あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ内検索 / 「風が揺らす翼と冠-01」で検索した結果
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風が揺らす翼と冠
...喚する話 風が揺らす翼と冠-01 風が揺らす翼と冠-02 -
風が揺らす翼と冠-01
かつて、未だ人が神を畏れ 世界に光と闇が混在していた時代 それは世界に魔法が充ち溢れ、竜と人とエルフとそして悪魔達が住まう時代。 黙示録の絶望を僅か390年後に控えた世界で一人の老人がその命を終えようとしていた。 老人は賢者であった。 数多くの弟子達に慕われ、その叡智で彼らを導いてきた。 老人は聖者であった。 神への信仰では無く、その人徳と意思で数多の人々を救ってきた。 だが、そんな老人も死には勝てない。 細り切った体を蝕む病に必死になって抵抗してきたが、それも敗北に終わる。 無念だ。 結局、私は一番救いたかった娘を、なによりも護ろうとした弟子になにもしてやれなかった。 あの娘の蘇生にはまだまだ時間がかかる。せめてそれを見届けてから死にたかったが……ここが限界らしい。 「後の事は頼んだぞ、マーガ... -
風が揺らす翼と冠-02
被害にあった家を調べ、若い娘を一か所に集める。 村長宅にある客間が広いとは言え、15人程が集まれば窮屈だろうが我慢してもらうしかない。 勿論、襲われたら一網打尽だという懸念もあったがウリエルが守るという事で彼女達を納得させた。 そうして今、二人は客間の隣の部屋で休んでいる。 尤も、休んでいるのはタバサでウリエルの方は魔法を使ってアレキサンドルの監視をしていたのだが。 「動きは?」 「まだ、なにも」 吸血鬼が夜に活動する事を考え、昼間の内に睡眠をとっていたタバサが夕方になって目覚める。 「ウリエル」 「何?」 「どうして、彼が屍鬼人だと分かったの?」 「……生きている生命には、正の力が宿るわ。死ぬとそれが消える。そして、それを無理やりに蘇らせたり動かそうとすると正の力では無く負の力が宿る」 「だから、屍人鬼かどうかわかる?」 「... -
小ネタ-01
あ行 作品タイトル 元ネタ 召喚されたキャラ 記憶の残滓 R-TYPE TACTICS 暴走戦艦コンバイラ(提督) 虚無の雀士 スーチーゼロ Special ・ Remix アイドル雀士 スーチーパイ スーチースティック 妖精からの伝言 アイドルマスター XENOGLOSSIA 風が揺らす翼と冠 悪魔狩り ウリエル あしたのルイズ あしたのジョー 丹下段平 一撃必殺の使い魔 あなうめくん ハラワタマン 暴れん坊使い魔 暴れん坊将軍 徳田新之助 不屈の使い魔~Love Hunter~ あやかしびと 愛野狩人 ゲヘナ・ゼロ アラビアン・ダーク・ファンタジーTRPG ゲヘナ シェヘラザード 人を超えた使い魔 アルカナハート ミルドレッド・アヴァロン そは愛の種子の御子 アルトネリコ2 インフェル あるゾンビ少女の思いがけぬ災難 あるゾンビ少女の災難 ユーフロジーヌ ご主人様は承認せ... -
SnakeTales Z 蛇の使い魔-09a
前ページ次ページSnakeTales Z 蛇の使い魔 フーケ討伐後、しばらくして― 父親と兄弟の夢にうなされ、スネークは目を覚ます。 窓の外は薄暗い。まだ日が昇っていないようだ。 無駄に朝早く起きてしまったことに公開する。 「久々に煙草でも吸うか…。」 ルイズの部屋で吸うわけにも行かず、外へ出る。 冷たい風が頬を撫ぜる。東の空が薄明るい。 煙草を取り出し、先端を折る。 先折式の煙草なのでこれで吸えるはずだった。 「…?」 どうした事だ。吸えない。 煙草のパッケージを見る。 「≪ラッキーストライカー≫じゃないか…。」 ああ懐かしきかな、アウターヘヴン。 ≪モスレム≫も火をつけたほうがうまいのでジッポならある。 先折式かどうかは大して問題ではないが、煙が必ず出てしまう。 潜入任務中にはつかえない。そ... -
狼と虚無のメイジ-01
前ページ次ページ狼と虚無のメイジ その村では見事に実った麦穂が風に揺られることを狼が走るという。 風に揺られる様子が、麦畑の中を狼が走っているように見えるからだ。 風が強すぎて麦穂が揺れることを狼に踏まれるとい、不作の時は狼に食われたという。 上手い表現だが、迷惑なものもあるのが玉に瑕だな、と荷馬車の上で「彼女」は思った。 今では少し気取った言いまわしなだけで、昔のように親しみと畏れこめて言うものは少ない。 揺れる麦穂を見下ろす秋空はもう見慣れたものになったと言うのに、その下の様子は実に様変わりしていた。 初めて来た時の村人などとっくにいない。人間は長生きしてもせいぜい70年。100年生きる者も稀だ。 いや、人からすれば何百年も変わらない方がおかしいのだろう。 だからもう、昔の約束を律儀に守ることもないだろうと「彼女」は思った。 村人は、迫... -
小ネタ
小ネタ 短編・一発ネタなど。 ※召喚される側の原作のあいうえお順となっています あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 や行 ら行 わ行 その他 ??? あ行 作品タイトル 元ネタ 召喚されたキャラ 記憶の残滓 R-TYPE TACTICS 暴走戦艦コンバイラ(提督) 虚無の雀士 スーチーゼロ Special ・ Remix アイドル雀士 スーチーパイ スーチースティック 妖精からの伝言 アイドルマスター XENOGLOSSIA 風が揺らす翼と冠 悪魔狩り ウリエル あしたのルイズ あしたのジョー 丹下段平 一撃必殺の使い魔 あなうめくん ハラワタマン 暴れん坊使い魔 暴れん坊将軍 徳田新之助 不屈の使い魔~Love Hunter~ あやかしびと 愛野狩人 ゲヘナ・ゼロ アラビアン・ダーク・ファンタジーTRPG ゲヘナ シェヘラザード 人を超えた使... -
悪魔の虹-01
前ページ次ページ悪魔の虹 ここ、トリステイン魔法学院では今年二年生となった生徒達が 春の使い魔召喚 の儀式で様々な使い魔達を呼び出し、契約していた。 ある生徒は火竜山脈に棲むとされるサラマンダーやら絶滅したとされている古代の幻種に属する風韻竜を召喚したり、またある生徒は仕草などが微妙に愛らしいジャイアントモールを召喚したりと賑やかだった。 そんな中ただ一人、どれだけ時間をかけても使い魔を召喚できない者がいる……。 「いつまで経かってるんだ、あいつは……」 「所詮はゼロのルイズだ。あいつなんかにサモン・サーヴァントが成功するもんか」 既に使い魔を召喚し終えていた生徒達からぼそぼそと、陰湿な悪口が飛ぶ。 桃色のブロンドを揺らす少女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは幾度もの召喚の儀式に失敗していた。生徒達はもちろ... -
0 to 2-01
何が起こったのか、よく解らなかった。 いつもいつも失敗してばかりだった魔法。今日この日こそと挑んだ『サモン・サーヴァント』。 幸いにも魔法は成功し、ゼロのルイズと呼ばれる彼女は、漸く生涯を共にする使い魔と出会えた――はずだった。 だが、しかし。 ゼロの名とは無関係に、事は起こってしまった。 爆発による砂埃が晴れると、そのクレーターの中心に、何かが蹲っているのが見えた。 痩せっぽちで、生まれて間もない赤子に見えるほどに小さい身体。 病的に白い、紫がかった肌。その中に浮いて見える、紫色の長い尾と丸い腹部。 リザードマンにも竜のようにも見える、しかしそれらの種族には生えていない、角のようなものが目立つ頭部。 筋肉がついているとは到底思えない、細い腕。それとは対照的な、ウサギのような脚。 異形。そんな言葉が、ちらと皆の頭をよぎった。 ルイズは元より... -
長編(話数順)-01
長編(ページ数順01~04P) ※総ページ数をカウント(例:第○話が前後編なら2ページ分、外伝や幕間も加算) 長編(話数順05P~14P)へ 長編(話数順15P~)へ 01~04P 01~04P 作品タイトル 元ネタ 召喚されたキャラ 更新日時 ラスト・レイヴン×ゼロ ARMORED CORE LAST RAVEN ジナイーダ 2009-10-11 15 58 32 (Sun) ゼロのあやかし ~使い魔の名は愁厳~ あやかしびと 一乃谷愁厳 2009-10-11 16 45 22 (Sun) ルイズと再生の魔法使い アリアンロッドリプレイ・ルージュ トラン=セプター 2009-10-11 16 56 31 (Sun) 零の謳姫 アルトネリコ2 世界に響く少女たちの創造詩 ジャクリ 2009-10-11 17 11 51 (Sun) 『虚無と金剛石~ゼロとダイアモ... -
疾走する魔術師のパラベラム-01
前ページ次ページ疾走する魔術師のパラベラム 第一章 召喚の儀式 1 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの人生には、不遇がつきものだった。本人がどんなに努力しても、実力とは全く結びつかなかった。どんな勉強も、どんな訓練も報われない。そんな状況が何回も続くと、人間は努力をやめてしまうだろう。 けれどもルイズは、努力を怠らなかった。 人より多く杖を振り、人より多く本を読み、そして人より多く失敗した。 火、水、風、土。知りうる全ての呪文を唱えた。ありとあらゆる本を読み、知識を溜め込んだ。 しかし、ルイズの魔法が成功することはなかった。 初めて笑われたのはいつの事だっただろうか。 恐らく魔法学院に入学して、しばらく経った時だ。 それまでは座学で、魔法の基礎や国の成り立ちについて説明を頭にいれる。 そう、その... -
使い魔を買いに-01
前ページ次ページ使い魔を買いに 子供時代の終焉というものは、どのような形で告げられるのか。それには諸説ある。 実際には諸説などというほど大層なものではなく、先輩ぶりたい年長者が教化と謳って もっともらしいことをでっちあげているだけなのだが、それでも一応は諸説あるというこ とになっている。 先達曰く、諸々諸々……。 精神的な面で高みに達した時、大人になる。 肉体的に成熟すれば、それで大人といえる。 幼い頃の夢を失った時、人は大人になるのだ。 なるほど、といちいち頷かされる。人生の先輩達が考えたもっともらしい条件は、いか にももっともらしくわたしの耳を打つ。 わたしが精神的な高みに達しているとは到底思えない。『ゼロ』という忌まわしい二つ 名で呼ばれれば、つい『風邪っぴき』だの『洪水』だのと、童子のような憎まれ口で言い 返してしま... -
長編(五十音順)-01
あ行 作品タイトル 元ネタ 召喚されたキャラ 更新日時 ラスト・レイヴン×ゼロ ARMORED CORE LAST RAVEN ジナイーダ 2009-10-11 15 58 32 (Sun) [秩序]の守護者 ARMORED CORE MASTER OF ARENA ハスラー・ワン 2011-04-16 16 38 23 (Sat) サーヴァント・ARMS ARMS 高槻涼、神宮隼人、巴武士 2010-10-10 12 25 51 (Sun) 三つの『二つ名』 一つのゼロ ARMS クリフ、ヴォルフ、キュクロプス 2011-11-13 18 50 55 (Sun) ゼロの使い魔×相棒 ~トリステイン魔法学院特命係~ 相棒 杉下右京 2010-03-16 00 13 10 (Tue) アウターゾーンZERO アウターゾーン ? 2011-09-06 21 03 16 (Tue) ア... -
ゼロの武侠-01
前ページ次ページゼロの武侠 ゼロの武侠-01 その日、私が呼び出した物は鉄の塊だった。 形状としては鳥に近い物だったのかもしれない。 だけど、その鼻先というべき部分は地面に押し潰され、 翼に見えた部分は両方とも根元からへし折れている。 誰がどう見ても、それはただの鉄屑だった。 どっと沸き上がる笑い声。 諌めるコルベール先生の声も小さく、彼等を制するには到底至らない。 しかし級友達の嘲笑する声は突如として止んだ。 代わりに響くのは内より木霊する打撃音。 あたかも雛が卵を割って生まれ出でるように、 鼓動と共に鋼鉄は変形しその身に亀裂を走らせる。 突然起こった変化に、私も彼等も凍りついた。 それは、この中に潜む未知なる物が与える恐怖によるもの。 「何を笑っていやがる。そんなに面白いコトでもあったのかよ」 そして一際大きい破... -
ゼロのミーディアム-01-14
前ページ次ページゼロのミーディアム 夜闇に暮れたヴェストリの広場。寮からは遠いこの広場で現在灯りとなるのはほぼ夜空に輝く2つの月のみ。 その月明かりに照らされて塔の影から出てきたのはキュルケ。 ふふんと鼻をならし彼女は水銀燈に正面から向き直った。 「ようやく2人っきりになれたわね。少々お時間頂けませんこと?お人形さん?」 「ええ、そのつもりできたのだから…。あと私の名前は水銀燈よ。お人形さんなんて名前じゃないわ」 「これは失礼…水銀燈」 「で、この私に何の御用かしらぁ?」 前回の続きのような不穏な気配が二人の間に渦巻く。 「あなたの……コレを頂きたいの」 キュルケが自分の左胸を指差しトントンと叩いた。 「へぇ…?」 水銀燈も狂気じみた笑みを浮かべて翼を大きく広げる。これでいつでも羽を放つことができる。 ……つまり襲いかか... -
風の使い魔-01
前ページ次ページ風の使い魔 空は快晴、風は無風。屋外での実習には絶好の日和。 この良き日に、サモン・サーヴァントは取り行われた。自らが今後の人生を共にするパートナー、使い魔を召喚する儀式である。 その日、誰もが彼女の成功を疑わず、彼女自身もそれは同じだった。遠巻きに教師と他の生徒が見守る中、彼女は高々と杖を掲げる。 詠唱、続いて閃光。瞬間、ふわりと優しい風が頬を撫でた。止んでいた風が再び吹き始めた。 まるで風達が"それ"の来訪を歓迎しているような――不思議とそんな錯覚を受けた。 閃光に目を細めて数秒、何かが落ちる音がした。そよ風が土煙を運び去った直後、どよめきが場を支配した。 現れた"それ"に生徒も教師も、彼女自身も、誰もが一様に言葉を失う。召喚されたモノの前で立ち尽くすのは、 誰もが失敗を予想して... -
蒼狼の使い魔-01
前ページ蒼狼の使い魔 ■■■■■■■■■■■■ 神様がいるとしたら――そいつはどうしようもねぇ根性ワルだ 一度死んだ男に、また 恥を掻く場所を与えようとしてやがる ■■■■■■■■■■■■ 蒼狼の使い魔 第一話 トリステイン魔法学院、春の使い魔召還の儀。 ひとりを除く全ての生徒が使い魔の召還に成功し、その残る1人の女性徒の召還を嘲りながら見守っていた。 彼女――ルイズは何度も杖を振って呪文を唱えた、が結果は爆発が巻き起こるだけ そのたびに嘲笑と罵声がルイズに向かって容赦なく降りかかる。 何度も繰り返される失敗と嘲笑にみかねた教師が彼女に声をかける。 「ミス・ヴァリエール、集中が乱れています。今日はもうやめにして明日に…」 「お願いです、あと、あと一回だけやらせてください!」 ルイズの切実かつ必死の懇願に教師――コル... -
風船の使い魔-01
前ページ次ページ風船の使い魔 その者はタマゴから孵った直後、捨てられた 同じ親から生まれた兄弟達のなかで一匹を残し全員捨てられた 大量に生ませ、その中でもっとも優れた者を育て残りは邪魔だと言わんばかりに捨てられたのだ 幸い親から受け継いだ技能のおかげでそれなりに戦えるのだろうがそれでもまだ生まれて間もない幼体だ 兄弟達は訳の解らないまま周り見るもの全てに恐怖し脅え縮こまっていた 同じ血を分けた兄弟同士、これだけの仲間がいればなんとかなるだろうと本能に訴えかけ恐怖を拭い去った しかし一吹きの風によって兄弟は全員散り散りになった そんな中一匹が輝く光の中へと溶けるように消えていった・・・・ 何度目になるかわからない爆発音に砂埃が舞う。 日は既に沈み二つの月が優しく草原を照らしている 「もうそろそろ... -
虚無と金の卵-07
前ページ次ページ虚無と金の卵 ルイズが学院に入学してから身に付けた癖――魔法の練習を人目に晒すのを徹底的に避ける。 練習のたびに、魔法が出来ない自分をまざまざと自覚するためであった。 そして虚無の曜日にも魔法の練習に励むルイズであったが、結果はいつも通り、無しのつぶてであった。 「はぁ……まったく、今日も成功しなかったわ」 だが、珍しく声色に徒労感を滲ませていない。 明日また頑張ろう――そんな気楽さが入り混じっていた。 ルイズは努力家である。そして努力の積み重ねの結果、数限りない失敗を冒す。 他のメイジの、自分の失敗に対する反応=嘲笑、揶揄、あるいは落胆――今まで、他の貴族の視線は目に見えぬ病いのように、 常にルイズを脅かしていた。 だがルイズは、ウフコックを召喚してからは、さほど気にしなくなっていた。 自分の魔法への... -
ゼロのミーディアム-01-01
前ページ次ページゼロのミーディアム 何度も失敗した末、ついに使い魔の召喚に成功したかと思われたルイズ。しかし現れたのは まきますか? まきませんか? と、書かれた謎の契約書。 流石に困惑を隠せないルイズだがそれは今回のサモン・サーヴァントを受け持ったコルベールもまた同じだった 「姿を見せる前に契約を求めるなんて…先生、今までにこんなことって…」 「いや、こんな前例は…なんとも面妖な…」 通常サモン・サーヴァントでは使い魔となり得る者が直接呼び出される。 姿を見せずにいきなり契約を迫るケースは未だかつて無いことだ 「あの、先生…やっぱり私、これに契約しなきゃいけないんですか…?」 ルイズは不安を隠せなかった。しかし無理もない。基本的にサモン・サーヴァントにおいて使い魔との契約に二度目は無い。 ... -
三重の異界の使い魔たち-01
前ページ次ページ三重の異界の使い魔たち ~プロローグ~ 半島状の大陸からなり、大きく5つの王国が存在する土地、ハルケギニア。 その西部に位置する、旧き時代からの伝統を重んじる王国、トリステイン。 この国の貴族の中でも筆頭とされるヴァリエール公爵家の三女、ルイズ・ フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは、今人生の転機とも いうべき儀式の最中にあった。 ここはトリステイン魔法学院。その名の通り、魔法を使えるメイジ、即ち 選ばれた力を持つ存在たる貴族たちに、魔法の術を学ばせる場所。 そして今日という日は、そのメイジのパートナーである、使い魔召喚の儀式 の日だった。 「ミスタ・グラモン、前へ!」 「はい!」 引率の教師コルベールに、クラスメイトの名が次々と呼ばれていく。 それとともにルイズの鼓動も早まっていく。 ... -
ゼロの君
夜。トリステイン魔法学院の女子寮の一室にルイズはベッドの縁に腰掛けていた。 窓は開け放たれ、柔らかい月光が差し込んでいる。 心地よい夜風が頬を撫で、風にそよぐ草木のざわめきが耳に心地よい。 ルイズはおもむろに立ち上がり、何時までも自分を無視する男に指を突き付けて、声高らかに宣言した。 「私の名前はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。貴方のご主人様よ!」 「フウッ、それは、何度も、聞いた。フウッ」 「じゃあ、キチンと返事しなさいよ!」 漸く返事をした使い魔にルイズは激昂する。 そんなルイズの前で影が揺らめいている。部屋を照らすランプは魔法の道具であり、光が揺らぐことはあり得ない。 影が揺らいでいる原因は、ルイズを怒らせた使い魔が規則正しく立ったりしゃがんだりを繰り返しているからであった。 男は白を基調と... -
魔法陣ゼロ-01
前ページ次ページ魔法陣ゼロ 1 新たな旅立ち 勇者とグルグル使いが魔王ギリを封印し、世界中の空に祝福の花びらが舞い踊った。 世界を覆っていたギリの魔力は消滅した。かつてギリの魔力により支配されていたモンスター達の多くは、今は魔境の住人たちのように平和に暮らしている。 しかし、モンスターの脅威が無くなったわけではなかった。 かつてギリの魔力が世界を覆っていた頃に、モンスターの個体数が大きく増加していた。 その中には、ギリとは関係なく人間を襲う者が少なからず存在し、いまだに各地で人々を苦しめていた。 さらに困ったことに、ギリの支配によるタガが外れたため、逆に活動を活発化させた者まで存在した。 闇魔法結社には、そんなモンスターを退治して欲しい、という依頼がしばしば届けられる。 それを聞いたニケとククリは依頼を横取りし、モンスター退治... -
ドリフターズゼロ-01
前ページドリフターズゼロ 第一話 「漂流者」 ――時は1600年、後に天下の分け目と言われる、関ヶ原の戦い。 「待っておるぞ豊久! 待っておるぞ、薩摩で!! 待っておるぞおっ!! 死んだら許さぬぞ、豊久ぁ!」 西軍の崩壊をもって陣を退くこととなった島津軍は、執拗なまでに追いかけてくる徳川の軍勢から逃げるために、多大な犠牲を払っていた。 捨て奸(すてがまり)。 殿の兵隊少数を場に留まらせ、追っ手を足止めさせて逃げる時間を稼ぐ戦法であり、「島津の退き口」としても語り草となった壮絶な逃走劇である。 多くの犠牲を払うこととなったこの戦法は、生き残った島津義弘にとっても苦肉の策であったことは言うまでもない。主君を逃がすために兵が奮起したと言えば聞こえは良いだろうが、言ってしまえばこれは蜥蜴の尻尾切りだ。 忠義を尽くした家来を、仲間... -
わかりました-01
前ページ次ページわかりました 「十分間、時間をやろう」 昔々と言うほど昔ではなく、今と言うほど新しくない。 日本の古典文学的に言えば、「今となってはもう昔の話」 世界は二つに分かれ戦争をしていました。 始まりは歴史の必然なのか一人の男の狂気か、今でも議論されるその戦争中に、一つの部隊が出来上がりました。 歴史的に見れば新興国である国の女兵士によって集められたその部隊は、その戦争を終わらすのに多大な貢献をしました。 「人生最高の十分間にしよう」 そのお陰もあり、世界を二つに分けた戦争は終わり、また世界二つに分けた戦争が始まりました。 ただし、前の戦争とは全く違いました 戦車が兵士を蹂躙するわけではない 軍人が列を為して突撃するわけではない。 英雄が現れるわけでもない たった一つのボタンが世界を破滅... -
偽伝シャルロット-01b
前ページ偽伝シャルロット 呆然と、左手の突き立ったナイフを見つめるジョゼフの前で、 シャルロットの肘先から鋼鉄の爪がガギャンと展開し、その中央に、鈍い輝きを放つ銃口が現れる。 「義手…… か?」 「ウワァアアァァァァ――ッ!!」 義手に意識を取られた一瞬が命取りとなった。 少女の絶叫と共に浴びせられた、ありったけの銃弾が、ジョゼフの右腕を、左足を、脇腹をえぐって吹き飛ばし、 勢いのままに、その身を欄干へと叩きつけた。 ・ ・ ・ 「これで、全てが終わった……」 大きく肩で息を付きながら、シャルロットがゆっくりと無能王へ近づく。 「いいや……、 はじまりだよ、シャルロット……」 「!?」 シャルロットが思わず目を見張る。 片腕片足を失い、臓器に深いダメージを負いながら、ジョゼフはなおも絶え... -
ウルトラマンゼロの使い魔-014
前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔 ウルトラマンゼロの使い魔 第十四話「ひきょうもの!シエスタは泣いた(前編)」 冷凍怪人ブラック星人 登場 トリステイン王女アンリエッタから、帝政ゲルマニアとの同盟に破局をもたらす手紙を アルビオンのウェールズ皇太子より回収する任務を受けて旅立ったルイズと才人たち。 しかし護衛につけられたグリフォン隊隊長ワルドは、『レコン・キスタ』の回し者だった。 ウェールズの命を狙うワルドは才人が一度は阻止したのだったが、宇宙人連合の横槍により、 結局ウェールズの命はワルドに奪われてしまった。そのため、任務は達成したが、 ルイズと才人の心には重い雲がのしかかった……。 「……よっと。これでいいか?」 『ああ、ありがとな。これでミラーナイトといつでも話が出来る』 旅を終えて魔... -
三重の異界の使い魔たち-07a
前ページ次ページ三重の異界の使い魔たち ~Extra Episode 流れゆく伝説~ ムジュラの仮面は、完全に追い詰められていた。 紅蓮の炎も、高速の疾走も、連続の魔力弾も、眼前の少年剣士には通じない。どんな攻撃を 仕掛けようとも、この剣士はあっさりと活路を見出し、逆にこちらへダメージを与えていくのだ。 歯が立たない。 現状を表すべきその言葉に、ムジュラの仮面は内心唖然とする。たかだか12か13を数えた ばかりだろう少年に圧倒されている事実に、屈辱よりも驚きが優っていた。それでも、相手の 強さへの恐れはない。そもそも、魔物、魔族は極端に恐怖心が薄い。相手が自分より強いと しても、迷うことなく襲いかかるのがモンスターという存在だ。 だから、今心にあるのは、恐れや怯えではない。 宙を飛んで間合いをとり、ムジュラの仮面は鞭を剣士へと... -
虚無と十七属性-01
前ページ次ページ虚無と十七属性 ここはどこだ。周りの人だかりは何だ。そして目の前で、棒を持ち、マントを着たピンクの女は誰だ。 14歳くらいに見えるピンクの少女は、仰向けに倒れている俺を、まるで牛乳を拭いた雑巾を見るような目で見て、 「アンタ誰?」と訊いてきた。 虚無と十七属性 第一節「魔王」 第一話 髪を揺らし、草木を波打たせる風の穏やかな音は、桃色の髪の毛を靡かせる今の少女の対義にあたる存在のようだった。 少女、ルイズ・フランソワーズ・ル・フラン・ド・ラ・ヴァリエールは不機嫌だった。 彼女はヴァリエール公爵家の三女として生まれたにも関わらず、今まで魔法一つ成功できた事が一度もない。二年に進級 する為に絶対不可欠の存在である、使い魔召喚の儀式だけはなんとしても成功させなければならなかったが、幾度も失敗を繰り返した。 そして、今... -
ゼロのエンジェル-01
前ページ次ページゼロのエンジェル トリステイン魔法学院、春の召喚儀式。 その日、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは本当の恐怖というものを味わった。 「やったわ! ついに……!?」 何度やっても成功しなかった魔法。 いくら頑張っても爆発しかしなかった魔法。 それがついに成功の目を見た。 本来ならば喜ぶべきところである。 否、最初は喜んだ。 確かな手ごたえと共に生まれた爆音と煙幕の中に一つの影を見た。 その時のルイズの歓喜はいかほどのものだったのか、それを観察していたキュルケにはよくわかっていた。 煙の中の影が微かに蠢く。 動くということはそれは生物。 つまり、コントラクト・サーヴァントによって呼び出された何かが。 自分の使い魔になるべき何かがそこにいる。 そう確信したルイズは目を皿のよう... -
三重の異界の使い魔たち-01a
前ページ次ページ三重の異界の使い魔たち ~第1話 交わった異界~ ムジュラの仮面――時の閉ざされた世界を生き続けた魔物の甲羅から 彫られたその仮面には、この名が与えられている。 ある民族による呪いの儀式で使われていた、血塗られた歴史の魔の道具。 それを被りし物は邪悪で凄まじい力を手にし、世に災いをもたらすという 古の呪物。人間の伝説では、そのように語られていた。 しかし、それは事実とは異なっている。確かに、その仮面は被った相手に 強大な力を約束してきた。しかし、邪悪な災いを呼び寄せるのは、あくまで 仮面の、ムジュラの仮面の意思によってだ。 そう、ムジュラの仮面は自我を、生命を持つ仮面だった。幾星霜の時を 経て呪いの念と魔性の祈りを浴び続けてきたためか、元々材料となった 魔の甲羅の力がそうさせたのか、ムジュラの仮面は強力な魔... -
ゼロの使い魔「魂を紡ぐ者」-01
前ページゼロの使い魔「魂を紡ぐ者」 『ホワイトスター(ネビーイーム)内部』 そこでは蒼と紅の巨人がぶつかり合っていた。 周りには巨人の残骸が転がっている。そして彼らの奥では轟音が響き渡り続けている。 蒼の巨人はすでにボロボロになっていた。 元は文字通りの蒼だったろうが今では黒こげになっている部分は吹き飛ばされている部分がある。 蒼の巨人に搭載されいてる自己回復が追い付いていない証拠だった。 だが、紅の巨人はそれの好機を狙わない、いや…「狙えない」。 紅の巨人もボロボロだった、特徴的である右腕のバンカーも残弾は一発限り、左腕の「五連チェーンガン」にいたっては一発も残っていない。 紅の巨人に残された攻撃手段は最早「リボルビング・バンカー」と「プラズマ・ホーン」しかなかった。味方は「インスペクター」と戦っているため増援は期待できないもっとも…増援などとい... -
自由人ZERO-01
前ページ自由人ZERO 第一話 焦っていた、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは焦っていた それもそのはず、今回の召還の儀式はどこかおかしかった。 召還の儀式は次の学年に進むための試験であり召還した『使い魔』で今後の専門課程を決めるためのものだ 普通は梟や土竜、サラマンダーなどの野生生物などが召還されるはずであった。 もちろん大多数の生徒はそういった物を召還していたのだが… しかし…今回は一部の生徒…そう五人程が問題だった。 ~ギーシュの場合~ 「鳥?」 「鳥だ…」 「鳥だよな?」 「でも…あんな鳥は見たこと無いぞ?」 「なんかあの鳥キョロキョロしてないか?」 なんだか他の生徒が騒いでいるが気にしないでおこう、本当はモグラとかがよかったんだけどなぁ… しっかし…なんとなくだけども…モテそうに無い鳥だなぁ… そんな... -
ゼロの夢幻竜-01
前ページ次ページゼロの夢幻竜 「大丈夫。次こそきっと上手くいく。」 今トリステイン魔法学校では、今年の春に晴れて二年生になった者達の「使い魔召喚の儀」が行われている。 午後から一人ずつ執り行われている非常に重要なその儀式は遂に残すところあと一人の女生徒だけとなった。 しかし彼女がそれに取り掛かってからすっかり15分近くかかろうとしていた。 他の者なら1分とかからないこの儀式に何故そこまで時間がかかっているのか? 理由は簡単。その女生徒ことルイズが悉く召喚を失敗させるからである。 彼女が呪文を唱えて杖を振ると、儀式を終えた者達から叫び声と野次がとぶほどの爆発が起きる。 ついでにその者達に召喚された使い魔達も爆発の度に大騒ぎする。 教師も今しがた、今日はやめにして明日また改めて行ったらどうか、といってくる始末だ。 その提案をルイズはもう一... -
ゼロの魔人-01
ゼロの魔人――1話 少女は、爆風に乱れ、焦げてしまった、 桃色の艶やかなブロンドを気に留めるでもなく。 振り下ろした杖が消し炭と化し、 爆裂四散した事に気を病むでもなく。 爆発の衝撃で煤に塗れ、割れてしまった綺麗な爪の痛み、 ボロボロの衣服に気が立つでもなく。 まして、幾人かの親しくも無い学友が、 先の爆発に巻き込まれ昏倒している事に気が差すでもなく。 唯、目前に広がる結果に嬉嬉と、不安をない交ぜした様な、 何とも形容しがたい感情に囚われ、戦慄いていた。 今日は、トリステイン魔法学院に於ける春の使い魔召喚の儀式その日であり、 今後の魔法使いとしての属性を固定。専門課程への移行。 更には、二年への進級試験も兼ねる重要な役割を担うものである。 例年通り執り行われたそれは、稀に見る優秀な成果を呈し。 一抹の心配事を内包するも、つつがなく儀... -
無惨の宴-01
前ページ次ページ無惨の宴 それは名を持たない。 大多数が無意識に忌避し、臆病者は回れ右で走り出し、攻撃的な人間であれば迫害を試 みる。誰も名付けようとはしない。それとの和合を考える一部の狂人でさえ、名を与えよ うとはしなかった。 決まった姿かたちを持たず、形容することさえ困難な対象に、誰が名をつけられようか。 それは貪りつくす。 死骸、腐肉、塵芥から、鋭く尖った無数の針、産業廃棄物、天を駆ける流星まで。 時には己が産み落とした卵でさえも、区別例外なく一呑みで喰らう。 それは際限なく増える。 穢れと汚濁、目を背けたくなるものを床にして卵を孵す。 産まれた子は、親と寸分違わぬおぞましくも忌まわしい姿でせせら笑う。全てを貪り、 それは多くなり、大きくなり、はばかる事を知らず世に蔓延る。 それ... -
プレデター・ハルケギニア-20
前ページ次ページプレデター・ハルケギニア 激しい雨が船体を叩いていた。 先程から立ち込めていた暗雲は遂に雨雲へと姿を変えたのだ。 甲板の上を四人の隊員たちが歩く。 それぞれ違う方向を注意深く見回しながら。 他の隊員たちも同様の人数で編成され船内や貨物室を見回っている。 「いつでも動けるように準備をしておきなさい」 「はい……」 エレオノールが厳しい表情でテファに言い放つ。 彼女と村の子供たち、そしてルイズとエレオノールは亜人の武器が置いてある部屋で待機していた。 周りには彼女らの他に数人の隊員の姿が見える。 テファニアのすぐ隣に立つルイズは彼女の足が小さく震えていることに気づいていた。 彼女は血の滲むような訓練を受けた魔法衛士ではないのだ。不思議な力が使えるということ意外は 10代後半の少女に過ぎない。 「テファ... -
ゼロ大師-01
前ページ次ページゼロ大師 ―――神界。 ぐおんぐおんと歪むワープゾーンの中に存在する巨大な島。 島と言うよりも山が丸ごと浮いているような外観である。 中心にそびえ立つ巨大な山が月の端にかかり、真円の月が黒くかけている。 本物の月ではなく、ここを管理する元始天尊が暇にあかせて拵えたものである。 地球や、仙人界であるならば大気があるべきだろうが、ここは神界。 魂魄となった者達が住む場所である。 ワープゾーンの中に存在するそこの空間は、割と都合の良いように作ってあるらしい。 魂魄に老いは無い。 例え死んだときにどんな惨たらしい状態であっても、魂魄体は本来の姿となる。 基本的に朝も夜もないのだが、雰囲気付けの為に作成したのが今浮かんでいる月であった。 趙公明の船の球体部分と同じ作りであり、実際彼はこの中に住んでいる。 本人曰く、「こんなに目立つ場所は、こ... -
楽園のゼロ-01
視界の端でまた爆発。爆発爆発爆発。何度やっても爆発。正直もう疲れた。 嗚呼始祖ブリミル、私は一体後どれくらいサモン・サーヴァントの呪文を唱え続けねばならないのですか? 「疲れてるのはこっちだぞ、ゼロのルイズ!」 「そうだそうだ!いつまで失敗魔法に延々と付き合わされなくちゃならないんだ?」 ギャラリーが何か言ってるけど、無視ね無視。 …でも、やっぱりちょっと、ううん、だいぶ疲れた。 もうなんでもいいわー。とっとと何かお手軽に強いのが来てくれないかしらー。 「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。 我の運命に従いし使い魔を召喚せよ…お願いもうなんでもいいから早く来て…」 祈り?が届いたか、振った杖の先でようやく光の鏡が形成された。 人生で初めて魔法が成功したにも関わらず、疲れき... -
魔導書が使い魔外伝-01
前ページ次ページ魔導書が使い魔 「『エア・カッター』」 唱えた魔法は風の刃になり、後ろの大木を数本巻き込みながらソレを両断した。 上下を寸断されたソレは動きこそ鈍ったが、這いずりながらも進んでくる。 その様を見て少々顔が強張る。夜の暗闇で詳細が見えないのが唯一の救いか。 だが安堵しているヒマはない。 深き森の奥。遠くうめき声を伴って続々とソレは出てくる。 その中でも特に動きの速い集団が迫る。 それを見て、柔らかい腐葉土に杖を突き刺す。 詠唱は短い。 「『錬金』」 杖を引き抜くとすぐにその場から駆け出す。少しでも距離を稼ぐために。 だが“活きのいい”その集団はそれ以上の速さで追いすがり―― 先頭から転び始めた。 何度も不器用に立とうとして、また転ぶ。 ソレらは地面に広がる油にまみれていた。 息を切らせて走る。 途中途中『エア・カッター』で... -
Brave Heart-01
前ページ次ページBrave Heart 『アルビオン軍がトリステイン軍に宣戦布告した』 『敵の竜騎兵によりタルブ村が焼かれている』 ルイズとその使い魔は、たった今自分達が盗み聞きした事実に愕然とした。 使い魔である彼は、主であるルイズの制止も聞かず走り出した。 タルブには、シエスタがいる。彼が守りたいものがいる。 そう思うと動かずには居られなかった。 「アレに乗ればタルブまですぐに……って、しまったぁ! ガソリンが無いんだっけ! そうだ、コルベール先生に!」 広場へ向かっていた足を止めると、コルベールの研究室へと方向転換する 「ん……どうしたのかね、こんな朝早くに」 「コルベール先生! ガソリンは出来てますか!」 寝ぼけ眼のコルベールへ向けて彼はまくし立てる。 「すまない。まだ、君がいった分量はできていないんだ」 「今はあるだけでいい! それ... -
ウルトラ5番目の使い魔-07
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 第7話 降り立つ光の巨人 宇宙有翼怪獣アリゲラ 登場! 彼女は、夢を見ていた。 暖かいまどろみのなかで、子供のころからの思い出がひとつずつ浮かんでは消えていく。 人が昔を思い出すとき、その中にはよい思い出もあるが、大半は悲しい記憶だという。 幸せだった子供のころ、しかし突然全てを奪われて落とされた暗黒の淵。 それらをもたらした者達への怨嗟の念。しかし彼女の心を闇の一歩手前で引きとめた手、守ろうと決めた者。 裏の世界で悪と善の矛盾した思いで生きてきた日々。 そして現れた闇の化身の暗黒の世界への招待、死の直前にわずかに見えた光に手を伸ばしたとき、彼女の意識は光の中へと呼び起こされた。 「はっ……こ、ここは?」 「おお、ようやく目を覚ましたかね、ミス・ロングビル」 彼女、ミス・ロング... -
ゲヘナ・ゼロ-01
前ページゲヘナ・ゼロ 灼熱の砂が私を焼く。 照りつける光と、熱砂からの輻射熱が私を炙る。 周りは、見渡す限りの砂、砂、砂。 水分の代わりに砂を含んだ風が吹き、遠くには揺らめく蜃気楼。 沢山居た仲間も7割は魔物に食われ、生き残った者達とは離れ離れになってしまった。 逃走の過程で方角を見失い、城に帰る事も出来ない。 ふと、自らの体を見下ろす。 砂避けと、直射光を防ぐ為のマントはボロボロで、マントに隠れている服も砂だらけだ。 体は、擦り傷と打撲で悲鳴を上げ、口の中は、砂のジャリジャリした感触に混じって血の味がする。 それでも、私は歩みを止めない。 空は燈色に染まり、夕刻を告げている。 しかし、西の空に見えるはずの太陽は、何処にも見当たらず、空の色は濃淡の差が殆ど見受けられない。 それもその筈、見えているあの空は、真実空ではなく... -
虚無なりし者 -01
前ページ虚無なりし者 「虚無なりし者」 静寂が包む暗闇の中、良く手入れされた桃色の髪を持つ小柄な少女は一人佇んでいた。 自分が今何処にいるかも分からない少女…ルイズは、辺りを見回して暗闇の中光る地面の正体に気づいた。 見たことも無い花だった。薄紫色の細い花弁を開き、一切の葉を持たないソレは大地を埋め尽くしている。 音の聞こえない世界で咲き乱れる花々は美しさの反面、ルイズに一種の恐怖をもたらしていた。 (…何処? 此処は……) 不安の色を顔に浮かばせていたルイズは、ふと視線を感じて正面を向いた。 少し離れた場所に、一人の少し風変わりな青年が立っていた。 黒い服を身に纏ったその青年は、感情を示さない眼でルイズを見つめている。 (…誰…?) ルイズはその視線に妙な既視感を覚えた。 私は彼を知っている。 でも…何故? ... -
ゼロの魔王伝-01
前ページ次ページゼロの魔王伝 ゼロの魔王伝1 煌々と灯された魔法の明かりがゆらゆらと揺れる夜だった。 深い紫の色合いを混ぜた闇の天蓋には、白い星の光が幾万も輝き夜に生きる者達の影を地に投げかけていた。 蒼と赤とに輝く双月の美しい静夜。 ある者は思った。こんな夜はなにかいい事があるに違いない。 またある者は思った。こんな夜はなにか良くない事が起きるに違いない。 月の美しさが夜に潜む魔性を目覚めさせるのか。人の心を揺さぶり、奥底に眠る狂気の肩を揺するのか。月達は己らの美しさを誇るばかりで答える事はない。 固く閉ざした寝室の扉越しに、地を駆ける野の獣の遠吠えが風に乗って聞こえるような、そんな夜であった。 ハルケギニアと呼ばれる大陸の、ガリアと呼ばれる王国の宮殿。草葉の陰に隠れた虫たちの鳴き声も、風に揺れて楚々と奏でられ... -
お絵描き掲示板/お絵かき掲示板ログ/150
人は誰しも、恋と革命のために生きているのだと思います。 -- 名無さんし (2009-02-01 05 06 24) スゲーGJ -- 名無しさん (2009-02-01 07 05 59) これはいいものだ -- 名無しさん (2009-02-01 12 18 41) かぁっこいいっ! -- 名無しT‐72狂徒 (2009-02-01 13 06 25) ハルヒさんと佐々木さんでこんな話やるのは珍しかったな -- 名無しさん (2009-02-01 18 05 07) うおおおおおおおおお! かっけえええええええええ!! -- 名無しさん (2009-02-01 18 08 28) 間違えたハルヒさんと佐々木さんでやるような話を長門さんで、だ -- 名無しさん (2009-02-01 18 15 05) BGMにずっと『雪、無音、窓辺にて。』をか... -
天才と虚無-01
前ページ次ページ天才と虚無 鉄格子の合間から乾いた風と細かい砂塵が舞い込む。 石壁に三方を囲まれた部屋。 廊下に面した壁の代わりに、一面の鉄格子が嵌っていた。 そこは、牢獄だった。 青年は粗末な寝台の上に腰掛け、牢獄の壁に背中を預けていた。 青年が牢獄に閉じ込められて、いったいどれほどの時間が経過しただろうか。 窓から差し込む朝日と夜の訪れから日数を数えていたのだが、途中でやめてしまっていた。 それから既に幾度もの朝と夜が過ぎ去っていった。 青年が粗末な寝台の固さに身をよじると、青年の視界を何かが掠めた。 目を向けると、牢獄の壁に寄りかかるような形で、姿見程度の大きさの鏡があった。 それを見た青年は、頭の中に疑問符を浮かべる。五秒前まで、そんな鏡はそこには無かった。 何らかの咒式だろうか、と青年は思考する。 電磁光学系第二... -
ゼロの銃-01
前ページ次ページゼロの銃 『ゼロの銃 第一話』 世界でもっとも強い武器って何? 剣?斧?槍? ――銃? 魔法や超能力なんてのも、あるのだしたら強いだろうね。 でももっと強い武器を私達は持っているの。 それはとても揺るぎやすくて、不完全なものだけど。――ねぇ 水ほど馴染みやすく、恐ろしいものは無いんだよ。 太古の昔、人間は自分で魔力を発動させる力を持っていたという。 しかし人間は、持てる魔力を己が欲のために利用し世界は混沌の魔に包まれた。 嘆き怒った神々は、人間から魔法を発動する力を奪ってしまった。 ところが人間は知恵を働かせ、魔力を弾丸に混めて銃器で発動することを思いついた。 人は神にも屈しない力を振りかざし、次第に神は忘れられていった。 世界が、魔から解き放たれるまで――910年 物語は、915年後のある目つき... -
深淵 零-01
前ページ深淵 零 01 白の黒剣 血が一滴、したたった。 無明の闇から、 今、何かが誕生し、 世界に波紋をもたらしていく。 (…何だ、これは……) メジナに程近い遺跡の奥で、一人の男が当惑していた。 男は黒く長い髪に白い肌、白い法衣を着ている。 背はかなり高く、やや薄い唇が酷薄そうな印象を与えている。 白い肌は北原から中原にかけて広がるサイン人によく見られる特徴だが、 黒く長い髪は金髪碧眼の多いサイン人としては珍しい。 何よりも目立つのは、顔の上半分を覆う白い仮面である。 一体如何なる仕掛けがあるのか、瞳の色すらも判別できない。 胸には支配と創造を司るとされる黒剣座の魔道師の証である、黒き剣の紋章が輝いていた。 男の名はレディアス=イル=ウォータン。 かつてはグラム山の魔道師学院で修行を積んだ魔道師であったが、道を踏み外した... -
風の行く先-01
絶望を視覚的に表現できるとするならば、”それ”は正しく相応しい。 巨大な銀色の体躯は、それだけで見るものに畏怖の感情を呼び起こす。周囲を取り囲む二百近い板状のものから吐き出される赤々とした光線は死角なく降り注ぎ、本体下部から生えた柱上の砲台からは緑色をした光弾が全てを蒸発させる。 現代兵器ではその装甲の一枚も貫く事も出来ず、吐き出す光線の一条も防ぐ事が叶わない。最強の矛と盾をもった存在、それは正しく絶望である。 人類全ての敵、明確で強大な悪、それは憎しみと恐れを持って星船と呼ばれた。 ささくれ立ち、瓦礫で埋め尽くされた道を狙撃銃を片手に男が走る。 疎開がなされた町はゴーストタウンとなっていた。避難する途中に落とされたのか、ビニール製の人形が道路にぽつんと横になっている様が物悲しい。 乗り捨てられた自動車が引っくり返って腹を見せ、建物という建物... - @wiki全体から「風が揺らす翼と冠-01」で調べる