あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ内検索 / 「風林火山-10」で検索した結果
-
風林火山
... 風林火山-09 風林火山-10 風林火山-11 -
風林火山-10
前ページ次ページ風林火山 ―――――朝もやの中、勘助達は馬へと乗った。 秘密裏に、学院を出発しようというのだ。 ―――ザッ 後ろから、近づいてくる足音があった。 「誰だ?」 警戒しながら勘助が、問う。 もしかしたら、アンリエッタの話が漏れてしまったのかもしれない。 ギーシュが見つからなかったくらいなのだから、あり得ない話では無い。 「僕は敵では無い。トリステイン一国がかかっているんだ。やはり、君たちだけで行かせるわけにはいかないだろう。とは言っても、隠密行動だ。一部隊つけるわけにもいかなくてね。僕が指名されたのさ」 若い、男の声だった。 見れば、長身の、羽帽子をかぶった貴族である。 「女王陛下直属の部隊、グリフォン隊隊長、ワルド子爵だ」 ワルドは、帽子を取ると一礼した。 「ワルドさま・・・」 ... -
風林火山-11
前ページ風林火山 ―――――その光景に、勘助は目を丸くした。 「これが、『桟橋』・・・『空船』か」 ギーシュが必死にフーケと戦っている頃、勘助達は桟橋へとたどり着いた。 (話には聞いたのだが・・・やはり、己の目で見れば、違う) 改めて、この国の技術に驚かされる。 「時間が無い。急ごう」 ワルドが、驚いている勘助に声をかけた。 3人は、薄汚れた階段を昇りはじめた。 ―――ザッ 背後で、靴が地面と擦れる音がした。 「―――!?」 勘助とワルドが反応し、振り向いた。 そこには、フーケと共にいた、黒マントが立っていた。 「姫様っ!」 「ルイズッ!」 勘助とワルドが、黒マントの男とルイズの間に割って入る。 勘助は、デルフリンガーを。 ワルドは、杖を抜き、構えた。 黒マントは、呪文... -
風林火山-02
前ページ次ページ風林火山 「戻る?無理よそんなこと!できるわけないでしょ!おとなしく私の使い魔となりなさい!」 その言葉に、勘助は驚愕した。 「小娘!今何と申した!戻ることが、無理と申したか!」 「当たり前でしょ!元の場所へ返す魔法なんて聞いたことないわよ!」 「なんと・・・では、元の場所へ戻る手段は無いと、いうことか」 「だから最初から無理っていってるでしょ!そんなことはどうでもいいわ!私の使い魔になることを認めなさい!」 「認めぬ」 「認めなさい!」 「認めぬ」 「こ、これだけ言っても分からない何て・・・いいわ。それならこっちにも考えがあるわよ・・・決闘よ!その体に、ご主人さまというものをしっかりと教え込んであげるわ!」 「なっ!み、ミス・ヴァリエール!決闘は御法度ですぞ!... -
風林火山-01
前ページ次ページ風林火山 「勝った・・・」 その視線の先には、真田の御旗。 「勝った・・・!」 その眼に映るのは、武田の勝利。 「御屋形様・・・」 その頭の中に浮かぶのは、信玄の姿。 「我らが・・・勝ちにござりまする!」 その心に満ちるのは、歓喜。 「勝鬨を、おあげなされ・・・!」 その後ろには、若い侍。 「武田が軍師山本勘助!その首、頂戴仕る!」 若い侍が刀を振り上げるや否や、勘助の体が光に包まれる。 侍が驚き、動きが止まった数瞬の後。 「・・・・・」 そこに、勘助の姿は消えていた。 ―――――トリステイン魔法学院にて、春の使い魔召喚の儀式がおこなわれている。 そこでは、小さな薄桃色の髪が特徴的な、少女が呪文を詠... -
風林火山-04
前ページ次ページ風林火山 ―――――1時間後。広場。 「お、怖気づかずにきたようだね、勘助・・・」 「当然だ」 どこから噂を聞きつけたのか、呆れるほど人が集まっていた。 さらに、決闘の仲介役までついている。 そして、野次馬達が期待している決闘が、今まさに始まろうとしていた。 この決闘の結果は、観客達の予想では、殆どギーシュの圧勝であった。 しかし、誰の目にも、どちらにこそ余裕があるのか、一目瞭然であった。 貴族であるギーシュに、明らかに余裕がない。 いくら相手が軍人とはいえ、自分はメイジである。 彼らの頭の中にある、どんな達人の平民であろうとも、決して貴族には勝てない。 そんな常識が、この状況に崩れかかっていた。 だが、しかしこのギーシュにも先ほどよりは、余裕が見て取れる。 (やはり、魔法を使えるとい... -
風林火山-08
前ページ次ページ風林火山 ―――――ふと、誰かが自分を呼んでいるような気がした。 「・・・助」 誰だろうか。 「勘助」 自分を呼ぶ、この声の主は。 「勘助!」 「ハッ!ひ、姫様!」 白く染まる視界の中、そこに、姫・・・諏訪の館で死んだはずの、姫様がいた。 「勘助。何をしているのですか」 「は、某は・・・」 「こんなところで、何をしているのか、と聞いているのです。勘助。貴方には、仕えるべき姫がいるではありませんか」 何を言っているのだろうか。 自分が仕える者は、この世に姫様と御屋形様のみだ。 「使えるべき、姫、ですか・・・?」 「何を呆けた顔をしているのです。ルイズは、貴方を待っていますよ」 その言葉に、勘助の顔が驚きに染まった。 「ひ、姫様!しかし、某は姫... -
風林火山-03
前ページ次ページ風林火山 ―――――なんと驚くべきことか、と勘助は思った。 あれから丸一日、勘助は眠っていたのだという。 そして、目覚めた勘助は勘助は何よりも先に、これから暮らすであろうこの地について、そして自分の身について尋ねた。 そこで、勘助は自分の処遇・この社会での地位などを理解した。 (魔法の存在もさることながら、やはり海外ともなると随分と異なる) 魔法の存在が産業のほぼ全てを支えていることにも驚きを隠せない。 油なぞ、最低レベルの魔法で作れることから、ずいぶんと価値が低く見られているらしいし、紙も大量に出回り、図書館と呼ばれる、大量の本を集める場所もあるという。 さらに、蝮が行っていた、型破りの楽市楽座をどこの市場でも当然のように行っている。 そして何より、ガリアと呼ばれる国の存在。 人口1500万の国であるとい... -
風林火山-09
前ページ次ページ風林火山 ―――――ガラッ、と教室のドアが開かれた。 「では、授業を始める。」 長い黒髪に、漆黒のマントをまとった、若い男性教師が入ってきた。 以前、ミス・ロングビルを捕らえた教師だ。 「知っての通り、私の二つ名は『疾風』。疾風のギトーだ」 教室中が静まっている。 その様子を、満足げに眺めて、言った。 「最強の系統を知っているかね?ミス・ツェルプストー」 「『火』に決まっていますわ。ミスタ・ギトー」 キュルケは、問いに不敵に答えた。 だが、ギトーはそれを一笑する。 「残念だがそうではない。試しに、この私に、君の得意な、火の魔法をぶつけてきたまえ」 キュルケの顔から、いつもの笑みが消えた。 目がスッと、細まり、そして、呪文が唱えられる。 杖の先には、巨大な火の玉が現れた。 そして... -
風林火山-05
前ページ次ページ風林火山 ―――――決闘からしばらくしたある日の廊下、腹這いに寝そべっているサラマンダーの姿があった。 勘助の姿を見つけると、ジッと見つめ、やがて立ち上がった。 ついてこい、とでもいうように、勘助を見ながら、ゆっくりと歩いている。 (この使い魔の主人は、キュルケだったはずだが・・・使い魔を通して呼んでいるのか?) 不思議に思いながらも、しかし、無視することはできない。 仕方なしについて行くと、サラマンダーは、キュルケの部屋の前で止まった。 「ここに、入れというのか」 コクリ、と頷くとサラマンダーはそのままどこかへ行ってしまった。 少しためらいながらも、ガチャリ、とドアを開けて入った。 入ると、部屋は真っ暗だった。 窓から入る月光だけが、唯一の光であった。 「扉を閉めて?」 奥か... -
風林火山-06
前ページ次ページ風林火山 ―――――それからしばらくしたある日。 ルイズの部屋にて、小さな騒動が巻き起こっていた。 勘助を間に挟み、ルイズとキュルケがにらみ合っている。 「どういう意味?ミス・ツェルプストー」 ルイズは腰に手を当て、小さな胸を張り、キッとキュルケをにらんでいる。 「だから、勘助が欲しがっていた剣を手に入れたから、そっちを使いなさい、っていってるの。ねぇ、勘助」 正直、勘助は剣自体はどちらでも構わなかった。 だが、キュルケがくれるという剣の価値は惜しい。 ルイズの元から離れ、諸国を見て回り、やがてどこかの国に仕官する。 そんなことすら、この剣を売ればできるだろう。 使い魔として召喚され、旅することすらできない状況であったが、これがあればそれができる。 そのことに、勘助の心は揺らいでいた。 ... -
風林火山-07
前ページ次ページ風林火山 ―――――ロングビルの駆る馬車に乗り、言葉通り4時間程でその場所へと到着した。 「あの小屋が、フーケの隠れ家ね?」 キュルケが、ロングビルに念を押す。 「はい。情報が間違っていなければ、ですが」 「結構」 草の陰に隠れながら、それぞれを見渡す。 「いつまでも隠れていちゃ、話にならないわね。誰かが、あそこに姿を確認しに行くべきね」 キュルケが、突然こちらを見る。 「そして、ここは高い能力を持つ私と、元軍人である、勘助!この二人で行くべきね!」 「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!なんでそうなるの!?」 その言葉に、ルイズが慌てたように言う。 「いや・・・私一人で行こう」 いうや、勘助はすぐにそこへと向かった。 全く警戒した様子を見せずに... -
長編(五十音順)-06
は行 作品タイトル 元ネタ 召喚されたキャラ 更新日時 ルイズと博士と時々ダディ BIOSHOCK ビッグダディと無線機 2009-10-11 13 54 41 (Sun) 絶望の街の魔王、降臨 BIOHAZARD3 LAST ESCAPE ジル・ヴァレンタイン 2009-09-18 12 03 39 (Fri) バイ 0 ハザード バイオハザード4 レオン・S・ケネディ 2007-08-08 20 08 02 (Wed) BIOHAZARD CODE Zero バイオハザード6 レオン・S・ケネディ 2016-03-05 01 42 10 (Sat) ZEROMEGA BIOMEGA(バイオメガ) 丁 五宇、ヒノト・タイラ他 2008-12-20 10 06 53 (Sat) 音速の使い魔 覇王大系リューナイト アデュー・ウォルサム 2008-02-13 16 30 10 (W... -
長編(話数順)-02
長編(ページ数順05~14P) ※総ページ数をカウント(例:第○話が前後編なら2ページ分、外伝や幕間も加算) 長編(話数順01~04P)へ 長編(話数順15P~)へ 10~14P 05~09P 10~14P 作品タイトル 元ネタ 召喚されたキャラ 更新日時 超魔王(?)使い魔 魔界戦記ディスガイア ラハール 2007-07-21 17 35 48 (Sat) ゼロの皇帝 ロマンシング サ・ガ2 最終皇帝 2009-10-03 22 10 54 (Sat) 0G 影技-シャドウスキル G・カイン・ファランクス 2009-10-03 21 26 29 (Sat) 使い魔の夢 仮面ライダー555 乾巧 2007-08-30 01 45 09 (Thu) 竜が堕ちゆく先は ドラッグ オン ドラグーン アンヘル 2007-08-29 23 27 27 (Wed) 使い魔の... -
一覧テスト02
長編(五十音順:’07/10以降更新) ※召喚される側の原作作品のあいうえお順となっております あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 や行 ら行 わ行 その他 あ行 作品タイトル 元ネタ 召喚されたキャラ 更新日時 サーヴァント・ARMS ARMS 高槻涼、神宮隼人、巴武士 2010-10-10 12 25 51 (Sun) ゼロのアルケミスト アクエリアン・エイジ クラリス・パラケルスス 2009-10-11 16 26 48 (Sun) 使い魔くん千年王国 悪魔くん 松下一郎 2009-10-11 16 33 42 (Sun) 零の謳姫 アルトネリコ2 世界に響く少女たちの創造詩 ジャクリ 2009-10-11 17 11 51 (Sun) 夜明けの使い魔 異界戦記カオスフレア 宇宙... -
長編(五十音順)-10
わ行 作品タイトル 元ネタ 召喚されたキャラ 更新日時 ゼロの使い魔様は根腐れしてやがる!! ワールドヒーローズ2(雑君保プ版) 根腐博士とその一行 2009-01-02 21 13 10 (Fri) 戴天神城アースガルズッ! ワイルドアームズ アースガルズ 2009-10-03 22 16 39 (Sat) 銀の左手 破壊の右手 WILD ARMS 2nd IGNITION アナスタシア 2010-11-07 00 22 29 (Sun) 約束は次元を超えて Wild Arms XF フィアース 2009-02-02 01 02 48 (Mon) ZERO 輝く季節から ONE 輝く季節へ 折原浩平 2007-10-08 17 46 41 (Mon) Mr.0の使い魔 ワンピース MR.0(クロコダイル) 2008-02-21 11 31 50 (Thu) エデンの林檎 ワンピ... -
長編(五十音順)
長編(五十音順) ※召喚される側の原作のあいうえお順となっています あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 や行 ら行 わ行 その他 あ行 作品タイトル 元ネタ 召喚されたキャラ 更新日時 ラスト・レイヴン×ゼロ ARMORED CORE LAST RAVEN ジナイーダ 2009-10-11 15 58 32 (Sun) [秩序]の守護者 ARMORED CORE MASTER OF ARENA ハスラー・ワン 2011-04-16 16 38 23 (Sat) サーヴァント・ARMS ARMS 高槻涼、神宮隼人、巴武士 2010-10-10 12 25 51 (Sun) 三つの『二つ名』 一つのゼロ ARMS クリフ、ヴォルフ、キュクロプス 2011-11-13 18 50 55 (Sun) ゼロの使い魔×相棒 ~トリステイン魔法学院特命係~ 相棒 ... -
長編(話数順)
長編(ページ数順) ※総ページ数をカウント(例:第○話が前後編なら2ページ分、外伝や幕間も加算) 長編(01~04P) / 長編(05~14P) / 長編(15P~) 長編(ページ数順15P~) ※総ページ数をカウント(例:第○話が前後編なら2ページ分、外伝や幕間も加算) 長編(話数順01~04P)へ 長編(話数順05~14P)へ 80P~ 60~79P 50~59P 40~49P 35~39P 30~34P 25~29P 20~24P 15~19P 80P~ 作品タイトル 元ネタ 召喚されたキャラ 更新日時 マジシャン ザ ルイズ Magic the Gathering(マジック・ザ・ギャザリング) ウルザ 2010-11-06 23 52 26 (Sat) ソーサリー・ゼロ ゲームブック「ソーサリー」 主人公「君」 2014-01... -
0G-10
「本当は偽物とかじゃないでしょうね?」 目の前で眠るGを見ながら、殿を務めると言ったあの時から… 簡単にわかるぐらいGの雰囲気が変わったと、ルイズには思える。 問答無用で、キュルケ達と一緒に風呂に入れた時も、Gの顔は穏やかになっていた。 召喚された時から、不機嫌な顔や獣のような目、興味が無いと周囲に解るような態度 それが、穏やかになったと思えたのだ… 何度か寝顔を見た事があるが、その寝顔はいつも不機嫌そうだった… だが、今のGの寝顔は違う。安らかで、穏やかな寝顔をしているのだ その顔を見ながら、あの後の事をルイズは思い返していた 「ルイズ!」 「…姫さま!」 魔法衛士隊やキュルケ達に見守られながらルイズとアンリエッタは抱き合った。 「件の手紙は、無事、この通りでございます」 ルイズ... -
小ネタ-10
わ行 作品タイトル 元ネタ 召喚されたキャラ 零と異界の英雄たち ワールドヒーローズ2 フウマ 盗賊退治の使い魔 WILD ARMS the Vth Vanguard レイドバスター 吾輩は使い魔である 我輩は猫である(夏目漱石) 猫 我が竜を見よ 我が竜を見よ 竜 ゴムと虚無 ONE PIECE モンキー・D・ルフィ ワルキューレの誓約 ワルキューレの降誕 ドゥンケル・イナー・ドゥンケルハイト ページ最上部へ -
虚無の闇-10
前ページ次ページ虚無の闇 トリスティン魔法学院の一室で、緑色の髪をした女性がひたすらに文句を並べ立てていた。 部屋には彼女以外の人影は無いが、決して頭がおかしいとか、行き遅れで狂ったとか、精神がかわいそうだとかではない。 彼女の話し相手は壁際に立てかけられているインテリジェンスソード、デルフリンガーだった。彼はかれこれ2時間は愚痴につき合わされている。 普段は取り繕われている有能な秘書としての仮面は完全に脱げ去り、思いつくありとあらゆる言葉を駆使して学院長の罵詈雑言を並べ立てていた。サイレントの魔法がなければ学院中に声が響き渡っているだろう。 「あの色ボケときたら! 何が白より黒が似合う、だい! 下着に気を使わないから男が出来ない、なんて言いやがって!」 「そんな事を言われても、俺は剣だから……」 「あたしゃあ、ま! だ! 23歳だよ! あ~~!... -
虚無界行-10
第7章 幕間劇 ギーシュ・ド・グラモンと南雲秋人との決闘は、その事実のみを鑑みれば、 南雲の戦闘放棄により終了という事になるだろう。 しかし少なくとも、その場に居て南雲秋人という男の力を、鬼気を、憎悪を、間近で感じ取った人間ならば。 南雲を嘲るような言葉を発する者など、1人たりとて居はしまい。 それはあまりにも凄絶であったがゆえに―――――心に突き刺さり、その体をも凍てつかせるほどの『恐怖』であったがゆえに。 ギーシュは決闘後、すぐさま医務室へと担ぎ込まれた。 全身至る所の骨をへし折られた、その凄惨きわまる有様に、治療担当のメイジは最初言葉を失ったが、長時間の治療の末、最終的には「元に戻る」と請け負った。 (だとしても、当分はベッドの上から動けない事には違いないが) それは、骨折の大半が非常に『綺麗に』折られていたというのが... -
デモゼロ-10
前ページ次ページデモゼロ 馬鹿力のルイズ フーケの隠れ家で悪魔の種を取り返した しかし、どうした事だろう 悪魔の種は、ルイズの手の上で消えてしまった ………否 ルイズの中に、吸収された そして、聞こえてきたのはロングビルの悲鳴、それと 獣のような、何者かよくわからぬ、雄叫び 「…ロングビル!?」 ただ事ではない、この悲鳴 …まさか、フーケが現れたのか!? ルイズたちは杖を構え…ルイズだけは、デルフリンガーを逆手に持って…小屋から飛び出した そこに広がるのは、目を疑うような状況 囲まれている この小屋が…見たこともないような化け物に、囲まれていた 人間を歪に肥大化させ、裂けた皮膚から筋肉繊維が露出しているような、醜い化け物 鋭い牙や爪をもったその姿は、... -
谷まゼロ-10
前ページ谷まゼロ 「ほっほっほ、なんとまあ、学院の皆が寝静まってるうちにそんなことがあったとはのう」 オスマン氏は、陽気な声でそう言った。 昨晩、盗賊土くれのフーケが宝物庫に侵入し、 一時、『破壊の杖』を奪われたことが、学院中に知れ渡っていたのだ。 そして、ルイズの使い魔である谷がフーケを撃退し、『破壊の杖』を取り戻した……ということになっている。 ルイズとキュルケ、そして谷は、学院長室に呼び出され、 昨晩起きたことを、学院長であるオスマン氏に報告したのだった。 「この学院に、盗みに入る輩がいたということも、大いに驚かされた事実ではある。 だが、それよりも増して、生徒たちが自身の力で、このトリステイン王国を騒がしてる盗賊を、 追い返してしまうとは……惜しくも逃げられてしまったのはあれだが、真に天晴れであると言えよう。 『破壊の杖』も無事だ... -
鷲と虚無-10
前ページ次ページ鷲と虚無 厨房の中では大勢の料理人やメイドが忙しげに料理を作っており、様々な食材の匂いがあたりに立ち込めていた。 その匂いに鼻腔をくすぐられた才人は、思わず唾を飲み込み、そして空腹が更に酷くなった。 とにかく何かを食べたい。だがいったい誰に話せばいいのかが解らない。才人は取りあえずプッロに聞いてみる事にした。 「これからどうします?適当な人をつかまえましょうか?」 「そうだな……あいつなんかはどうだ?」 そう言ってプッロはある男を指差した。 その男は恰幅の良い体に白い料理服を着込んでおり、大きな声で何やら周りの人間に指示を出していた。 「あいつが多分ここを仕切ってるんだろ。あいつに聞いたらいいんじゃないか?」 「同感だ。彼に聞いてみよう」 三人が近づくと、男は露骨に表情を不快な物に変えた。明らかに自分... -
虚無の王-10
前ページ次ページ虚無の王 大岡越前と聞いた時、何を思い出すだろう。 三方一両損と言うむきも居るかも知れない。 だが、何と言っても、全国共通誰にでも通じるのは、真実の母だ。 あいや、子供が痛がるを憐れみ、先に手を放す者こそ、真の母親―――― キュルケの火トカゲと大モグラは、一分近くに渡って空を苦しめた。 先に、口を放したのはモグラだった。 空は残ったフレイムの頭をぽかり、と打擲。昏倒させる事で、漸く事無きを得た。 「なんやっちゅうねん。一体」 競争相手が目を回して床に倒れると、モグラはまた、空を引っ張った。 何か用だろうか――――モグラが? 「いや、この場合は、こいつの御主人様か」 一体、誰だ? まあ、ええわ――――どうせ、宿無しの身。空は大モグラに着いて行く事にした。 ... -
ゼロと魔王-10
前ページ次ページゼロと魔王 ゼロと魔王 第10話 聖剣 フーケが聖剣を奪って逃げたのち、生徒は全員寮に帰されていた。 だが、ルイズ達は帰らず、今は学院の外にいた。 「ちょっとラハール!なんで寮に帰らずに学院から出てるのよ!!」 ちなみに、学院から出れた理由は、フーケが現れ、学院全体が混乱していたからである。 もっとも、最初はラハールだけが行こうとしていたのだが、それにルイズ。ギーシュ。それになぜかタバサやキュルケまで付いて来ている。 「エクスカリバーを取り戻すのだ」 「ハァ?何言ってんの?大体それは教師が取り戻s・・・」 ルイズがラハールを説き伏せようとしたのだが、すべてを言う前にラハールが遮った。 「出来るわけがなかろう」 「・・・え?」 ルイズとしても理解が追いつかなかった。 たし... -
ゼロのしもべ第2部-10
前へ / トップへ / 次へ ジャーン ジャーン ジャーン 大軍が動く。 様子見のために先発は1万。その背後を主力部隊4万が固めている。 先発部隊1万は傭兵を中心とした部隊である。万一、なんらかの罠があった場合にメイジへの被害を最小限に抑えたいためである。 もっとも、深読みする人間は「おそらく杖ではなく剣槍でメイジを仕留めるのだろう」と、王党派をとことん辱めるためにこの編成にした のだろうと思っているようだった。 先発隊の先に2000の兵が物見として出ている。万一城に急変あれば、フクロウがただちに飛んでくるようになっている。何事もなく ても、司令部との間に30分ごとに報告を送るように命じてあるのだ。 「いかにコウメイとやらが兵法に通じていようとも、この兵力差ではどうしようもあるまい。見張りに気づいたのか火薬をしかけ... -
ゼロの工作員-10
前ページ次ページゼロの工作員 トリステイン魔法学院の宝物庫にはコルベールのガラクタから 強力なマジックアイテムまで古今東西のあらゆる貴重品が納められている。 分厚い鉄扉の管理はスクウェアメイジたる学長のオールド・オスマンが管理し、 強力なメイジによる 固定化 がかけられ鉄壁の防御を誇る。 腰まで掛かるウェーブの入った長い緑の髪と、フレームなしの眼鏡を付けた 気の強そうな女性が目録の確認をしている。オスマンの秘書、ロングビルだ。 「さぁさ、皆様、教材を選んだら出てって下さいな」 先日ルイズの魔法で吹き飛ばされ、二度と彼女に魔法を唱えさせまいと誓った 『赤土』のシェヴルーズが「レビテーション」で硫黄を運び、 陰気で高慢な『疾風』ギトーが力を見せ付けているのか必要以上に高度な魔法、 偏在 で分身をつくり四人になって運ぶ。 ... -
ゼロな提督-10
前ページ次ページゼロな提督 ヤンは、絶体絶命の危機にあった。 アムリッツァ星域会戦(宇宙暦796年/帝国暦487年)では、倍以上の敵艦隊を前に撤退 戦を強いられた。同盟がバーミリオン星域会戦(宇宙暦799年/帝国暦490年)で帝国に破 れた後、同盟政府は国家延命のためにヤンを帝国への生贄とする謀殺を企てた(宇宙暦799 年/新帝国暦1年7月)。その他、ヤンはほとんどの戦いで、戦略的には敗北が決してた状 況での戦術的勝利を要求され続けた。 だが、いかなるときにも彼には味方がいた。彼の部下達は常に彼の身を案じ、命がけで 彼に付き従った。彼の上司達は、彼を守ろうとあらゆる政治的軍事的支援を惜しまなかっ た。彼等は上司部下という地位にはあったが、ヤンにとっては皆同じ、かけがえのない友 人達だ。 だが今、ヤンは孤立無援だ。 王女アンリ... -
侍の使い魔-10
銀時は考えていた。 何故こうなったのかと。 今銀時は本塔の屋上からロープに縛られ、空中にぶら下がっている。 街から帰ってきた後、部屋でくつろいでいたルイズ達だったが突然キュルケ達が 入ってきた。 何でも同じ武器屋で銀時が折った剣よりはランクが下がるがそれでもかなり立派な剣を 買ってきて銀時にあげるというのだ。 ちなみあの店主を色仕掛けでかなり値切らせた、あの店がつぶれるか店主が自殺するか とても心配だ。 もちろんそんなことは許さないルイズ。 デルフリンガーとキュルケの買ってきた剣どっちを選ぶか銀時に迫った。 銀時の結論。 「どっちもいらね~」 「おいおい相棒、そりゃあねえだろう」 元々『洞爺湖』だけで十分だったし、あのうるさいだけのマダケンも押し付けられたようなものだ。 キュルケの剣も外見は立派だが式典用... -
ゼロの花嫁-10 A
前ページ次ページゼロの花嫁 ゼロの花嫁10話「悪ガキ共が夢の跡」 一大事である。 伯爵位を持つ貴族が事もあろうに貴族の子弟に暴行を受け、その財産を奪われるのみならず平民の前で大恥をかかされたのだ。 教会の尖塔に縛り付けられていたモット伯は、街の衛士達に当り散らしながら救出された。 すぐさま城へと出頭し、事の次第を涙ながらに報告する。 実行犯の内、名前のわからなかったピンク髪の少女は、報告にある外見的特徴から、何とヴァリエール家の三女である可能性が高い。 調査を進めるにつれ解ったこれらの事実に衛士は自らの手に余ると判断、上司に報告をすると遂にはマザリーニ枢機卿まで出張ってくる程の騒ぎとなる。 押しも押されぬ大貴族の子弟である。 下手に騒ぎ立てては後でどんな目に遭わされるか。 そういった配慮の元、衛士達は動いていたのだが、被害者であるモット伯は持てる全て... -
ゼロの氷竜-10
前ページ次ページゼロの氷竜 ゼロの氷竜 十話 トリステイン魔法学院のとある場所に、四人の男女が集っていた。 困り顔で沈黙しているのは、薄い頭を持つ教師、コルベール。 微笑みながら少女の頭をなぜるのは、銀髪の女、ブラムド。 困ったような、照れたような表情で頭をなぜられているのは、金髪を縦に巻いた少女、モンモランシー。 憮然とした表情を浮かべ、ブラムドへ鋭い視線を投げかける少年、ギーシュ。 正確にいえば、その視線は彼の愛しいモンモランシーの頭をなぜる、ブラムドの右手へと注がれていた。 常であればその視線に気づいたであろうブラムドだったが、先刻生じた疑問に思考の大半を割かれ、右手は意識せずに動かしているだけでしかない。 ただ、ギーシュがそれを知る術はない。 彼にとっては目の前の事実だけが存在する。 つまり愛しいモンモランシーが、自分以外の誰かに触れられてい... -
ゼロと電流-10
前ページ次ページゼロと電流 「第十話」 ルイズはデルフリンガーを構える。 彼女の前に立ちはだかるのはギーシュ、キュルケ。 「まったく、ゼロの癖に調子に乗るからだよ」 「本当、目障りなんだから」 「何よ、なによなによ! あんたたち、集団で! 二人がかりなんて!」 「仕方ねえだろ? 嫌われ者なんだから。俺だって、お前さんになんか使われたくなんかねえよ」 手元からの声。デルフリンガーの言葉に、ルイズは剣を睨みつける。 「そう睨むなよ。俺だけじゃねえ。お前さんみたいな無能に使われるなんてまっぴら御免だとさ、ザボーガーも」 その言葉に周りを見渡すが、ザボーガーの姿はない。 いつの間にか、被っていたヘルメットもなくなっている。 「ここ」 キュルケの背後でマシンザボーガーに乗っているタバサ。 「何やってるの... -
ゼロの女帝-10
前ページ次ページゼロの女帝 「もうすぐラ・ロシェーヌね」 「思っていたより早く着いた」 「シルフィードもだけど、ワルド卿のグリフォンのおかげね。 あらどうされましたワルド卿?」 「い、いやちょっとね」 「まあまあワルドちゃんったら、まるで『初めてのデートの相手が待ち合わせに遅れてる』みたいよ」 「な、なにおおっしゃっているのかわかり・・・・・・」 「ワルドちゃんは男の子、しかもこの中で最年長なんだからどっしりと『俺に全て任せておけ』みたいに構えないと。 ましてルイズちゃんの前なんだから」 「どう考えてもワルド卿はヴァリエールにはもったいないわよねぇ」 などとヨタ話をしながら飛び行く二匹。 そして岩陰からそれを見送るのは、珍妙な格好をした一人の男。 トリステインでは見かけない衣装だ。 否、ハルケギニア全土を見てもこのような服を着た者... -
ゼロの使い-10
前ページ/ゼロの使い/次ページ 瓦礫一つ、動くもの一つ無い、ニューカッスル城跡地に三体の鉄像が立ち尽くしていた。 しばらくすると、鉄像が徐々に元の姿に戻っていった。 「驚きましたね。」 「ああ、まさかワルドが自爆するとは・・・」 「そうじゃなくて、あれほどの大爆発の中で生き残った事に驚いたんですよ。」 あの時、マホカンタでは間に合わぬと判断したメディルが鋼鉄変化呪文・アストロンを唱えたお陰だった。 後、0.1秒判断が遅ければマホカンタを使用しているメディルはともかく、他の二人は城の者と運命を共にしたであろう。 「あれは自爆ではない・・・恐らく何者かに爆破させられたのだろう。」 「では、ワルドの他に文と私の命を狙う刺客がいたと?」 「そう考えるのが妥当だろう。傭兵や山賊の一件と言い、奴一人で全てをやったとは思えぬ。」 「とにかく... -
使い魔の夢-10
『サモン・サーヴァント』で呼び出され、 『コントラクト・サーヴァント』によってルイズの使い魔となった乾巧の朝は早い。 水汲み場で洗面器に水を汲む。ルイズの顔を洗う為のものだ。 ルイズを朝起こすためにも日が昇ってすぐに水汲み場にダッシュし、駆け足で戻らなければならない。 東京にいた時は早起きなんて滅多にしなかったし、水汲みするなんて機会はまずなかった。 こんなシンドイ事、よく我慢して毎日続けているものだと自分でも思う。 こういったことを考えられるようになったのも 異世界に飛ばされたという環境に慣れて余裕が出来たからなんだろうか。 それにそうだな、この分だと今日は何事もなく終われそうだか…… その時、背後から突風が襲ってきた! 反応するも時既に遅く、大きく吹っ飛ぶ巧。 (こいつは……) 何度も喰らってきたのでもう覚え... -
ゼロの魔獣-10
前ページ次ページゼロの魔獣 「クッ! ヴァリエールは 一体何をやっているのよ!?」 キュルケが叫ぶ。 シルフィードの上からは、ルイズの間近に迫るゴーレムがハッキリ見えた。 「女は度胸よ! やって タバサ!!」 タバサは頷き、シルフィードを動かす。 風竜の翼が空を切り、一躍ゴーレムの眼前に迫る。 キュルケが敵の顔面に火球を浴びせる。 土人形相手では効果は望めないが、陽動には成功した。 煩わしそうに振るわれた左手をかいくぐり、シルフィードが自由落下する。 激突寸前で体勢を立て直し、そのまま地面スレスレを飛行する。 「ルイズッ!」 キュルケが両手を伸ばし、すれ違いざまにルイズを受け止め、一気に飛び去った。 「イヤアアァァァ!! マリアが! マリアがッ!?」 半狂乱で腕を振り払おうとするルイズを見て、ツェルプストー家の... -
使い魔の炎-10
前ページ使い魔の炎 ワルドとの決闘に敗れた日の夜、烈火は客室のベランダで物思いにふけっていた。 部屋には烈火ただひとり。 ギーシュやキュルケたちは下で酒を飲んでいる。 ベランダから、空に浮かぶふたつの大きな月を眺める。 …自分がいることは、ルイズにとっては迷惑なのかもしれない。 烈火はそう考え始めていた。 決闘のとき、ワルドに言われた言葉を反芻する。 君では、ルイズを守れない。 烈火は唇を噛みしめた。 それでも、烈火はルイズのそばにいたかった。 しかし、烈火の心はすでに決まっていた。 主君を守るのが忍者の役目。 役目が果たせない忍者など、必要ないのだ。 だから、自分はルイズを絶対に守る。彼女がこの大事な任務を果たすまでは。 そしてそのあとはー 「レッカ、こんなとこで何してんのよ?」 不意に声をかけられた... -
虚無と賢女-10
前ページ次ページ虚無と賢女 空を往く黒い船―――空賊船の船倉に、ルイズたち三人は捕らえられていた。ルイズは不安そうに、ワルドは興味深そうに周りに積まれた食料品や火薬樽、砲弾をキョロキョロと見回し、エレアノールは二人とは対照的に目を閉じて船倉の壁に背を預けて座り込んでいた。 落ち着き払ったその様子に、ワルドは興味を引かれたのかエレアノールへと近寄る―――もっとも、積まれた荷物によって大して広くないので数歩移動するだけのことだった。 「このようなとき大体の者は慌てふためくのだが……ミス・エレアノール、随分と落ち着いているね?」 エレアノールはうっすらと目を開けると、目の前にやや前かがみで立っているワルドへ顔を向ける。狭い船倉の中での会話のため、やや離れたところに座り込んでいるルイズにも聞こえており、その声に二人の方へと顔を向けていた。 「慌てたとこ... -
ゼロの花嫁-10 B
前ページ次ページゼロの花嫁 ワルドは貴族達の列の後方でルイズの入場を眺めていた。 これが、あのルイズなのか? 謁見は初めてであろう、にも関わらず惚れ惚れする程毅然としており、進む足取りも確かなものだ。 ワルドの記憶にあるルイズは、貴族の令嬢というよりはお嬢さまといったイメージだ。 あどけない様で一生懸命ワルドの気を引こうと、たどたどしい言葉を紡ぐもすぐに話題に困り、頬を桜色に染めて俯き沈黙する。 そんな小さな女の子であった。 それがどうだ、この堂々とした様は。 凛とした様子で背筋を伸ばし、力むでもなく、怯えるでもなく、誇らしげに歩を進める。 謁見の礼に乗っ取り、片膝を付いて王を待つ。 それは男性用の儀礼であり、常のワルドならばその失敗にすぐに気付けたであろうが、あまりにも自然すぎた為、それこそがルイズの為の儀礼であると錯覚してしまった。 小柄な体躯であり... -
ゼロの軌跡-10
前ページ次ページゼロの軌跡 第十話 蝕、繋がる世界 「ヴァリエール様、レンちゃん。ようこそ、タルブ村へ!」 「久しぶり、シエスタ。元気そうで嬉しいわ」 「紅茶とデザートが楽しみで飛んできたのよ」 「今日は村を挙げて歓迎しますから。覚悟しておいてくださいね」 タルブ村に着いたルイズとレンはシエスタの歓迎を受けた。 覚悟?と首を捻る二人だったが、それを問う間もなく腕を引かれ彼女の家へと押し込まれる。村人の歓声が、二人の後ろで閉じた扉をこじ開けんばかりに揺るがした。 「来たぞ、われら平民の救世主!」 「ミス・ヴァリエール!気高くも偉大な公爵令嬢!」 「ミス・レン!可愛らしくも異才の天才戦士!」 「新しい貴族。平民を守る女神の来訪だ!」 「村の人達に一体何て伝えたのよ、シエスタ」 「いえ、私のせいだけではないんですよ。だけ、では…... -
ゼロと聖石-10
前ページ次ページゼロと聖石 ワルド様が必死になって風石の代わりに魔力を使っている。 その姿を見つつ私はティータイムとしゃれ込んでいた。 シエスタは紅茶を淹れたあと、床で『メイソウ』とかいう精神統一法を行っている。 シエスタ曰く、『見えなかったものが見える』そうだ。 視野を切り替えるとかそういったものだろうか? そんな風に過ごしていると、船員が慌しく走り回る。 事情を聞くと、空賊が現れたみたい。 甲板に上がり、その姿を確認する。 黒塗りの船体、側舷についている二十数門の大砲。 ―――これは勝てないわ。アレだけの規模ならメイジ乗っていそうだし。 完全アルテマで吹き飛ばしていいが、それだと…最悪乗っ取られる。 やめよう、聖天使の力を引き出して正気でいられるか分からないし、まだ死にたくも無い。 その数分後、空賊たちが乗り込んできた... -
ゼロと波動-10
前ページ次ページゼロと波動 学院の入り口ではロングビルとシエスタが馬車の御者台に座って待機していた。 街を歩けば誰もが振り向くであろう理知的でグラマラスなメガネの美女と、 隣の美女に負けない豊かな胸の健康的な少女が並んで座っているのだから、ちょっとした絵画に見えないこともない。 そして幌付きの荷台にはルイズ、キュルケ、タバサが乗っており、ルイズとキュルケがぎゃあぎゃあと何かを言い合っている。 その中でタバサは我関せずといった風に革張りの装丁が施された分厚い本を読んでいた。 こちらも御者台の二人に負けない美少女ぞろい。 大人の女から年頃の娘、あと何年かで年頃になりそうな娘。 巨乳、平原。 美女に美少女。 正によりどりみどり。 金持ちの貴族でもこれだけ集めるのは至難の業だろう。 間違いなく極上のハーレムだった。 ここにいるのがギー... -
ゼロの社長-10
前ページ次ページゼロの社長 「待ってくれたまえ、海馬君。」 ギーシュとの決闘の後、廊下を歩いていた海馬を呼び止める声がした。 振り返るとそこにはコルベールが息を切らせながら追いかけてきていた。 「疲れているとは思うが、ちょっと学院長室まで来てもらえないだろうか。 オールド・オスマン…この学院の学院長が、君に話したいことがあると。」 「ふん。用があるなら自分で来い…といいたいところだが、俺にも貴様らに聞きたい事がある。いいだろう、案内しろ。」 「よく来てくれた。私がこの学院の学院長を務める、オスマンじゃ。 さっきの戦い、ここで見させてもらった。」 学院長室にはオスマンがいた。 ロングビルには席をはずすように言っておいたのだ。 オスマンがすっと杖を振るうと、さっきと同じようにヴェストリの広場の様子が映った。 ... -
蒼い使い魔-10
前ページ次ページ蒼い使い魔 「街に買い物に行くわよ」 「そうか、勝手にしろ」 決闘騒ぎから数日後、ルイズは休日である虚無の曜日であることを利用し 街へ買い物へ行こうとしていた。 バージルに対し主人らしいことをひとっつもしていないことを気がついたたルイズ、 ここはひとつバージルの気に入る物をプレゼントしご主人様としての株を上げる作戦に出ようとしたのだが… 「勝手にしろって!あんたも行くの!ついてきなさい!」 「なぜついていかねばならない、俺には関係ないだろう」 ご主人様らしい所を見せてやろうとしているのにこの男は…ッ! そう思いながら拳を握り締めルイズは続ける。 「あ、あんたに剣の一本でもなんでも買ってやろうって思ってるのよ!」 「必要ない、俺には閻魔刀がある、これ以上あっても邪魔なだけだ」 とりつく島もない、だがご主人様としての株が賭かって... -
鋼の使い魔-10
前ページ次ページ鋼の使い魔 フーケを捕らえることに成功したルイズ達。ロングビルこと土くれのフーケは縄で縛られ杖も取り上げられていた。 馬車に乗って学院への帰路を行く。なお、馬車の御者はなんとタバサが買って出ており、御者席では 華奢な腕で見事に馬を操るタバサを見ることが出来る。 ルイズは移動する馬車の上で包まれた布を剥ぎ取った『破壊の杖』をまじまじと見つめている。 「でもこれが本当に『破壊の杖』なの?大仰な名前の割にどう見ても普通の杖に見えるんだけど……」 ルイズの視線は馬車の荷台に手足を縛られて転がしてあるフーケに向かっている。フーケは身動きできないことが実に忌々しいらしく、 顔を背けながら答える。 「そうさ。わざわざやりたくもない秘書をやって何日も下調べをして盗み出したんだ。間違いないね」 そう、フーケが盗み出し、今ルイズ達の手で学院の元に戻されようと... -
ゼロニスター-10
前ページゼロニスター 「こ……、こいつ!? 化け物か!?」 「1つの人格に数多い肉体!! 切り換えはチャンネル方式!! 俺は多重体格者バリー!!」 そう言っている間にバリーの頭部は胴体に埋もれてしまい、言葉の続きは肩の上に新しく生えた頭部の口が述べていた。 「業務は暗殺者!! 仕事をしくじった事は1度も無いっ!! 必要とあれば誰でも殺す!! 確実に!! 就労時間内に!! このハルケギニア最強殺人鬼決定戦で優勝の座に就くのは……、『殺しのプロ』である、このバリーだ!!」 言い終える頃には、バリーの体は才人を上回る巨大なものに変化を遂げていた。 「ひ……、ひえ……!!」 思わずか細い悲鳴を上げたシエスタの隣では、女性スタッフも表情を引きつらせている。 「へ……、変身しやがったよ」 「しかも……、体が20倍くらいに膨らんでない、あいつ……?」 観客席で酒瓶... -
重攻の使い魔-10
前ページ次ページ重攻の使い魔 第10話『高貴なる空賊』 空賊に捕らえられ、ルイズたち一行は雑然と荷物が積まれた船倉へと押し込められていた。メイジである彼らは皆同様に杖を取り上げられ、手も足も出ない。扉には鍵が掛けられ、押しても引いてもびくとも動かなかった。マリーガラント号の船員達は自らの船を曳航させる作業を強要されているらしい。貴族と平民を隔離する目的もあるのだろう。ここには平民の姿は見えなかった。 皆が押し黙る中、海賊船にしては随分としっかりと造られた扉が軋みを上げながら開かれる。薄暗い船倉の中に海賊の一人であろう、小太りの男が入ってきた。男はルイズの前まで来ると、細い腕を無造作に掴んだ。 「おい、桃色頭のチビ。頭がてめぇをご指名だ。ついてこい」 「ま、待ってくれ。彼女は僕の婚約者なんだ。手荒なことはしないでくれ、頼む」 自らの婚約者であ... -
ゼロの夢幻竜-10
前ページ次ページゼロの夢幻竜 ヴェストリの広場が異様な騒ぎに包まれていた頃、学院長室ではコルベールが泡を飛ばしながらオスマン氏に事情を説明していた。 召喚の儀、風竜とは違った生き物、その生き物の左手に契約の証として浮き出たルーン、そしてその意味…… ルーンのスケッチを見ていたオスマンは厳粛な声でコルベールの話を纏める。 「調査の結果、始祖ブリミルの使い魔『ガンダールヴ』に行き着いたという訳じゃな?」 「その通りです!あの奇妙な大型の鳥とも竜とも言える生き物の左手に刻まれたルーンは、伝説の使い魔『ガンダールヴ』に刻まれていた物と全く同じであります!」 「で?君の結論は?」 「あの使い魔は『ガンダールヴ』です!これが大事じゃなくて何なんですか?!オールド・オスマン!」 コルベールは興奮した雰囲気で一気にまくし立てる。 しかしオスマンは流... - @wiki全体から「風林火山-10」で調べる