでも通常の生命体を超越した存在であるのは確かで、 妖精に比べたらエルフの方がよっぽど人間に近い存在である。 まぁそんなことは希少ではあるがハーフエルフが実在する以上当たり前のことだが。 ともかく、そんな超越者である妖精との契約は熟練したメイジでも難しい。 何せ意思疎通ですら苦労を伴うのだ。 ましてや契約しようとしているのは「ゼロのルイズ」である。 こ... -
ゼロの答え-04
前ページ次ページゼロの答え ギーシュとの決闘に決着がついた後、ルイズはデュフォーに駆け寄ろうとしたが、出来なかった。ルイズが駆け寄るよりも早く、観戦していた生徒たちがデュフォーに押し寄せたからだ。 人波によって外に追い出されて、ルイズは離れたところからデュフォーを見ていた。 自分の使い魔が浮かべている表情はメイジに勝った喜びや信じられないことが起きた驚きでもなく、いつもと変わらない表情。 それだけであの使い魔にとって、メイジに勝ったことは奇跡でもなんでもないとわかった。わかってしまった。 歓声が広場を揺らしていた。あの平民すげー!とか、平民に負けるなんてギーシュ情けねー!とか、色々な声が怒涛のように響く。 午後の授業が始まっても、そこら中でヒソヒソと決闘のことが話されていた。そしてその話題の中心になっていたのはデュフォーについてだった。 ついさっ... -
ゼロの双騎士-05
前ページ次ページゼロの双騎士 (何じゃ…あの攻撃は…) オスマンの目は見開かれていた。 決闘の一部始終を観察し、彼の剣の腕に感嘆を禁じえなかったオスマンだが、最後のあの技は驚愕に値した。 比較的柔らかい青銅とはいえ、溶かすのではなく文字通り「焼き尽くした」のだ。 どれほどの力を込めればあれほどの火力を生み出せるのか。 その秘密が彼の異質な魔力にあるであろうことは何となく察しがついた。 (アレはわしでも防ぐ自信が無いの…) フレイムヒット、とかいう名の技だったか。 詠唱している様子はなかった。杖も持ってはいなかった。 レイピア型の杖も存在するが、あくまで敵と切り結びながら魔法で攻撃するためのもの。 パルパレオスの帯びていた剣は、敵をその刃で切り捨てることを目的とした武器だ。 故に、あれは少なくとも系統魔法ではないだろう。 であれば、... -
ゼロの騎士-03
前ページ次ページゼロの騎士 ラムザが召喚された次の朝 彼はルイズの部屋の前に立っていた ルイズを起こした後、彼女が朝の支度を整えるまで外で待つことになったのだ すると向かいの部屋の扉が開き見覚えのある赤髪が姿を現した 「あら、ルイズのとこの」 ラムザはキュルケの姿をみて警戒した 「おはよう…ミスツェルプストー」 「やあね、そんなに怖い目しないでよ、あとキュルケでいいわ」 「わかった、でもキュルケさすがに第一印象が悪すぎる。そんないきなり火球を飛ばしてくるような相手は警戒して当然だよ」 「あれは悪かったわごめんなさいね、さすがに私も先住魔法を使われたら危険だと思って」 「あぁ、そうかこっちではテレポは使われないんだってね。改めて、僕はラムザ、ラムザ・ベオルブ。ラムザでかまわないよ」 キュルケの言葉で普段からところかまわず... - @wiki全体から「ゼロのメイジと赤の女王‐04」で調べる