あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ内検索 / 「蒼い使い魔-39a」で検索した結果
-
蒼い使い魔
...蒼い使い魔-38 蒼い使い魔-39a 蒼い使い魔-39b 蒼い使い魔-40 蒼い使い魔-41 蒼い使い魔-42a 蒼い使い魔-42b -
蒼い使い魔-39a
前ページ次ページ蒼い使い魔 シルフィードに跨り、バージル達が王宮へたどり着いたのは、魔法学院を出発して二時間後、 深夜の一時を過ぎたころであった。 王宮にたどり着いた一行は、以前と同じように中庭に降り立った。 どうやら予想は当たったようだ、中庭はまるで蜂の巣をつついたような騒ぎになっている。 それでも風竜が中庭に降りると、一斉に魔法衛士隊が周囲を取り囲んだ。 マンティコア隊の隊長が大声で誰何する。 「なにやつ! 現在王宮は立ち入り禁止だ! さがれ!」 しかし、その一行には見覚えがある、アルビオンとの戦争が始まる直前にも、 このようにしてやってきた一行ではないか。隊長は眉をひそめた。 「またお前たちか! 面倒な時に限って姿を現しおって!」 ルイズは飛び降り隊長に息せききって尋ねる。 「姫様は! いえ、女王陛下はご無事ですか!?」 「貴様等に話すことではな... -
ラスボスだった使い魔
スーパーヒーロー作戦よりユーゼス・ゴッツォを召喚 ※おことわり この作品は執筆したのが42話の時点で「烈風の騎士姫」が発売される以前のことでしたので、原作のカリーヌ・デジレ(烈風カリン)およびその周辺の設定に齟齬が生じております。 ご了承ください。 ラスボスだった使い魔-01 ラスボスだった使い魔-02 ラスボスだった使い魔-03 ラスボスだった使い魔-04 ラスボスだった使い魔-05 ラスボスだった使い魔-06 ラスボスだった使い魔-07 ラスボスだった使い魔-08 ラスボスだった使い魔-09 ラスボスだった使い魔-10 ラスボスだった使い魔-11a ラスボスだった使い魔-11b ラスボスだった使い魔-12 ラスボスだった使い魔-13 ラスボスだった使い魔-14 ラスボスだった使い魔-15a ラスボスだった使い魔-15b ラスボスだった使い魔-16 ラス... -
蒼い使い魔-03
前ページ次ページ蒼い使い魔 「遅かったな」 医務室の窓から外を眺めながら振り返らずにバージルは言った。 入って来たコルベールは額に汗を浮かべ 「お待たせして申し訳ありません、ではどこからお話ししていいものやら…」 と困ったように言った。 「聞きたいことがある、この左手の模様はなんだ?」 グローブを外し左手の甲をコルベールに見えるように掲げる。 「はい、それは使い魔のルーンです、契約の儀式をした際に使い魔の身体に刻まれます。 そちらのルーンは珍しいものでしてねぇ、現在こちらで調査中ですよ」 「使い魔契約だと…?そんなものいつ俺が了承した」 バージルから凄まじい殺気が漂ってくる、 コルベールは殺気に圧倒されそうになりながらも「申し訳ございません、ですが、使い魔との契約ができないと 彼女は二年次に進級できないので「そんなことはどうでもいい」……」... -
蒼い使い魔-39b
前ページ次ページ蒼い使い魔 「バージル! 姫さまを殺しちゃダメ! 絶対よ!」 「……」 「ちょっと返事は!?」 魔法が飛び交う中、ルイズが必死にバージルに呼びかける しかしバージルはそんなルイズの叫びを無視しながら、魔法を掻い潜り敵の中へと踊りこむ。 ――カシャン! という小気味よい音とともに彼の口元にフェイスマスクが装着される、 一人のメイジの眼前に躍り出ると、バージルに装着されたギルガメスの噴気孔が火を噴いた。 "着弾"と同時に――ドゴンッ! という凄まじい音があたりに響き、大気が衝撃で打ち震える。 フルスチームストレイトを食らった哀れなメイジはあまりの衝撃に骨と内臓をごちゃまぜに破裂させながら 遥か彼方まで殴り飛ばされる、メイジだった肉塊は砲弾のようにウェールズの横を吹っ飛んで行き、 道に生えていた木々を薙ぎ払いながらようやく停止... -
蒼い使い魔-01
前ページ次ページ蒼い使い魔 一人の男が魔界へと落ちて行く―― 偉大なる父の力を追い求め、同じ血を分けた双子の弟との壮絶な殺し合いの果て… 敗れた男は自らの身体を魔界へと投げた。 だが、魔界へと落ちきるその刹那、突如として鏡が現れ光を放ち男を包み込む。 男は吸い込まれるようにその中へ消えていった… 所変わってここはトリステイン魔法学院。 魔法学院では現在春の使い魔召喚の儀式の最中。 それは二年次に進級する生徒達が使い魔を召喚、契約し、自身の魔法属性と専門課程を決める重要な儀式である。 生徒達は各々が召喚した使い魔をみて明るい表情を浮かべている。 その中で暗い表情をした桃色の髪をした少女が一人、 杖を掲げながら使い魔召喚のための呪文「サモン・サーヴァント」を唱えては爆破を繰り返していた。 「何で!?何で何も出てこないのよっ!!」 彼女、ル... -
蒼い使い魔-02
前ページ次ページ蒼い使い魔 「くっ…ここは…」 男が覚醒した、ベッドから身を起こし辺りを険しい目で睨み回す。 どうやら誰もいないらしい、開け放たれた窓からはやわらかな日の光が差し込み 爽やかな風を送り込む、 城のような場所なのだろうか?中世西欧風の建築様式が目に入った。 「一体…」 どうやらここは魔界ではないらしい、このような清浄な空気は魔界はおろか 彼がいた現代世界でもありえない。 バージルはベッドに腰かけ今まであったことを思い出す。 魔界で双子の弟――2000年前に魔界から人間界を救った、伝説の魔剣士スパーダの血を引くダンテと戦い、敗北、魔界に身を投げたはずだ、しかしここは? そうだ、途中なにか光を放つ鏡の様なものが現れて…そこに吸い込まれた? そして気がついた時には目の前にはなにやらピンク色の髪をした女がいて… たしかそこで使い魔だの何だの... -
罪深い使い魔
「ペルソナ2」より「向こう側の周防達哉(罰ED後)」を召喚 罪深い使い魔-01 罪深い使い魔-02 罪深い使い魔-03 罪深い使い魔-04 罪深い使い魔-05 罪深い使い魔-06 罪深い使い魔-07 罪深い使い魔-08 罪深い使い魔-09 罪深い使い魔-10 罪深い使い魔-11 罪深い使い魔-12 罪深い使い魔-13 -
蒼い使い魔-07
前ページ次ページ蒼い使い魔 失敗魔法による爆発でメチャクチャになった教室を 片付けを命じられたルイズが黙々と掃除している、 一方その使い魔のバージルは腕を組みながら壁に寄りかかって目を瞑っている その姿をみてルイズは堪忍袋の緒が切れた 「ちょっと!なんであんた手伝わないのよ!」 「なぜ俺が手伝わねばならん、貴様の責任だろう」 「主人の不始末は使い魔の不始末なのよ!いいから手伝いなさい!」 そう言われようやくバージルは(渋々だが)片付けに参加した 重い沈黙の中二人でしばらく教室の片付けをする しばらくするとルイズが唐突に口を開いた 「わかったでしょ?私がゼロって呼ばれてる理由…」 「……」 「そうよ、私は魔法の成功率"ゼロ"%、だからゼロのルイズ。 笑っちゃうわよね、魔法も満足に使えない癖に偉そうにしちゃってさ!」 半ば自暴... -
蒼い使い魔-04
前ページ次ページ蒼い使い魔 「う・・・う~ん・・・」 「へっ・・・あれっ・・・?」とルイズは間抜けな声を出し辺りを見回す 辺りはもう日も暮れ、すでに夜になっていた 「そういえば…医務室に使い魔の様子を見にいって・・・」 「目が覚めたか」「ひゃうっ!!」 突然かけられた声に驚き、声のした方向へ顔を向ける 腕を組みながら、窓から見える二つの月をバックに此方を睨みつける 蒼いコートを羽織った銀髪の青年がそこに立っていた まるで一枚の絵画のごとき構図にルイズは一瞬息をのむ が、すぐに正気を取り戻しバージルに食ってかかった 「なな、な、なんであんたがここにいるのよ!」 先ほど死ぬほど怖い思いをした相手である、当然の反応だ バージルの手にはルイズにとってもはやトラウマになりつつある閻魔刀が握られている しかしバージルから出た言葉は意外なものだった ... -
蒼い使い魔-30
前ページ次ページ蒼い使い魔 「あれ…?」 ルイズは見知らぬ場所で一人ぽつりと佇んでいた、 ここはどこだろうか? ヴァリエール家の秘密の場所? いや…違う、まるで見覚えのない場所、 辺りには板状に切りだされた不気味な石のオブジェが不規則にいくつもいくつも並んでいる。 「なにここ…なんだか不気味…」 そう言いながらとぼとぼと歩きだす。辺りは薄暗いが空には血のように紅い月が不気味に輝き 足元を照らしているため転ばずに済んだ。 周囲は静寂に包まれており、ルイズの足音だけがさみしく響き渡る。 「誰かいないの? ねぇ? バージル!? いたら返事してよ!」 孤独感に耐えられなくなり大声で己が使い魔の名前を叫ぶ、 だがその声は闇の中に吸い込まれ誰も返事をする者はいなかった。 「もう…なんで誰もいないの…? バージル…どこにいっちゃったのよ…」 ルイズはさみしさに押し... -
蒼い使い魔-32
前ページ次ページ蒼い使い魔 夜、バージルがルイズの部屋へと戻り、ソファに座ると タバサから受け取った伝説が書かれている文献を静かに読み始める。 そうして本を読んでいるとその横にルイズが座り中身を覗き込むのもいつの間にか習慣になっていた。 「何を読んでいるの?」 「イーヴァルディの勇者…、子供向けの文献、童話か…こんなものなんの参考にもならんな…」 「その本、平民に人気がある本よね、あんたがそんなものを読むなんて思わなかったわ」 「…タバサが持ってきた本だ、こんな文献に興味はない」 バージルはそう言うと本をパタンと閉じ、テーブルに放り投げソファの背もたれに背を預ける。 「…ねぇ、ちょっと読んでみてよ」 ルイズはその本を手に取るとバージルに差し出す 「…なぜだ」 「いいから、私が聞きたいの、読んで聞かせなさい」 ルイズの要求にバージルは一瞬眉を顰めるも渋々... -
蒼い使い魔-33
前ページ次ページ蒼い使い魔 「うふふっ! やっと二人っきりなのね!」 ルイズがタバサを呼びに部屋を出てから、テンションが上がる一方のシルフィード。 それとは逆にむすっとした表情で腕を組みながら、バージルが静かに目をつむっている。 執拗に体を摺り寄せてくるシルフィードをいなしつつルイズを待っていると ――コンコンッ、とドアをノックする音が聞こえてきた、 ようやく来たか……、そう思いソファから立ち上がると、首に腕を回し背中にしがみ付くシルフィードをそのまま引きずりながらドアを開ける。 「ちょっとルイズ? 朝から何をやってるの? さっきからすごい音が聞こえてきたけ……」 ドアをあけると、そこにいたのはルイズではなく、隣室のキュルケが立っていた、 どうやら先ほどの爆発音に目がさめ、何事かと様子を見に来たらしい、 見たことがない女性がバージルに抱きついている光景を目の... -
蒼い使い魔-35
前ページ次ページ蒼い使い魔 朝、太陽が顔を出し、さわやかな日差しが部屋の中に差し込み始めたころ、ソファからバージルが起き上がる ふと床へ目をやると、そこには昨夜床につき落としたシルフィードの胸に顔をうずめる形でルイズが寝息を立てていた 「うぅ~ん……やわらか……うふふふ……」 「あっ……おにいさま……そんなに強く……」 なにやら幸せそうな顔で呟いている二人を放置し、掛けておいたコートを羽織る そして昨日受け取ったメモを確認していると、不意に部屋のドアがノックされる 応対のため静かにドアを開けると、そこにはタバサが立っていた 「何の用だ」 「これ」 タバサはそう言うと何やら大きめの服を手渡す 「あの子の服」 どうやらシルフィードのサイズに合う服を持ってきてくれたらしい、 ルイズの服ではサイズが合わないと駄々をこねていたのでありがたく受け取ることにした ... -
蒼い使い魔-05
前ページ次ページ蒼い使い魔 朝の柔らかい光が窓から差し込み部屋の中を照らす その光に気がついたのかバージルは静かに目を開いた 「…やはり夢ではない…か…」 と部屋を眺め、ベッドの上で静かに寝息をたてる少女をみて 昨日起きたことは現実であることを実感する 周囲には昨夜ルイズが脱ぎ捨てた衣類が散乱している、 「洗濯しておけ、と言っていたな…」 と寝る間際そう言いながらルイズがこちらに投げ付けて来たことを思い出す フンと不愉快そうに鼻を鳴らし、手近なカゴの中に衣類を回収しバージルは窓から庭へ飛び降りた 適当に庭をうろついていると、一人のメイドが歩いているのが目に入った 洗濯が出来る場所を探しているバージルにとってその存在は渡りに舟だったので声をかけてみることにした 「おい、そこの貴様」 「はっはい!なんでしょう!?」 いきなり高圧的なご挨... -
毒の爪の使い魔
「クロノアヒーローズ」よりジャンガを召喚 毒の爪の使い魔-01 毒の爪の使い魔-02 毒の爪の使い魔-03 毒の爪の使い魔-04 毒の爪の使い魔-05 毒の爪の使い魔-06 毒の爪の使い魔-07 毒の爪の使い魔-08 毒の爪の使い魔-09 毒の爪の使い魔-10 毒の爪の使い魔-11 毒の爪の使い魔-12 毒の爪の使い魔-13 毒の爪の使い魔-14 毒の爪の使い魔-14b 毒の爪の使い魔-15a 毒の爪の使い魔-15b 毒の爪の使い魔-16a 毒の爪の使い魔-16b 毒の爪の使い魔-17a 毒の爪の使い魔-17b 毒の爪の使い魔-18 毒の爪の使い魔-19 毒の爪の使い魔-20 毒の爪の使い魔-21 毒の爪の使い魔-22 毒の爪の使い魔-23 毒の爪の使い魔-23b 毒の爪の使い魔-24 毒の爪の使い魔-25a 毒の爪の使い... -
蒼い使い魔-15
前ページ次ページ蒼い使い魔 ルイズは夢を見ていた。まだ小さい頃、トリステイン魔法学院に行く前の頃の…。 「ルイズ、ルイズ、どこに行ったの? ルイズ! まだお説教は終わっていませんよ!」 ルイズは、生まれた故郷、ラ・ヴァリエールの屋敷の中庭を逃げ回っていた。 騒いでいるのは母、追ってくるのは召使である。理由は簡単、デキのいい姉達と魔法の成績を比べられ、 物覚えが悪いと叱られていた最中逃げ出したからだ。 「ルイズお嬢様は難儀だねえ」 「まったくだ、上の2人のお嬢様は魔法があんなにおできになるというのに」 召使達の陰口が聞こえてくる、ギリと歯噛みしルイズはいつもの場所に向かう。 そう、彼女の唯一安心出来る場所、『秘密の場所』と呼ぶ中庭の池へと。 あまり人が寄りつかない、うらぶれた中庭。池の周りには季節の花が咲き乱れ、小鳥が集う石のアーチとベンチ。 池の真ん中には... -
鋼の使い魔
サガフロンティアⅡのギュスターヴ13世 本編 第一部『覚醒篇』 鋼の使い魔-01 鋼の使い魔-02 『ギュスターヴと学院』 鋼の使い魔-03 鋼の使い魔-04 『ギュスターヴの決闘』 鋼の使い魔-05 鋼の使い魔-06 鋼の使い魔-07 『剣と盗賊』 鋼の使い魔-08 鋼の使い魔-09 鋼の使い魔-10 『盗賊捕縛、そして』 鋼の使い魔-11 『教える者、教えられる者』 鋼の使い魔-12 『シエスタは何処へ?』 鋼の使い魔-13 『モット邸潜入』 鋼の使い魔-14 『舞台、その裏は…』 鋼の使い魔-15 『アンリエッタ来訪』 鋼の使い魔-16 『ラ・ロシェールへ向けて…』 鋼の使い魔-17 『秘かな疑惑を胸に』 鋼の使い魔-18 『襲来!土くれのフーケ』 鋼の使い魔-19 『ウェールズ邂逅』 鋼の使い魔-20 『前夜祭は静かに流れ』... -
蒼い使い魔-34
前ページ次ページ蒼い使い魔 「あ、バージルさん!」 朝食も終わり、シエスタは食堂で後片付けをしていると、 ふらりとバージルが入ってくるのを見て嬉しそうに声をかける。 「シエスタか」 見るといつもより元気がない…というよりかは機嫌が悪そうに見える。 「あの、元気がないみたいですけどどうしちゃったんですか?」 「別に何もない……」 やはり機嫌が悪い、そう察したシエスタはどうにか機嫌を取り戻してあげようと、 朝、バージルが食堂に来ていないことを思い出す。 「そうですか……、あ、そう言えば、今朝、食堂で見かけませんでしたけど、もう朝食は取られてますか?」 「いや……」 バージルが力なく首を振る。 「それじゃあ、すぐに用意しますね、賄いですけど」 シエスタはポンと手を叩くと厨房へと向かう、バージルはふらりと適当なテーブルにつき、頭を抑える。 「………」 シ... -
蒼い使い魔-06
前ページ次ページ蒼い使い魔 二人は朝食をとるために、『アルヴィーズの食堂』へと向かう そこは、食堂とは言えとても華やかな作りであり いかにも貴族趣味、といった建物である 中も豪華絢爛という言葉がぴったり当てはまるほどの内装が施されていた 中には百人はゆうに座る事ができるテーブルが三つ並んでいる。 どうやら学年別に分かれているらしく、ルイズはバージルを連れ二年生所定の真中のテーブルへと進んだ。 周囲からは「おい、ゼロのルイズだ」「平民なんか連れてるぜ…」などと様々な声が聞こえてきたが それらを無視しルイズは自分の席へと進み着席する 「…悪趣味だな」とバージルは中をみて呟く 「…今のは聞かなかったことしてあげるわ、 メイジはほぼ全員が貴族だから。だからトリステイン魔法学院では貴族たるべき教育を存分に受けるの。 だから食堂も貴族の食卓にふさわしいも... -
蒼い使い魔-11
前ページ次ページ蒼い使い魔 ―フッ… 突如タバサの視界からバージルが消える 「…っ!?」 ズガンッ!一瞬でタバサの上空まで間合いを詰めたバージルのヘルムブレイカーが襲いかかった。 一瞬バージルを見失ったものの上空からの凄まじい殺気を感じ 横へ転がるように避けたタバサはすぐさま魔法の詠唱へと移る 「エア・ハンマー」 かつて彼を昏倒させた魔法を使う、今回は昏倒とまでは行かなくとも距離を取るつもりで放つ バージルは即座に反応、閻魔刀を抜き放ち魔力が込められた空気の塊を両断、 両者の間に大きな風の流れが巻き起こった。 タバサはフライを使い距離を取りつつ次の魔法の詠唱へと入る、 その隙をバージルが逃す筈もなく、デルフに魔力を込めタバサに思いっきり投げ付けた 「いやあああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 広場にデルフの悲鳴が木霊する、回転しながらすっ飛んで来るデル... -
蒼い使い魔-08
前ページ次ページ蒼い使い魔 ヴェストリの広場 そこにはこれから行われる"決闘"―という名の貴族による一方的な制裁 を見物しようと噂を聞きつけた生徒たちで、広場は溢れかえっていた。 「諸君!決闘だ!」 その広場の中心、決闘を申し込んだ男子生徒、ギーシュは 薔薇の造花を掲げ高らかに宣言をする。うおーッ!見物人から歓声が巻き起こる。 「ギーシュが決闘するぞ!相手はルイズの平民だ!」 ギーシュは腕を振って、歓声にこたえている。 一方、決闘を受けたバージルは詰まらなそうに腕を組み目を瞑っていた。 一方人だかりの最前列では、ルイズがバージルと同じように腕組みをしながら見ている そのルイズに向かい、隣にいたキュルケが話しかける 「あらルイズ、自分の使い魔が決闘するっていうのに随分冷静ね?」 「いいのよ、アイツなら負けないでしょ、何度も... -
蒼い使い魔-18
前ページ次ページ蒼い使い魔 バージルがラ・ロシェールへ向け馬を走らせる、 馬で二日かかる距離であったが 途中約束通りタバサがシルフィードに乗り迎えに来たため その日のうちに無事一行はラ・ロシェールへと辿りつくことができた。 バージルがタバサと共にルイズ達が宿をとっている『女神の杵亭』へと降り立つと ずっと入口で待っていたのかルイズが立っていた。 「バージル!なにをしてたのよ!ご主人様を待たせるなんてっ…!」 目に涙を溜め真っ赤にしながらバージルに走り寄る。 「こいつに乗る人数が合わなかっただけだ」 そう言うとさっさとバージルとタバサは宿の中に入ってしまった。 「ばかっ…!どれだけ心配したと思ってるのよ…」 その様子を見ながらルイズは地団駄を踏みながらつぶやいた。 「あ、ようやく来たようだね、いやぁ心配していたよ!」 そう言いながらもすでに酔っているの... -
蒼い使い魔-14
前ページ次ページ蒼い使い魔 「まさかミス・ロングビルが『土くれ』のフーケだったとはのぅ…美人だったもので 何の疑いもせず採用してしまった」 フーケを捕え、学院に戻ったルイズ達はオスマンに事の顛末を報告していた。 オスマンが言うには居酒屋でたまたま働いていたフーケを採用したらしい。 隣にいたコルベールはあきれ返っている。 「「「死んだ方がいい…」」」 三人は口をそろえて呟く、バージルはいつも通り壁に寄りかかっているが… そんな下らない理由で命を落としかけたのだ、三人が刺すような視線がオスマンを見つめる そんな三人の視線に気がついたのかオスマンが本題に入るため真剣な表情へと変える。 「さてと、君達はかの有名なフーケを捕まえた。『破壊の杖』も無事戻って来た、 これからは我々が責任を持って今まで以上に厳重に管理しよう、バージル君の話によると かなり危険な兵... -
蒼い使い魔-37a
前ページ次ページ蒼い使い魔 ――ラグドリアン湖 トリステインとガリアとの国境に位置する、およそ600平方キロメイルほど面積を持った、 ハルケギニア随一の名勝と謳われる広大な湖である。 季節によって様々な美しさを見せるラグドリアン湖の景色は多くの人々の心を魅了する。 「どうなってるのよこれ……」 そんなラグドリアン湖を、馬に跨り小高い丘から見下ろしながらルイズが唖然とした表情で呟く、 季節はもう夏に差し掛かっている、道中は初夏のさわやかな日差しがルイズ達を照らし続けていた。 しかし、目の前のラグドリアン湖は違った、頭上を照らしていた太陽はいつの間にか姿を消し、 まるで冬の光景をそのまま切り取って貼り付けたかのように湖を中心に分厚い雲がかかり、雪を降らせていた。 夏の高い気温と空から降り続く溶ける事のない雪、 この二つが同居するラグドリアン湖の光景は奇妙を通り... -
蒼い使い魔-12b
前ページ次ページ蒼い使い魔 一方その頃、モット伯邸内では… モット伯は自室のソファに腰掛け優雅にワインを味わっていた 久しぶりの上物だ、どのようにして愉しもうか、 数多くの若い娘を召抱え味わって来たがあの娘はそのなかでもいい体つきをしている 顔も悪くない、そう考え一気にワインを煽る その時、モット伯のドアがコンコンッとノックされ先ほど呼びつけた若い娘の声がする 「シエスタでございます」 「入れ」 そう命ずるとかなり際どい格好をしたシエスタが入ってきた その顔は何かに怯えるように青くなっている。 「おぉ来たか、待っておったぞ、こっちだ」 そう嬉しそうにモット伯はシエスタを手招きする シエスタが覚悟を決めモット伯に近づいて行く、その時、ドンドンとドアが激しくノックされた 「なんだ?」 これから久しぶりの上物を愉しもうとしているところを邪魔され不愉快そう... -
蒼い使い魔-38
前ページ次ページ蒼い使い魔 アンリエッタは裸に近い格好でベッドへ体を預けていた、身を纏う物は一枚の薄着だけである。 女王になってから使い始めた、亡き父王の居室であった。 巨大な天蓋付きのベッドには父が愛用していたテーブルがある。 すっと手を伸ばし、その先にあるワインの壜を手に取った。 杯に注ぎ、一気に飲み干す。 昔は酒など食事の時に軽く嗜む程度だったのだが……女王になってから量が増えた。 政治の飾りの花に過ぎなかったアンリエッタにとって、国運を左右する決断を毎日のように求められる、 ということはかなりの心労となった。 決議はほとんど決まった状態で彼女の所へ持ち込まれるのだが、それでもその承認を下すのは自分である。 その上、小康状態とはいえ、今は戦時、飾りの王とはいえ、飾りなりの責任はすでに発生していたのであった。 その重圧を彼女はまだ扱いかねており、、もは... -
蒼い使い魔-20
前ページ次ページ蒼い使い魔 ルイズは部屋を出た後、流れる涙を止められずにいた、 使い魔に見放された、そんな悲しさ、虚しさ、寂しさが襲いかかってくる。 「うっ…うぅっ…ひっく…」 止めて欲しかった、文句を言って欲しかった。 だが彼の口から出て来た言葉は一切の関わりを拒絶する言葉。 胸が、心が締め付けられるかのように痛い。 「なんであんなこと言っちゃったんだろう…」 そう呟きながらワルド達が酒を飲みつつ談笑している下へと降りる、 ―ドゴォォォォン!! 階段を降り切った所で、突如宿を凄まじい衝撃が襲う。 「えっ?なに!?」 ルイズがあわてて周りを見渡すのと同時に、 宿の扉が音を立てて開く。傭兵と思われる男たちが殺到してきた。 それにいち早く反応したワルドがルイズを抱き抱え、テーブルの影に隠れる、 タバサとキュルケがテーブルの足を崩し、盾にしながら魔法を放... -
蒼い使い魔-31
前ページ次ページ蒼い使い魔 部屋に戻ったルイズはベッドの上に横になると、鼻歌交じりに始祖の祈祷書を開く。 どうやらかなりご機嫌のようだ、その横でバージルはコートを脱ぐとデルフとともにソファに投げる。 そして外へと出ようとしたが杖を振って『ロック』をかけたルイズによって鍵をかけられてしまった。 「なんの真似だ?」 ルイズとは逆に足止めされたことに少々不愉快そうな顔でバージルが振り向く。 「こんな夜中にどこに行くのよ?」 「考え事だ、出来れば静かに考えたい」 「ここじゃダメなの?」 「お前もその本について調べたいのだろう? お互い邪魔になるかもしれん それに少々夜風にも当たりたい」 そうまで言われてしまうとルイズも認めざるを得ない、 『ここにいてほしい』たったその一言が出なかった。 「わ…わかったわ、でもすぐ戻ってきなさいよ!」 そう言うと杖を振り鍵をあ... -
蒼い使い魔-17
前ページ次ページ蒼い使い魔 翌日、朝靄の中、ルイズ達は馬に鞍をつけ準備をしていた。 アルビオンへの船が出ているという港町、ラ・ロシェールまでは馬で二日かかるという。 そんななかギーシュがルイズに何やら頼みごとをしていた、 「お願いがあるんだ、僕の使い魔を連れていきたいんだけど…」 「あなたの使い魔?」 「あぁ、そういえばまだ紹介してなかったね!おいでヴェルダンデ!」 ギーシュはうれしそうに笑うと、足で地面をたたく。すると、もぞもぞと地面が盛り上がり、 茶色の大きな生き物が顔を出した。 小さい熊ほどもある巨大なモグラ、ジャイアントモール ギーシュは膝を突いて、そのモグラにひしと抱きつく。 「ヴェルダンデ! ああ、僕の可愛いヴェルダンデ!! なあ、ルイズ!ヴェルダンデを連れて行ってもいいだろう?こんなに可愛いんだしさ! 」 「それってジャイアントモールじゃ... -
蒼い使い魔-37b
前ページ次ページ蒼い使い魔 「アガァッ!?」 「きゃあ!?」 突如口を開けたバエルに悲鳴を上げながらルイズがへたり込む、だがその口の中を見た瞬間 ルイズ達の顔に希望が灯る、その中には彼女の使い魔、バージルが平然と立っていた。 飛びかかってきたバエルの勢いを利用しデルフを上顎に突き立てつっかえ棒の代わりにすると、 無理やり口の中をこじ開けベオウルフを装着する、渾身の力を込めた左アッパーを皮切りに、口の中を蹂躙し始めた。 頬を拳で打ち抜き、歯を砕く、上顎に拳が叩き込まれる度に背中に残った氷塊が血の色に染まってゆく、 殴りながらちゃっかり円陣幻影剣を展開し、さらに被害を拡大させている。 「ムゴッ! グェッ! ガァッ! ガッ!?」 どうやら相当怒りが溜まっているらしい、容赦など微塵も感じさせないほど殴ったにもかかわらず バージルはいつの間にか閻魔刀まで抜き放ってお... -
蒼い使い魔-12a
前ページ次ページ蒼い使い魔 〜虚無の曜日から数日後〜 バージルが昼食のために厨房へ入ると 厨房全体の空気が重く沈んでいる 別にバージルが入って来たから空気が重くなったわけではない 厨房には使用人達やマルトーを筆頭とする料理人たちが集まっていたが全員表情が暗い その中にシエスタの姿は見ることが出来なかった 「何をしている」 「おぉ…!、『我等の剣』!来てくれたか…!」 バージルに気がついたマルトーが声をかける、だがその声はどことなく元気がない。 「……あの女はどうした…?」 先日幻影剣を放ったことにより、シエスタがバージルに対し怯えるようになってしまったが 洗濯はしてくれるので、バージルはそれほど気にしていなかったが、見かけないのは少し気になったらしい バージルはシエスタがいないことをマルトーに訪ねる 「あの女っていうと……あぁ…、シエスタか…実は…も... -
ガラの悪い使い魔
シャドウハーツ1,2 よりウルを召喚 ガラの悪い使い魔-01 ガラの悪い使い魔-02 ガラの悪い使い魔-03 -
蒼い使い魔-21
前ページ次ページ蒼い使い魔 「アルビオンが見えたぞー!」 ルイズ達の乗る船内に船員たちの声が聞こえる。 「見えてきたみたいね」 キュルケはそういうとルイズを見る。 「向こうでダーリン達と合流できるわ、だからそんな顔しないの」 膝を抱え小さくなっているルイズをなだめるように優しく声をかける。 「わかってるわよ…」 ルイズはそうつぶやくとグスッと鼻をすすり膝を抱きかかえる。 それをみてやれやれ…といった表情を浮かべながらキュルケは続ける。 「ふぅ…それにしても、子爵のおかげでなんとかアルビオンへ飛んで行けているみたいね」 キュルケの言うとおり、現在ワルドは不足している燃料の風石の代わりに魔力を使い船を飛ばしているのである。 スクウェアクラスの魔力があってこその芸当であろう。 「ちょっと甲板に行ってくるわ、私、アルビオンみたことないのよね、一緒に見に行かない... -
蒼い使い魔-19
前ページ次ページ蒼い使い魔 「ようやく来たか、使い魔君」 十分後バージルが指定された旧練兵場に着くと、既にワルドが待っていた。 錬兵場と言っても今は『女神の杯亭』の物置き場としか使われておらず、そこかしこに樽や木箱が積み上げられている広場で、 二人は二十歩ほど離れて向き合う。 「昔……、といってもきみにはわからんだろうが、かのフィリップ三世の治下には、ここでは貴族がよく決闘をしたものさ… 古きよき時代、王がまだ力を持ち、貴族たちがそれに従った時代…… 貴族が貴族らしかった時代……、名誉と、誇りをかけて僕たち貴族は魔法を唱えあった。 でも、実際はくだらないことで杖を抜きあったものさ。そう、例えば女を取り合ったりね」 「………」 腕を組んだまま無言でバージルはワルドを睨みつける 「そして立ち合いには、それなりの作法というものがある。介添え人がいなくてはね」 ... -
蒼い使い魔-26
前ページ次ページ蒼い使い魔 翌朝、ルイズは眼をこすりながらゆっくりと起床する、 ここ最近、バージルは朝、ルイズを目覚めさせる仕事すら放棄しているため 自分自身で目覚めなければならないのだった。 ルイズははっとしたように部屋の中を見渡す、そこにはバージルの姿は見えなかった 昨日のバージルの言葉が脳裏をよぎる、 ―俺は魔界へ行く 脳内でその言葉が再生された瞬間ルイズは跳ねるように飛び起きた。 「どこっ!?バージル!どこに行っちゃったの!?」 ルイズはパニック状態になり部屋の中を引っかき回し己が使い魔の名を呼びながら探す、 眼に涙を溜めながらクローゼットの中からベッドの下まで覗き込む、 心臓が早鐘のように高鳴る、呼吸が荒くなるほど胸が苦しい、 「バージルッ…どこよ…どこにいっちゃったのよ…」 部屋の中を散乱させ、部屋の中で崩れ落ちるように座り込む、目から涙が... -
蒼い使い魔-09
前ページ次ページ蒼い使い魔 ギーシュとの決闘が終わり、ルイズはさっさと歩いて行くバージルへ駆け寄り質問する 「ねぇ、さっきの剣、あれってなに?先住魔法なの?」 「違う、俺の魔力を打ち出しただけだ。」 「そ、そう、そういうのを魔法っていうんじゃないかしら…、 あと、さっきの決闘、殺しちゃだめっていう命令を無視しかけていたとはいえよくやったわ、褒めてあげる」 そうルイズは言うと少し顔を赤くして俯く。 「フン…」 背中を向けたまま短く鼻を鳴らすとバージルは先ほど取り損ねた昼食をとるために食堂へと向かった。 バージルとルイズが食堂へ辿り着くとそこにはギーシュとの決闘騒ぎの発端となったメイド―シエスタが立っていた。 シエスタはバージルの姿をみるとすぐに駆け寄ってきた。 「あぁっ!バージルさんご無事でしたか!申し訳ございません!私のせいで危険な目にっ…! お怪... -
蒼い使い魔-36
前ページ次ページ蒼い使い魔 「……………あの馬鹿はどこにいったのよぉ!!! "待て"も出来やしないの!?」 バージルとシルフィードがそんなやり取りをしている時、ようやく待ち合わせの場所に到着したルイズは悪魔の咆哮をあげた 「ひでぇぜ相棒……娘っ子たちに見つけてもらえなかったらどうするつもりだったんだ……」 ルイズの手には先ほどバージルに投げ捨てられたデルフがしくしくとすすり泣いていた。 「ボロ剣! あいつ変なことしようとしてなかったでしょうね!?」 ルイズが手元のデルフに向かい怒鳴りつける、ルイズ達が馬で街へ向かっている途中 運よく道の真ん中に突き刺さりさめざめと泣いているデルフを発見し回収したのであった。 「なんもしてねぇよ、ちょーっとからかっただけなのに投げ捨てるなんてよ……」 「前から思ってたけど、あんたって意外と冒険者よね……、まぁ... -
虚无(ヤク)い使い魔
「3×3EYES」から「藤井八雲」を召喚 虚无(ヤク)い使い魔-01 虚无(ヤク)い使い魔-02 虚无(ヤク)い使い魔-03 虚无(ヤク)い使い魔-04 -
蒼い使い魔-23
前ページ次ページ蒼い使い魔 「では、ここで一旦お別れだな、使い魔君」 「………」 翌朝、ニューカッスルの秘密の港では『イーグル』号に女子供等の非戦闘員の搭乗が行われている、 その中で、バージルとワルドが向かい合っていた。 「ルイズが結婚式の準備でこれなくてね、見送りは僕だけだが、どうか許してほしい。 キュルケ達はタバサの風竜で帰るらしい、では再びトリステインで会おう」 特に会話をすることもなくバージルはさっさと『イーグル』号へと乗り込む。 全ての搭乗が完了した『イーグル』号は音をたて出港していった 「もう生きて会うことはないだろうがね…」 それを見送りながら誰にも聞こえないようにワルドがニヤリと口元を歪め呟く、 同時にワルドの姿が、一陣の風となってかき消えた。 『イーグル』号の出港から暫くした後… 始祖ブリミルの像が置かれた礼拝堂で、ウェールズは... -
蒼い使い魔-13
前ページ次ページ蒼い使い魔 『土くれのフーケ』 そう呼ばれトリステイン中の貴族を恐怖に陥れているメイジの盗賊がいる その手口は『錬金』の魔法を使い。頑強な扉や壁を粘土や砂に変え、密やかに忍び込み、盗み出す 例え『固定化』の魔法で守られていようが、その強力な『錬金』で打ち破り、ただの土くれへと変えてしまう。 故に名付けられた『土くれ』の二つ名。 だがその様な大人しい盗みばかりでは無い、 時に身の丈およそ30メイルの巨大なるゴーレムを操り、貴族の屋敷を、別荘を粉々に破壊し粉砕し、大胆に盗み出す。 正体不明にして強力なトライアングルクラスの『土』系統のメイジ、 犯行現場に壁に己の犯行の旨であるサインを残していく事もあり、最もトリステインで有名な盗賊である。 その盗賊『土くれのフーケ』が次に目をつけた場所、それこそがトリステイン魔法学院であった。 夜、二つの... -
蒼い使い魔-10
前ページ次ページ蒼い使い魔 「街に買い物に行くわよ」 「そうか、勝手にしろ」 決闘騒ぎから数日後、ルイズは休日である虚無の曜日であることを利用し 街へ買い物へ行こうとしていた。 バージルに対し主人らしいことをひとっつもしていないことを気がついたたルイズ、 ここはひとつバージルの気に入る物をプレゼントしご主人様としての株を上げる作戦に出ようとしたのだが… 「勝手にしろって!あんたも行くの!ついてきなさい!」 「なぜついていかねばならない、俺には関係ないだろう」 ご主人様らしい所を見せてやろうとしているのにこの男は…ッ! そう思いながら拳を握り締めルイズは続ける。 「あ、あんたに剣の一本でもなんでも買ってやろうって思ってるのよ!」 「必要ない、俺には閻魔刀がある、これ以上あっても邪魔なだけだ」 とりつく島もない、だがご主人様としての株が賭かって... -
蒼い使い魔-16
前ページ次ページ蒼い使い魔 朝、ルイズが目を覚まし、朝食をとりバージルと共に授業へ向かう 普段はすぐにふらりといなくなってしまうバージルだが、ルイズが授業を受ける時だけは別だった。 バージルはハルケギニアの魔法という力に興味を持ち、毎回授業は真面目に受けているのである。(むしろ生徒達よりも熱心に聞いている) といっても壁によりかかるいつものポーズでだが…。 使い魔の教室への同伴は基本認められているため、教師陣も何も言ってこない。 そんなバージルは今日もルイズと共に授業を受けるために教室へ入る。 しばらく待っていると教室の扉が開き、ミスタ・ギトーが現れた。 長い黒髪に漆黒のマントといった黒ずくめ、不気味な雰囲気を漂わせ 授業が始まれば自身の系統最強説を語るため生徒たちに人気がない。 「では授業を始める。 知ってのとおり、私の二つ名は『疾風』。疾風のギト... -
蒼い使い魔-25
前ページ次ページ蒼い使い魔 やがてシルフィードがトリステインの王宮へとたどり着く、 場合が場合なだけに直接降下し、王宮の中へと進もうとすると、 多数の兵士たちがレイピアのような杖を構えルイズ達を取り囲んだ。 「杖と剣を捨てろ!!」 隊長らしい顔付きの男が警告を放つ、 国運を左右する重要な密命を完遂したにもかかわらず、少々残念な凱旋の出迎えである、 全員むっとした表情に変わる。 「宮廷」 タバサが呟き、杖を投げる。他のみなはしぶしぶ頷き、手にしていた杖を地面にへと放り投げた。―ただ一人を除いては 「今現在王宮の上空は飛行禁止だ!ふれを知らんのか?」 すると、ルイズがシルフィードから飛び降りて、毅然とした態度でそれに応える。 「わたしはラ・ヴァリエール公爵が三女、ルイズ・フランソワーズです!姫殿下に取り次ぎ願いたいわ!」 向こうの隊長が、自慢であろう口髭をひ... -
蒼い使い魔-24
前ページ次ページ蒼い使い魔 「我が系統は風!何故、風の魔法が最強と呼ばれるのか、その所以を教育してやろう!」 そう言うとワルドはルーンを唱え出す、それを中断させるわけでもなくバージルは身動き一つしない。 「ユビキタス・デル・ウィンデ……」 ワルドの呪文が完成された。するとワルドの体が、風で霧が揺らぐようにブレ始める。 バージルの目の前でワルドの体が分裂し始める。 一人……、二人……、三人……、四人……と別れ、ようやくワルドは元の形へと戻る。 本体を合わせて五人のワルドがバージルを取り囲んだ。 「へっ…遍在!?」 ギーシュが驚いたように声を上げた。 「風のユビキタス(遍在)……。風は遍在する。風の吹くところ、何処となくさ迷い現れ、その距離は意思の力に比例する」 ワルドの分身は、すっと懐から、真っ白の仮面を取り出すと、顔につけた。 「あの愚鈍な男は貴様だった... -
蒼い使い魔-22
前ページ次ページ蒼い使い魔 「ばっ!ばかーーーー!何してんのよーー!!!」 突然天井から乱入しウェールズを殺害しようとしたバージルにルイズが慌てて怒鳴る。 少しでもルイズが声を上げるのが遅かったら今頃ウェールズの首は宙を舞っていただろう。 「こいつは賊だろう、何故生かす必要がある?」 閻魔刀を納刀しながら、バージルはルイズを睨みつける。 「ちっ!違うのよ!その人は空賊だけど殿下なのよ!」 「……意味がわからん」 「だから空賊として襲ってきたけどその人は本当は殿下本人で…あぁもう!」 「…わかるように説明しろ」 そう言いながらバージルはワルドを見る。 「つまりだ、君が今殺しかけたその人こそ、僕たちの旅の目的であるウェールズ殿下本人だ。 空賊に扮し敵の物資補給を断つ作戦の最中だったらしい、僕たちの乗った船は偶然それに巻き込まれてしまった、ということだ。」 ... -
蒼い使い魔-27
前ページ次ページ蒼い使い魔 一週間後、ようやく休暇がとれたシエスタとともに、バージル達はシルフィードに乗りタルブへ向かう。 「あの…ところでなんで僕も行かなきゃならないんだい…?」 居心地悪そうに座っているギーシュが呟く、 「あんたねぇ、この空間に私一人でいろっていうの?」 キュルケに言われるがままギーシュはあたりを見る、 なるほど、ルイズとシエスタ、そしてタバサから妙なオーラが立ち上っている。 ギーシュは「なるほど…」と小さく呟き肩を落とす、そしてその渦中にいるであろう人物、バージルを見る。 当の本人はそんな雰囲気はどこ吹く風、静かに本を読んでいた。 そんな微妙にピリピリした空気の中、ルイズが口を開く 「ねぇバージル、あんた、ここ数日一体どこに姿くらましてたの?」 「少し遠出していただけだ、戻ってきたのだから問題はないだろう」 「そうじゃなくって! 場... -
蒼い使い魔-29
前ページ次ページ蒼い使い魔 バージルはシルフィードから降りた後、バージル達はタルブの村人達と合流、 ルイズの介抱をタバサや村人に任せ、ゼロ戦が奉納されている祠へと向かう。 アルビオンの竜騎兵により焼き払われたものの、 固定化がかかっているためもしかしたらゼロ戦は無事ではないか? という淡い期待を抱き様子を見に来たのである。 「…………」 「あー…相棒…こりゃダメだな…」 バージルが焼け落ちた祠へと足を踏み入れる そこにはわずかに原形は保っているものの無残に焼け落ちたゼロ戦の姿が。 それを見たバージルが眉間にしわを寄せそれに触れる。 「……エンジンはかろうじて無事みたいだが…これではどうしようもないな」 ルーンの力で確認すると舌打ちし踵を返す、人の気配を感じ顔を上げるとそこにはシエスタの姿があった。 「バージルさん…あの…ひいおじいちゃんの竜の羽衣は…?... -
ドラが使い魔
ザ・ドラえもんズのエル・マタドーラが召喚される話。 ドラが使い魔-1 ドラが使い魔-2 フーケの使い魔 ドラが使い魔-3 ドラが使い魔-4 ドラが使い魔-5 ドラが使い魔-6 ドラが使い魔-7 前編 王銅鑼漫遊記 -
蒼い使い魔-28
前ページ次ページ蒼い使い魔 生家の庭で、シエスタは幼い兄弟たちを抱きしめ、不安げな表情で空を見つめていた。先ほど、ラ・ロシェールの方から爆発音が聞こえてきた。 驚いて庭から空を見上げると、恐るべき光景が広がっていた。 空から何隻もの燃え上がる船が落ちてきて、山肌にぶつかり、森の中へと落ちていった。 村が騒然とする中、雲と見紛う巨大な船が下りてきて、草原に鎖のついた錨を下ろし、上空に停泊した。 その上から何匹もの火竜が飛び上がる。 シエスタは不安がる兄弟たちに促して家の中に入る。 中では両親が不安げな表情で窓から様子を伺っていた。 「あれは、アルビオンの艦隊じゃないか? アルビオンとは不可侵条約を結んだってお触れがあったばかりなのに……」 「じゃあ、さっきたくさん落ちてきた船はなんなんだい?」 そう話している間にも、艦から飛び上がった火竜が、村めがけて飛んでき... - @wiki全体から「蒼い使い魔-39a」で調べる