あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ内検索 / 「虚無の王-20-2」で検索した結果
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虚無の王
「エア・ギア」より前“風の王” 武内空 を召喚。 第一部 虚無の王-01 虚無の王-02 虚無の王-03 虚無の王-04 虚無の王-05 虚無の王-06 虚無の王-07 虚無の王-08 虚無の王-09 虚無の王-10 虚無の王-11 虚無の王-12-1/2 虚無の王-13-1/2 虚無の王-14 虚無の王-15 虚無の王-16 虚無の王-17-1/2 虚無の王-18-1/2 虚無の王-19-1/2 虚無の王-20-1/2 虚無の王-21-1/2 虚無の王-22-1/2 虚無の王-23 虚無の王-24 虚無の王-25-1/2 第二部 虚無の王-26 虚無の王-27 虚無の王-28 虚無の王-29 虚無の王-30 -
虚無の王-20-2
前ページ次ページ虚無の王 * * * 夜が深まると、夏はどこかに姿を消してしまった。 夜風が冷たい手で肌を撫でて行く。火が恋しい。 後、一週間もすれば、気が狂う程暑く、寝苦しい夜が来るなど、全く嘘の様だ。 テントを張り終えて、空は火の傍に戻る。 動けるのは、他にモンモランシーだけだ。今は負傷して意識を失った三人の治療に当たっている。 ルイズはエア・ハンマーの一撃を受けて昏倒した。どこかに頭をぶつけたのかも知れない。少し、心配だ。 もっと心配なのは、襲撃者の二人。 爆発に巻き込まれた一人は湖に転落し、小柄な方は森まで飛んで行った。 「それにしても……」 モンモランシーは洩らす。 「どうして、この二人がこんな所に居るのかしら?」 「さあなあ……目醒ましたら、聞けばええやろ」 ルイズとの壮絶な相打ち... -
虚無の王-29
前ページ次ページ虚無の王 「久しぶりだねえ」 「大丈夫だったかい?」 「一体、何が起きたんだい?」 「心配していたんだよ」 夜の部屋に、気遣いの言葉が転び落ちた。 本心では無かった。 本当に優しい性根による物ならば、言葉の度に、ベッドの上で跳ね上がる柳の腰を、どう説明すればいいだろう。 幼い肢体から、灼けた吐息と蒸気が浮いた。 しなる杖先が、硬さを残した体に不可視の傷を刻んでいた。 神経弾。非殺傷とは言え、慈悲深さとは無縁の水魔法だ。 対象の神経に直接作用、激痛と快楽を交互にねじ込み、その精神を掻き毟る。 蒼いドレスの上で、弧月の歯並びが釣り上がった。 イザベラは自身の創意と嗜虐心から生まれたオリジナルスペルを大層気に入っている。 この小さな魔法は、少ない精神力の損耗で、いつまでもいつまでも相手を嬲... -
虚無の王-24
前ページ次ページ虚無の王 火の塔を過ぎた。 空を置き去りにして来た広場は、冷たい闇に沈んでいた。 僅かな物音、背筋を撫でる冷感、些細な切っ掛けが度々ギーシュを捕まえ、ヴェストリの広場へと振り返らせた。 神を信じて生きる少年は、その度に始祖を呪う言葉を吐き捨て、同じ数だけ、自身を悪罵した。 互いの名誉と生命とを賭けて戦うべき決闘の相手を、一人死地に残して来た。 貴族として、これ程恥ずべき事は無い。 だが、今、ギーシュを呵責するのは、もっと少年らしい、純粋な感情だ。 学生の姿は殆ど見られなかった。 幸福な恋人達が二人で迎える朝に備え、独り者が夜を諦めるには十分過ぎる時間だった。 「どう言う事なの!ねえ!」 気付くとアウストリの広場だった。 女神の様に美しい少女達は、揃って一人だった。 ルイズの声は... -
虚無の王-20-1
前ページ次ページ虚無の王 日差しの暖かな時間になると、トリステイン魔法学院学院長オスマンは、少しばかり早く、ほんの少しだけ長い午睡に身を委ねる。 そんな時、秘書のロングビルは主人を起こしてしまわない様、そっとサイレントの呪文を唱えて、席を外す。 毎日の様に繰り返される光景。ロングビルは毎日の様に、一つ下の階に降りる。重厚堅牢な鉄扉の前で足を止める。 宝物庫だ。ここには、学院設立以来の秘宝が収められている。 小さな杖を取り出し、ロングビルは魔法を唱える。 アンロック。効果無し。練金で扉の破壊を試みるも同様――――。 思わず、溜息が漏れた。 魔法学院はメイジの巣だ。守りの堅固にかけては、並の城塞など及びもつかない。 だが、それ故に管理側の注意にも綻びが見える。 齡100とも300とも囁かれる老オスマンにしても、どれ程、油断な... -
虚無の王-28
前ページ次ページ虚無の王 踏みしめた大地は、雲の頼りなさで膝を揺さぶった。 いつもより数㎝高い重心が、足の運びを妨げた。 冷たい感触が背筋を這い落ちる。真夏の太陽も、凍り付いた顔を溶かすには及ばない。 視野の片隅を、空に良く似た車椅子の男が通り過ぎた時も、フーケは峡谷の合間にくすむラ・ロシェールの街を通じて、のんびりと漂う雲を見つめていた。 麻痺した神経に火が付き、脳が感情を思い出したのは、車椅子の上で笑い声が漏れた時だ。 「空!あんたねえ!」 怒りと苛立ちが、声の中で入り交じった。 激情の火花が見せる波紋は、水面に浮かぶ柔らかい物とは違う。薄鉄を幾重にも折り曲げ、重ねた東方の刃に浮く、冷たく鋭い斑模様だ。 学園でルイズと合流し、ラ・ロシェールを目指すワルドに先んじる為、二人は竜に跨った。 いかに風竜の快速とは言え、先行するグリ... -
虚無の王-26
前ページ次ページ虚無の王 真夏の太陽が、殺意にぎらつく目線を投げ降ろしていた。 地平線は陽炎に溶け、何もかもがその眩しさで、容赦無く瞳を刺し貫いた。 重く垂れ込めていた陰は、陽の勢いに懼れをなして、どこかに消えてしまった。 事実、二つの塔、殊に中央の本塔を失った魔法学院の広場は、どこもかしこもがぶ厚い熱気に覆いつくされ、正気を失っていた。 夏は魔の季節だ。どんなにおかしな事が起きても、夏だから、の一言で片が付く。 アウストリの広場に、学生達が整然と列を作っている。 城壁に似た竈で風が煮え立つ中、ここだけは凍て付く空気が層を重ねている。 乾涸らびたローズマリーが太陽から目を背ける様に首を垂らす。 恋の夜は去り、広場は悲劇の後日譚に舞台の様相を変えていた。 整列する学生は凡そ200人。魔法学院は本来、一学年90人の編成で、三学年だ。 辻褄... -
虚無の王-25-2
前ページ次ページ虚無の王 何も無い広場に、空が立っていた。 空だけが立っていた。 栄光あるトリステイン貴族達の姿は、全てが足下を吹き荒ぶ砂塵の中に霞んでいた。 精神力はまだ残っている。ワルキューレはまだ生み出せる。 だが、それが何の意味を持つだろう。この轟風下で活動可能なゴーレムを作る術を、ギーシュは知らない。 金属の脚が、砂利をかき混ぜた。 広場を振り回す大渦に、比較的ささやかな殺傷力を追加しながら、その脚はこの場で唯一価値有る物に向けられていた。 ギーシュは堪らず、ワルキューレを生み出したが、青銅の乙女は、その姿も定かにならぬまま、どこかに飛んで行った。 今頃、誰かの頭蓋を踏み潰しているかも知れない。 空は不意に月を見上げた。“空”を産み落とす雫を、なお、引き落とそうとしているかの様だった。 最早、風の王にとって、この広場に警戒し... -
虚無の王-21-2
前ページ次ページ虚無の王 * * * ロングビルによると、目的地までは馬で四時間と言う事だった。 仲間同士集まって向かうにしても、退屈を持て余すであろう事は否めない時間だ。 タバサは例によって例の如く、本を開いている。 例に漏れるのは、ルイズもまた、本を手にしている事だ。 「珍しいわね。何の本?」 「お芝居の脚本を集めた本よ」 昨日、空が買い与えた物だ。 タニアリージュ・ロワイヤル座で過去に講演した芝居の筋書きが数十本、おおまかに纏められている。 「……最近、“ツンデレ”と言う物が流行ってるらしいわね」 本を読み読み呟くルイズに、空とキュルケは顔を見合わせた。 一体、何を言い出すのだろう? 「ねえ、これってどう言う意味?」 「せやなあ……」 空は腕を組ん... -
虚無の王-23
前ページ次ページ虚無の王 恋と虚礼とが立ち去り、ホールには明かりだけが落ちていた。 飲み止しのグラスがテーブルの縁に肩を並べ、深皿の半ばには冷め切った料理とソースとがこびり付いていた。 甘みと酸味ではち切れんばかりの果実は、盛られたそのままの姿で取り残されている。 一人の使用人が、鋏を手に悠々と現れた。 頭上で燃えるシャンデリアが床まで降ろされた。芳しい香りと暈光を放つ蜜蝋が、一本一本断ち切られて眠りに就く。 ホールの四隅で、魔法灯の頼りない光だけが揺れていた。 談笑の声はアウストリの広場へと渉っていた。 少年少女達が太陽の下、その快活さを発散して来た東向きの庭園は、半年間の思い出と、会う事の叶わない二ヶ月間を大袈裟に嘆いて見せる、新たな恋人達の秘めやかな語らいの場と化していた。 二つの月と、絢爛たる星々の投げ降ろす光は優しか... -
虚無の王-27
前ページ次ページ虚無の王 「ルイズ!ルイズ!どこに行ったの?ルイズ!まだお説教は終わっていませんよ!」 迷宮にも似た植え込みの中で、六歳の幼女は身を竦めた。 神様は魔法の才能を二人の姉ばかりに与えて、末娘に分けてやる事を忘れてしまったらしい。 或いは、二人に与えた才能の巨大さに不公平を反省し、その妹からは取り上げる事に決めたのかも知れない。 運命の動機がどうであれ、ルイズの小さな体に眠る魔法の才が、領地の片隅で酒場を手伝う平民の小娘と大差が見られない物である事は、動かしようの無い事実だった。 その物覚えの悪さを、母に叱られるのは、礼拝所へお祈りに行くくらい、当たり前の行事となっている。 そして、幼いルイズが逃げ出すのも、いつもの事だ。 何故、魔法が使えなければならないのかも分からない幼児にとって、母親の見せる厳しさは、天災の様な、理解を超えて... -
虚無の王-22-2
前ページ次ページ虚無の王 一同は風竜で帰還した。 空が施した応急処置。そして水メイジならぬ身の不慣れな治癒魔法で良しとするには、ロングビルの負った傷は深過ぎた。 馬車を置き去りにする羽目になったのは、止むを得ない所だ。 盗まれさえしなければ、後で誰かに回収して貰う事も出来るだろう。 一人の教師に命じて圓月杯を宝物庫に戻すと、オスマンは報告を求めた。 ロングビルがフーケであった事実は、老学院長に少なからぬ衝撃を与えた様だった。 「美人だったもので、何の疑いも無く秘書に採用してしまった」 「どちらで採用されたんですか?」 聊か思慮の無い独白に、ルイズは当然の質問を返した。 「街の居酒屋じゃ。わしは客で、彼女は給仕じゃった」 オスマンが語った事の経緯と採用の理由――――愛想良く酒を勧め、散々におだてあげ... -
虚無の王-25-1
前ページ次ページ虚無の王 空が立ち去った研究室は、薄暗いままだった。 十年余に渡って堆積した探求心のなれの果てが、写本と用途不明な機材の姿で、腐臭と薬品臭とが混じり合う、得も言われぬ空気の底に沈んでいた。 コルベールは自らの両手で、記憶の澱を丹念に掘り起こした。 むっつりと沈黙する羊皮の表紙を選り分け、深々と黄ばみの食い込むフラスコと見つめ合い、遠い昔、どこかに失くしてしまった何かを捜していた。 自分でも使い方を忘れた機械に、いつから在るのかも定かでは無い書物が、忽ち歪な小山を築いた。 その様子は、フェニアのライブラリーによく似ていた。 ピカピカに磨き上げられた学生用の図書館が貴婦人なら、教師のみ立ち入りを許された未整理の書庫は、差し詰めペチコートの下に隠された下痢腹だった。 六千年の歴史が、人の手と探求とを拒んで発酵している場所だ。 悪い意... -
虚無の王-21-1
前ページ次ページ虚無の王 トリステイン魔法学院学院長オスマン老は悩んでいた。 比較的些細な事件を発端として巻き起こった一連の出来事。それが、齡100とも300とも噂される老人から、貴重な睡眠時間を奪っている。 一人の学生――――確かド・ロレーヌと言った――――が、庭師の一人を無礼打ちにした。 エア・ハンマーの一撃が膝蓋骨を粉々に打ち砕き、哀れな初老の平民は地面に転がり、のたうち回る。 最近、過去に例を見ない程、学生と用務員の関係が悪化している。よく注意を払う様に。教師達に訓戒した矢先の出来事だ。 建前の理屈と、現実との間には、決して埋められない溝が有る。 若い学生には、その辺りの機微が判らない者が居る。 平民は無条件無制限の敬意と忠誠とを貴族に捧げるべき存在である。そんな虚構から、抜け出せない者が居る。 無論、そんな筈は無い。... -
虚無の王-02
前ページ次ページ虚無の王 「空?」 「そ。雲さんぎょーさん居る、でっかい空や」 「格好つけた名前ね。まあ、見た目通り、フワフワ軽薄そうな所はいかにも――――」 ルイズは言葉を切った。ニコニコと笑みを浮かべていた空の顔から、急に表情が抜け落ちたからだ。 「なんや、あれ」 空の指さす先では、生徒達が飛行魔法を使い、一足先に教室を目指していた。 「ルイズ!お前は歩いて来いよ!」 「あいつ、フライはおろか、レビテーションさえまともに使えないんだぜ」 口々に悪態をつきながら、去って行く生徒達。 「飛んでるわ」 どこか、憮然とした口調だった。 「そりゃあ、メイジだもの」 「気に入らんわあ」 「何が?」 「あいつら飛んでる癖に、ちっとも気持ち良さそうやあらへん」 「飛べるのなんて、当たり前だからでしょ」 ... -
虚無の王-22-1
前ページ次ページ虚無の王 本塔と火の塔の間に、コルベールの研究室が在る。 実験時の騒音と異臭が原因で、職員寮塔を追い出された発明家の根城。それは、見るも粗末な掘っ建て小屋だ。 空との出会いを切っ掛けに、小屋はみるみる歪な成長を遂げた。 増築に増築を重ね、改築に改築を加えた末に生まれた木造の怪物は、至る所から黒煙を吐いている。 局地地震を奇跡的に生き延びた研究所だが、その内部は無事に程遠かった。 どこへともなく逃げ出した数多の実験動物供は、毒を持っている事を除いて比較的無害な連中ばかり。 それよりも、化学系の研究室が問題だ。 結局、学院の水メイジが総動員で凍結処理。その間に漏れ続けた七色の煙は、42歳独身の教師から、嫁候補に加えて、老若男女を分け隔て無く遠ざけた。 書物は堆い山を作り、その内の三割は火災なり、水没なり、奇怪な化学... -
虚無の王-03
前ページ次ページ虚無の王 トリステインに所謂ハートビル法の様な法令は無い。当然、トリステイン学院の諸建築も、車椅子を考慮した設計にはなっていない。段差は決して多くは無いものの、その度にコルベールは難儀する羽目になった。 実の所、空の車椅子はエア・トレックと同等の動きが出来る。 エア・トレックとは、出力4kwの超小型モーターと、サスペンションを仕込んだ、インラインスケートの発展型だ。平均的なライダーは80㎞/hで疾駆し、そのトルクを利して壁を駆け登り、民家の屋根まで一躍する。 場所を選ばず走り抜けるライダー達を、人々は暴風族〈ストームライダー〉と呼び、忌み嫌う。中には珍跳団と呼ぶ者も居るが、こちらの呼称は、あまり広まっていない。 「この階段。ちときついけど、大丈夫か?」 「ええ。大丈夫です。お気になさらずに」 空は健常者の介助を必要... -
虚無の王-01
前ページ次ページ虚無の王 「宇宙の果てのどこかにいる私のしもべよ!神聖で、美しく、そして強力な使い魔よ!私は心より求め、訴えるわ!わが導きに、応えなさい!」 例によって、例の如く呪文が唱えられた時、一同は息を飲んだ。それは、例によって、例の如く巻き起こった爆発が原因では無い。 爆心地に一人の男が伏せている。突き倒された車椅子の車輪が、カラカラと虚しい音を立てる。 「ひ!し、死んでるぅっ!」 「ゼロのルイズが、通りすがりの怪我人を吹き飛ばした!」 「……とうとう死人が出たか!」 「殺っちまいやがった!……ゼロのルイズ!」 豊満なウェストの少年マリコルヌを筆頭に、次々と悲鳴が上がる。貴族とは言え、若い彼等は死体にも、刃傷沙汰にも馴れていない。 「人聞きの悪い事を言わないで!」 ルイズは真っ赤になって抗弁した... -
虚無の王-11
前ページ次ページ虚無の王 「あんた、背高かったのねえ」 「へへーっ」 得意気な笑みを浮かべる空に、ルイズは戸惑いを小匙一杯含んだ声で言った。 何時も見下ろしていた筈の笑顔が、頭一つ上にある。何とも奇妙な気分だ。 空は両脇に松葉杖を衝いていた。 街に出る為、以前からコルベールに製作を依頼していた、と言う。つまりは、普通の松葉杖では無いのだろう。 「どうでしょう?注文通りに出来ているとは思いますが」 「そいつは、実験して見んとな」 虚無の曜日早朝。ヴェストリの広場に人影は無い。 居るのは、王都トリスタニアへの出発を前にしたルイズと空。そして、一組の松葉杖を持って来たコルベールだけだ。 空は歩き出す。歩くと言うよりも、走り出す。両の松葉杖を翼に変えて、飛ぶ様に走る。 あまりに機敏だ。機敏過ぎる。この男は、... -
虚無の王-18-2
前ページ次ページ虚無の王 話題が途切れた。 時間だけが過ぎて行き、太陽だけが動いていた。 釣り糸もまた、鏡の様に静かな河面に捕まり、凍り付いたかの如く動きを見せなかった。 「全然、釣れないわね」 「釣りは根気や」 なんだか、退屈になって来た。 ルイズはバスケットを開く。釣りに付き合うのだから、退屈凌ぎになる物が必要だと思って持って来た物が有る。 編みかけのセーターだ。 編み棒を手繰りながら、ちらりと横に目線を向ける。 空はじっと釣り竿の先を見つめている。そして、時折、欠伸を漏らす。 手元に集中しながらも、内心では不満だった。何を編んでいるのか。それくらいは、聞いてくれたって良い物だ。 それとも、本当に自分の事は全く見ていないのだろうか。 「……何、編んどるんや?」 空が漸く聞いた時には、五分が過ぎていた。... -
虚無の王-19-2
前ページ次ページ虚無の王 モンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシは複雑な表情を浮かべていた。 ここは笑うべき所なのか、それとも怒るべきなのか、呆れるべきなのか、絶望するべきなのか……俄に判断が付かなかった。 目の前で陶器のグラスを片手に、窓の外を眺める珍生物。 「あら?裸のお姫様が空飛んでいる」 こんな言葉に本気で反応する馬鹿が、一体、この世のどこに居るだろう。 それが、目の前に居るのだ。 名前は確かギーシュ・ド・グラモンと言った。その上、自分の恋人と言う事になっている。 結局、モンモランシーは一粒、涙を零す事にした。それが、誰を憐れんでの事かは、自分でも判らない。 一体、どの様にして女子寮塔に侵入したのだろう。ギーシュが自室のドアを叩いたのは、30分程前の出来事だ。 青銅の二つ名を冠するこ... -
虚無の王-12-2
前ページ次ページ虚無の王 * * * 鋭い声に、空は振り向く。 金髪の少女が居る。 見事な巻髪は、高校生の身でありながら、部員達に“婦人”と呼ばれてフケ顔を論われていたテニスプレーヤーを連想させる。 また、一人増えた。千客万来だ。 「ギーシュっ!動かないで!そこに居なさい!」 お蝶婦人擬きは怒りの形相で歩み寄る。 「ボーズ。知り合いか?」 「ああ。彼女はモンモランシ家のモンモランシー」 「ギーシュ!平民なんかと話してないでっ。こっちを向いて」 モンモランシーはギーシュを無理矢理振り向かせた。 「どうしたって言うんだい?モンモランシー」 ギーシュは戸惑った。 葡萄酒の瓶で頭をカチ割られて以来、モンモランシーとは会っていない。 それが、いきなり、こんな... -
虚無の王-13-2
前ページ次ページ虚無の王 * * * もし彼等が魔法を使えない平民だったら、真っ赤なトマトと化して、無惨な最期を遂げた事だろう。 貴族の三人は、地面のスレスレでレビテーション。無事に着地した。 風竜からのダイブは、なかなか爽快な体験だった。これは金が取れるのではないか。貧乏貴族のギーシュは、ふ、とそんな事を考える。 そう言えば、昔、貴族同士の決闘でチキン・ダイブなどと言う物が有った様な無かった様な……。 空は魔法を使えない。たが、この時、誰も彼を助ける必要を覚えなかった。 “翼の道”の担い手は、風を読み、掴み、“空”を舞う。 それは訓練も重要だが、生まれつきの極めて特異な才能を必要とする。 例えば、現“風の王”南樹は幼少時、電波塔の頂点から滑空、そのまま無傷で着地している。 空は既に成人だ。体積に対する表面積... -
虚無の王-30
前ページ虚無の王 虫の囀りが、夜風と混じり合った。 白く乾いた街道が、夜の中へと緩やかな弧を描く。 乾涸らびた野草の群が、月明かりに濡れて吐息をついている。 不意に、火炎が奔る。 灼熱疾走、矢の勢いで街道を貫き、夜を断ち割る。 衝撃が下生えを弾き飛ばす。 固い路面をウィールが滑る。 一歩。 また一歩。 その都度、4キロワットのモーターが唸り、体を風に叩き付ける。 全身を襲う衝撃に、目が、肺が機能を忘れる。空気が重油の粘度で体にへばり着く。 風を突き破った先に見えるのは、見た事も無い世界だ。 視野が潰れ、街道が溶け落ち、土色の河が背後へと飛んで行く。 焼け付く息に肩を揺らし、キュルケは虚空の一点を見据えて直走る。 夜の裏には八頭の竜が居る。タバサが居る。 正体の知れぬ竜騎士の一団と、捕ら... -
虚無の王-04
前ページ次ページ虚無の王 「丁度、外国行ってた弟が帰って来た所やったんや。ゴッツイ土産持ってなあ。で、手出した途端や。いきなり、目の前に鏡現れよって。うっかり触れたらビリっと来て、気失ってもうて――――」 「気付いたら、あそこに倒れてた、と」 夜食のパンを片手に、ルイズは言った。疑っている、と言うより、胡散臭い物を見る目だ。 トリステイン魔法学院女子寮。ルイズの部屋は、12畳程の広々とした物だった。豪奢と端正とが程良く調和した調度品の数々は、一目に高価な物ばかりだ。 「やれやれ。ルイズは疑い深くていかんわ」 「だって、別の世界とか、別の星とか、とても信じられないもの」 「コッパゲはすぐ信じてくれたで」 「ミスタ・コルベールはそう言うのが好きなんでしょ」 「始祖ぶりみるかて、異世界から来た、て話やん」 「あんた、自分が始祖ブリミルと同じ存在とで... -
虚無の王-17-2
前ページ次ページ虚無の王 ここで二つのグループに別れる。 男子陣は揃って“飛翔の靴”に挑戦。そこには、タバサも紛れている。 事故に備える衛生兵モンモランシー。 コルベールは監督責任を感じつつも、結局、“オリジナル”への好奇心に抗う事が出来ず、寺院参拝に。 ギトーがどちらに着いたかは言うまでも無い。 「所で、“オリジナル”は何時頃から有るものなんや?」 「それも、曾祖母の頃から……と、言うか曾祖母が持ち込んだ物なんです」 シエスタは説明する。 曾祖母は或る日、村にふらり、と現れた。その時、山の様な荷物を抱えていて、その中に“オリジナル”が紛れていた。 これは羽だ。曾祖母はそう言った。自由を求める雛鳥達が、成鳥となって空を目指す羽だ、と。 「誰も、信じなかったらしいですけど……だって、実際に飛べないんですもの。曾祖母は色々、言... -
虚無の王-06
前ページ次ページ虚無の王 トリステイン魔法学院の図書館を訪れた空が最初にした事は、頭上を見上げる事だった。天井が高い。無闇に高い。大聖堂だって、ここまでは高くは無いだろう。なにより驚くべきは、立ち並ぶ本棚だ。ざっと見た所、高さは30m余。 これは最早、凄いと言うより馬鹿げている。 学院の図書館は当然、メイジの為に在る。平民が立ち入る場所では無い。司書は空を見咎めたが、結局、何も言わなかった。約束通り、コルベールは話を通しておいてくれたらしい。 取り敢えず、閲覧席を探す。 オスマンやコルベールとの約束――――自分が元の世界に戻れる様、協力する――――を、空は当てにしていない。 ルイズの使い魔を自分に押し付けた時点で、オスマンにとって、この面倒な問題は解決済みだろう。コルベールにしても、唯一話が合う相手との別れを、積極的に望むとは考え難い。 ... -
虚無の王-05
前ページ次ページ虚無の王 “空”は風が積み重なって出来ている。空気の密度差、気流の隙間。その境界面に力が作用する時、風はいとも容易く、その流れを変える。 “翼の道〈ウイング・ロード〉”の走り手は、常人が決して気付く事の無い、僅かな兆しを頼りに風の流れを読み、面で捉え、“空”を掴む。 本塔の食堂へ向かう道中だ。空に向かって、小石が飛んだ。 マントを羽織った少年が二人、下卑た笑みを交わしている。一人の手には、短い杖。性悪の餓鬼はどんな階級にでも居る者だ。やれやれ――――空は手を翳して、風を操作する。“空”は柔らかい壁へと形を変え、小石を受け止める。 悲鳴は数秒遅れて聞こえて来た。声を上げたのは、“レビテーション”で小石を飛ばした当人では無かった。 「何?ねえ、何か有った?」 「なーんも、あらへん」 体調を崩したのだろうか。生徒が一人倒れている。まあ、既に何人... -
虚無の王-08
前ページ次ページ虚無の王 自分は特別な存在である―――― それを自覚したのは、レビテーションの魔法を初めて成功させた時の事だった。 三人の兄達は口を揃えて、自分を誉めた。 自分達でも、その年では出来なかった。 お前には才能が有る。 少年は有頂天になった。憶え立ての魔法で、罪の無い悪戯を繰り返し、邸の召使い――――取り分け若いメイド達を狼狽させた。 だが、そんな事よりも、少年はもっと楽しい遊びを知っていた。もっと心を躍らせてくれる事を知っていた。 “飛ぶ”事だ。邸の尖塔から飛び降り、そのまま、空の散歩としゃれ込むのだ。 フライの魔法さえ知らない少年は、夢中になった。父の領地を上空から見下ろしていると、この世の全てを手に入れた様な、何とも言えない気分に浸る事が出来た。 或る日、いつもの様に... -
虚無の王-07
前ページ次ページ虚無の王 “風”と“火”の塔の間に、ヴェストリの広場が在る。西向きの中庭で、日中も殆ど日が差さない。悪巫山戯には最適の場所だ。 「決闘だ!」 「決闘だ!」 「ギーシュ・ド・グラモンとゼロのルイズの使い魔が決闘だ!」 その噂は瞬く間に広まった。 学院の生徒は皆、貴族の子弟達だ。どだい、若い彼等が、節度と信仰と学問だけで満足出来る筈も無い。退屈な寮生活の、一服の清涼剤。珍しい見せ物を見逃してはならじ、と、挙ってヴェストリの広場を目指す。 生徒達は口々に囁き合う。成り立ちそうも無い賭けに、残酷なショーを期待する声、ヘタレのギーシュが、負けないまでも、無様な勝負を見せるのでは、と言う意地の悪い憶測。皆、一様に酷薄な笑みを浮かべている。美しい庭園が、廊下が、道徳の下水道に変わる。 そんな生徒達の列に、キュルケとタバサが居る... -
虚無の王-09
前ページ次ページ虚無の王 この日、図書館でタバサを発見した空は、以前と同じ様にして文字の読み書きを学んでいた。 魔法学院での生活には、三日で馴染んだ。順応能力の高さも有るが、馴染まなければならない理由も有った。 送還の魔法は存在しない――――オスマンの語った言葉は、少なくともこの学院内においては事実だ。 そして、職員や出入りの業者に話を聞く限り、彼等の文明がハルケギニアと言う極めて狭い地域に限定されているのも、また事実だった。 文化の形式は中世欧州に近似するが、発展の度合いは大幅に上。空はそう当たりを付ける。 何より水が豊富で、比較的衛生状態が高水準にあるのが有り難い。この分なら、異世界から来た身でも、つまらない疫病に悩まされずに済みそうだ。 一方、この世界全体で考えた場合、恐らく、ハルケギニアは極めて後進的な地域なのではないか、と言う気... -
虚無の王-16
前ページ次ページ虚無の王 駆動輪が、カラカラと音を立てて回っていた。 空の座す車椅子は軽く、電動の補助動力を備えている。小柄なルイズでも、押して歩くのは苦にならない。 辺りは明るかった。 明るく、そして何も無かった。 靄が立ちこめた様に真っ白な世界で、車椅子の空とルイズの二人だけが、鮮やかに浮かび上がっていた。 帽子の下で、空はいつもの笑顔を浮かべている。 どことなく澄ました顔のルイズも、その表情は柔らかい。 暖かな光を体一杯に浴びて、長閑に歩を進める。 「ねえ、空」 屈託の無い声で、ルイズは尋ねた。 「今日は、どこに行く?」 「せやなあ……」 空は軽く顎を撫でると、 「もう、ええわ」 「え?」 意外な言葉に、怪訝な声が漏れた。思わず、足が止まる。 その時だ。空は車椅子のステップから地... -
虚無の王-10
前ページ次ページ虚無の王 大岡越前と聞いた時、何を思い出すだろう。 三方一両損と言うむきも居るかも知れない。 だが、何と言っても、全国共通誰にでも通じるのは、真実の母だ。 あいや、子供が痛がるを憐れみ、先に手を放す者こそ、真の母親―――― キュルケの火トカゲと大モグラは、一分近くに渡って空を苦しめた。 先に、口を放したのはモグラだった。 空は残ったフレイムの頭をぽかり、と打擲。昏倒させる事で、漸く事無きを得た。 「なんやっちゅうねん。一体」 競争相手が目を回して床に倒れると、モグラはまた、空を引っ張った。 何か用だろうか――――モグラが? 「いや、この場合は、こいつの御主人様か」 一体、誰だ? まあ、ええわ――――どうせ、宿無しの身。空は大モグラに着いて行く事にした。 ... -
虚無の王-15
前ページ次ページ虚無の王 モット伯の邸を守る衛兵、従者、そして一門の貴族達とて、決して、警戒を疎かにしていた訳では無い。 昨今は、“土塊のフーケ”なる盗賊が巷を騒がせている。警備には一層の力を入れていた。 だが、どんなに厳重な警戒態勢にも、必ず穴が有る。 侵入者の行動如何によっては、機能不全を起こす事が有る。 今回は相手が悪かった。 侵入者を指揮するのは空。前“風の王”にして、最も“空の王”に近い、と言われた男だ。 “空の王”の資質の一つである“イーグル・アイ”は庭園の地形から、建物の構造まで全てを見通す。 そこに、空のテロリストとしての知識が加わる時、邸の警備は丸裸となる。 空は単独では無い。足手纏いを引き連れている。それが、警備側に不幸をもたらした。 見慣れぬ血に荒れ狂う素人達に、無音で作戦を遂行させる事は出来ない。... -
虚無の王-14
前ページ次ページ虚無の王 王宮への出仕に当たって、モット伯爵が利用している邸宅は、トリステイン魔法学院から徒歩で一時間の距離に在る。 その距離を、高速型ワルキューレのステップに飛び乗ったギーシュは、五分足らずで駆け抜けた。 そこまではいい。 あっと言う間に目的地へ到着したギーシュは腕を組み、首を捻る。 移動にかけたのと、同じ時間だけ悩む。 さて、どうやってモット伯と面会しよう―――― 土産物のエスカルゴは良い口実だった。勢いに任せて、空に渡して来た事を、今更ながらに後悔する。 もう一つ、重大な問題が有る。 会ってどうする――――? 「……僕は何をしに来たのだ?」 シエスタが連れて行かれた。 そう聞いた途端、居ても立ってもいられなくなった。 さて、その時、自分は何をするつもりで... -
虚無の王-18-1
前ページ次ページ虚無の王 ゲルマニアとの国境沿いに、ヴァリエール公爵領が有る。王家に次ぐ権威を持つ、古い家系だ。 邸のバルコニーから広大な庭園を、領地を睥睨して、ヴァリエール公は溜息をつく。 誰にも聞こえない声で、そっと陰鬱な声を漏らす。 遊び上手な奴に 騙されていると聞いた 噂だけだね?ルイズ ルイズ 便りをおくれ―――― 背後で扉が開いた。 姿を現した少女は、ルイズと良く似ていた。年の頃では10近く上だろう。 素直になれない女学生と比べて、その表情は柔らかく、均整の取れた肢体も色々と柔らかそうだ。 「カトレア。風に当たっては体に触る。中に入っていなさい」 「大丈夫です。今日は何だか、調子が良くて……」 カトレアは楚々と足を進めて、父の隣に進んだ。 「あの娘の事が心配なのですか?」 「最近、手紙が減... -
虚無の王-12-1
前ページ次ページ虚無の王 タバサは図書館の常連だ。 “ヌシ”と言っても良い。 30mの高さを誇り、レビテーションの使用を強要する本棚。 大抵の女生徒は、足下に陣取ろうとする男子生徒との争いに疲れ果て、やがて使用を断念する。 女子生徒の姿が無くなると、男子生徒の姿も見られなくなる。一部、真面目な男子も、有らぬ疑いをかけられては叶わじと、近寄らない。 だから、図書館は半ば、青髪の少女の独占物だ。 いや、独占物だった、と言うべきか―――― 図書館に入ると、タバサは真っ先にいつもの閲覧席へ向かう。鞄で席を確保すると、今日読む本を纏めて調達する。 読書を始める前に、辺りを見回す。 良し。空の姿は無い。タバサは安心して本を開く。 何故だろう。 あの異世界人は、図書館に自分を見付ける度に、ちょっかいを出して来る。もう、読み... -
虚無の王-13-1
前ページ次ページ虚無の王 サウナに不満が有る訳では無い。 暖まるだけ暖まり、徹底的に汗を流した上で冷水を浴びる。それはそれで、堪えられない快感だ。 だが、空は日本生まれの日本育ち。 研究所を脱するまで日本社会と無縁で生活し、戸籍も偽造の無国籍系日本人とは言え、時には風呂釜に張った湯が恋しくなる。 そんな時、空はヴェストリの広場の片隅で湯を使う。昼でも殆ど人が来ない場所は、人目を避けるのに丁度いい。使い古しの大釜が、五右衛門風呂代わりだ。 「ええ、お月さんや。おまけに二つも有りよる。日本じゃ考えられん贅沢やな」 「いい気分みてえだね、相棒」 すぐ側の壁で、デルフリンガーがカタカタと身を震わせる。 「さいっこーや。デル公。お前も入るか?」 「冗談は止してくれ。ついでにデル公も止めてくれ」 「じゃ、フリ公」 ... -
虚無の王-19-1
前ページ次ページ虚無の王 森の空気は、重く、濃く、冷たかった。 トリステインの夏は湿度が低い。真夏でも無い限り、陽の当たらない場所、時間は涼しい。濃密な緑に囲われた森は、寒気さえ感じさせる。 ルイズは身を震わせる。だが、それは決して森の寒さ、暗さだけが原因では無い。 付き合って欲しい所が有る――――。 空はそう言って、自分をこの森に連れ込んだ。一体、どこに行くつもりだろう。 「ねえ……」 「懐かしい感じや」 不安になって、尋ねようとした時だ。空は言った。 「この森の空気、“塔”によう似とるわ」 「“塔”?例の“トロパイオンの塔”?」 「せや」 森を縫って、道が伸びている。この先に、農地なり集落なりが在るのだろうか。 それにしては、路面をうっすらと下生えが覆い、路肩からは緑の浸食が著しい。 ... -
虚無の王-17-1
前ページ次ページ虚無の王 春が終わり、季節は夏に差し掛かろうとしていた。 早朝の風は爽やかだが、日中ともなれば、日陰で暑さをかわすのが賢明だ。 この季節は天気が変わりやすい事もあり、幌付きの馬車は良い選択だった。 タルブ村はラ・ロシェールの近郊。魔法学院から馬で二日ばかりの距離に位置している。 昨日はやや強行軍。一晩を宿で過ごした。目的地はもう、目と鼻の先だ。 「紳士諸君っ」 「はい、なんでしょう?ミスタ・ギトー」 「そう、諸君は紳士だ。そして、あちらは御令嬢。それを、等しくメイジと呼ぶのは、不適切ではないだろうか?」 「しかし、他に適当な呼び方もありません」 「無ければ作ればいい。そう、例えば“魔法少女”と言うのはどうかね?」 「おおっ!魔法少女ですか!」 「素晴らしい御提案です!ミスタ!」 ギトー、マリコルヌ、レイナールの... -
虚無の闇
「ドラゴンクエスト3」のゾーマ様を召喚 虚無の闇-01 虚無の闇-02 虚無の闇-03 虚無の闇-04 虚無の闇-05 虚無の闇-06 虚無の闇-07 虚無の闇-08 虚無の闇-09 虚無の闇-10 虚無の闇-11 虚無の闇-12 少々悲惨な描写がありますので閲覧注意してください 虚無の闇-13 虚無の闇-14 虚無の闇-15 虚無の闇-16 虚無の闇-17 -
虚無の使い魔と煉獄の虚神
「円環少女」のグレン・アザレイを召喚 虚無の使い魔と煉獄の虚神-1 虚無の使い魔と煉獄の虚神-2 虚無の使い魔と煉獄の虚神-3 虚無の使い魔と煉獄の虚神-4-前/虚無の使い魔と煉獄の虚神-4-後 虚無の使い魔と煉獄の虚神-5 虚無の使い魔と煉獄の虚神-6-前/虚無の使い魔と煉獄の虚神-6-後 虚無の使い魔と煉獄の虚神-7 虚無の使い魔と煉獄の虚神-8-前/虚無の使い魔と煉獄の虚神-8-後 虚無の使い魔と煉獄の虚神-9 虚無の使い魔と煉獄の虚神-10 トップページに戻る -
虚無の鍛聖
「サモンナイト クラフトソード物語」よりクリュウ&シュガレット 虚無の鍛聖-01 虚無の鍛聖-02 虚無の鍛聖-03 リィンバウムにある人工の海上都市ワイスタァンの最高評議会の1人である黒鉄の鍛聖クリュウ 彼はかつての父親と同じく世界を巡る旅に出ていました。護衛獣であるサプレスの妖姫シュガレットと一緒に。 そんな旅のある日の事、不思議なゲートを潜ってみるとその向こうは月が2つある、5つ以外の異世界でした そして出会ったピンクの髪の女の子。 これは成長した鍛冶師の青年と、大きな力を秘めた少女の大きな、でも有り得なかったはずの冒険のお話です。 -
Ruina 虚無の物語
フリーゲーム「Ruina 廃都の物語」よりフィーとその仲間を召喚 Ruina 虚無の物語-01 Ruina 虚無の物語-02 Ruina 虚無の物語-03 Ruina 虚無の物語-04 Ruina 虚無の物語-05 Ruina 虚無の物語-06 Ruina 虚無の物語-07 Ruina 虚無の物語-08 Ruina 虚無の物語-09 Ruina 虚無の物語-10 Ruina 虚無の物語-11 Ruina 虚無の物語 解説 -
虚無の唄-song of zero-
「沙耶の唄」の沙耶が召喚される話。 ※描写の問題で、閲覧注意 虚無の唄-1 虚無の唄-2 虚無の唄-3 虚無の唄-4 虚無の唄-5 虚無の唄-6 -
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「ベルセルク」よりベヘリット(覇王の卵)召喚 虚無の石-前編 -
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「CRISIS CORE -FINAL FANTASY VII-」より、ザックス 虚無の誇り-01 -
13日の虚無の曜日
「13日の金曜日」シリーズよりジェイソン・ボーヒーズを召喚 13日の虚無の曜日 プロローグ 13日の虚無の曜日 第一話 13日の虚無の曜日 第二話 13日の虚無の曜日 第三話 13日の虚無の曜日 第四話 -
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虚無の紳士録 【前編】 作画:衣谷遊/原作:大塚英志の『リヴァイアサン』より、 ルシィ殿下(の影)が所有していた「闇の紳士録」を召喚。 小ネタ -
汝等、虚無の使い魔なり!
「機神飛翔デモンベイン」より、二闘流&アナザーブラッドを召喚 二闘流とアナザーブラッドの本名は『大十字 九朔』となりますが 完全同名で混乱を招きますので二闘流を『九朔』、アナザーブラッドを『紅朔』と表記して分けております 汝等、虚無の使い魔なり!-01 汝等、虚無の使い魔なり!-02 汝等、虚無の使い魔なり!-03 汝等、虚無の使い魔なり!-04 汝等、虚無の使い魔なり!-05 汝等、虚無の使い魔なり!-06 汝等、虚無の使い魔なり!-07 汝等、虚無の使い魔なり!-08 - @wiki全体から「虚無の王-20-2」で調べる